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こうかいの雑貨屋さん
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学校に行ったら、机の上に紙がおいてあった。他の人の机にもあった。宛名が書いてある。手紙のようだ。開けてみると、こんなことが書いてあった。
橘 龍木 様へ
たつきくんはいつも元気だったね。先生には、もう少しだけしか時間がないみたい。だからお手紙を書いてみました。いつも厳しく接してしまってごめんね。でも、先生なりにたつきくんのことを考えてたつもりだったんだよ。たつきくんは運動神経がとても良かったからお友達のゆうとくんと一緒に体育祭で大活躍していたね。おかげで、優勝することが出来ました。先生がいなくても、勉強頑張ってね( ´∀` )b。頑張れば、いつか結果が出るはずだから。先生から、最期の宿題です。「幸せになってください。」ちゃんと宿題を出さなかったこともわりとあるたつきくんだけど、この宿題はちゃんとやってね。提出期限は、「あなたが生きてる間」だから。先生はたつきくんを応援しています。ガンバレ!\(^_^)/
先生より。
読み終えた俺は、自然と涙が出てきた。朝の会に、新しい担任の先生から「死期を悟った先生が書いた、皆さん宛の手紙を机の上に置いておきました。」と、連絡があった。
他の人も、それぞれの名前が書かれた手紙を持っていた。
休み時間、4人で集まった。しかし、罪悪感からか口を開こうとする人はいなかった。5分くらいたって、その沈黙を破ろうとミツキが言葉を発する。
「本当は、いい先生だったんだ…ね…。」
「そうだな…。やっちまったな…。」
返事をしたヒトシも、気まずそうでどこかぎこちない喋り方だった。
「そ、そのためにも、敵討ち頑張ろうぜ!」
元気づけたくてそう言ってみたが、みんなはそれで元気になるぐらい単純ではなかったようだ。
「まあ、この際タツキが言ったように頑張るしかないと思う。」
「そうだね。」
それから1週間たち、週末にミツキの家に集まる。
「それじゃ、行こうか。」
「うん!」
「アイアイサー!」
「ラジャです!」
俺は道すがらアカネに店員らしき人の特徴を聞いた。「ネットで調べた限り、濃い茶髪に執事のようなスーツ服、深い緑色の瞳の背の高い男の人だって。敬語でしゃべるらしいよ。金髪で赤色の目の、ロリータを着ている人形みたいな少女をつれているらしいよ。」とのことだった。話し終わったタイミングでちょうど街に着いた。探していると、ミツキが
「あの人じゃない?」
といって声をかけに行った。
「まってくれ。」
俺の制止の声も聞かずに話しかけてしまった。俺は心臓の鼓動がうるさいことに気づいた。どうなってしまうんだろう。不安でいっぱいだった。
橘 龍木 様へ
たつきくんはいつも元気だったね。先生には、もう少しだけしか時間がないみたい。だからお手紙を書いてみました。いつも厳しく接してしまってごめんね。でも、先生なりにたつきくんのことを考えてたつもりだったんだよ。たつきくんは運動神経がとても良かったからお友達のゆうとくんと一緒に体育祭で大活躍していたね。おかげで、優勝することが出来ました。先生がいなくても、勉強頑張ってね( ´∀` )b。頑張れば、いつか結果が出るはずだから。先生から、最期の宿題です。「幸せになってください。」ちゃんと宿題を出さなかったこともわりとあるたつきくんだけど、この宿題はちゃんとやってね。提出期限は、「あなたが生きてる間」だから。先生はたつきくんを応援しています。ガンバレ!\(^_^)/
先生より。
読み終えた俺は、自然と涙が出てきた。朝の会に、新しい担任の先生から「死期を悟った先生が書いた、皆さん宛の手紙を机の上に置いておきました。」と、連絡があった。
他の人も、それぞれの名前が書かれた手紙を持っていた。
休み時間、4人で集まった。しかし、罪悪感からか口を開こうとする人はいなかった。5分くらいたって、その沈黙を破ろうとミツキが言葉を発する。
「本当は、いい先生だったんだ…ね…。」
「そうだな…。やっちまったな…。」
返事をしたヒトシも、気まずそうでどこかぎこちない喋り方だった。
「そ、そのためにも、敵討ち頑張ろうぜ!」
元気づけたくてそう言ってみたが、みんなはそれで元気になるぐらい単純ではなかったようだ。
「まあ、この際タツキが言ったように頑張るしかないと思う。」
「そうだね。」
それから1週間たち、週末にミツキの家に集まる。
「それじゃ、行こうか。」
「うん!」
「アイアイサー!」
「ラジャです!」
俺は道すがらアカネに店員らしき人の特徴を聞いた。「ネットで調べた限り、濃い茶髪に執事のようなスーツ服、深い緑色の瞳の背の高い男の人だって。敬語でしゃべるらしいよ。金髪で赤色の目の、ロリータを着ている人形みたいな少女をつれているらしいよ。」とのことだった。話し終わったタイミングでちょうど街に着いた。探していると、ミツキが
「あの人じゃない?」
といって声をかけに行った。
「まってくれ。」
俺の制止の声も聞かずに話しかけてしまった。俺は心臓の鼓動がうるさいことに気づいた。どうなってしまうんだろう。不安でいっぱいだった。
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