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4章 ピエール王国を目指して
第17話 ハンスの賭け
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「ブヒ!や、やるさ!」
「まって、私がやる。ブタのままなら、やりづらいと思うから」とちい。
「ブヒ!そうか・・」
「よし。好きな剣ミンクーを選んでいいぞ」
ハンスが、小屋にいる剣ミンクー達を指差した。ちいは目の大きい、元気そうな剣ミンクーを選んだ。「この子にするわ」
皆はどっちに賭けるか、ザワザワした。
「俺はハンスだ。200ミンかける」
「俺は大穴のあの子だ」
賭博場《とばくじょう》のオーナーは賭け金のオッズを考えた。ちいのオッズはすごかった。大穴中の大穴。皆は興奮した。
「よし、ミンクー。こっちにおいで」ちいは目の大きいミンクーに声をかけた」
剣ミンクーはちいの言う通りにふわっとかけてきて、ちいの肩に乗った。
「ほほう。こりゃ驚いた。剣ミンクーを手なづけたよ」ハンスは驚いた。
「ところで、あんなたちが負けたらどうするんだい?」ハンスがちい達に聞いた。
「キュー、あれを出して」
「ブ、ブヒ!まさか、あれを!」
「ゴールドクリスタルよ。早く!」
「ゴールドクリスタルだぁ?」皆は驚いた。
「ブヒ!だ、出しますよ」キューは震える手でゴールドクリスタルを出した。ピカッと光った。
「にせものだろう?」男たちは不審がった。メガネをかけた男が、
「ちょっと失礼」ゴールドクリスタルか虫眼鏡で鑑定した。
「うむ!これは本物だ」
皆は歓声を上げた。
「よし。それを賭けよう」ハンスが言った。
「始めるぞ。旗を振ったら開始だ」
レフェリーの男が旗を構えた。皆は静まり返った。そして旗が振られた。ハンスの剣ミンクーが剣を振りかざし、攻撃してきた。ちいの剣ミンクーはさらりとかわした。そして素早く突進し、ハンスの剣ミンクーに剣を突き上げた。かろうじて、ハンスの剣ミンクーはかわした。ちいは力をこめた。ミンクー使いの能力により、ミンクー達の動きが変わる。テレパシーを使って、ミンクーを操るのだ。両者のミンクーが飛び上がった。空中戦だ。激しく火花が散った。ちいのミンクーはくるくる飛び跳ね、剣から炎を放った。
「火を放ちやがった。やるな!」ハンスが叫んだ。炎はハンスのミンクーを包み、倒れた。ハンスミンクーは動かなくなった。レフェリーが試合を止めて、ちいのミンクーは勝利を決めた。皆は大歓声。すぐさま、ハンスのミンクーは回復の魔法でキズを癒やした。
「くそ!負けた。信じられん」
「ブヒ!やった!ちいたん、勝ったよ」
「おいで、剣ミンクー」ちいの剣ミンクーは素早くちいの肩に止まった。
「ブヒ。ちいたん。ゴールドクリスタルをひとつ使って、ここのミンクー達を開放できないかな?」
「それいいね。このお金があれば・・」
「さあ。お金を受け取れ。キミの勝ちだ」ハンスが言った。ちいは、
「お金はいりません。そのかわり、ここの剣ミンクーをみんな逃して下さい。ゴールドクリスタルをあげます」
「ゴールドクリスタルを!?」オーナーは考えた。そして、
「いいだろう。ゴールドクリスタルなら十分だ。剣ミンクーを30匹、全開放しよう」
「ブヒ!やったぁ!」
「よかった~」ちいも大喜び。
ハンスが、「君たちすごいね。どこから来たの?」
「ピエール王国を目指して旅をしているの」と、ちいは答えた。
「ピエール王国だって?そうか・・」
30匹の剣ミンクーは開放され、走って逃げていった。ちいの剣ミンクーはちいから動かなかった。
「どうしたの?みんなと一緒に行かないの?」
「いかない・・」剣ミンクーがしゃべった。
「好かれてんだよ。俺の剣ミンクーなんて、とっくにどこかへ行きやがった」
「一緒にくる?」ちいが剣ミンクーに聞いた。
「行く・・」剣ミンクーが小さく答えた。
「俺も・・一緒に行きたいのだが。ピエール王国への近道を知っているぜ。最近、使ってない道だが」とハンス。
「ブヒ!とにかくそろそろコングさんの所に戻ろうよ。長く離れ過ぎだ」
