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16.落ち着かない旦那さま
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シグルドとの誤解が解けてから数ヶ月が過ぎた。
今日のシグルドは朝からずっとソワソワしている。家の中を無駄にうろついてみたり、植木鉢の花に何度も水をやったり、何かをせずにはいられない様子だ。
こんなに爽やかな陽気の朝なのに、シグルドは実はかなりの心配性なのだろうか。
「シグルドさま、もう少し落ち着いたらどうですか?」
侍女のマーガレットにまで突っ込まれているが、シグルドは「でも落ち着かないんだ」と、どこか浮ついたままだ。
「リオル、体調はどうだ?」
「えっ? それを聞かれるのはもう三度目だけど」
思わず笑みがこぼれる。いつも冷静で、隙のないようなシグルドがこんなに挙動不審になっている姿がおかしくて仕方がない。
「こ、今夜あたりか? ヒートは……」
「多分……前回のヒートから今日でちょうど三ヶ月だし、今日か、明日か……」
「きょ、今日がいい。明日まで待ちきれない」
シグルドとは前々から次のヒートが来たら番になろうと話をしている。それと、ヒートの期間中はふたりで寝室に籠ろうと約束している。
だからシグルドは落ち着かないようだ。
「騎士団長には、以前から七日間の休暇をもらうことになると伝えてある。それが今夜からになりそうだと騎士団長に、つ、伝えても大丈夫だろうか」
「七日間も休んで大丈夫なの?」
アルファがそばにいてくれるなら、二~三日いてくれれば十分だ。
わざわざ仕事を休まずとも、帰ってきて夜だけ抱いてくれれば、昼間はひとりでも耐えてみせる。何度かアルファに抱いてもらえれば、なんとかなる。
そのような内容のことをシグルドに言って聞かせたのに、それでもシグルドは七日間休むと言って聞かなかった。
「当たり前だ。この世にリオルのヒートよりも最優先することなどあるものか。絶対にそばにいる。ひとりになどしない」
真面目な顔をして言うシグルドがおかしくてふふ、とリオルは笑ってしまった。
誤解とはいえ、シグルドはあんなに頑なにヒートのときにリオルと一緒にいることを避けていたのに。
「なぁ、リオル。ヒートを早めるにはアルファとの接触が多いほうがいいと聞いたことがある。だから今、ちょっと抱き締めさせてもらってもよいか?」
「えっ? 今ここでっ?」
マーガレットもアリシアも見ている前なのに!
気持ちを通わせてからのシグルドの愛は重い。ところ構わずリオルを抱き締めようとするクセをなんとかしてほしい。
「わっ!」
問答無用で、シグルドの腕の中に閉じ込められる。
シグルドからはすごくいい匂いがする。頭がクラクラしてしまいそうな、リオルの好きな匂いだ。
「ど、どうだ……?」
「あ、あの、とっても気持ちいいです……」
なんて答えればよいのかわからず、率直な感想を述べてしまった。
「そうか……ど、どうだろう、何か感じるものはあるか?」
「感じるもの……?」
「ほら、熱くなるとか、身体がうずうずするとか。お、俺もよくわからないがそういう類いの……」
「ええっ?」
恥ずかしくて、ブワッと顔が熱くなる。
シグルドに抱かれてドキドキする。シグルドの体温を感じてあったかいと思うし、ほのかに香るシグルドのフェロモンはこの上なくいい匂いだ。
正直、下半身だってピクッと反応しかけている。
でも、このことをシグルドに言葉にして伝えるのは……。
「効果なし、か……」
残念そうな様子でシグルドが離れようとするから、咄嗟に「待って!」とシグルドの身体にしがみついてしまった。
「き、きっと時間が短いとダメなんじゃないかな。あ、あと少し……ぎゅっとしてくれたら……」
リオルが抱擁をねだると、すぐにシグルドの腕が伸びてきて、抱き締められた。
リオルがシグルドを望めばいつだってそれに応えてくれる。そのことが嬉しくて仕方がない。
