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17、お仕置きってなんですか 前編
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俺は自分の部屋に入ると、電気も付けずに晴兄をベッドに寝かせた。そしてさっき無神経に晴兄の両親のことを聞いたことを謝った。
「さっきはごめんね、無神経に聞いちゃって」
「陽介が悪いわけじゃないから…ただ俺に話す勇気がなかっただけ」
「それでも、晴兄を傷付けちゃったね」
俺は自分を責めるようにベッドの脇で小さくなって蹲った。それから項垂れてため息を吐くと、背中に晴兄の体重を感じた。
「自分を責めるなって言ったの陽介なのに、お前はいいのかよ…」
「こ、これは俺が本当に悪いから」
「違うだろ。聞かれたのに話さなかった、俺への『お仕置き』をするところだろ?」
晴兄は俺の耳元でそう囁いて、またベッドに寝転んだ。瞬間、頭が溶けくらい強烈な甘い匂いが俺の鼻を掠めた。一瞬で意識を持ってかれそうな匂いに、俺は瞬時にベッドから飛び退いた。
ダメだ、ここで正気を失ったら晴兄を手放すことになる。『お仕置き』なんて、俺は何をするか自分でも分からない。暴力的になるかもしれない。それは絶対にダメだ。
俺は気休め程度に処方されていた未成年用の抑制剤を急いで飲みほした。動悸が治るまで少し待つと、徐々に抑制剤が効いてきたみたいだった。
少し自分の欲求が落ち着いた頃合いをみて、俺は深呼吸をして、椅子に座った。
「お仕置きされたいの?」
「悪いことした、から…されたい…」
「そっか、じゃあ晴兄、Come」
俺は晴兄に自分のところまで来るように呼んだ。少しの距離だけれど、晴兄は脚に力が入らないのか、四つん這いになりながら俺のところまで一生懸命来てくれた。
お酒のせいなのか、今からすることに興奮しているのか、晴兄は頬を上気させて、目をとろんとさせていた。
「Good Boy」
俺はまずここまできたことを褒めた。正直お仕置きなんて、どうしたらいいか分からない。俺はとりあえず晴兄の嫌なことを聞いた。
「最初に確認ね。本当に嫌なことを教えて」
「あ…上は、脱がさないで…あと、目隠しとか、陽介が見えないのも嫌だ」
晴兄は一瞬何かに恐怖するように身体を強張らせ、瞳を揺らした。その瞳が、俺を冷静にさせていく。その服の下には一体どんな酷い傷が残っているのか、いつか見せてくれるのか、俺は暴きたい気持ちを抑えて、優しく晴兄の頭を撫でた。
「Command使ってないのに言えていい子だね」
「俺、いい子?」
「すごくいい子。じゃあ次は好きなこと、されたいこと、教えて?」
晴兄は嬉しそうに顔を緩ませて、俺の太腿に自分の頭を擦り付けてきた。
「いっぱい…甘やかして…俺を陽介のことしか考えられないようにして…」
「晴兄は俺にいっぱい甘やかされたいんだ…じゃあお仕置きも耐えられたら、いっぱい甘やかしてあげる」
俺h太腿にある晴兄の頭をそっと離し、晴兄の顔を上に向かせた。『お仕置き』と言っても、俺は何がいいのか分からなかった。なので子供の頃、母さんにされたことを真似ることにした。
「下は脱がしていいんだよね?」
「ん…めいれい…して…」
「下だけでいいからね…Strip」
晴兄はベルトに手をかけて、ゆっくりとズボンを下ろした。下着も下ろして全て脱ぐと、晴兄の白くて細い脚が現れた。
その脚をまじまじと見ていると、流石に恥ずかしさが勝ったのか晴兄は上の服を引っ張って前を隠した。
「ふふ、今更恥ずかしくなった?」
俺が訊ねると晴兄は目に涙を溜めながら、こくこくと小さく頷いた。その姿に俺の高揚し、昂ったものを抑えることに躊躇してしまっていた。
「そっか、でもこれは『お仕置き』だから隠すのはダメだよ。Crawl」
晴兄は抵抗することなく手と膝を床について、ご飯をお預けされた犬のように涎を垂らしていた。Commandを使うたび、俺に侵食されていくかのように晴兄の顔はふわふわしていく。そして晴兄から香る甘い匂いも増していった。
「Present」
晴兄は嬉しそうにお尻を俺の方に向けてきた。まるで尻尾でも振るかのようにお尻を振って、嬉しそうに俺の方を向いていた。
「俺、お仕置きってこれくらいしか思いつかないんだよね。今から10回叩くから、ちゃんと数えてね?」
――パシンッ
「あんっ」
思い切り晴兄のお尻を叩くと、晴兄は気持ち良さそう声を上げながら、さらに涎を垂らしていた。
「数えて?」
――パシンッ
「ひゃあっ…に…にぃ…」
晴兄は必死に数を数え始めた。叩いては下がるお尻を必死に突き上げて『お仕置き』を請うている。
その姿は、とても淫らで俺の本能を視覚的にも刺激してきた。
もっと強く叩いたら、どんな声で鳴いてくれるだろうか。そう考えてしまうたびに、俺は必死に自分を否定した。
