愛を注いで

木陰みもり

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13、僕の愛おしい人

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「んあっ……」
結構な大きさの声で拓真さんが喘いだ。呼吸音がさっきより早く、息が上がっていることがわかる。少しの間拓真さんは深呼吸をして息を整えていた。一通り落ち着くと、ベッドがギシリと音を当て、拓真さんが僕の上から退いたことを示した。
 それからゴソゴソと何かを探している音が聞こえた。と思ったら、次は部屋の中をうろうろしている。一体何を探しているんだろうか。あまり部屋の中を見られると恥ずかしいんだけどなとのほほんとしていると、拓真さんの焦った呟きが聞こえた。
「カバンにしまったはずなのに……どうしよう……いっそこのまま……」
どうやらカバンにしまったはずの何かを探しているらしい。このタイミングで探すものって一体なんだろう。そんなことを考えていたらまたベッドが軋んだ。どうやら探すのを諦めた拓真さんがまたベッドに上がったみたいだ。
 さっきはどこも触られなかったが、今度は急に両手を掴まれ、万歳の状態で置かれてしまった。それだけではなく、脇腹には拓真さんの太腿の感触、腹には何かぬるぬるした……これは多分拓真さんの陰茎……が触れていた。そして自分の陰茎には拓真さんの手と口の感触がある。
 これって所謂馬乗りの状態なのだろうか。そして目の前には拓真さんのお尻があるんじゃ。
 僕の早口な思考回路とは上腹に、拓真さんはゆっくりとした手付きで僕の陰茎を扱き始めた。もどかしい刺激が1番キツく、僕の陰茎の先からは先走りがダラダラと溢れ出している。それが拓真さんの唾液と混ざり合いグチュグチュとイヤらしい音を立てて、部屋中に反響していた。
 拓真さんも気持ち良いのか、腹の上でさらに滑りを増した彼の陰茎がピクピクと動いている。
 そんな僕のものを舐めながら感じている拓真さんを見られないなんて、拷問以外のなんだって言うんだ。
 僕は我慢できなくなり、思い切り拓真さんの尻を鷲掴みした。
「ひゃあっ!」
 拓真さんが可愛い声で鳴いた。尻を触っただけなのに、すごい反応だ。
 エッチなことをしている時の拓真さんは、スイッチが入ったように色っぽくて変態的になるんだ。普段抑制されている感情を出すかのように大胆で、理性を保てないくらいに煽ってくるから厄介。
 厄介なんだけど、僕しか知らないって思うと引き出したくなるんだ。今日1日悪戯と称して焦らして引き出した結果が、自分の行った行為で無駄になるなんてたまったもんじゃない。
 僕は拓真さんに言われたことを無視して目を開けた。
 目の前には僕が掴んだ大きな尻が揺れている。穴が見えるように割れ目を広げると、ヒクヒクと可愛く動く穴が顕になった。自分の指を舐めて拓真さんの穴に触れると、意外とすんなり入っていった。
 柔らかくて、中は熱くて、ぎゅうぎゅうと僕の指に絡みついてくる。出したり入れたりしてみると、気持ち良さそうに中がうねって、僕もさらに興奮した。
 拓真さんは気持ちよさそうに喘ぎながら、僕の股関のところでうずくまっている。
 僕は無理やり拓真さんの尻を持ち上げ、尻が突き出したような体勢をとらせた。我ながら恥ずかしい体勢をとらせたと思う。けれどこの体勢は拓真さんの穴がさらに広げられて、触りやすい。もはや無心で拓真さんの穴を弄った。
「やぁ……自分で……触るのと……ぜっ……ぜん……ちがぁ……」
ビクビクと身体を痙攣させながら放った言葉で、どうしてこんなにも柔らかいのか納得がいった。さっきの風呂の声はきっと自分で弄っていた時の声だ。ゆっくりと僕が解かしてあげたかったのに、先に自分でしてしまっていたなんて。
 そんなに僕とシたいと思っていてくれたこと、スムーズに行為を進めるために準備してくれたこと、それはすごく嬉しいけれど、拓真さんの初めてを僕は逃した気分になった。
 僕はムッとして強引に指を引き抜いた。抜いた後の穴は寂しそうにヒクヒクしている。そんな寂しそうにされたら早く入れたくなるんだけど!
 強引に拓真さんの腰を引っ張り無理やり身体を起こした。そのまま僕と入れ替わるようにベッドへと倒した。そして何か言おうとした拓真さんの口を強引に塞いだ。力尽くで貪るようなやり方をしたい訳じゃなかったけど、煽りに煽られすぎて、僕の理性は完全に崩壊していた。
 両脚を開かせたまま持ち上げ、今度は指を増やして勢いよく拓真さんの穴に突き立てる。痛かったのか気持ち良かったのかどちらとも取れる声で拓真さんは鳴き叫んだ。加虐心をくすぐられるその声に、僕はゾクゾクした。
 もう拓真さんの顔は色々な体液でぐちゃぐちゃだった。これからさらに乱れると思うと、僕の陰茎は腹に付くんじゃないかっていうくらい大きく反り立った。
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