普通に見えるんだけど?

魔茶来

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見える?見えない?

01.プロローグ(翔子)

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 いつも見ている大勢が通る交差点、なんて人が多いんだと思いませんか?
 本当に全て人間でしょうか?
 それも生きている人間なのでしょうか?
 そんな疑いを持ったことはありますか?

 幽霊なんて夜や暗闇に現れる者?
 本当にそうですか?

「またやまた間違ごうてもたわ、相変わらずや、まったく調子が出えへんわ」
 そう言いながら裏道から表通りを見る翔子。

「奴らを撒いたらしいから、そろそろ事務所に帰るかな」
 そう思い何もなかったかのような顔をして表通りに出た。

 すると屈強な男たちが祥子の顔を見るや向かってきた。
「「「居やがったな!!待ちやがれ!!、俺たちをお化け呼ばわりするとは一度お灸をすえてやるぜ」」」

「いや、さあから人違いやって言うとるやろ!!」
 そう言いながら必死に逃げる翔子。

 最近翔子は追われることが多くなった。
 原因は祥子が彼らにちょっかいを掛けるからなのだが・・

 結局翔子が男たちから逃げ切ったのは夕方だった。

「ははは、なかなか師匠のようには判別が出けへんな」

 町の歩道を歩きながらあちこちを見まわしながら考える翔子
(しかしホンマにこの町は人が多いな。
 そうや多い、おかしいほど多すぎるんや、なんで気が付かんかったんやろ)


 ーーホンマに何も疑ってなかったわ。

 この中に人でないものが混じっているなんてな。

 今までは人だと思っていたんやけどな、怪しんで見ればみんな怪しいわ。

 幽霊は夜や暗闇に現れるものだと思った。 
 妖怪なら昼間に見える奴もおるがそれは妖怪だと分かる。

 そうや、うちは妖怪や霊は見えるから恐ろしくはなかった。
 でもここに居る大勢の中に正体が分からない者が混じっているなんて恐ろしいわ。

 ーーホンマに怖いのは見えている者達だった。

 こんな私でもそれに気が付けた切っ掛けは、一年ほど前にある事件をきっかけに師匠に会ったことや。

 そして師匠は見えている人がすべて生きている分けではない教えてくれた。

 でもその時は師匠は情けない状況やったけどな・・・
 なぜなら、実は師匠は見える者の中から人で無いものを見つけられるんやけど、逆に見えないものは見えないらしい。
 つまりや妖怪や霊は見えないらしい、だから師匠は妖怪や霊が怖いのや。

 そして、その時は妖怪と霊が大量に居て見えてしまったんや。
 師匠は霊や妖怪に震えていたんや、その時はうちが助けたった。

 でもな、その時思いついたんや、「師匠は見える者から生きていないものが判る」し、うちは「見えないものが見える」から組んだら最強やで。

 そこでもともと師匠がやっていた「不思議事件解決探偵」というところにお世話になることにしたんや。

 ということで、不思議事件解決探偵 朝霧祥子とは 私のことやで、よろしゅうな。
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