MINKU 時空を超えた物語

榊 直 (さかき ただし)

文字の大きさ
上 下
7 / 41
2章 記憶のないブタ

第7話 ちい、戻る

しおりを挟む
 ちいが目を開けると。真っ暗闇まっくらやみだった。
「何ここ?ほこりっぽい」ちいは暗闇の中をまさぐった、出口が見つからなかった。
「だれかー。たすけてー」ちいは大きな声で叫んだ。
すると扉が開き、ロウソクの炎の明かりがさしこんだ。開けたのはコングだった。
物置だったようだ。
「コング!良かった。また会えた!」ちいはコングに抱きついた。
ミンクーは苦しそうにポケットから出てきた。
「ごめんね。ミンクー」ちいはミンクーをやさしく抱き寄せた。
「弱っているの。助けてあげて」
コングは「パモンの植物の花粉をあげよう」
コングはお城の花瓶にさしてあるパモンの花を一輪とり、ミンクーの口元に持ってきた。
ミンクーは花粉を食べた。すると、ミンクーの目は強く輝きだし、パタパタと飛んだ。
「すごい回復力ね」ちいは喜んだ。
「おや、またもどれたのだね。無事かい?」西の魔女が心配した。
「おっと、今夜は忙しいよ。ブタが来たみたいだね」さっきのブタが入口まで来ていた。
「フリザコン」魔女は呪文を唱えた。入口の扉が開いた。
 「ブヒー。助けてくんろ」ブタがボロボロになって入ってきた。
「お前はどこから来たのだい?」魔女が聞いた。ブタが答えた。
「気がつくとギジュの森をさまよっていた。その前の記憶きおくはなぜかありません。僕の名前も分からないのです」
ちいは「あなたは、そうね。キュー。キューね」と、名付けた。
「キューですか。ありがとう。名付けてくれて」キューは嬉しそうだった。
「なぜ、ガイコツの騎士に追われていたのだい?」魔女が聞いた。
「ギジュの森で迷ってしまい、さまよっていたら、
ガイコツの騎士の死霊の砦にはいってしまったのです。そして、追いかけられたのです」
「死霊のとりでに入って、生きているのはすごいぞ」とコング。
「ブヒー。ヘビに助けられました」
「私のヘビだね。助かってよかったよ。さあ、みんなもお疲れだ。ゆっくり休むよ」
長い夜は終わった。皆は眠りについた。

 次の朝、コングは早起きして、草むらにいるミンクーを集めた。
そして、魔女と剣ミンクーをすべて治療した。剣ミンクーはお礼を言い、
また自分たちの村に戻って行った。
「やれやれ、大変だったよ」魔女はどかっと椅子にもたれた。
「世話になった。礼を言う。そろそろ俺は旅に出る」コングが言った。
「もう行くのかい。黒の国の奴らには気をつけるのだよ。あの子はどうするんだい?」
魔女が尋ねた。
「俺が連れて行くのか?知らない子だぞ」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

MINKU エピソード2 SPACE MINKU

榊 直 (さかき ただし)
児童書・童話
コングが念願だった神の国へ行く方法が分かった。 ちいも無事に時空を再び超え、皆で神の国へ。 そこは、宇宙だった。 コング、ジル、キュー、ちい達の今度の冒険は宇宙! 宇宙にも黒の魔族がいて、支配していた。 今度は宇宙の平和を守れ!