「そうね。戻りましょう」
「じゃ、一緒に行っていいんだね?ありがとう」ハンスも身支度した。
「まって、私がやる。ブタのままなら、やりづらいと思うから」とちい。
「ブヒ!そうか・・」
「よし。好きな剣ミンクーを選んでいいぞ」
ハンスが、小屋にいる剣ミンクー達を指差した。ちいは目の大きい、元気そうな剣ミンクーを選んだ。「この子にするわ」
皆はどっちに賭けるか、ザワザワした。
「俺はハンスだ。200ミンかける」
「俺は大穴のあの子だ」
賭博場《とばくじょう》のオーナーは賭け金のオッズを考えた。ちいのオッズはすごかった。大穴中の大穴。皆は興奮した。
「よし、ミンクー。こっちにおいで」ちいは目の大きいミンクーに声をかけた」
剣ミンクーはちいの言う通りにふわっとかけてきて、ちいの肩に乗った。
「ほほう。こりゃ驚いた。剣ミンクーを手なづけたよ」ハンスは驚いた。
「ところで、あんなたちが負けたらどうするんだい?」ハンスがちい達に聞いた。
「キュー、あれを出して」
「ブ、ブヒ!まさか、あれを!」
「ゴールドクリスタルよ。早く!」
「ゴールドクリスタルだぁ?」皆は驚いた。
「ブヒ!だ、出しますよ」キューは震える手でゴールドクリスタルを出した。ピカッと光った。
「にせものだろう?」男たちは不審がった。メガネをかけた男が、
「ちょっと失礼」ゴールドクリスタルか虫眼鏡で鑑定した。
「うむ!これは本物だ」
皆は歓声を上げた。
「よし。それを賭けよう」ハンスが言った。
「始めるぞ。旗を振ったら開始だ」
レフェリーの男が旗を構えた。皆は静まり返った。そして旗が振られた。ハンスの剣ミンクーが剣を振りかざし、攻撃してきた。ちいの剣ミンクーはさらりとかわした。そして素早く突進し、ハンスの剣ミンクーに剣を突き上げた。かろうじて、ハンスの剣ミンクーはかわした。ちいは力をこめた。ミンクー使いの能力により、ミンクー達の動きが変わる。テレパシーを使って、ミンクーを操るのだ。両者のミンクーが飛び上がった。空中戦だ。激しく火花が散った。ちいのミンクーはくるくる飛び跳ね、剣から炎を放った。
「火を放ちやがった。やるな!」ハンスが叫んだ。炎はハンスのミンクーを包み、倒れた。ハンスミンクーは動かなくなった。レフェリーが試合を止めて、ちいのミンクーは勝利を決めた。皆は大歓声。すぐさま、ハンスのミンクーは回復の魔法でキズを癒やした。
「くそ!負けた。信じられん」
「ブヒ!やった!ちいたん、勝ったよ」
「おいで、剣ミンクー」ちいの剣ミンクーは素早くちいの肩に止まった。
「ブヒ。ちいたん。ゴールドクリスタルをひとつ使って、ここのミンクー達を開放できないかな?」
「それいいね。このお金があれば・・」
「さあ。お金を受け取れ。キミの勝ちだ」ハンスが言った。ちいは、
「お金はいりません。そのかわり、ここの剣ミンクーをみんな逃して下さい。ゴールドクリスタルをあげます」
「ゴールドクリスタルを!?」オーナーは考えた。そして、
「いいだろう。ゴールドクリスタルなら十分だ。剣ミンクーを30匹、全開放しよう」
「ブヒ!やったぁ!」
「よかった~」ちいも大喜び。
ハンスが、「君たちすごいね。どこから来たの?」
「ピエール王国を目指して旅をしているの」と、ちいは答えた。
「ピエール王国だって?そうか・・」
30匹の剣ミンクーは開放され、走って逃げていった。ちいの剣ミンクーはちいから動かなかった。
「どうしたの?みんなと一緒に行かないの?」
「いかない・・」剣ミンクーがしゃべった。
「好かれてんだよ。俺の剣ミンクーなんて、とっくにどこかへ行きやがった」
「一緒にくる?」ちいが剣ミンクーに聞いた。
「行く・・」剣ミンクーが小さく答えた。
「俺も・・一緒に行きたいのだが。ピエール王国への近道を知っているぜ。最近、使ってない道だが」とハンス。
「ブヒ!とにかくそろそろコングさんの所に戻ろうよ。長く離れ過ぎだ」
「そうね。戻りましょう」
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