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落ちこぼれ聖女
盗賊団②
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その女は坊主の知り合いのようだった。
フランケルの脅しにも全く動じないその女は再度警告して来た。
「とっととウチの団員を放せと言っている、どうしたの聞こえないのかしら?」
「何を偉そうに、おい、あの女を捕まえてこい」
そう言うと手下に合図をした。
手下たちが動こうとした時、女は大きな音で指笛を吹いた。
ピ~イ~ィ~ィ~ッ
その音が止むと同時に白い大きな塊が俺達の目の前に現れた。
「みなさま、初お目見えですのよ、昨晩私達の仲間になったラギーでございます。私を捕まえる?それはラギーが許さないと思うけど、さあどうしますか?」
白い大きな塊、それは俺も今まで見たことも無かった巨大なベアラグだった。
グォ~オ~ォッ
ベアラグが一声吠えると、余りの恐ろしさにそこに居た男達はしゃがみ込んでしまった。
みんな知っているのだ。
ベアラグ獰猛な森の王者である。
そう、それは誰もが知っていた。
ベアラグの走る速度は人などよりはるかに早い。
そしてその剛毛はどんな剣も弾く。
そうだ逃げ切ることは出来ない。
そして男たちの自慢のミスリルの剣すらベアラグの剛毛に弾かれるのだ。
「カメリアさん、その子が今回の仲間なの?」
「そうね、従魔契約までは苦労したけど良い子よ。可愛いのよ、ラギー!!」
坊主と女の会話だけならどんなに可愛い動物かと思うが会話の動物はベアラグだ。
それが証拠に会話の内容とは裏腹に横で聞いている聖女様はベアラグを見て震えていた。
焦っているのかフランケルが手下に逃げるように指示を出した。
「出来るだけ四方八方に逃げるんだ相手は一匹だ、運が良い奴は逃げられるぞ」
そう言うと手下は四散し逃げようとした。
フランケルは卑怯にもベアラグが動き始めてから最も遠くなる逃走経路を選んで走り出した。
だが、ベアラグはその全ての男達に順次追いつきものの数秒の内に強い腕で地面に叩きつけ倒していく。
結局ほんの数分で奴らは全て倒された。
坊主に進められて聖女様はなんとベアラグに恐る恐る近づいて触っていた。
「ラギーありがとう」
当の坊主はその女に近付くと握手していた。
「カメリアさんありがとうございます。本当に助かりました」
俺も彼女に近づいた。
「第一騎士団のキリオと申します、助けてくれてありがとう」
俺はハットした、彼女の衣装がボロボロなのと鋭い切り傷は明らかにベアラグと戦った傷なのだ。
「まさか、ベアラグと一戦交えたのですか?」
「一戦なんて・・・でも従魔契約をするまでは私なんか餌にしか見えませんからね、ちょっとね、本当にちょっとですよ」
そんなはずは無い、彼女の傷はそんな軽い傷ではなく結構深い傷だった。
そんな女の様子を見ると坊主は聖女様に何か頼んでいた。
「聖女シオン様、また手を貸してくれますか?」
「もちろんです」
小さな少女は自分を助けてくれたこの女のために力を使うことを快諾していた。
「カメリアさん少し待っていてください」
そう言うと坊主は聖女様と一緒に座ったそして聖女様の肩に手を添えると何かを始めた」
「シオン様、よろしいですか、光を流す感覚を思い出してください。流れる量で私が指示するように流せば大丈夫です」
そして二人は立ち上がった。
俺は今まで聖女の治療の風景は何度も見たことがあるがこんな光景は初めてだった。
まず聖女様は立ち上がると「シフト」と言いながら腕を振った。
すると彼女の腕の聖痕が光始め、その光を当たるだけで爪で切り裂かれ大きな切り傷であったはずが傷が薄れた。
こんな傷を簡単に消せるのは上級聖女くらいのはずだ、それも数時間掛かってもおかしくはない。
聖痕が光りそして高度な治療を行うことが出来る聖女。
俺の頭に『大聖女』そんな言葉が浮かんだ。
だが大聖女の聖痕は金色に光るのだ。
「そうさ、そんな筈はない大聖女様の後継者はまだ生まれていないはずだ」
どうしたんですかキリオさん?