「そんな可愛いことを言われたら、リオルを離したくなくなるよ」
シグルドはリオルを腕に抱きながら、「今日は城に行きたくない。リオルと一緒に家にいたい」と子どもみたいなことを言う。
「シグルド、頑張って。騎士としてのシグルドはすごくかっこいいんだよ」
「本当に?」
シグルドは少しだけ身体を離し、様子を伺うように、リオルの黒い瞳の奥を宝石みたいな蒼翠色の瞳でじっと覗き込んでくる。
「うん。軍服を着て勲章を輝かせ、悠然としている姿は僕だけじゃない、みんなが惚れ惚れするんだ」
戦いを終え、城に凱旋する騎馬隊の列にいるシグルドの姿を見かけたことがある。リオルだけじゃない、その場にいた人々もシグルドに見惚れていた。
「他の人にどう思われようが関係ない。ただリオルが惚れてくれるのなら、こんなに嬉しいことはない」
シグルドは優しい笑みを浮かべている。シグルドは本当に心から喜んでくれているようだ。
「はい。僕の旦那さまは世界一かっこいい」
これは過大に褒めているのではない。リオルにとっての世界一はシグルドだ。
「リオル、その世界一かっこいい旦那は、世界一可愛い妻を娶ったそうだ。足のつま先から艶やかな黒髪一本とっても好きだが、顔も可愛いし、なにより優しい心が好きだ」
「やめてよシグルドったら……」
最近はいつもこうだ。事あるごとにシグルドに可愛い可愛いと言われてしまうので、自分が可愛い顔をしていると勘違いしてしまいそうになる。
「リ、リオル……。つ、次は、あの……ちょっと上を向いてもらえないだろうか」
「上?」
なんだろうと思ってシグルドを見上げると、シグルドは何かを言いあぐねている様子だ。
「く、口づけもしてみても構わないだろうか? これも効果があると、き、聞いたことがある」
今ここで? と叫び出しそうになったが、当の本人は至極真面目なご様子だ。今夜ヒートを起こすために、できることはなんでも試してみようと思っているのだろう。
こんなに必死になられたら「侍女が見てるからダメだよ」と断りたくても断りにくい。
「ど、どうぞ……」
リオルは目を閉じて、シグルドからのキスを待つ。でも、待ってもなかなかシグルドからのキスがやって来ない。
おかしいなと思って薄目を開けると、シグルドが頬を緩ませやけに嬉しそうな顔をしていた。
「……シグルド?」
「ああ、すまない。リオルがあまりに可愛くて、見惚れてしまった。俺からの口づけをねだってるように見えて、とても幸せな気持ちになったんだ」
デレデレしすぎてシグルドのかっこいい顔が台無しになっている。いつもシグルドは、王立騎士団の制服を着こなし、きりりと引き締まった表情をしている。シグルドのファンがこんなシグルドの顔を見たらきっと幻滅するに違いない。
いや、やっぱり可愛いから、ファンが増えてしまうかも……。
「しないなら僕はこれで——」
キス待ち顔をからかわれた気持ちになり、リオルがそっぽを向こうとしたとき、いきなりシグルドに唇を奪われた。
「あっ、こら、シグルドっ」
不意打ちでキスするなんてずるいと文句を言おうとしたら、今度は両頬を掴まれ、もう一度キスをされ、口を塞がれてしまった。
これじゃ文句が言いたくても話せない。
すっかりシグルドの甘い手中に収められてしまった。アリシアたちの見ている前でキスするなんて初めてのことで、とても恥ずかしさを覚えた。
「ど、どうだろう? ヒートは早まりそうか?」
「あっ、あの。顔がとても熱くなって、すごくドキドキする……」
赤ら顔を見られたくなくて、シグルドの胸の中に隠れようとするともう一度シグルドに抱き締められた。シグルドは両腕でわざとリオルの顔を隠すようにしてくれている。
「可愛い。大好きだリオル。ずっと一緒にいたいのに、今日は城まで行かねばならない」
「うん……」
「ヒートのときはそばにいる。七日間ずっと一緒だ。そのときを心待ちにしているよ」
シグルドは出発の時間いっぱいまでリオルを抱き締めてから、「行ってくる」と出かけて行った。
