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牢獄の中で聖女は祈る
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暗い牢獄の中でロザリーカロンは膝をつき祈りを捧げるている
「神官様は大丈夫でしょうか・・」
彼女が呼ぶ神官様とは彼女が働く教会の代表のアマノスの事である、今から2日程前に突然警備隊が彼女と神官のいる教会にやってきて二人を拘束してこの牢獄マカロンに投獄されてしまったのだ
彼女自身は拷問や取り調べを受ける事がなかったが、周りからは拷問を受け叫び声を上げる者の声や取り調べを受け精神的に追い詰められた人達が彼女のいる牢の前を通るのを何回も見ており、慈愛の心を持つ聖女のロザリーはそんな声や人々の姿を目にするだけで涙を流していた
「神官様・・」
自分の尊敬している神官が拷問を受けていないか、苦しんでいないか、そんな苦しむ人々の事を考えながら彼女は今日も祈りを捧げている
「聖女ロザリー」
一人の男性がロザリーの名前を呼びながら牢を開け入ってくる
「はい」
「今 アマノス神官が白状した」
白状したその言葉を聞きロザリーは驚く、何を白状したのか突然押し寄せてきた人達に連れて無理やり連れてこられた神官様が何を述べたのか本当に何か悪いことをしてしまったのだろうか
「何を白状したと言うのですか?」
「アマノス神官が貴族のクルン男爵を殺害した」
「そんな、神官様はそんな事をする方ではありません」
クルン男爵は5日前に自宅の庭で殺害された事は町の人間なら誰でも知っている
「何かの間違いです」
「目撃者もいるんだ」
頭の整理が追い付かない、無理やり連れてこられ、私の尊敬する神官様が・・皆の為に日々祈りを捧げている神官様がこんな目に合うなんて・・
「神官様に合わせてください」
「だめだ」
「お前も事実を知っていたのに隠していた、お前を追放する」
「追放 私をですか?」
「あぁそうだアークルから出て行け」
アークルは神官様が身寄りもない私を引き取り教育をしてくださり、聖女としての私を作りあげてくれた場所、そんな大切な場所を出ていかなくていけないなんて・・何も悪い事をしてないのに
「明日の朝には出て行ってもらう」
「・・・」
「神官様・・」
今日の夜の時間は早くすぎた、夜の間ずっと涙を流し目は腫れていく
朝 牢から出されたロザリーに看守から一つの指輪を貰う
「これは聖官様が何時も身に着けていた指輪」
「私個人が神官に頼まれたんだ」
「この指輪をロザリーに渡してくれとな」
「ありがとうございます」
ロザリーは頭を下げた
「神官様はどうなるのでしょう?」
「貴族に手を出したんだ すぐ死刑になるだろう」
「そんな・・」
とぼとぼと町の教会に戻る、私が追放処分となり、町にいる事ができない、追放となったものは自分の家により、必要な物だけを持っていく事が出来るので私が暮らしていた教会に荷物を取りに行く
牢獄から町に戻った私を町の人が冷たい目で見つめている、当然だろう神官を務める人間が町の貴族を殺したとみんな知っている、誰も神官様を守ってくれている人などいない、私を罪人の身内と思っているようだ
教会に戻った私は、急いで荷物の整理を始めたがすぐに外に出た
町の人間が大きな声で
「アマノスが死刑されるぞーーー」
町の人間の声が町に響く、町と言っても多くの人が住んでいないこの町で何かあればすぐ町の人間が集まってくる
「アマノス様・・」
ロザリーは身支度を忘れ周りの人が集まる広場に走る
「この者は神官でありながら人を殺した、しかも我々の英雄クルン男爵をだ!!」
クルン男爵とはアークスの町を支配している貴族で、貴族の中では比較的に優しく町の人間にも慕われていた貴族である、多くの貴族が支配する地方で好き放題するなか、税の免除等を考えてくれた人である
