異世界転移したら神様に拾われちゃった。

序章

屋敷の案内

今日は、屋敷の中をレティシアに案内してもらった。
「いやー、なかなか時間がとれなくて。ごめんねー。」
レティシアが苦笑しながら言う。レンは聞いてないようで、
「美人と一緒…、最高すぎ…！」
とほざいていた。でも俺も、口に出さないだけで同じことを考えていた。沢山の客室を通りすぎた後、レティシアは止まって扉を開けた。
「ここは私の部屋。」
すごく綺麗だった。片付いている。しかし、おそらくだが、レイによるものだろう。懐中時計が沢山飾ってある。
「じゃ、次。レイの部屋はここ、ルーナの部屋はここ。そっちはリリカの部屋。」
とことこと歩いていると、レティシアが大きな扉の前でたちどまり、扉を開いた。。
「ここは私の書斎。ここが一番好きな部屋なの。」
書斎というより図書館と言った方が近いと思った。目に入ってくるのは数多の本棚。夜空の色の床と壁は沢山の光っている星の装飾に彩られ、神聖さを醸し出していた。静謐な空気に包まれているその部屋の奥には、茶色い扉があった。気になったから、聞いてみた。
「あの茶色の扉はなんなの？」
「あれ？うーん、秘密！」
「えっなんで？」
「それも秘密」
「えー、中に何が入ってるの？」
「秘密」
「秘密がみっつ。」
「寒い…。氷の魔法より寒い…。」
「つまんねっ！」
レンも突っ込んだ。今のだじゃれは自信作なのに…。ちょっとショック。因みに図書館は、二階建てになっていた。
「次の部屋、行くね。」
そしておれたちは一階に移動した。そして、食堂や風呂、等に案内してもらった。風呂の規模は、ホテルの温泉規模…というかこれ以上だった。
「とりあえず、今日は、ここでおしまい。」
「「さんくー！」」
因みにさんくーとは俺たちの中でありがとうという意味である。とりあえず俺は案内してもらったばかりの図書館…もとい書斎に行った。沢山の本が並んでいる。とりあえず、適当に一冊読んでみる。