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しおりを挟む普段と変わらぬ日曜日。
だけど、部屋は服で溢れかえってる。
そして、時間も迫ってる~。
あ~ぁ、どうしよう。
何着ていけば良いの?
どれが正解なの?
部屋の中でウロウロしてると。
「何してるのお姉ちゃん?」
妹が声をかけてきた。
「勝手に入って来て……。」
と口にしたら。
「何言ってるの。何度もノックして声かけたのに返事が無かったから……。」
呆れた様に言う。
「そうなの?」
聞き返すと頷き返した妹。
「それにしても、凄い事になってるね。」
妹が部屋を見渡して言う。
「あっ……。そうだった、時間がないの。一緒に考えて欲しい。」
唐突にそう答えたら。
「何を?」
と聞き返されて。
「友達と図書館で勉強するんだけど、どんな格好で行けば良いのかわかんないの……。」
と焦りながら返す。
「別に普通の格好で良いじゃん。」
「その普通がわかんないのよ。」
と若干涙目になりつつそう口にすれば。
「じゃあ、白の七分袖シャツと空色のロングスカートにクリーム色のカーデガンでどう?」
妹が散乱している服を見て提案してくれて、それに合わせるミュールが在る事を思い出し、時間も無いしそれに着替えた。
「ありがとう、琳。」
お礼を言いつつ部屋を見渡し、これは帰って来てから片付けだな。
と鞄の中を確認する。
苦手の教科書(数学と英語)、問題集、筆記用具に財布と定期、携帯、それと借りていた折り畳み傘。
鞄に有るのを確認して。
「琳、何か用があったんじゃ?」
私の部屋に来たんだから、そう何かなって問えば。
「ん、ママがご飯食べに行こうって話してたから、呼びに来ただけだよ。」
妹の言葉に、お昼の事すっかり忘れていた。
図書館でお腹が鳴ったら恥ずかしいよね。
どうしよう?
「お姉ちゃん、時間大丈夫なの?」
時計を見れば12時を廻っていて、家を出ないといけない時間だ。
「うん、もう行くね。」
私は部屋を出て階段を下りる。
「あれ、珠稀ちゃん出掛けるの?」
ママが聞いてきた。
「うん、友達と図書館で勉強するの。」
「そうか……。じゃあ、これ渡すね。コンビニで何か買って食べて。」
ママが千円札を渡してきた。
「ありがとう、ママ。」
私はそれを受け取って、靴箱からミュールを出し履くと。
「じゃあ、行ってきます。少し遅くなるかもだけど……。」
と口にする(一昨日の事もあるしね)。
「わかったわ。気を付けてね。」
ママが手を振って見送ってくれた。
駅に着き時刻表を確認してから、コンビニに入った。
おにぎりとお茶、甘いもの……チョコにしよう。
それぞれ手にして、レジに。
支払いを済ませ、駅に戻り電車が来る前にホームでおにぎりを食べのだった。
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