アマノス神官が後ろ手で縛られ兵士と共に歩いてくる、拷問された様子がない事から、神官として取り調べを受けたようだ
絞首刑台の縄がアマノス神官の首に掛けられた、アマノスは何も抵抗する事なくおとなしくしている、まるで自分は死ぬ事がないとアピールしているように見える
「アマノス様」
ロザリーは背一杯大きな声でアマノスの名前を叫んだ
こちらの声に気付いたアマノスはロザリーの方を見て微笑んだ
アマノス様の微笑みを見た私は周りが止めるのを振り払うそこまでは記憶にある
気が付くと私は教会にいた
「痛い いた」
身体中は痛むたぶん暴れる私を止めるために殴られたのだろう
「アマノス様・・アっマノス様 あ ひぐぐ」
涙が止まるらない、目から今まで流した事の大粒な涙が床を濡らす
「どうして どうじてこんな事に」
涙を流し続けるロザリーはアマノスが使っている机の上に奇妙な箱を見つける、大きさは子供が入れるぐらいの大きさで黒色に白の模様がある
「あれはアマノス様が時々使っている箱」
ロザリーはゆっくりと立ち上がろうする
「痛い いたっっ」
ロザリーの手が箱に触れる
昔この箱の中身をアマノス様に尋ねた事があった
「アマノス様この箱は何ですか?」
「いいものが入ってるのよ」
「私も中を見たいです」
「だーめ」
「見せてくださいよ~」
「時期がきたら見せてあげるわ・・」
「約束ですよ?」
「約束するわ」
ロザリーはその箱を開けようとする
ガタ ガチャン ガタン
「鍵がかかってる」
箱を調べると箱の真ん中に小さな穴を見つける
「もしかしてこれ」
ロザリーは服に入れておいた指輪を取り出す
「これをこうして・・」
ガコン
何かが上手くハマった音がする
「・・・」
ロザリーはおそるおそる箱を開ける
「これって」
箱の中には黒い修道服と便箋と布袋が入れられていた
「この修道服ってアマノス様が何時もきていた修道服だ」
修道服は黒で普段ロザリーが来ている服よりも黒い、普段の色が黒色ならこの修道服は漆黒の色だ、修道服を鼻に近づけ、においを嗅ぐがこの修道着からはアマノス様のにおいがしないどうやらアマノス様が普段来ている修道服ではないようだ・・じゃ誰の修道服を広げ気付く
「私の服にぴったり・・」
どうやらこの服は私用にアマノス様が用意してくれた物だ
「ありがとうございます」
ロザリーは服を抱きしめるまるでアマノスと抱き合っているように
修道服を持ちながらロザリーは一枚の便箋の封を切る
そこには手紙が添えられていた
ロザリーへ
この手紙を見たときには私は死んでいるでしょう
私はクルン男爵が裏で悪魔の所業を行っていることに知りました
それを告発しようと彼の家に行きましたが彼は死んでいたのです
私は慌てて逃げましたがたぶん捕まるでしょう
あなたに罪を被せられないように私が罪をかぶります
わずかなお金ともしもの為に私に友人の連絡先を用意しときます
町の平和とあなたの幸せを天国で祈り続けます
あなたの母 アマノスより
「そんな アマノス様」
布袋の中には金貨30枚が入っていた
「こんな大金いつの間に」
普段は質素な生活をしているロザリーにとって金貨30枚は見ることもできない大金だった
ガチャ
ロザリーは慌てて後ろを振り向く
「探したぜ」
「誰ですか?」
見たこともない男が私の後ろに立っていた
「俺はコール お前の母親のボスだよ」
「コール何て人アマノス様から聞いた事ありません」
アマノス様が教会の神官として様々な人と交流がある事は知っていたがコール何て人の話を聞いた事がない
「秘密だったからな」
「アマノス様の知り合いの方ですか?」
「そうだな あいつに仕事を頼んだんだよ」
「仕事?」
アマノス様が教会以外の仕事なんて初耳だ
「あぁ クルン男爵のことを調べて欲しいってな」
「貴族を?」
「あいつは裏では悪い事ばっかしてたからな」
「なぜアマノス様がそんな事にかかわるんですか」
「アマノスは組織の一員だったんだよ」
「組織?」
