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73:召喚の儀式
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私の名前は木島ゆり、家族は父と母と…一応兄との4人、父は再婚らしく前の奥さんとの間に息子がいるので、その人は私の腹違いの兄と言う事になる。しかし、私が産まれた時には既に、成人間近で、物心つく頃には家を出ていたので、週末に父とお酒を飲む為に帰ってくるくらいだった、兄は高校生の時に、母親が亡くなるまでは母親と暮らしていたので母親の姓を名乗っていた、父に引き取られてからもお母さんの姓のままだったので、小学校の低学年の時まで私は、親戚のお兄さんだと思っていたくらいだ。私の母親と兄は微妙だったが、私は兄と喧嘩もするけど結構中が良かったと思う。父が結構な年だったのも有り、変わりに兄が夏休み等は、海やドライブ、買い物なんかに色々と、連れていって貰っていた。ころが半年前、兄が突然失踪した。アパートの部屋には何もなく、ただ家族宛の置き手紙だけが置いてあった、内容は、『冒険に出ますので心配しないでください。』だった。意味がわからない…父は、まぁアイツもいい歳だし、その内ひょっこり顔を出すだろうと、捜索はしなかった。私は納得がいかなかった。しかし、中学生の私には、出来る事などなく不満がたまり家や学校でも少し荒れていた。無性に誰かに八つ当たりしたり、今日も、些細なことでクラスメイトに言い掛かりを付けて酷い事をしてしまった。雑誌の仕事も辞めてしまった、一番応援してくれた兄が居なくなってしまったから…
そして、私は現在、女神様に別れを告げられて眩しい光に包まれた後、気が付くと其処は、どうやら何処かの部屋の中みたいだった。辺りは暗く、まだ目が慣れていないのと、明かりが足元に有る蝋燭の灯りが数本で弱々しく揺らめいているだけだ。辺りに居る黒いシルエットは、聞こえてくる話し声で、自分と同じ異世界に召喚された人達だと分かる。
「此処はどこだ、異世界なのか?」
「いきなり、魔物と戦闘とか無いだろうな…」
「マジかよ…此処は何処だ?」
「暗いな~誰か明かりになりそうな物は持ってないか?」
と、皆好き勝手騒ぎはじめだが、誰かが、「し~皆、周りに誰か居るぞ!!」と、口にすると、暫くして目がなれてきたのか、この部屋に、あの女神様の居た場所には居なかった者達が居ることに気が付き始めた、彼等は私達を取り囲む形で此方を見つめ、ずっと黙っている。そうしている間にも、蝋燭が短くなってしまったのか、蝋燭の火が一本、また一本と消えて少しづつ部屋が更に暗くなってしまった。他の皆も不安になったのか、次第に暗闇と自分達を見つめる謎の存在を警戒して静かになっていった。部屋の中央に召喚されたのは、私を含めて10人程居るように見えていたが、声やシルエットの大きさから考えて名前すら知らない人達ばかりだった。そして、私の一番近くに立っていた、サラリーマン風の男性が、遂に彼等に話し掛けた。
「オイッ!其処に誰かが居るのは分かっているんだ、あなた方が、俺達を召喚したのか?…に…日本語…言葉とか分かるか?それとも…」
すると、私達を取り囲んでいたであろう一人の男性が、一歩前に出て質問に答えてた。何故、彼が前に出たかが分かったかと言うと、声がする方を見ると、其処には、掌に光の玉を浮かべた、男性が立っているのがハッキリと見えたからだ。彼は、金髪をオールバックにし眼鏡をかけた男で、何と無く身なりの良さそうな服を着て、その上から灰色のローブを纏っていた、年はまだ20代くらいの若さに見える。光の玉は、次第に明るさを増し天井付近まで上昇し、何とか部屋全体を見渡せるようになると、彼の指示で私達を取り囲んでいた他の者達、皆女性の様だったが部屋にあったランプだと思われる道具に火を灯した。