こんなことしてるから、引き摺り込まれる。俺はこの『お仕置き』をさっさと終わらせるために無心で晴兄のお尻を叩いた。
パシンパシンと吸い付くような湿った破裂音と、晴兄の喜悦を帯びた声が部屋中に響き渡っていた。
「さっきはごめんね、無神経に聞いちゃって」
「陽介が悪いわけじゃないから…ただ俺に話す勇気がなかっただけ」
「それでも、晴兄を傷付けちゃったね」
俺は自分を責めるようにベッドの脇で小さくなって蹲った。それから項垂れてため息を吐くと、背中に晴兄の体重を感じた。
「自分を責めるなって言ったの陽介なのに、お前はいいのかよ…」
「こ、これは俺が本当に悪いから」
「違うだろ。聞かれたのに話さなかった、俺への『お仕置き』をするところだろ?」
晴兄は俺の耳元でそう囁いて、またベッドに寝転んだ。瞬間、頭が溶けくらい強烈な甘い匂いが俺の鼻を掠めた。一瞬で意識を持ってかれそうな匂いに、俺は瞬時にベッドから飛び退いた。
ダメだ、ここで正気を失ったら晴兄を手放すことになる。『お仕置き』なんて、俺は何をするか自分でも分からない。暴力的になるかもしれない。それは絶対にダメだ。
俺は気休め程度に処方されていた未成年用の抑制剤を急いで飲みほした。動悸が治るまで少し待つと、徐々に抑制剤が効いてきたみたいだった。
少し自分の欲求が落ち着いた頃合いをみて、俺は深呼吸をして、椅子に座った。
「お仕置きされたいの?」
「悪いことした、から…されたい…」
「そっか、じゃあ晴兄、Come」
俺は晴兄に自分のところまで来るように呼んだ。少しの距離だけれど、晴兄は脚に力が入らないのか、四つん這いになりながら俺のところまで一生懸命来てくれた。
お酒のせいなのか、今からすることに興奮しているのか、晴兄は頬を上気させて、目をとろんとさせていた。
「Good Boy」
俺はまずここまできたことを褒めた。正直お仕置きなんて、どうしたらいいか分からない。俺はとりあえず晴兄の嫌なことを聞いた。
「最初に確認ね。本当に嫌なことを教えて」
「あ…上は、脱がさないで…あと、目隠しとか、陽介が見えないのも嫌だ」
晴兄は一瞬何かに恐怖するように身体を強張らせ、瞳を揺らした。その瞳が、俺を冷静にさせていく。その服の下には一体どんな酷い傷が残っているのか、いつか見せてくれるのか、俺は暴きたい気持ちを抑えて、優しく晴兄の頭を撫でた。
「Command使ってないのに言えていい子だね」
「俺、いい子?」
「すごくいい子。じゃあ次は好きなこと、されたいこと、教えて?」
晴兄は嬉しそうに顔を緩ませて、俺の太腿に自分の頭を擦り付けてきた。
「いっぱい…甘やかして…俺を陽介のことしか考えられないようにして…」
「晴兄は俺にいっぱい甘やかされたいんだ…じゃあお仕置きも耐えられたら、いっぱい甘やかしてあげる」
俺h太腿にある晴兄の頭をそっと離し、晴兄の顔を上に向かせた。『お仕置き』と言っても、俺は何がいいのか分からなかった。なので子供の頃、母さんにされたことを真似ることにした。
「下は脱がしていいんだよね?」
「ん…めいれい…して…」
「下だけでいいからね…Strip」
晴兄はベルトに手をかけて、ゆっくりとズボンを下ろした。下着も下ろして全て脱ぐと、晴兄の白くて細い脚が現れた。
その脚をまじまじと見ていると、流石に恥ずかしさが勝ったのか晴兄は上の服を引っ張って前を隠した。
「ふふ、今更恥ずかしくなった?」
俺が訊ねると晴兄は目に涙を溜めながら、こくこくと小さく頷いた。その姿に俺の高揚し、昂ったものを抑えることに躊躇してしまっていた。
「そっか、でもこれは『お仕置き』だから隠すのはダメだよ。Crawl」
晴兄は抵抗することなく手と膝を床について、ご飯をお預けされた犬のように涎を垂らしていた。Commandを使うたび、俺に侵食されていくかのように晴兄の顔はふわふわしていく。そして晴兄から香る甘い匂いも増していった。
「Present」
晴兄は嬉しそうにお尻を俺の方に向けてきた。まるで尻尾でも振るかのようにお尻を振って、嬉しそうに俺の方を向いていた。
「俺、お仕置きってこれくらいしか思いつかないんだよね。今から10回叩くから、ちゃんと数えてね?」
――パシンッ
「あんっ」
思い切り晴兄のお尻を叩くと、晴兄は気持ち良さそう声を上げながら、さらに涎を垂らしていた。
「数えて?」
――パシンッ
「ひゃあっ…に…にぃ…」
晴兄は必死に数を数え始めた。叩いては下がるお尻を必死に突き上げて『お仕置き』を請うている。
その姿は、とても淫らで俺の本能を視覚的にも刺激してきた。
もっと強く叩いたら、どんな声で鳴いてくれるだろうか。そう考えてしまうたびに、俺は必死に自分を否定した。
こんなことしてるから、引き摺り込まれる。俺はこの『お仕置き』をさっさと終わらせるために無心で晴兄のお尻を叩いた。
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