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11、買い物デート①〜side 尊〜
①
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僕のつれない飼い猫と僕の可愛い恋人が、僕の目の前で戯れあっている。
さっきまで焦ったりジメジメしたり、何かに脅迫されているようだった拓真さんはもういない。過去に何があったか知らないけど、自分の好きなものを言えない環境って一体なんなんだと、正直怒りが込み上げていた。必死に笑って誤魔化していたけど、本当は聞き出して、そんなの間違ってるって言いたかった。
僕は好きなことは好きと誰にも言えなくても心に秘めてこられた。誰も話を聞いてくれなくても、自分の好きなことを貫いて…
でも拓真さんはそもそも、何かを好きだと思うタイミングがなかったように思えた。それが悲しくて、ただ聞いて、ただ間違ってるって言うだけだって思った。
拓真さん自信に気付いてほしいと、そう思った。だって僕を好きだと言ってくれたあなたは真っ直ぐで、気付けばあなたの中には初めからいっぱいの好きなものがあると思ったから。
でもそれに気付かなくても、僕に対する好きだけで満たされてもいいんですけどね。
「なぁ、アイス食べたくない?」
唐突に拓真さんはアイスが食べたいと言って、猫のように擦り寄ってきた。フルシティはいつの間にか拓真さんの膝の上からベッドに移動していた。
箍が外れたのか、より一層デレが強くなったというか、ちょっと幼くなったというか、今のスッキリした拓真さんは最高に可愛い。
僕は正直アイスよりも今の拓真さんを押し倒して食べてしまいたい。だけどそんなことをしたら拓真さんの夜ご飯は食べられなくなるし、頭突きをお見舞いされる気がしたので、グッと拳を握り平静に答えた。
「いいですね、食べましょう。ついでに夜ご飯の食材も買いに」
「あ、そうだった。夜はカレーでどう?」
最後に「そのために質問したんだし」と小声で付け足し、恥ずかしそうに提案してきた。一々可愛いのは天然なのだろうか。昨日店に入ってきた時や外での雰囲気とは大違いすぎて、これが2人の時だけの行動だと思うと、抱きしめずにはいられなかった。
「カレー最高です。ありがとうございます」
「あはは、そんな抱きつくほどカレー好きなのか」
カレーが嬉しく抱きついたと思われてしまった。流石に好物が夜に出るからと言って抱きつくほど僕は子供じゃないんだけど。
まぁ拓真さんが楽しそうならなんでもいいか。
僕は「早速行きましょう」拓真さんを離し、勢いよく立ち上がり、ソファから離れようとした瞬間、思い切り手を後ろに引かれた。
「流石に下貸して…ください」
片手で僕の手を引っ張り、もう片方でTシャツを下に引っ張って下半身を隠そうとしている拓真さんがいた。もじもじと脚同士を擦り合わせていて、今まで平気そうに晒していたくせに、急に恥ずかしがるなんて、もう誘っていると同じなのでは?と考えているような顔を見せないよう、僕は大きく深呼吸をし、心を落ち着けた。
「もちろんですよ。流石にその格好で外にはいけませんからね。あ、もしかしてその格好で行きたかったですか?なんてね」
「なっ!?バカ言ってないで早く貸してくれ!」
冗談を言ったら、拓真さんは顔を真っ赤にして僕の背中を思い切り押してきた。ちょっと、いやかなり意地の悪いこと言い過ぎちゃったかな。あーでも可愛かったなぁ。拓真さんはちょっとでも今の格好で出掛ける想像してたりするのかな。
『ちょっと、引っ張るな…』
『早く買い出しに行きましょうよ』
『でもこんな格好…恥ずかしいよ…』
『僕のためにこの格好してくれてるんですよね?』
『そ、そうだけど…』
そう言いながら僕の背中にピッタリとくっ付きながら後ろを必死に手で隠す拓真さんは、羞恥心で顔を紅潮させ、目尻に涙を溜めて、上目遣いで見つめてくる。僕のために恥ずかしい格好をして耐えている拓真さんとか…
――すっごい可愛い…
「ヤバッ!」
妄想だけで僕の下半身あっという間に大変なことになっていた。
僕は手早くズボンを拓真さんに渡して「トイレに行ってくる」と言い残し、足早にトイレへと向かった。
恋人がすぐそこにいるのにトイレで自分の処理をするなんて、なんて切ない状況なんだ。僕は大きく溜め息を吐き手早く処理をした。
処理したおかげで今は頭がスッキリした。さっきは拓真さんでちょっとえっちな妄想しちゃったけど、そもそもあの格好を僕以外には見せたくないんだから。一緒に買い物でついつい舞い上がって、あんな妄想するなんて。それだけ浮かれてたってことなのかな。