「あぁそうだ だがな敵対する組織と同盟を結ぶようになって邪魔になったんだよ」
「もしかして」
「あぁそうだ俺たちが罠にハメたんだよ」
コールはそう言って笑いは始めた
「ひどい よくもアマノス様を・・」
痛む身体を振るい立たせ何とか男のところまで歩く
ロザリーが男に近づこうとする前に男はロザリーに近づき蹴りを放つ
「キャー 」
男に蹴りを入れられたロザリーは倒れこみ動けなくなってしまった
「うぐぐ お前なんか」
コールはそんなロザリーに告げる
「お前の母親が隠し持ってる金は全部貰ってやるよ」
コールは布袋の中を見つめにやりと笑った
「あばよ」
男は帰りしなに独り言のように声を出す
「火よ全ての物を焼きすべてを灰に反せ」
男が言葉をつぶやいた瞬間、部屋の中に火に包まれる
「あ あ あああ 火が 教会が」
ロザリーは慌て逃げようとするが身体が動かない
「息ができない」
「このまま死ぬのかなお母さんごめんすぐ私もいくから・・」
「誰か助けて・・」
その時 黒い箱から二人の声が聞こえる
「私たちが守りますわ」
「俺たちが守ってやる」
意識が切れる瞬間二人の男女が私の前に現れた
「おーい 生きてます~」
「ううん うん?」
「気が付いたみたいだな」
ロザリーは目を開けると目の前が真っ白だった
「ちょっと何?」
女性の声が自分の真上で聞こえる後柔らかい感触が頭全体に広がっている
「気が付きましたね」
ロザリーは身体を起こそうとするも起き上がれない
「まだ身体が痛む?」
「痛みますて 誰?」
「私はコルンです」
白い服を着た女性が答える
「俺はノルンだ」
「私は確か」
「火に囲まれた教会から二人で運び出したんですよ」
「助けていただいてありがとうございます」
「気にするな約束を果たしただけだ」
「約束?」
「君の母親から頼まれてな」
「お母さん?」
「アマノスからだ」
「アマノス様を知っているの?」
ロザリーが無理して身体を起こす
「教会が・・」
教会は無残に燃え尽きてしまっていた
「改めて自己紹介しますね」
「私はコルンです」
白い髪に白い服を着た女性が頭を下げる
「アマノスに似て美人さんね~」
ロザリーの頭をコルンが撫でる
「うわ わ」
「それくらいにしておけまったく」
「俺はノルンだ」
黒い髪に黒い服を着た男性が頭を下げる
「あ 始めましてロザリーです」
「危ない所を助けていただいたみたいで・・」
「気にしないでね~」
「危ない所だったな」
「あ!!! 箱 箱」
ロザリーは辺りを見渡す
「これの事?」
コルンは箱をロザリーの前に置いた
「そうです これです」
箱の中を慌てて確認する幸い修道服は無事であったが布袋の中の硬貨は取られてしまっていたが、アマノスの形見の修道服が無事でよかったと胸を下す
「その服アマノスと一緒だね」
コルンがロザリーのそばに寄る
「コルンさんはアマノス様の事を知っているみたいですね」
「知ってるわ ノルンも知っているわよ~」
「知ってるさ・・」
この二人の正体がまったく見当がつかないが危なく死ぬところを助けてくれ、アマノス様の事を知っているようだ
「二人は何者なんですか?」
コルンが答える
「私たちはその箱に宿った悪魔と天使なのよ」
「悪魔?」
「そうよ」
コルンの背中から黒い羽根が生えてくる
「悪魔だ なんとかしなきゃ」
ロザリーは身構える一様は聖女として訓練された女だ悪魔の退治の仕方は把握している
「大丈夫よ私はあなたに危害を加えないわ~」
「へぇ?」
「どうして?」
コルンはロザリーの身体に抱き着き耳元で告げる
「私の愛した女の子供よ・・愛してるわよ」
ロザリーの背筋が凍る
「・・・」
「それくらいにしておけ」
ノルンはコルンを叱る
「良いじゃない・・ノルンもアマノスが好きだったくせに」
「今は関係ないだろう」
二人の悪魔と天使が言いあいをする
「大丈夫かな?」
聖女は二人の悪魔と天使を見ながら頭を抱えた
「神官様は大丈夫でしょうか・・」