シグルドがいなくなってから、アリシアとマーガレットに「お熱いですね」と冷やかされることになったのは、言うまでもない。
今日のシグルドは朝からずっとソワソワしている。家の中を無駄にうろついてみたり、植木鉢の花に何度も水をやったり、何かをせずにはいられない様子だ。
こんなに爽やかな陽気の朝なのに、シグルドは実はかなりの心配性なのだろうか。
「シグルドさま、もう少し落ち着いたらどうですか?」
侍女のマーガレットにまで突っ込まれているが、シグルドは「でも落ち着かないんだ」と、どこか浮ついたままだ。
「リオル、体調はどうだ?」
「えっ? それを聞かれるのはもう三度目だけど」
思わず笑みがこぼれる。いつも冷静で、隙のないようなシグルドがこんなに挙動不審になっている姿がおかしくて仕方がない。
「こ、今夜あたりか? ヒートは……」
「多分……前回のヒートから今日でちょうど三ヶ月だし、今日か、明日か……」
「きょ、今日がいい。明日まで待ちきれない」
シグルドとは前々から次のヒートが来たら番になろうと話をしている。それと、ヒートの期間中はふたりで寝室に籠ろうと約束している。
だからシグルドは落ち着かないようだ。
「騎士団長には、以前から七日間の休暇をもらうことになると伝えてある。それが今夜からになりそうだと騎士団長に、つ、伝えても大丈夫だろうか」
「七日間も休んで大丈夫なの?」
アルファがそばにいてくれるなら、二~三日いてくれれば十分だ。
わざわざ仕事を休まずとも、帰ってきて夜だけ抱いてくれれば、昼間はひとりでも耐えてみせる。何度かアルファに抱いてもらえれば、なんとかなる。
そのような内容のことをシグルドに言って聞かせたのに、それでもシグルドは七日間休むと言って聞かなかった。
「当たり前だ。この世にリオルのヒートよりも最優先することなどあるものか。絶対にそばにいる。ひとりになどしない」
真面目な顔をして言うシグルドがおかしくてふふ、とリオルは笑ってしまった。
誤解とはいえ、シグルドはあんなに頑なにヒートのときにリオルと一緒にいることを避けていたのに。
「なぁ、リオル。ヒートを早めるにはアルファとの接触が多いほうがいいと聞いたことがある。だから今、ちょっと抱き締めさせてもらってもよいか?」
「えっ? 今ここでっ?」
マーガレットもアリシアも見ている前なのに!
気持ちを通わせてからのシグルドの愛は重い。ところ構わずリオルを抱き締めようとするクセをなんとかしてほしい。
「わっ!」
問答無用で、シグルドの腕の中に閉じ込められる。
シグルドからはすごくいい匂いがする。頭がクラクラしてしまいそうな、リオルの好きな匂いだ。
「ど、どうだ……?」
「あ、あの、とっても気持ちいいです……」
なんて答えればよいのかわからず、率直な感想を述べてしまった。
「そうか……ど、どうだろう、何か感じるものはあるか?」
「感じるもの……?」
「ほら、熱くなるとか、身体がうずうずするとか。お、俺もよくわからないがそういう類いの……」
「ええっ?」
恥ずかしくて、ブワッと顔が熱くなる。
シグルドに抱かれてドキドキする。シグルドの体温を感じてあったかいと思うし、ほのかに香るシグルドのフェロモンはこの上なくいい匂いだ。
正直、下半身だってピクッと反応しかけている。
でも、このことをシグルドに言葉にして伝えるのは……。
「効果なし、か……」
残念そうな様子でシグルドが離れようとするから、咄嗟に「待って!」とシグルドの身体にしがみついてしまった。
「き、きっと時間が短いとダメなんじゃないかな。あ、あと少し……ぎゅっとしてくれたら……」
リオルが抱擁をねだると、すぐにシグルドの腕が伸びてきて、抱き締められた。
リオルがシグルドを望めばいつだってそれに応えてくれる。そのことが嬉しくて仕方がない。
「そんな可愛いことを言われたら、リオルを離したくなくなるよ」