「やっと静かになりましたね、巫女達は灯りを頼む。…さて…皆様どうか落ち着いて聞いてください。私共も不足の事態が発生したため少々混乱しております。出来る限りの質問には私がお答えしましょう。日本語…とは…よく分かりませんが、私には、皆様は我々の言葉を話しておられる様に聞こえておりますので…問題ない様ですね、ご質問の…召喚の儀式を行ったのは我々で間違い無いのてすが…残念な事に、儀式を指揮し完成させた、私の師である賢者サージ様は、この場におりません。実は…事故だったのか、或いは元から儀式の手順だったのかは分かりませんが、賢者様は儀式の光に包まれて、どうやら既にこの世に居られません。従って弟子であったこの私、アニス・バディアスがご説明させていただきます。アニスと呼んで下さって構いません、どうぞ宜しくお願いします皆様。」
「おいおい…自分の命までって、そんなことって有るのかよ…」
「申し訳ありません…その事に関しては、我々も信じられないと言った状況でして……と言うか、この儀式自体、今回初めて成功した次第でありまして…賢者様が居ない今となっては、原因がわからないので御座います。調べるにしても直ぐにと言う訳には参りませんので…」
「おい…マジかよ…」
「大丈夫なのかこれって…聞いてないぞ?」
「それって、召喚した本人が消えちゃったって事でしょ?」
彼の話を聞いて、何人かの人達がまた騒ぎ出した。私もその中の一人だったが、直ぐに静かになって、彼が話を続けた。
「あのぉ~取り合えずは、ご心配には及びません。あなた方の処遇に関しては、悪い様には致しませんので…」
「そうなのか?ん~其でアニスさん、此処は何処で!俺達は何の為に、此方に呼ばれたんだ?」
「そうだ!俺達は何故召喚されたんだ!それが聞きたいんだッ!」
アニスと名のった彼は、再び騒ぎ出した皆を静止して、答えた。
「皆様どうか落ち着いてください、現在あなた方がいるこの地は、ユグレシア帝国と言う国で、現在戦時下で御座います。私は、師より神の力を借り、強力な兵士を呼び出して、我等に助力を頼むつもりであったと聞き及んでおりました。あなた方の処遇を決める前に聞いておきたいのですが…あなた方は、神に選ばれし強力な力を持った方達で間違い無いのでしょうか?何分初めての召喚でしたので、誠に失礼ながら、先程から少し様子を伺わせていただいた限り…どうやらあなた方は兵士と言った者達とは、違うような…」
私は耳を疑った、彼等は召喚こそ成功させたものの、お目当ての人物を召喚しては居なかった、もしかしたら私達の中に、彼の言う『神に選ばれし者』が居るかもしれないが、少なくとも私は、兵士ではないし、強力な力も持ってい無い…巻き込まれた…此が彼等に知れたらどうなってしまうのだろう…私はどうなってしまうんだろうか?他の者達も、同じ考えなのか…それとも本当に居るのか?…しかし、私の期待も虚しく皆、彼の質問に即答できず萎縮してしまった様だ。そんな時だった、私達の集団のなかで、一人だけ気になる行動している人物が居た、彼は私の右斜め前に立っていたのだが、アニスさんが、話をしている間もずっと、何もない空間を人差し指を立てて、何かをなぞっている様な…字を書いているような、変な行動をしていたのだ。そして彼が、時折ニヤリとしているのを私は、何気無く見ていた。
そんな中、大人達は彼の質問にどう答えるか話始めたらしく、
「オイ、皆どうする?」
「アレじゃないか?女神様から貰ったやつ!」
「そうかって!俺は期限付のにしたぜ?」
「あっ私も」
「誰か?アイテム選んだ奴居るか?」
「オイオイ~皆アイテム貰ってないみたいだな…」
「オイ、其処の少年、さっきから何してんだ?君のギフトは何だ?」
「ぼ、僕も皆さんと同じです、其と…ゴニョゴニョ」
「そうか…思った通だな…じゃあ皆、俺に考えがあるから、ちょっと聞いてくれるか?」
始めに声お掛けた、男の人が私達を部屋の隅に集めて、アニスに「皆と相談するから待ってくれ」と、時間をもらって話し出した。
