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2.お前が待っているのは俺じゃないから
初めてのヒーロー戦③
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蔓に縛られ動けないサンクス、だがその顔は涙が流れていたがなぜか嬉しそうだった。
「ごめん。ジェイ!!
今日はいつものジェイじゃなかったから心配になって来たんだ。
そしたら、こいつらが・・・・話しているのを聞いてしまったんだ。
ジェイ・・・ジェイが、ジェイが水元素の勇者だって。
やっぱりそうだったんだって思っていたら、つい油断してしまったんだ」
サンクスは気持ちが動転しているのか状況も考えないで言いたいことを口走っていた。
「バレたか‥・、ははは、でもな俺なんか、本当の勇者だったあいつの親父とは全く違う。悪いなサンクス。夢を壊してしまって・・・」
つい小さい声で呟いてしまった。
ジャーギルは勝ち誇ったように大きな声で叫び始めた。
「この小僧の命が惜しかったら攻撃を止めろ」
もっとも、ジャーギルが言葉を発する前にグレーブは地下にまた根を張りだしていた。
多分一斉に分身を飛び出させて攻撃するのだろう。
それとさっき出した分身の内幾つかの分身の頭が赤くなっている?
並列魔法をマクロ化し発動する。
こうすることで一時的に注意が外れても何かあればマクロがアテンションを俺に返してくれる。
いったんフェザーウィングを下に落としそのまま消えたように見せかけた。
実際には砂の中に潜らせているのだが乱反射しない状況では結界は透明になるので分からないだろう。
俺は降伏のの意味で両手を上げた。
「俺達が手を出せば次の召喚が出来ないからな。
水勇者様には自害してもらえるとありがたいのですがね」
ジャーギルはそう言いながら嬉しそうに近づいて来る。
傍にはグレーブも付いて来ていた。
俺は、蔓に捕まっているサンクスを救い出すタイミングを計っていた。
その間もグレーブは根を張り巡らせることを少しも止めなかった。
それほど用心深いのだ。
下手なことは出来ない。
もし一瞬でも判断を間違えれば、一瞬でサンクスは絞め殺されるだろう。
グレーブは根を張って分身を出現させるまでに一瞬の間がある。
分身が根から離れ自由に動き出すのだ、それは大変な魔力だと思う。
この間声を出してはいないが魔法力を集中させているのではないかと考えていた。
一秒間にも満たないその間にサンクスを救い出すのだ。
そして5メートル程度の距離になった時グレーブは少し歩くのが遅くなった。
グレーブが準備に入ったか、今だ・・・
俺は準備していたものを一斉に解き放った。
「サンド・ブラスト」
それは砂の刃物、それも熱く密度の高い高速の砂。
当たればすべてを削るやすりであり、切り裂く刃物。
その刃物が一瞬の間に、俺を中心に円形に広がり放物線を描いて広がる。
そしてまるで噴水のように舞い落ちてくるが落ちてくる砂もまた高熱高速の危険なやすりであり刃物だった。
そして俺の周りの地下から飛び出してくるグレーブの分身を全て切り裂き、サンクスを拘束している蔓も切り離す。
俺は術を発動した瞬間にサンダーボードに乗りサンクスを受け取るとそのまま距離を取った。
「ごめん、ジェイ」
「何も言うな・・・」
そうだ、俺も悪かったのだろう。
『いつもと違う』か・・・・
あの時、俺はサンクスの目を見て話せなかった。
そうさ、いつも偉そうな俺がそんな風に言えばおかしいと思うよな。
術発動後の砂煙が消えてくると術の効果のほどが見えて来た。
多数の分身は全て粉々に砕けていた。
またまじかにサンド・ブラスを受けたジャーギルは擦り潰され肉片となっていた。
そしてグレーブは瞬間的に横に逃げたが足を切断されたようだった。
「勝負あったな」
そう呟きグレーブの傍に近づこうとしたとき、仕掛けてあった平行監視マクロからアテンション通知があった。
「うん?」
アテンションに関してはさっきの赤い頭の分身のはずと、後ろを振り返るとグレーブの分身か多数発生していた。
「なぜだ?
グレーブは分身から分身が作れるのか?」
だが直ぐに答えは分かった、赤い頭の分身が分身を発生させていたのだ。
「そうか、赤い頭の分身は『グレーブが自分から発芽させた本体と同じもの』、つまりクローンのようなもか?」
何故そう思えるのかと言うと赤い頭の分身の反応はほぼグレーブと同じなのだ。
中身の薄い分身とは異なる反応で動き自体も自分で考え行動しているのか意思を感じる。
そして通常根っこから生える場合もクローンのはずだがこちらは葉っぱのようなもので、用途事態も使い捨てなのだろう。
俺はサンクスを下し、サンクスに話しかけた。
もちろん遠慮などない、今度はちゃんと目を見て話した。
「あの赤い頭も木元素の勇者だ。
どうだ練習にはもってこいだ頑張って倒すぞ!!」
「了解、ジェイ!!」
返事も早々にサンダーボードに乗りヌンチャクを振り回し走り始めるサンクス。
サンクスにはいつになく力が入っているようだった。
「ジェイと、お父さんと同じ水元素の勇者と一緒に戦える・・・」
何度もそう言うと、サンクスは何時になく興奮していた。
「ごめん。ジェイ!!
