私の愛した王子様

山美ハル

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愛の稲妻迷宮編

寝室

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獣の山と屍を眺めタルトは思う

この状況はやばい・・・

今にも化け物が出てくるんじゃないか

「早く行きましょう」

マーガレットはタルトをせかす

「危険じゃないのかよ?」

「何が?」

「いやだって外には魔獣がたくさんいるんじゃないか?」

マーガレットはため息をついた

「あのねこの場所が危ないのよ?」

「どう言う事だ?」

マーガレットはキャサリンに目線を合わす

「それはですね」

キャサリンは解説する

この場所は、獣や人間の死臭で、充満している

もし他の獣が現れた場合、この部屋に来る可能性が高い

ショコラ様はそう言いたいのですよ

「そうなのか?」

「確かに一度外に出たほうがいいわね」

タルトの返事にマドレーヌは外に出ようとする

「まって」

キャサリンは言う

「外に出るんじゃ?」

「そっちは止めましょう」

マドレーヌは先程開けた扉から離れる

「どうして?」

ブービートラップ

「へぇ?」

扉のドアノブには小さな針が付いていた

「なんでこんなものが?」

「たぶん誰かが用意したんでしょう」

「俺じゃないぞ」

タルトは話す

「分かってるわよ」

マドレーヌは言う

「まだ新しいわね」

「そうですね」

「何でこんなことを?」

「さーね」

マーガレットは他の扉を探す

「あそこに扉がある」

タルトは端っこにある扉を指さす

「入ってみなさい」

「おおう」

タルトは怯えながら扉の前に立つ

「罠はなさそうだが」

タルトはドアノブを少しずつ開けていく

扉の隙間から部屋を覗く

「誰もいないぞ」

四人は部屋に入る

部屋には二つのベッドと机が置かれている

普通の部屋と変わりはしないが・・

ベッドの上には女性が横たわっている

たぶん死んでいる

「・・・」

タルトは声を出さずに死体を眺める

「冒険者?」

マドレーヌは言う

「さてね」

キャサリンは言う

「死んでからまだ日は立っていないみたいですね」

部屋に綺麗なままで、亡くなっている女性を見て、キャサリンは思う

普通だったら魔獣に、食べられてしまうのに

「おい」

タルトは女性を指さす

「なんか出てきたぞ」

女性の耳から液体が流れてくる

黄緑色の液体は女性の身体を包むように溢れてくる

「なんなのよ」

マドレーヌは後ろに下がる

「魔法を使いなさい」

マーガレットはマドレーヌに命令する

「分かったわ」

赤い火よ燃やせファイアー

マドレーヌの手に魔法陣が浮かび女に火が向かう

ジュルンジュワワ

液体が苦しむように燃えている

キャサリンは剣を構えマーガレットの前に立つ

「死んだのか?」

タルトは言う

「これは何?」

マドレーヌはマーガレットに問いかける

「これは」

人為的液体寄生体アンスライト

その昔

ある村の井戸から検出された化物

村人が、井戸水を使用する事を前提に、考え作成された物

寄生された宿主は、綺麗な状態で亡くなり、人が近づくと反応し

襲いかかる

この生物の所為で、多くの村が滅んだとされる

「恐ろしいな」

タルトは言う

「そうね」

マーガレットは答える

でも

ここに来ることを考えて?

マーガレットは笑う

この生物は王国が絶滅させたはずなのに

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