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8章 決戦
第33話 王様
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フルームは違う部屋で隔離して寝かせた。キューは城へ帰る決意をした。
明くる日、キューは皆に礼を言った。
「みんな、ありがとう。僕は帰ります」
「キュー。行くのね」ちいが涙ぐんだ。
「元気でな」とコング。
バーバラ、サリー、ポルサ、魔女、ジルとみんな手をふった。
「じゃあ」キューが城の門番の所へ行った。
門番はキューを見て、とてもびっくりしていた。急いで城の門を開け、キューを中に入れた。城の中で大騒ぎになっている様子だった。
キューが入って、門が閉まった。
「さて、一旦宿屋に帰るか」コングが言った。
キューは王様である父と対面した。
「お、お父様・・・すみません。戻りました」
「おお・・アルフレッド。信じられん。戻ってきたか。黒の国のビブリン様のおかげだ。やはり、ビブリン様は偉大なお方だ」
(僕はアルフレッドっていうのか・・)
「あの・・ビブリン様とは?」
「お前を見つけてくれると、約束したお方だ。少しばかり、協力金が高かったがな・・」
「お父様。すみません。僕を探しだす為、高額なお金を・・でも、僕は帰りました。もうビブリンという者とは縁を切って下さい。ウイルス感染が町の人に流行り始めています」
「うむ・・しかし・・3年契約を交わしたのだ」
「お父様・・」キューは困惑した。
「これを飲みなさい。アルフレッド」王様は小瓶を出した。
「これは・・」
「ワクチンじゃ。これを定期的に飲んでいれば、感染しないぞ。ビブリン様は大量のワクチンを町人に売る計画がある」
「お父様・・なんてことを・・町の人はもうお金もなくて、大変です」
「しかしな・・」
「他の兵士はどうしたなのです?なぜ、こんなに静かなのです?」
「感染したんじゃ。奥の部屋で寝ている。ワクチンを渡すのが遅かったんじゃ」
「ワクチンは予防のみですか?治療には使えない?」
「そうじゃ。治療効果はない。治った者もおらんのじゃ。感染者は増える一方じゃ」
「なんて事を・・」
「お母様は・・。お母様はどこへ?」
「ん?どうしたんじゃ。あの事を忘れたのか?」
「え!いや、その・・あの・・そうなんです。記憶がないのです。壺を覗いたら、ブタになって・・記憶もなくして・・」
「そうじゃったか。壺の呪いじゃな。あの壺は撤去させるとしよう。母さんはな、もっと美しくなろうと思い、黒の国の魔物と取引をしたのじゃよ。お金を渡し、少しずつ綺麗になっていった。黒の魔法でな。だんだんお金の要求がエスカレートしてものすごく高額になったんじゃ。もう払えなくなると、顔がひどく醜くなっていったんじゃ。鬼のような顔じゃ。母さんはショックで地下の部屋にこもっておる」
「少し思い出しました。僕は母さんの部屋に行き、顔を見た気がする・・そしてショックを受けて、走って逃げた。とても喉が乾いて、壺に水がないか、覗き込んだ。そしてブタになった」
「うむ。誰かが呪いをかけた壺があったんじゃな。壺を撤去させるように、ちょっと指示を出してくる。ゆっくりしてなさい」
王は部屋を出ていった。
「母さんが・・地下に・・行ってみるか・・でもショックを受ける。ちいたんやコングはどうしているかな・・」
キューは母に会いに地下へ降りた。
地下は薄暗くて、じめっとしていた。
キューはドキドキしてきた。以前もこの地下で母を見て、ショックを受けたのだ。
しかし、キューは母に会いたかった。
一番奥の部屋の扉が開いていた。キューは近づいた。男の声と母の声がする。キューは聞き耳を立てた。
明くる日、キューは皆に礼を言った。
「みんな、ありがとう。僕は帰ります」
「キュー。行くのね」ちいが涙ぐんだ。
「元気でな」とコング。
バーバラ、サリー、ポルサ、魔女、ジルとみんな手をふった。
「じゃあ」キューが城の門番の所へ行った。
門番はキューを見て、とてもびっくりしていた。急いで城の門を開け、キューを中に入れた。城の中で大騒ぎになっている様子だった。
キューが入って、門が閉まった。
「さて、一旦宿屋に帰るか」コングが言った。
キューは王様である父と対面した。
「お、お父様・・・すみません。戻りました」
「おお・・アルフレッド。信じられん。戻ってきたか。黒の国のビブリン様のおかげだ。やはり、ビブリン様は偉大なお方だ」
(僕はアルフレッドっていうのか・・)
「あの・・ビブリン様とは?」
「お前を見つけてくれると、約束したお方だ。少しばかり、協力金が高かったがな・・」
「お父様。すみません。僕を探しだす為、高額なお金を・・でも、僕は帰りました。もうビブリンという者とは縁を切って下さい。ウイルス感染が町の人に流行り始めています」
「うむ・・しかし・・3年契約を交わしたのだ」
「お父様・・」キューは困惑した。
「これを飲みなさい。アルフレッド」王様は小瓶を出した。
「これは・・」
「ワクチンじゃ。これを定期的に飲んでいれば、感染しないぞ。ビブリン様は大量のワクチンを町人に売る計画がある」
「お父様・・なんてことを・・町の人はもうお金もなくて、大変です」
「しかしな・・」
「他の兵士はどうしたなのです?なぜ、こんなに静かなのです?」
「感染したんじゃ。奥の部屋で寝ている。ワクチンを渡すのが遅かったんじゃ」
「ワクチンは予防のみですか?治療には使えない?」
「そうじゃ。治療効果はない。治った者もおらんのじゃ。感染者は増える一方じゃ」
「なんて事を・・」
「お母様は・・。お母様はどこへ?」
「ん?どうしたんじゃ。あの事を忘れたのか?」
「え!いや、その・・あの・・そうなんです。記憶がないのです。壺を覗いたら、ブタになって・・記憶もなくして・・」
「そうじゃったか。壺の呪いじゃな。あの壺は撤去させるとしよう。母さんはな、もっと美しくなろうと思い、黒の国の魔物と取引をしたのじゃよ。お金を渡し、少しずつ綺麗になっていった。黒の魔法でな。だんだんお金の要求がエスカレートしてものすごく高額になったんじゃ。もう払えなくなると、顔がひどく醜くなっていったんじゃ。鬼のような顔じゃ。母さんはショックで地下の部屋にこもっておる」
「少し思い出しました。僕は母さんの部屋に行き、顔を見た気がする・・そしてショックを受けて、走って逃げた。とても喉が乾いて、壺に水がないか、覗き込んだ。そしてブタになった」
「うむ。誰かが呪いをかけた壺があったんじゃな。壺を撤去させるように、ちょっと指示を出してくる。ゆっくりしてなさい」
王は部屋を出ていった。
「母さんが・・地下に・・行ってみるか・・でもショックを受ける。ちいたんやコングはどうしているかな・・」
キューは母に会いに地下へ降りた。
地下は薄暗くて、じめっとしていた。
キューはドキドキしてきた。以前もこの地下で母を見て、ショックを受けたのだ。
しかし、キューは母に会いたかった。
一番奥の部屋の扉が開いていた。キューは近づいた。男の声と母の声がする。キューは聞き耳を立てた。
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