今日はいつものジェイじゃなかったから心配になって来たんだ。
そしたら、こいつらが・・・・話しているのを聞いてしまったんだ。
ジェイ・・・ジェイが、ジェイが水元素の勇者だって。
やっぱりそうだったんだって思っていたら、つい油断してしまったんだ」
サンクスは気持ちが動転しているのか状況も考えないで言いたいことを口走っていた。
「バレたか‥・、ははは、でもな俺なんか、本当の勇者だったあいつの親父とは全く違う。悪いなサンクス。夢を壊してしまって・・・」
つい小さい声で呟いてしまった。
ジャーギルは勝ち誇ったように大きな声で叫び始めた。
「この小僧の命が惜しかったら攻撃を止めろ」
もっとも、ジャーギルが言葉を発する前にグレーブは地下にまた根を張りだしていた。
多分一斉に分身を飛び出させて攻撃するのだろう。
それとさっき出した分身の内幾つかの分身の頭が赤くなっている?
並列魔法をマクロ化し発動する。
こうすることで一時的に注意が外れても何かあればマクロがアテンションを俺に返してくれる。
いったんフェザーウィングを下に落としそのまま消えたように見せかけた。
実際には砂の中に潜らせているのだが乱反射しない状況では結界は透明になるので分からないだろう。
俺は降伏のの意味で両手を上げた。
「俺達が手を出せば次の召喚が出来ないからな。
水勇者様には自害してもらえるとありがたいのですがね」
ジャーギルはそう言いながら嬉しそうに近づいて来る。
傍にはグレーブも付いて来ていた。
俺は、蔓に捕まっているサンクスを救い出すタイミングを計っていた。
その間もグレーブは根を張り巡らせることを少しも止めなかった。
それほど用心深いのだ。
下手なことは出来ない。
もし一瞬でも判断を間違えれば、一瞬でサンクスは絞め殺されるだろう。
グレーブは根を張って分身を出現させるまでに一瞬の間がある。
分身が根から離れ自由に動き出すのだ、それは大変な魔力だと思う。
この間声を出してはいないが魔法力を集中させているのではないかと考えていた。
一秒間にも満たないその間にサンクスを救い出すのだ。
そして5メートル程度の距離になった時グレーブは少し歩くのが遅くなった。
グレーブが準備に入ったか、今だ・・・
俺は準備していたものを一斉に解き放った。
「サンド・ブラスト」
それは砂の刃物、それも熱く密度の高い高速の砂。
当たればすべてを削るやすりであり、切り裂く刃物。
その刃物が一瞬の間に、俺を中心に円形に広がり放物線を描いて広がる。
そしてまるで噴水のように舞い落ちてくるが落ちてくる砂もまた高熱高速の危険なやすりであり刃物だった。
そして俺の周りの地下から飛び出してくるグレーブの分身を全て切り裂き、サンクスを拘束している蔓も切り離す。
俺は術を発動した瞬間にサンダーボードに乗りサンクスを受け取るとそのまま距離を取った。
「ごめん、ジェイ」
「何も言うな・・・」
そうだ、俺も悪かったのだろう。
『いつもと違う』か・・・・
あの時、俺はサンクスの目を見て話せなかった。
そうさ、いつも偉そうな俺がそんな風に言えばおかしいと思うよな。
術発動後の砂煙が消えてくると術の効果のほどが見えて来た。
多数の分身は全て粉々に砕けていた。
またまじかにサンド・ブラスを受けたジャーギルは擦り潰され肉片となっていた。
そしてグレーブは瞬間的に横に逃げたが足を切断されたようだった。
「勝負あったな」
そう呟きグレーブの傍に近づこうとしたとき、仕掛けてあった平行監視マクロからアテンション通知があった。
「うん?」
アテンションに関してはさっきの赤い頭の分身のはずと、後ろを振り返るとグレーブの分身か多数発生していた。
「なぜだ?
グレーブは分身から分身が作れるのか?」
だが直ぐに答えは分かった、赤い頭の分身が分身を発生させていたのだ。
「そうか、赤い頭の分身は『グレーブが自分から発芽させた本体と同じもの』、つまりクローンのようなもか?」
何故そう思えるのかと言うと赤い頭の分身の反応はほぼグレーブと同じなのだ。
中身の薄い分身とは異なる反応で動き自体も自分で考え行動しているのか意思を感じる。
そして通常根っこから生える場合もクローンのはずだがこちらは葉っぱのようなもので、用途事態も使い捨てなのだろう。
俺はサンクスを下し、サンクスに話しかけた。
もちろん遠慮などない、今度はちゃんと目を見て話した。
「あの赤い頭も木元素の勇者だ。
どうだ練習にはもってこいだ頑張って倒すぞ!!」
「了解、ジェイ!!」
返事も早々にサンダーボードに乗りヌンチャクを振り回し走り始めるサンクス。
サンクスにはいつになく力が入っているようだった。
「ジェイと、お父さんと同じ水元素の勇者と一緒に戦える・・・」
何度もそう言うと、サンクスは何時になく興奮していた。
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