「俺の名はアキヒロと言います。まぁ…皆さん宜しくお願いします。其で俺からの話何だが…多分だが現在俺達には、この世界の一般的な人並みの力しか無いと俺は思っている、知識もないから、下手すれば一般人よりも低い、使えない可能性もある。」
「確かにそうだな…其だと下手にバラさない方がいいかもな」
「いゃ 俺はその逆だと思っている」
「どう言うことだ?使えないと分かったら、俺達はどうなるか分からないぞ、万が一…」
「あぁ…貴方の言いたい事も分かっている、しかしだ、どうやら俺達は皆、ある能力を持っている。ナオキ君、話してくれるかい?」
彼は、あの怪しい行動をしていた男子を引き寄せて、皆に紹介した。
「あ、アキヒロさん…いいんですか?…じゃあ仕方ないですね…僕はナオキと言います。高1です、いや、高1でした…宜しくお願いします!皆さん聞いてください、先程僕は自分のステータス能力を確認していました。最近のアニメとかゲームとか知ってる人は分かって頂けると思いますが、心の中でステータス表示と念じると、自分の現在の能力を確認できるみたいです。そして、僕は、自分のステータスに、成長速度up〔10日間〕と、言う表示を確認しました。」
「あっ!!本当に見れ…」
「し~ッ!お姉さん声が大きいです」
「ご免なさい、つい…でもスゴいです、皆さん!!あっ本当にあった、アレ?これな…」
「静かにっ!彼等に聞かれるだろ?皆さんも、すぐ確認したいと思いますが、時間が無いので今は、重要な事だけ話しますね、先程、ナオキ君が言っていた成長速度up は、期限付のギフトらしいので、表示に有るとおり10日たつと消えてしまう可能性が、ほぼ確実でしょう。其処で本題です、俺はこの事を彼等に話して、協力をしてもらったら良いのでは?と、考えています。」
「しかし、断られたら?」
「多分、大丈夫だと思います!彼等は、力を欲しています。少し手間が掛かるかもしれませんが俺達が、一般人よりも早く成長すれば、彼等の目的も達成出来るのですから。其に、黙っておいて、ダラダラと過ごしてしまうのは、結果ギフトを無断にして…将来的に考えても勿体無すぎます。有る意味俺達の唯一の望みですし…出来るだけ俺達は早く、『力』を手に入れるべきです。」
「確かに…よし、俺はその意見に賛成だ。」
「私もッ!」
「俺もいいぞ!!」
話し合いは、一応まとまり、一時的にアキヒロさんがリーダーとして、アニスさん達と交渉してくれる事になった。
「我々は、召喚前に有る方に出会い、成長速度UPのギフトを授かりました。この世界で急激に強くなることが可能なのです。其処で、貴殿方の力になる為にも、是非協力をお願いしたいのです。」
「皆さん巻き込まれただけ!!…そうでしたか…困りましたね…其でしたら、取り合えず皇帝陛下には、貴方達の存在は知らせない方が良いかもしれませんね…私の独断ですが…陛下は直ぐにでも強力な兵士を欲しています。其に、陛下からの信頼の厚い賢者様を失って手に入れたのが、今は一般的な人並みの能力しか持たないと知れたらどうなるか分かりません…困ったな…」
「そう…なのですか…その皇帝にバレたら俺達は…」
アニスは、少し考える素振りをした後、一瞬だけニタッと笑った後、直ぐ元の表情に戻り答えた、
「そうだッ!いい考えがあります。私は、これでも貴族の出身です。師が行った事とは言え、弟子である私が貴殿方を見捨てるのは、流石に申し訳が立ちません。出来る限りの事は致します。貴殿方が良ければですが…今回の儀式は、失敗した事にして、貴方達を一般的な配下として雇いましょう!!そして、皆さんがお力を手に入れたら、改めて皇帝に紹介しても良いと思います。どうですか?勿論、そのまま黙っていても構いません。此なら、万が一思ったより強くなれなかったとしても、その時は、別の道を考えれば良いし…どうでしょうか?」
「分かりました…一応、仲間達にも聞いてきますね。多分、皆賛成してくれると思います。」