彼女が呼ぶ神官様とは彼女が働く教会の代表のアマノスの事である、今から2日程前に突然警備隊が彼女と神官のいる教会にやってきて二人を拘束してこの牢獄マカロンに投獄されてしまったのだ
彼女自身は拷問や取り調べを受ける事がなかったが、周りからは拷問を受け叫び声を上げる者の声や取り調べを受け精神的に追い詰められた人達が彼女のいる牢の前を通るのを何回も見ており、慈愛の心を持つ聖女のロザリーはそんな声や人々の姿を目にするだけで涙を流していた
「神官様・・」
自分の尊敬している神官が拷問を受けていないか、苦しんでいないか、そんな苦しむ人々の事を考えながら彼女は今日も祈りを捧げている
「聖女ロザリー」
一人の男性がロザリーの名前を呼びながら牢を開け入ってくる
「はい」
「今 アマノス神官が白状した」
白状したその言葉を聞きロザリーは驚く、何を白状したのか突然押し寄せてきた人達に連れて無理やり連れてこられた神官様が何を述べたのか本当に何か悪いことをしてしまったのだろうか
「何を白状したと言うのですか?」
「アマノス神官が貴族のクルン男爵を殺害した」
「そんな、神官様はそんな事をする方ではありません」
クルン男爵は5日前に自宅の庭で殺害された事は町の人間なら誰でも知っている
「何かの間違いです」
「目撃者もいるんだ」
頭の整理が追い付かない、無理やり連れてこられ、私の尊敬する神官様が・・皆の為に日々祈りを捧げている神官様がこんな目に合うなんて・・
「神官様に合わせてください」
「だめだ」
「お前も事実を知っていたのに隠していた、お前を追放する」
「追放 私をですか?」
「あぁそうだアークルから出て行け」
アークルは神官様が身寄りもない私を引き取り教育をしてくださり、聖女としての私を作りあげてくれた場所、そんな大切な場所を出ていかなくていけないなんて・・何も悪い事をしてないのに
「明日の朝には出て行ってもらう」
「・・・」
「神官様・・」
今日の夜の時間は早くすぎた、夜の間ずっと涙を流し目は腫れていく
朝 牢から出されたロザリーに看守から一つの指輪を貰う
「これは聖官様が何時も身に着けていた指輪」
「私個人が神官に頼まれたんだ」
「この指輪をロザリーに渡してくれとな」
「ありがとうございます」
ロザリーは頭を下げた
「神官様はどうなるのでしょう?」
「貴族に手を出したんだ すぐ死刑になるだろう」
「そんな・・」
とぼとぼと町の教会に戻る、私が追放処分となり、町にいる事ができない、追放となったものは自分の家により、必要な物だけを持っていく事が出来るので私が暮らしていた教会に荷物を取りに行く
牢獄から町に戻った私を町の人が冷たい目で見つめている、当然だろう神官を務める人間が町の貴族を殺したとみんな知っている、誰も神官様を守ってくれている人などいない、私を罪人の身内と思っているようだ
教会に戻った私は、急いで荷物の整理を始めたがすぐに外に出た
町の人間が大きな声で
「アマノスが死刑されるぞーーー」
町の人間の声が町に響く、町と言っても多くの人が住んでいないこの町で何かあればすぐ町の人間が集まってくる
「アマノス様・・」
ロザリーは身支度を忘れ周りの人が集まる広場に走る
「この者は神官でありながら人を殺した、しかも我々の英雄クルン男爵をだ!!」
クルン男爵とはアークスの町を支配している貴族で、貴族の中では比較的に優しく町の人間にも慕われていた貴族である、多くの貴族が支配する地方で好き放題するなか、税の免除等を考えてくれた人である
アマノス神官が後ろ手で縛られ兵士と共に歩いてくる、拷問された様子がない事から、神官として取り調べを受けたようだ
絞首刑台の縄がアマノス神官の首に掛けられた、アマノスは何も抵抗する事なくおとなしくしている、まるで自分は死ぬ事がないとアピールしているように見える
「アマノス様」
ロザリーは背一杯大きな声でアマノスの名前を叫んだ
こちらの声に気付いたアマノスはロザリーの方を見て微笑んだ