「いや聖女様の力があんまり凄いんで驚いているんだよ」
「でも残念なことに今のシオンはリミッタが働いて力を出せないのです」
女は傷が治ると驚いていた、それはそうだろう奇麗に傷が消えるなんて奇跡的だからだ。
「信じられない!!傷が残ると思っていたのに!!ありがとう聖女様」
「シオンとお呼びください」
「はい!!、聖女シオン様」
女は喜んで聖女を抱き上げていた。
俺は、捕まえた奴らを全て縛り上げて第一騎士団に連絡するために発光弾を打ち上げた。
「俺は奴らのアジトに向かう、聖女様が捕まっているらしいからな」
そう言うと、なんと聖女様が付いて来ると言う。
「クローディア聖女が捕まっているのです、お願いです私も連れて行った下さい」
「危険だからここに居なさい、直ぐに第一騎士団が来ます」
「ダメです今にも自殺しそうだという話していました、私も行きます」
時間が無いのと説得をしてもらえるかもしれないので連れて行くことにした。
「坊主、カメリアさんだったかなと一緒に第一騎士団が来るまでそいつらを見張っておいてくれ」
そう坊主に言うと俺は聖女様を連れて奴らのアジトに向かった。
フランケルの脅しにも全く動じないその女は再度警告して来た。
「とっととウチの団員を放せと言っている、どうしたの聞こえないのかしら?」
「何を偉そうに、おい、あの女を捕まえてこい」
そう言うと手下に合図をした。
手下たちが動こうとした時、女は大きな音で指笛を吹いた。
ピ~イ~ィ~ィ~ッ
その音が止むと同時に白い大きな塊が俺達の目の前に現れた。
「みなさま、初お目見えですのよ、昨晩私達の仲間になったラギーでございます。私を捕まえる?それはラギーが許さないと思うけど、さあどうしますか?」
白い大きな塊、それは俺も今まで見たことも無かった巨大なベアラグだった。
グォ~オ~ォッ
ベアラグが一声吠えると、余りの恐ろしさにそこに居た男達はしゃがみ込んでしまった。
みんな知っているのだ。
ベアラグ獰猛な森の王者である。
そう、それは誰もが知っていた。
ベアラグの走る速度は人などよりはるかに早い。
そしてその剛毛はどんな剣も弾く。
そうだ逃げ切ることは出来ない。
そして男たちの自慢のミスリルの剣すらベアラグの剛毛に弾かれるのだ。
「カメリアさん、その子が今回の仲間なの?」
「そうね、従魔契約までは苦労したけど良い子よ。可愛いのよ、ラギー!!」
坊主と女の会話だけならどんなに可愛い動物かと思うが会話の動物はベアラグだ。
それが証拠に会話の内容とは裏腹に横で聞いている聖女様はベアラグを見て震えていた。
焦っているのかフランケルが手下に逃げるように指示を出した。
「出来るだけ四方八方に逃げるんだ相手は一匹だ、運が良い奴は逃げられるぞ」
そう言うと手下は四散し逃げようとした。
フランケルは卑怯にもベアラグが動き始めてから最も遠くなる逃走経路を選んで走り出した。
だが、ベアラグはその全ての男達に順次追いつきものの数秒の内に強い腕で地面に叩きつけ倒していく。
結局ほんの数分で奴らは全て倒された。
坊主に進められて聖女様はなんとベアラグに恐る恐る近づいて触っていた。
「ラギーありがとう」
当の坊主はその女に近付くと握手していた。
「カメリアさんありがとうございます。本当に助かりました」
俺も彼女に近づいた。
「第一騎士団のキリオと申します、助けてくれてありがとう」
俺はハットした、彼女の衣装がボロボロなのと鋭い切り傷は明らかにベアラグと戦った傷なのだ。
「まさか、ベアラグと一戦交えたのですか?」
「一戦なんて・・・でも従魔契約をするまでは私なんか餌にしか見えませんからね、ちょっとね、本当にちょっとですよ」
そんなはずは無い、彼女の傷はそんな軽い傷ではなく結構深い傷だった。
そんな女の様子を見ると坊主は聖女様に何か頼んでいた。
「聖女シオン様、また手を貸してくれますか?」
「もちろんです」
小さな少女は自分を助けてくれたこの女のために力を使うことを快諾していた。
「カメリアさん少し待っていてください」
そう言うと坊主は聖女様と一緒に座ったそして聖女様の肩に手を添えると何かを始めた」
「シオン様、よろしいですか、光を流す感覚を思い出してください。流れる量で私が指示するように流せば大丈夫です」
そして二人は立ち上がった。
俺は今まで聖女の治療の風景は何度も見たことがあるがこんな光景は初めてだった。
まず聖女様は立ち上がると「シフト」と言いながら腕を振った。
すると彼女の腕の聖痕が光始め、その光を当たるだけで爪で切り裂かれ大きな切り傷であったはずが傷が薄れた。
こんな傷を簡単に消せるのは上級聖女くらいのはずだ、それも数時間掛かってもおかしくはない。
聖痕が光りそして高度な治療を行うことが出来る聖女。
俺の頭に『大聖女』そんな言葉が浮かんだ。
だが大聖女の聖痕は金色に光るのだ。
「そうさ、そんな筈はない大聖女様の後継者はまだ生まれていないはずだ」
どうしたんですかキリオさん?
「いや聖女様の力があんまり凄いんで驚いているんだよ」
「でも残念なことに今のシオンはリミッタが働いて力を出せないのです」
女は傷が治ると驚いていた、それはそうだろう奇麗に傷が消えるなんて奇跡的だからだ。
「信じられない!!傷が残ると思っていたのに!!ありがとう聖女様」
「シオンとお呼びください」
「はい!!、聖女シオン様」
女は喜んで聖女を抱き上げていた。
俺は、捕まえた奴らを全て縛り上げて第一騎士団に連絡するために発光弾を打ち上げた。
「俺は奴らのアジトに向かう、聖女様が捕まっているらしいからな」
そう言うと、なんと聖女様が付いて来ると言う。
「クローディア聖女が捕まっているのです、お願いです私も連れて行った下さい」
「危険だからここに居なさい、直ぐに第一騎士団が来ます」
「ダメです今にも自殺しそうだという話していました、私も行きます」
時間が無いのと説得をしてもらえるかもしれないので連れて行くことにした。
「坊主、カメリアさんだったかなと一緒に第一騎士団が来るまでそいつらを見張っておいてくれ」
そう坊主に言うと俺は聖女様を連れて奴らのアジトに向かった。
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