【総集編】アリとキリギリスパロディ集

Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。 1分で読める! 各話読切 アリとキリギリスのパロディ集

童話絵本版 アリとキリギリス∞(インフィニティ)

カワカツ
絵本
その夜……僕は死んだ…… 誰もいない野原のステージの上で…… アリの子「アントン」とキリギリスの「ギリィ」が奏でる 少し切ない ある野原の物語 ——— 全16話+エピローグで紡ぐ「小さないのちの世界」を、どうぞお楽しみ下さい。 ※高学年〜大人向き

お父さん、大嫌い、大好き

味噌村 幸太郎
絵本
お父さんが大嫌いな小太郎。 小太郎に怒ってばかりで仕事が忙しくて構ってあげられない父。 だけど、お母さんはお父さんのことを「優しい人」と言った。 それを信じられない小太郎。 ある日、友達の隆一くんと遊んでいると自転車で事故を起こす。 救急車に運びまれ、手術をすることになる小太郎。 その時、見たことのないお父さんを目にする。 ※本作は自転車事故の描写があります。子供向けの絵本原作ですので、お子さんに見せられる時は注意されてください。

見習い錬金術士ミミリの冒険の記録〜討伐も採集もお任せください!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?〜

うさみち
児童書・童話
【見習い錬金術士とうさぎのぬいぐるみたちが描く、スパイス混じりのゆるふわ冒険!情報収集のために、お仕事のご依頼も承ります!】 「……襲われてる! 助けなきゃ!」  錬成アイテムの採集作業中に訪れた、モンスターに襲われている少年との突然の出会い。  人里離れた山陵の中で、慎ましやかに暮らしていた見習い錬金術士ミミリと彼女の家族、機械人形(オートマタ)とうさぎのぬいぐるみ。彼女たちの運命は、少年との出会いで大きく動き出す。 「俺は、ある人たちから頼まれて預かり物を渡すためにここに来たんだ」  少年から渡された物は、いくつかの錬成アイテムと一枚の手紙。 「……この手紙、私宛てなの?」  少年との出会いをキッカケに、ミミリはある人、あるアイテムを探すために冒険を始めることに。  ――冒険の舞台は、まだ見ぬ世界へ。  新たな地で、右も左もわからないミミリたちの人探し。その方法は……。 「討伐、採集何でもします!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?」  見習い錬金術士ミミリの冒険の記録は、今、ここから綴られ始める。 《この小説の見どころ》 ①可愛いらしい登場人物 見習い錬金術士のゆるふわ少女×しっかり者だけど寂しがり屋の凄腕美少女剣士の機械人形(オートマタ)×ツンデレ魔法使いのうさぎのぬいぐるみ×コシヌカシの少年⁉︎ ②ほのぼのほんわか世界観 可愛いらしいに囲まれ、ゆったり流れる物語。読了後、「ほわっとした気持ち」になってもらいたいをコンセプトに。 ③時々スパイスきいてます! ゆるふわの中に時折現れるスパイシーな展開。そして時々ミステリー。 ④魅力ある錬成アイテム 錬金術士の醍醐味!それは錬成アイテムにあり。魅力あるアイテムを活用して冒険していきます。 ◾️第3章完結!現在第4章執筆中です。 ◾️この小説は小説家になろう、カクヨムでも連載しています。 ◾️作者以外による小説の無断転載を禁止しています。 ◾️挿絵はなんでも書いちゃうヨギリ酔客様からご寄贈いただいたものです。

マハーディヴァ

東雲紫雨
児童書・童話
注:登場する世界観はネーミングのみを借用し、実際の思想・理念・信仰・地域性とは一切紐づいておりません。公開にあたって極力配慮致しますが、誤解を招くような表記がありましたら、あらかじめお詫びいたします。

シャルル・ド・ラングとピエールのおはなし

ねこうさぎしゃ
児童書・童話
ノルウェジアン・フォレスト・キャットのシャルル・ド・ラングはちょっと変わった猫です。人間のように二本足で歩き、タキシードを着てシルクハットを被り、猫目石のついたステッキまで持っています。 以前シャルル・ド・ラングが住んでいた世界では、動物たちはみな、二本足で立ち歩くのが普通なのでしたが……。 不思議な力で出会った者を助ける謎の猫、シャルル・ド・ラングのお話です。

迷一休さん

昆布海胆
児童書・童話
迷宮都市『ナイスバディ』 そこには謎のお坊さんの姿をした『迷一休さん』と言う魔物が出没するという・・・

処理中です...