私達は、アキヒロさんに伝えられた提案に賛成し、後日、装備を調えアニスさんの実家の有る領地に向かう事となった。皇帝さんは賢者さんが無くなられた事で、弟子のアニスさん一人だけ生き残った事で、何故、師を止めなかったのかと咎められそうになったが、巫女の方達が庇ってくれたそうで、実家での一年間の謹慎処分となった、謹慎処分と言っても、アニスさんは優秀であった為、実家での研究や修行等をする事は認められていて、賢者の次期後継者として、アニスさんは勉学に励む事となった。私達はアニスさんの護衛として雇われた冒険者として其に同行し、巫女の、方に紹介された、冒険者に戦い方を教わりながら、領地へと向かった。
最後まで読んで下さりありがとう御座います。次回も良かったら暇潰ししていってください、宜しくお願いします。
そして、私は現在、女神様に別れを告げられて眩しい光に包まれた後、気が付くと其処は、どうやら何処かの部屋の中みたいだった。辺りは暗く、まだ目が慣れていないのと、明かりが足元に有る蝋燭の灯りが数本で弱々しく揺らめいているだけだ。辺りに居る黒いシルエットは、聞こえてくる話し声で、自分と同じ異世界に召喚された人達だと分かる。
「此処はどこだ、異世界なのか?」
「いきなり、魔物と戦闘とか無いだろうな…」
「マジかよ…此処は何処だ?」
「暗いな~誰か明かりになりそうな物は持ってないか?」
と、皆好き勝手騒ぎはじめだが、誰かが、「し~皆、周りに誰か居るぞ!!」と、口にすると、暫くして目がなれてきたのか、この部屋に、あの女神様の居た場所には居なかった者達が居ることに気が付き始めた、彼等は私達を取り囲む形で此方を見つめ、ずっと黙っている。そうしている間にも、蝋燭が短くなってしまったのか、蝋燭の火が一本、また一本と消えて少しづつ部屋が更に暗くなってしまった。他の皆も不安になったのか、次第に暗闇と自分達を見つめる謎の存在を警戒して静かになっていった。部屋の中央に召喚されたのは、私を含めて10人程居るように見えていたが、声やシルエットの大きさから考えて名前すら知らない人達ばかりだった。そして、私の一番近くに立っていた、サラリーマン風の男性が、遂に彼等に話し掛けた。
「オイッ!其処に誰かが居るのは分かっているんだ、あなた方が、俺達を召喚したのか?…に…日本語…言葉とか分かるか?それとも…」
すると、私達を取り囲んでいたであろう一人の男性が、一歩前に出て質問に答えてた。何故、彼が前に出たかが分かったかと言うと、声がする方を見ると、其処には、掌に光の玉を浮かべた、男性が立っているのがハッキリと見えたからだ。彼は、金髪をオールバックにし眼鏡をかけた男で、何と無く身なりの良さそうな服を着て、その上から灰色のローブを纏っていた、年はまだ20代くらいの若さに見える。光の玉は、次第に明るさを増し天井付近まで上昇し、何とか部屋全体を見渡せるようになると、彼の指示で私達を取り囲んでいた他の者達、皆女性の様だったが部屋にあったランプだと思われる道具に火を灯した。
「やっと静かになりましたね、巫女達は灯りを頼む。…さて…皆様どうか落ち着いて聞いてください。私共も不足の事態が発生したため少々混乱しております。出来る限りの質問には私がお答えしましょう。日本語…とは…よく分かりませんが、私には、皆様は我々の言葉を話しておられる様に聞こえておりますので…問題ない様ですね、ご質問の…召喚の儀式を行ったのは我々で間違い無いのてすが…残念な事に、儀式を指揮し完成させた、私の師である賢者サージ様は、この場におりません。実は…事故だったのか、或いは元から儀式の手順だったのかは分かりませんが、賢者様は儀式の光に包まれて、どうやら既にこの世に居られません。従って弟子であったこの私、アニス・バディアスがご説明させていただきます。アニスと呼んで下さって構いません、どうぞ宜しくお願いします皆様。」
「おいおい…自分の命までって、そんなことって有るのかよ…」