アマノス様の微笑みを見た私は周りが止めるのを振り払うそこまでは記憶にある
気が付くと私は教会にいた
「痛い いた」
身体中は痛むたぶん暴れる私を止めるために殴られたのだろう
「アマノス様・・アっマノス様 あ ひぐぐ」
涙が止まるらない、目から今まで流した事の大粒な涙が床を濡らす
「どうして どうじてこんな事に」
涙を流し続けるロザリーはアマノスが使っている机の上に奇妙な箱を見つける、大きさは子供が入れるぐらいの大きさで黒色に白の模様がある
「あれはアマノス様が時々使っている箱」
ロザリーはゆっくりと立ち上がろうする
「痛い いたっっ」
ロザリーの手が箱に触れる
昔この箱の中身をアマノス様に尋ねた事があった
「アマノス様この箱は何ですか?」
「いいものが入ってるのよ」
「私も中を見たいです」
「だーめ」
「見せてくださいよ~」
「時期がきたら見せてあげるわ・・」
「約束ですよ?」
「約束するわ」
ロザリーはその箱を開けようとする
ガタ ガチャン ガタン
「鍵がかかってる」
箱を調べると箱の真ん中に小さな穴を見つける
「もしかしてこれ」
ロザリーは服に入れておいた指輪を取り出す
「これをこうして・・」
ガコン
何かが上手くハマった音がする
「・・・」
ロザリーはおそるおそる箱を開ける
「これって」
箱の中には黒い修道服と便箋と布袋が入れられていた
「この修道服ってアマノス様が何時もきていた修道服だ」
修道服は黒で普段ロザリーが来ている服よりも黒い、普段の色が黒色ならこの修道服は漆黒の色だ、修道服を鼻に近づけ、においを嗅ぐがこの修道着からはアマノス様のにおいがしないどうやらアマノス様が普段来ている修道服ではないようだ・・じゃ誰の修道服を広げ気付く
「私の服にぴったり・・」
どうやらこの服は私用にアマノス様が用意してくれた物だ
「ありがとうございます」
ロザリーは服を抱きしめるまるでアマノスと抱き合っているように
修道服を持ちながらロザリーは一枚の便箋の封を切る
そこには手紙が添えられていた
ロザリーへ
この手紙を見たときには私は死んでいるでしょう
私はクルン男爵が裏で悪魔の所業を行っていることに知りました
それを告発しようと彼の家に行きましたが彼は死んでいたのです
私は慌てて逃げましたがたぶん捕まるでしょう
あなたに罪を被せられないように私が罪をかぶります
わずかなお金ともしもの為に私に友人の連絡先を用意しときます
町の平和とあなたの幸せを天国で祈り続けます
あなたの母 アマノスより
「そんな アマノス様」
布袋の中には金貨30枚が入っていた
「こんな大金いつの間に」
普段は質素な生活をしているロザリーにとって金貨30枚は見ることもできない大金だった
ガチャ
ロザリーは慌てて後ろを振り向く
「探したぜ」
「誰ですか?」
見たこともない男が私の後ろに立っていた
「俺はコール お前の母親のボスだよ」
「コール何て人アマノス様から聞いた事ありません」
アマノス様が教会の神官として様々な人と交流がある事は知っていたがコール何て人の話を聞いた事がない
「秘密だったからな」
「アマノス様の知り合いの方ですか?」
「そうだな あいつに仕事を頼んだんだよ」
「仕事?」
アマノス様が教会以外の仕事なんて初耳だ
「あぁ クルン男爵のことを調べて欲しいってな」
「貴族を?」
「あいつは裏では悪い事ばっかしてたからな」
「なぜアマノス様がそんな事にかかわるんですか」
「アマノスは組織の一員だったんだよ」
「組織?」
「あぁそうだ だがな敵対する組織と同盟を結ぶようになって邪魔になったんだよ」
「もしかして」
「あぁそうだ俺たちが罠にハメたんだよ」
コールはそう言って笑いは始めた
「ひどい よくもアマノス様を・・」
痛む身体を振るい立たせ何とか男のところまで歩く
ロザリーが男に近づこうとする前に男はロザリーに近づき蹴りを放つ
「キャー 」
男に蹴りを入れられたロザリーは倒れこみ動けなくなってしまった
