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第3章

海の神様

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個性的なりんご飴の町に、また来てしまった。でも、景色はきれいだ。潮風が心地いい。
「とりあえず、海にいきましょう。」
「行く行くー!」
リリカはテンションがやけに高い。子供だから、まだ純粋なのだろうか。そういう俺も、成人してない子供な高校生だけど。
海にダッシュで向かう。俺たちのダッシュとレイのダッシュはレベルが違うけれど。さすが麒麟。
やっと海にたどり着いた。
「これで、どうするんだ?」
「えーっと、なんか叫べば出てくるのでは?」
「そうなのか?」
そして俺は、海に向かって一度いってみたかった言葉を口にした。
「ヤッホーーー!!!」
「あの……ハルト……それって……山で言うもんっすよねえーーーー!!!」
「ちょっと2人とも、ふざけないでください。」
レイがたしなめる。
「「なんかって言ったじゃーーん!!!」」
ハモって叫ぶ。
「いいかげんにしてくださーい!!!」
レイも叫び始めた。
「いやっすよーー!!!」
「え、あ………」
レティシアがおろおろとし始める。
「………私も言えばいいのかしら?」
「あ、いえ、そういうわけでは……」
レイの制止を振り切って、叫ぶ。
「眠いーーー!!!」
「あーと、お疲れさまです。最近、お仕事も大変でしたよね。大丈夫ですか?宿屋は予約しておきましたから、ゆっくりお休みください。」
「あ、うん。ありがとう。」
「いえいえ。」
ちょうどそのとき、海面が動き始めた。
「あれ?なんか来てね?」
「そっすね。魚とかでは?」
「魚にしてはでかすぎるくね?」
明らかに鮫サイズだ。でも、たてにもでかい。なんだあれは。そんなことを考えているうちに、どんどん近づいてきた。
「逃げようとするなんて、失礼な子じゃのう。」
「?誰だ?」
「もしかして…この気配は……」
「いかにも。わしも神じゃ。毎年豪華な祭りで祀られている神じゃ。」
鮫に乗っているこの神様は老人口調で話しているが、老人の姿ではなかった。見た目は、若い青年に見える。青い頭髪に、金と青のオッドアイ。ただし、人間と違って下半身が魚の姿。俗に言う人魚だ。
「年若い娘もいるのなら、わしの娘に会わせようかのう。」
「え?あ、ありがとうございます。」
「それじゃ、わしは帰る。娘とうまくやれよ。」
そういうと、海に潜っていった。

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