「申し訳ありません…その事に関しては、我々も信じられないと言った状況でして……と言うか、この儀式自体、今回初めて成功した次第でありまして…賢者様が居ない今となっては、原因がわからないので御座います。調べるにしても直ぐにと言う訳には参りませんので…」
「おい…マジかよ…」
「大丈夫なのかこれって…聞いてないぞ?」
「それって、召喚した本人が消えちゃったって事でしょ?」
彼の話を聞いて、何人かの人達がまた騒ぎ出した。私もその中の一人だったが、直ぐに静かになって、彼が話を続けた。
「あのぉ~取り合えずは、ご心配には及びません。あなた方の処遇に関しては、悪い様には致しませんので…」
「そうなのか?ん~其でアニスさん、此処は何処で!俺達は何の為に、此方に呼ばれたんだ?」
「そうだ!俺達は何故召喚されたんだ!それが聞きたいんだッ!」
アニスと名のった彼は、再び騒ぎ出した皆を静止して、答えた。
「皆様どうか落ち着いてください、現在あなた方がいるこの地は、ユグレシア帝国と言う国で、現在戦時下で御座います。私は、師より神の力を借り、強力な兵士を呼び出して、我等に助力を頼むつもりであったと聞き及んでおりました。あなた方の処遇を決める前に聞いておきたいのですが…あなた方は、神に選ばれし強力な力を持った方達で間違い無いのでしょうか?何分初めての召喚でしたので、誠に失礼ながら、先程から少し様子を伺わせていただいた限り…どうやらあなた方は兵士と言った者達とは、違うような…」
私は耳を疑った、彼等は召喚こそ成功させたものの、お目当ての人物を召喚しては居なかった、もしかしたら私達の中に、彼の言う『神に選ばれし者』が居るかもしれないが、少なくとも私は、兵士ではないし、強力な力も持ってい無い…巻き込まれた…此が彼等に知れたらどうなってしまうのだろう…私はどうなってしまうんだろうか?他の者達も、同じ考えなのか…それとも本当に居るのか?…しかし、私の期待も虚しく皆、彼の質問に即答できず萎縮してしまった様だ。そんな時だった、私達の集団のなかで、一人だけ気になる行動している人物が居た、彼は私の右斜め前に立っていたのだが、アニスさんが、話をしている間もずっと、何もない空間を人差し指を立てて、何かをなぞっている様な…字を書いているような、変な行動をしていたのだ。そして彼が、時折ニヤリとしているのを私は、何気無く見ていた。
そんな中、大人達は彼の質問にどう答えるか話始めたらしく、
「オイ、皆どうする?」
「アレじゃないか?女神様から貰ったやつ!」
「そうかって!俺は期限付のにしたぜ?」
「あっ私も」
「誰か?アイテム選んだ奴居るか?」
「オイオイ~皆アイテム貰ってないみたいだな…」
「オイ、其処の少年、さっきから何してんだ?君のギフトは何だ?」
「ぼ、僕も皆さんと同じです、其と…ゴニョゴニョ」
「そうか…思った通だな…じゃあ皆、俺に考えがあるから、ちょっと聞いてくれるか?」
始めに声お掛けた、男の人が私達を部屋の隅に集めて、アニスに「皆と相談するから待ってくれ」と、時間をもらって話し出した。
「俺の名はアキヒロと言います。まぁ…皆さん宜しくお願いします。其で俺からの話何だが…多分だが現在俺達には、この世界の一般的な人並みの力しか無いと俺は思っている、知識もないから、下手すれば一般人よりも低い、使えない可能性もある。」
「確かにそうだな…其だと下手にバラさない方がいいかもな」
「いゃ 俺はその逆だと思っている」
「どう言うことだ?使えないと分かったら、俺達はどうなるか分からないぞ、万が一…」
「あぁ…貴方の言いたい事も分かっている、しかしだ、どうやら俺達は皆、ある能力を持っている。ナオキ君、話してくれるかい?」
彼は、あの怪しい行動をしていた男子を引き寄せて、皆に紹介した。