「うぐぐ お前なんか」
コールはそんなロザリーに告げる
「お前の母親が隠し持ってる金は全部貰ってやるよ」
コールは布袋の中を見つめにやりと笑った
「あばよ」
男は帰りしなに独り言のように声を出す
「火よ全ての物を焼きすべてを灰に反せ」
男が言葉をつぶやいた瞬間、部屋の中に火に包まれる
「あ あ あああ 火が 教会が」
ロザリーは慌て逃げようとするが身体が動かない
「息ができない」
「このまま死ぬのかなお母さんごめんすぐ私もいくから・・」
「誰か助けて・・」
その時 黒い箱から二人の声が聞こえる
「私たちが守りますわ」
「俺たちが守ってやる」
意識が切れる瞬間二人の男女が私の前に現れた
「おーい 生きてます~」
「ううん うん?」
「気が付いたみたいだな」
ロザリーは目を開けると目の前が真っ白だった
「ちょっと何?」
女性の声が自分の真上で聞こえる後柔らかい感触が頭全体に広がっている
「気が付きましたね」
ロザリーは身体を起こそうとするも起き上がれない
「まだ身体が痛む?」
「痛みますて 誰?」
「私はコルンです」
白い服を着た女性が答える
「俺はノルンだ」
「私は確か」
「火に囲まれた教会から二人で運び出したんですよ」
「助けていただいてありがとうございます」
「気にするな約束を果たしただけだ」
「約束?」
「君の母親から頼まれてな」
「お母さん?」
「アマノスからだ」
「アマノス様を知っているの?」
ロザリーが無理して身体を起こす
「教会が・・」
教会は無残に燃え尽きてしまっていた
「改めて自己紹介しますね」
「私はコルンです」
白い髪に白い服を着た女性が頭を下げる
「アマノスに似て美人さんね~」
ロザリーの頭をコルンが撫でる
「うわ わ」
「それくらいにしておけまったく」
「俺はノルンだ」
黒い髪に黒い服を着た男性が頭を下げる
「あ 始めましてロザリーです」
「危ない所を助けていただいたみたいで・・」
「気にしないでね~」
「危ない所だったな」
「あ!!! 箱 箱」
ロザリーは辺りを見渡す
「これの事?」
コルンは箱をロザリーの前に置いた
「そうです これです」
箱の中を慌てて確認する幸い修道服は無事であったが布袋の中の硬貨は取られてしまっていたが、アマノスの形見の修道服が無事でよかったと胸を下す
「その服アマノスと一緒だね」
コルンがロザリーのそばに寄る
「コルンさんはアマノス様の事を知っているみたいですね」
「知ってるわ ノルンも知っているわよ~」
「知ってるさ・・」
この二人の正体がまったく見当がつかないが危なく死ぬところを助けてくれ、アマノス様の事を知っているようだ
「二人は何者なんですか?」
コルンが答える
「私たちはその箱に宿った悪魔と天使なのよ」
「悪魔?」
「そうよ」
コルンの背中から黒い羽根が生えてくる
「悪魔だ なんとかしなきゃ」
ロザリーは身構える一様は聖女として訓練された女だ悪魔の退治の仕方は把握している
「大丈夫よ私はあなたに危害を加えないわ~」
「へぇ?」
「どうして?」
コルンはロザリーの身体に抱き着き耳元で告げる
「私の愛した女の子供よ・・愛してるわよ」
ロザリーの背筋が凍る
「・・・」
「それくらいにしておけ」
ノルンはコルンを叱る
「良いじゃない・・ノルンもアマノスが好きだったくせに」
「今は関係ないだろう」
二人の悪魔と天使が言いあいをする
「大丈夫かな?」
聖女は二人の悪魔と天使を見ながら頭を抱えた
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孤児院出身のアリスは5歳の時に天女様の加護があることがわかり、王都で聖女をしていた。
しかし国王が崩御したため、国外追放されてしまう。
しかし隣国で聖女をやることになり、アリスは幸せを掴んでいく。
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