シグルドはリオルを腕に抱きながら、「今日は城に行きたくない。リオルと一緒に家にいたい」と子どもみたいなことを言う。
「シグルド、頑張って。騎士としてのシグルドはすごくかっこいいんだよ」
「本当に?」
シグルドは少しだけ身体を離し、様子を伺うように、リオルの黒い瞳の奥を宝石みたいな蒼翠色の瞳でじっと覗き込んでくる。
「うん。軍服を着て勲章を輝かせ、悠然としている姿は僕だけじゃない、みんなが惚れ惚れするんだ」
戦いを終え、城に凱旋する騎馬隊の列にいるシグルドの姿を見かけたことがある。リオルだけじゃない、その場にいた人々もシグルドに見惚れていた。
「他の人にどう思われようが関係ない。ただリオルが惚れてくれるのなら、こんなに嬉しいことはない」
シグルドは優しい笑みを浮かべている。シグルドは本当に心から喜んでくれているようだ。
「はい。僕の旦那さまは世界一かっこいい」
これは過大に褒めているのではない。リオルにとっての世界一はシグルドだ。
「リオル、その世界一かっこいい旦那は、世界一可愛い妻を娶ったそうだ。足のつま先から艶やかな黒髪一本とっても好きだが、顔も可愛いし、なにより優しい心が好きだ」
「やめてよシグルドったら……」
最近はいつもこうだ。事あるごとにシグルドに可愛い可愛いと言われてしまうので、自分が可愛い顔をしていると勘違いしてしまいそうになる。
「リ、リオル……。つ、次は、あの……ちょっと上を向いてもらえないだろうか」
「上?」
なんだろうと思ってシグルドを見上げると、シグルドは何かを言いあぐねている様子だ。
「く、口づけもしてみても構わないだろうか? これも効果があると、き、聞いたことがある」
今ここで? と叫び出しそうになったが、当の本人は至極真面目なご様子だ。今夜ヒートを起こすために、できることはなんでも試してみようと思っているのだろう。
こんなに必死になられたら「侍女が見てるからダメだよ」と断りたくても断りにくい。
「ど、どうぞ……」
リオルは目を閉じて、シグルドからのキスを待つ。でも、待ってもなかなかシグルドからのキスがやって来ない。
おかしいなと思って薄目を開けると、シグルドが頬を緩ませやけに嬉しそうな顔をしていた。
「……シグルド?」
「ああ、すまない。リオルがあまりに可愛くて、見惚れてしまった。俺からの口づけをねだってるように見えて、とても幸せな気持ちになったんだ」
デレデレしすぎてシグルドのかっこいい顔が台無しになっている。いつもシグルドは、王立騎士団の制服を着こなし、きりりと引き締まった表情をしている。シグルドのファンがこんなシグルドの顔を見たらきっと幻滅するに違いない。
いや、やっぱり可愛いから、ファンが増えてしまうかも……。
「しないなら僕はこれで——」
キス待ち顔をからかわれた気持ちになり、リオルがそっぽを向こうとしたとき、いきなりシグルドに唇を奪われた。
「あっ、こら、シグルドっ」
不意打ちでキスするなんてずるいと文句を言おうとしたら、今度は両頬を掴まれ、もう一度キスをされ、口を塞がれてしまった。
これじゃ文句が言いたくても話せない。
すっかりシグルドの甘い手中に収められてしまった。アリシアたちの見ている前でキスするなんて初めてのことで、とても恥ずかしさを覚えた。
「ど、どうだろう? ヒートは早まりそうか?」
「あっ、あの。顔がとても熱くなって、すごくドキドキする……」
赤ら顔を見られたくなくて、シグルドの胸の中に隠れようとするともう一度シグルドに抱き締められた。シグルドは両腕でわざとリオルの顔を隠すようにしてくれている。
「可愛い。大好きだリオル。ずっと一緒にいたいのに、今日は城まで行かねばならない」
「うん……」
「ヒートのときはそばにいる。七日間ずっと一緒だ。そのときを心待ちにしているよ」
シグルドは出発の時間いっぱいまでリオルを抱き締めてから、「行ってくる」と出かけて行った。
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