「あ、アキヒロさん…いいんですか?…じゃあ仕方ないですね…僕はナオキと言います。高1です、いや、高1でした…宜しくお願いします!皆さん聞いてください、先程僕は自分のステータス能力を確認していました。最近のアニメとかゲームとか知ってる人は分かって頂けると思いますが、心の中でステータス表示と念じると、自分の現在の能力を確認できるみたいです。そして、僕は、自分のステータスに、成長速度up〔10日間〕と、言う表示を確認しました。」
「あっ!!本当に見れ…」
「し~ッ!お姉さん声が大きいです」
「ご免なさい、つい…でもスゴいです、皆さん!!あっ本当にあった、アレ?これな…」
「静かにっ!彼等に聞かれるだろ?皆さんも、すぐ確認したいと思いますが、時間が無いので今は、重要な事だけ話しますね、先程、ナオキ君が言っていた成長速度up は、期限付のギフトらしいので、表示に有るとおり10日たつと消えてしまう可能性が、ほぼ確実でしょう。其処で本題です、俺はこの事を彼等に話して、協力をしてもらったら良いのでは?と、考えています。」
「しかし、断られたら?」
「多分、大丈夫だと思います!彼等は、力を欲しています。少し手間が掛かるかもしれませんが俺達が、一般人よりも早く成長すれば、彼等の目的も達成出来るのですから。其に、黙っておいて、ダラダラと過ごしてしまうのは、結果ギフトを無断にして…将来的に考えても勿体無すぎます。有る意味俺達の唯一の望みですし…出来るだけ俺達は早く、『力』を手に入れるべきです。」
「確かに…よし、俺はその意見に賛成だ。」
「私もッ!」
「俺もいいぞ!!」
話し合いは、一応まとまり、一時的にアキヒロさんがリーダーとして、アニスさん達と交渉してくれる事になった。
「我々は、召喚前に有る方に出会い、成長速度UPのギフトを授かりました。この世界で急激に強くなることが可能なのです。其処で、貴殿方の力になる為にも、是非協力をお願いしたいのです。」
「皆さん巻き込まれただけ!!…そうでしたか…困りましたね…其でしたら、取り合えず皇帝陛下には、貴方達の存在は知らせない方が良いかもしれませんね…私の独断ですが…陛下は直ぐにでも強力な兵士を欲しています。其に、陛下からの信頼の厚い賢者様を失って手に入れたのが、今は一般的な人並みの能力しか持たないと知れたらどうなるか分かりません…困ったな…」
「そう…なのですか…その皇帝にバレたら俺達は…」
アニスは、少し考える素振りをした後、一瞬だけニタッと笑った後、直ぐ元の表情に戻り答えた、
「そうだッ!いい考えがあります。私は、これでも貴族の出身です。師が行った事とは言え、弟子である私が貴殿方を見捨てるのは、流石に申し訳が立ちません。出来る限りの事は致します。貴殿方が良ければですが…今回の儀式は、失敗した事にして、貴方達を一般的な配下として雇いましょう!!そして、皆さんがお力を手に入れたら、改めて皇帝に紹介しても良いと思います。どうですか?勿論、そのまま黙っていても構いません。此なら、万が一思ったより強くなれなかったとしても、その時は、別の道を考えれば良いし…どうでしょうか?」
「分かりました…一応、仲間達にも聞いてきますね。多分、皆賛成してくれると思います。」
私達は、アキヒロさんに伝えられた提案に賛成し、後日、装備を調えアニスさんの実家の有る領地に向かう事となった。皇帝さんは賢者さんが無くなられた事で、弟子のアニスさん一人だけ生き残った事で、何故、師を止めなかったのかと咎められそうになったが、巫女の方達が庇ってくれたそうで、実家での一年間の謹慎処分となった、謹慎処分と言っても、アニスさんは優秀であった為、実家での研究や修行等をする事は認められていて、賢者の次期後継者として、アニスさんは勉学に励む事となった。私達はアニスさんの護衛として雇われた冒険者として其に同行し、巫女の、方に紹介された、冒険者に戦い方を教わりながら、領地へと向かった。
最後まで読んで下さりありがとう御座います。次回も良かったら暇潰ししていってください、宜しくお願いします。
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