2 / 2
2話 凄い人
しおりを挟む大丈夫かな僕。殴られずに済むといいなぁ。けど今僕お金あんまり持ってないから無理かなぁ。入学式と数日は熱で寝込む。更にここに登校初日は遅刻。しかも怪我だらけで
これで変な噂が立ったらどうしよう。ただでさえ入学式に出れなかったからもうとっくにグループは出来上がってるだろうにこのままじゃ僕孤立しちゃわないかな
朝の時に高校デビューが少し遅くなっちゃたけど幸い中学からの友達が同じクラスだったからそこは安心かなって思ってたけど、僕の高校生活ハードモードが確定しちゃったかも
僕が土下座をしながら、これからの未来を想像して絶望をしているとぶつかってしまった彼から声をかけられる
「えっ?いやちょっと!?待ってくれ」
その声はさっきの彼の声とは違って圧は消えていて驚きと戸惑いが混ざってような声だった。でも僕にはさっきの光景と彼の声が頭から離れずにいるので安心はできない
「は……はい!……に、逃げ……ません」
全力ダッシュの疲労で今の僕は息も絶え絶えで上手く言葉を離せない。とりあえず逃げ出したりしないので何もしないでくださいという意味で逃げないという意志だけを伝える
実際に今の僕は全力運動をした後なので逃げ出せる程の体力はもう残ってない
しかも今更だけどよくよく考えたら今の僕は制服姿で鞄を持ってるから体育の授業の時よりも疲労が強いのに今気づいた
「い、いや逃げるとかそういう意味じゃないんが。と、とりあえず立ってくれほら手を貸すからさ」
その声は焦りの色が浮かんでいたが、今の僕は疲労と恐怖から頭が回ってるおらず、その事に気づけずにいた
「い、いえ。そ…そんな訳には」
「いや、俺は本当に大丈夫だから立ってくれって」
そう言って慌てて彼は僕の手を掴んで立たせようとしてくる
「わ…かり…ました」
さすがにここまでされて抵抗をする気にはならない。それに力の弱い僕はがっしりした体付きの彼に力で勝てないだろうし、何より今の僕にはそんな事をする事ができる体力何てない
なので僕は素直に彼の手を借りて立たせてもらう
「あれその制服って」
そう言われて僕は体をビクッと震わせてしまう。なんだろう。もしかして学校の場所が分かったからこれから何かされるのかな?もし待ち伏せとかされたらどうしよう
僕がこれからの展開に恐怖を抱いていると彼の口から予想外の台詞が飛び出る
「俺と同じ学校の制服じゃんか」
「………うぇ?」
僕は一泊遅れてから意味を理解して今まで怖くて俯いていた顔を上げて間抜けを声を出してしまう
そして僕の視界に入った彼の服装は先程の彼の言葉通り僕と同じ学校の制服だった。そして気づく彼の身長。そして僕が見上げるくらいの身長の高さだ。頭ひとつ分以上はあるから多分180くらい。身長と顔つきからして年上だと思う
それに気づいた僕は先程よりも更に血の気が引いていく感覚がする
もしかしたら僕は青い色を通り越して白くなってるかもしれない
「って大丈夫か!?顔色悪すぎだろ」
「だっ、大丈夫です」
真っ赤な嘘だけど、ここで正直に言う勇気は僕にはないのでこういうしかない。どうしよう高校に入っていきなり先輩に目をつけられたりしたら
けど彼は僕の言葉を聞いても彼は納得がいかない表情をして
「いや、そう言っても怪我はしてないか?」
僕の心配をしている
「え?あっはい。…大丈夫です」
けど僕はそんな事よりも気になる事がある
「あ、あの……」
「ん?どうした?」
僕が声をかけると彼は優しく微笑んで僕の言葉を促してくれる
「えっと、その……あ、あなたの方は大丈夫ですか?」
そうだよ。いくら僕が軽いとは言え人1人がぶつかったんだひ、何よりも僕は全力で走ってた。怪我をさせてしまってないか不安だ。最初のインパクトとずっとピンピンしている事から聞けずにいたけど、本当なら真っ先に聞かなきゃなのに
「あぁ。別に怪我とかしてないから全然大丈夫だよ」
僕の質問に彼はなんて事のないように笑って答えてくれる。けど僕はその答えに酷く驚いた
「えっ!?ほ、本当…ですか?」
まだ息が整わないのと、驚いてしまいつっかえてしまう
「あぁ。本当、本当。ぶつかる直接で咄嗟に後ろに飛んで衝撃を殺したし、受け身も取ったから怪我とかはしてないよ」
その言葉を聞き、僕は少しほっとしてしまった。怪我をさせたらどうしようかとずっと気がきじゃなかったからだ
「よ、よかったぁ…あっ、よかった…じゃないです…よね!ぶつかってしまってすいませんでした!」
僕は勢いよく頭を下げる。まだ体力が戻りきってはなかったせいで危うく倒れかけそうになってしまったけど、僕にしては珍しく何とか気合いで耐える
「はは、まぁ俺は怪我もなかったから気にすんなって。だから頭を上げろって」
そう言って彼は僕の頭を上げようとしたので素直に上げさせてもらう。そうすると彼はまた僕に言葉をかける
「けど危ないから今度からは気をつけろよ」
「はっはい!……それはもちろん」
「なら良いさ」
彼は笑ってそういう。彼の笑顔は普通に見たらカッコいいんだけど、僕は彼の圧を出した顔を見ているのでそれが思い浮かんでしまい少し怖い
0
お気に入りに追加
5
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
ボクに構わないで
睡蓮
BL
病み気味の美少年、水無月真白は伯父が運営している全寮制の男子校に転入した。
あまり目立ちたくないという気持ちとは裏腹に、どんどん問題に巻き込まれてしまう。
でも、楽しかった。今までにないほどに…
あいつが来るまでは…
--------------------------------------------------------------------------------------
1個目と同じく非王道学園ものです。
初心者なので結構おかしくなってしまうと思いますが…暖かく見守ってくれると嬉しいです。
多分前世から続いているふたりの追いかけっこ
雨宮里玖
BL
執着ヤバめの美形攻め×絆されノンケ受け
《あらすじ》
高校に入って初日から桐野がやたらと蒼井に迫ってくる。うわ、こいつヤバい奴だ。関わってはいけないと蒼井は逃げる——。
桐野柊(17)高校三年生。風紀委員。芸能人。
蒼井(15)高校一年生。あだ名『アオ』。
総長の彼氏が俺にだけ優しい
桜子あんこ
BL
ビビりな俺が付き合っている彼氏は、
関東で最強の暴走族の総長。
みんなからは恐れられ冷酷で悪魔と噂されるそんな俺の彼氏は何故か俺にだけ甘々で優しい。
そんな日常を描いた話である。
咳が苦しくておしっこが言えなかった同居人
こじらせた処女
BL
過労が祟った菖(あやめ)は、風邪をひいてしまった。症状の中で咳が最もひどく、夜も寝苦しくて起きてしまうほど。
それなのに、元々がリモートワークだったこともあってか、休むことはせず、ベッドの上でパソコンを叩いていた。それに怒った同居人の楓(かえで)はその日一日有給を取り、菖を監視する。咳が止まらない菖にホットレモンを作ったり、背中をさすったりと献身的な世話のお陰で一度長い眠りにつくことができた。
しかし、1時間ほどで目を覚ましてしまう。それは水分をたくさんとったことによる尿意なのだが、咳のせいでなかなか言うことが出来ず、限界に近づいていき…?
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
嫌われ者の僕
みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈学園イチの嫌われ者が総愛される話。嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。
※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。改行多めで読みにくいかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる