上 下
3 / 25

プロローグ3

しおりを挟む
私はとりあえず、クロニクルを読んでみることにした。
(デスゲームか………。怖い……。ところで、隣のベッドの子は起きただろうか。なんとか仲間にできないかな。) 
まず、ベッドの部屋に戻ることにした。
「ん?あぁ、隣のベッドはあなたのだったのね。」
声が聞こえた方を見ると、濃い緑の髪の少女。
どうやら起きたようだ。
「う、うん。おはよう。私は稲田雪月。あなたは?」
先手必勝!私はみんなとわいわいやるのは苦手だが、というか人付き合いは苦手だが、1対1ならなんとかいける!
仲間にするために、頑張る!
「おはよう。あたしは霧矢渚きりやなぎさ。よろしく。」
「よ、よろしく。」
少し言葉を交わし合い、二人は本を読み始めた。

【デスゲームのルール】
・運営の放送の指示には15分以内に従わなければならない。
・魔法の内容は全員違う。他人に魔法の内容を伝えてはならない。ただし、魔法を見せるのはよい。
(例え仲間*でもこのルールは適用される。)
・他人の魔法を推理して当てたら1人につき10万円。
・自分か仲間が9日間他人の魔法を当てられなければ死ぬ。
*仲間・・・同じ部屋の魔法少女。
・魔法少女のなかに運営側の者も1人だけ紛れ込んでいる。
・デスゲームは9日間開催される。この間に運営側の者を見つけられなければ全員死亡する。
・運営側の者を見つけられたら、特に活躍した者に10万円、それ以外に1万円払う。
・デスゲームが開催されている間は、仲間以外の誰かを殺害しても構わない。その際に、魔法を使ってもよい。
・仲間に嘘をついてはいけない。
・仲間との約束を破ってはいけない。
・自分のクロニクルになにか書き込んでも良い。ただし、他人のものに書いてはいけない。



《以上のルールに従わなかったものは、問答無用で殺害する。》

「ふぅん。なるほど。」
(殺害とか物騒な単語が出てきてるけど、要はルールを守りつつ人狼ゲームすればいいんでしょ。頑張れば誰も死なないんだし、思ったよりなんとかなるかも。でも、全員の能力を推理するのは大変そうだな……。そもそも私ってどんな魔法なんだろう。)
「ねぇ、あんたはどうしてここに来たの?」
ぼーっと考えていたら、隣のベッドの霧矢さんが話しかけてきた。
「雪月。名前で呼んでほしい…かも。道端に落ちているカプセルを拾ったら、ここに来た。霧矢さんは?」
「あたし?普通にガチャガチャで手に入れた。」
「へぇー。も、もしかしてだけど、ガチャガチャ、好き?」
「うーん、まあまあね。嫌いじゃないわ。」
「好きなんだ!?わたしも好き!」
「いやだからまあまあって……」
「でも嫌いじゃないんでしょ!?ガチャガチャの魅力、もっと詳しく教えるから、聞いてて!」
「え、あ、うん。」
「まず、何が出るかわからないからワクワクするところ。
あとは、色々な種類があるところ。他には………」
「あ、もういいです。」
「そんなぁ。でも、また気が向いたら聞いてね。」
「わかった。あんた意外と強引なところがあるのね。」
「あ、ごめん………。」
「いや、安心した。『仲間』が腑抜けで頼りなかったらどうしようって思ってたから。」
「えへへ、ありがと。私、腑抜けてないし、頼りあるから!どんどん頼ってね!」
私がそう言ったら、霧矢さんが呆れた顔になって、
「自分で言っちゃったら説得力がなくなるのよ。」
「えー。そんなぁ。」
ピンポンパンポーン!!
そんなとき、突然大きな音が聞こえた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

四次元残響の檻(おり)

葉羽
ミステリー
音響学の権威である変わり者の学者、阿座河燐太郎(あざかわ りんたろう)博士が、古びた洋館を改装した音響研究所の地下実験室で謎の死を遂げた。密室状態の実験室から博士の身体は消失し、物証は一切残されていない。警察は超常現象として捜査を打ち切ろうとするが、事件の報を聞きつけた神藤葉羽は、そこに論理的なトリックが隠されていると確信する。葉羽は、幼馴染の望月彩由美と共に、奇妙な音響装置が残された地下実験室を訪れる。そこで葉羽は、博士が四次元空間と共鳴現象を利用した前代未聞の殺人トリックを仕掛けた可能性に気づく。しかし、謎を解き明かそうとする葉羽と彩由美の周囲で、不可解な現象が次々と発生し、二人は見えない恐怖に追い詰められていく。四次元残響が引き起こす恐怖と、天才高校生・葉羽の推理が交錯する中、事件は想像を絶する結末へと向かっていく。

徹夜でレポート間に合わせて寝落ちしたら……

紫藤百零
大衆娯楽
トイレに間に合いませんでしたorz 徹夜で書き上げたレポートを提出し、そのまま眠りについた澪理。目覚めた時には尿意が限界ギリギリに。少しでも動けば漏らしてしまう大ピンチ! 望む場所はすぐ側なのになかなか辿り着けないジレンマ。 刻一刻と高まる尿意と戦う澪理の結末はいかに。

ピエロの嘲笑が消えない

葉羽
ミステリー
天才高校生・神藤葉羽は、幼馴染の望月彩由美から奇妙な相談を受ける。彼女の叔母が入院している精神科診療所「クロウ・ハウス」で、不可解な現象が続いているというのだ。患者たちは一様に「ピエロを見た」と怯え、精神を病んでいく。葉羽は、彩由美と共に診療所を訪れ、調査を開始する。だが、そこは常識では計り知れない恐怖が支配する場所だった。患者たちの証言、院長の怪しい行動、そして診療所に隠された秘密。葉羽は持ち前の推理力で謎に挑むが、見えない敵は彼の想像を遥かに超える狡猾さで迫ってくる。ピエロの正体は何なのか? 診療所で何が行われているのか? そして、葉羽は愛する彩由美を守り抜き、この悪夢を終わらせることができるのか? 深層心理に潜む恐怖を暴き出す、戦慄の本格推理ホラー。

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

Syn.(シノニム)

かの翔吾
ミステリー
 嘘と隠し事は似て非なるもの。矢倉梗佑はそんな当たり前の事に気付けなかったため一番大切な人を失う。どうして梗佑は大切なテルと言う存在を失ったのか? 梗佑とテル。そして第三の男である郷田レイエス斗真。日本とメキシコを舞台に三人の男達が現在と過去を走り抜けるクライムサスペンス。  #ゲイ #ミステリー #クライムサスペンス #犯罪  リシアンサスとユーストマ。Syn.(シノニム)に込められた思いとは?

愛想を尽かした女と尽かされた男

火野村志紀
恋愛
※全16話となります。 「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」

処理中です...