僕は「よし!」と気を引き締めてトイレを出て念入りに手を洗った。
「大丈夫か?腹痛いなら俺だけで行ってくるけど…」
「だ、大丈夫です!早く行きましょう!」
僕は独りで処理したことを隠すように拓真さんの背中を押して買い物に出掛けた。
さっきまで焦ったりジメジメしたり、何かに脅迫されているようだった拓真さんはもういない。過去に何があったか知らないけど、自分の好きなものを言えない環境って一体なんなんだと、正直怒りが込み上げていた。必死に笑って誤魔化していたけど、本当は聞き出して、そんなの間違ってるって言いたかった。
僕は好きなことは好きと誰にも言えなくても心に秘めてこられた。誰も話を聞いてくれなくても、自分の好きなことを貫いて…
でも拓真さんはそもそも、何かを好きだと思うタイミングがなかったように思えた。それが悲しくて、ただ聞いて、ただ間違ってるって言うだけだって思った。
拓真さん自信に気付いてほしいと、そう思った。だって僕を好きだと言ってくれたあなたは真っ直ぐで、気付けばあなたの中には初めからいっぱいの好きなものがあると思ったから。
でもそれに気付かなくても、僕に対する好きだけで満たされてもいいんですけどね。
「なぁ、アイス食べたくない?」
唐突に拓真さんはアイスが食べたいと言って、猫のように擦り寄ってきた。フルシティはいつの間にか拓真さんの膝の上からベッドに移動していた。
箍が外れたのか、より一層デレが強くなったというか、ちょっと幼くなったというか、今のスッキリした拓真さんは最高に可愛い。
僕は正直アイスよりも今の拓真さんを押し倒して食べてしまいたい。だけどそんなことをしたら拓真さんの夜ご飯は食べられなくなるし、頭突きをお見舞いされる気がしたので、グッと拳を握り平静に答えた。
「いいですね、食べましょう。ついでに夜ご飯の食材も買いに」
「あ、そうだった。夜はカレーでどう?」
最後に「そのために質問したんだし」と小声で付け足し、恥ずかしそうに提案してきた。一々可愛いのは天然なのだろうか。昨日店に入ってきた時や外での雰囲気とは大違いすぎて、これが2人の時だけの行動だと思うと、抱きしめずにはいられなかった。
「カレー最高です。ありがとうございます」
「あはは、そんな抱きつくほどカレー好きなのか」
カレーが嬉しく抱きついたと思われてしまった。流石に好物が夜に出るからと言って抱きつくほど僕は子供じゃないんだけど。
まぁ拓真さんが楽しそうならなんでもいいか。
僕は「早速行きましょう」拓真さんを離し、勢いよく立ち上がり、ソファから離れようとした瞬間、思い切り手を後ろに引かれた。
「流石に下貸して…ください」
片手で僕の手を引っ張り、もう片方でTシャツを下に引っ張って下半身を隠そうとしている拓真さんがいた。もじもじと脚同士を擦り合わせていて、今まで平気そうに晒していたくせに、急に恥ずかしがるなんて、もう誘っていると同じなのでは?と考えているような顔を見せないよう、僕は大きく深呼吸をし、心を落ち着けた。
「もちろんですよ。流石にその格好で外にはいけませんからね。あ、もしかしてその格好で行きたかったですか?なんてね」
「なっ!?バカ言ってないで早く貸してくれ!」
冗談を言ったら、拓真さんは顔を真っ赤にして僕の背中を思い切り押してきた。ちょっと、いやかなり意地の悪いこと言い過ぎちゃったかな。あーでも可愛かったなぁ。拓真さんはちょっとでも今の格好で出掛ける想像してたりするのかな。
『ちょっと、引っ張るな…』
『早く買い出しに行きましょうよ』
『でもこんな格好…恥ずかしいよ…』
『僕のためにこの格好してくれてるんですよね?』
『そ、そうだけど…』
そう言いながら僕の背中にピッタリとくっ付きながら後ろを必死に手で隠す拓真さんは、羞恥心で顔を紅潮させ、目尻に涙を溜めて、上目遣いで見つめてくる。僕のために恥ずかしい格好をして耐えている拓真さんとか…
――すっごい可愛い…
「ヤバッ!」
妄想だけで僕の下半身あっという間に大変なことになっていた。
僕は手早くズボンを拓真さんに渡して「トイレに行ってくる」と言い残し、足早にトイレへと向かった。
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僕は「よし!」と気を引き締めてトイレを出て念入りに手を洗った。
「大丈夫か?腹痛いなら俺だけで行ってくるけど…」
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