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富永の部屋のベッドに寝かされて、すぐさま神乃の上に富永が覆いかぶさってきた。
「富永、俺に何をして欲しい……?」
神乃は仁井に訊ねていたように、いつものお伺いをたてる。フェラチオか、騎乗位か、それ以上のことでも富永にしてやりたい。富永が望むことなら、なんでも。
「要らない。神乃はただ気持ちよくなってくれればいいから」
要らない、だなんて初めて言われた。仁井にはあれをしろ、これをしろと言われてそのとおりにしていたから、自分が何もしないセックスなんて初めてだ。
「でも……」
「じゃあ好きにしろ。俺が神乃を良くしてやるから」
膝を掴まれ、ぐいっと足を大きく開かされる。そこへ富永が身体を割り込ませてきた。
ローションを使ってとろとろにされたところへ富永が自身を当てがう。それだけでヒクヒクと期待で震えた。
「ああっ……んッ……!」
ゆっくりと富永が侵入してくる。そこに痛みなんてない。ただそこを埋め尽くされる快感があるだけだ。
「大丈夫?」
富永に髪を撫でられ、チュッとキスをされた。神乃が小さく頷くと「よかった」と富永は微笑んだ。
「あっ……はぁっ……うぅん……」
富永が動くたびに内壁のいいところを擦られ、すごく気持ちがいい。その快感に酔いしれていると、富永は「触るぞ」と神乃の前の昂ぶりに手を伸ばしてきた。
「と、富永、それだめ、もうっ……! ああっ!!」
既に限界だったそれは、富永にほんの少し弄ばれただけで呆気なく果てた。神乃は我慢なんてできずに富永の手の中に白濁を放ってしまった。
「すごい……神乃……ナカが一気に締まった……」
「へぁ?」
ナカが締まった……?
「ごめん、俺も、イきそう……!」
富永がそう言って自身を引き抜こうとするので、慌てて富永の腰を掴んだ。
「富永。俺の中に出して」
「はっ? 神乃お前何言って——」
「いいから。最後までお前を感じたいから。……嫌か? 嫌なら無理強いはしない」
「嫌なわけないだろ? あぁっ……! お前がそんなこと言うからもう……!」
富永も限界を迎えて、神乃の望みどおり、神乃の中で解き放った。ドクドクと富永のモノの鼓動を感じながら、こんなに幸福感を味わったことはない。
ふたり一度達しただけでは飽き足らず、何度も交わった。どのくらいの間そうしていたのかも、わからなくなるくらい。
命令も、叩かれもしない、思うがままのセックスをしたのなんて初めてだ。
「神乃。すっごくよかった」
情事の始末が終わってすぐ、富永に抱き締められた。また、宝物みたいに扱われる優しい抱擁だった。
「神乃。部屋探しなんてやめて、俺と一緒に暮らさないか?」
富永に腕まくらをされながら、神乃は願ってもない富永からの提案に密かに頬を綻ばせた。
「いいのか? 俺、このマンションの家賃は半分でも払えないけど……」
「要らない。生活費も全部出す。神乃は俺に養われてよ」
「なんだよ、それ」
男を養おうだなんて、富永は変わってるな。
「だってもう離したくないんだ。やっと、やっと手に入ったんだぞ? うんと俺に依存させて、神乃にいい思いをさせてやる。神乃が俺から離れられなくなるように仕向けなきゃならない」
神乃はおかしくなって笑う。富永はとことん神乃を大切にする気のようだ。
「なんで笑う? 俺は今、真剣にお前に逃げられないで済むための方法を考えてるのに」
「逃げる?」
富永との、この生活から?
ありえないだろ。そんなこと。
「そうだ。俺にはこの世にお前しかいないのに」
いやいや、お前はハイスペック男だろう。お前が望めばいくらでも相手はいるぞ。
「俺にも富永しかいない。あの日、俺の目の前に現れてくれてありがとな」
神乃は富永の胸に頬を寄せた。吸いつくような富永の肌を感じて気持ちがいい。
必然にせよ、偶然にせよ、仁井に捨てられたあの日、ファミレスで富永に会えたことでこんな人生になるなんて。
これは富永が起こしてくれた奇跡だ。
「お前が困ったときはいつでも駆けつける。何度だって迎えに行くし、俺はずっとそばにいるよ」
仁井にバッサリ捨てられてよかった。
はっきりいって富永は最高のパートナーだ。
「で、神乃。そろそろ第二ラウンドにいくか……?」
「ん……?」
富永は神乃の身体を艶めかしい手つきで撫で回し始めた。
「えっ、いやさっき、だって……」
おい富永、さっきまでで、お互い何回イッたかわかってんのか?!
「俺、神乃とこうしていられるなんて幸せだ……」
「えっ……! おい! んんっ……!」
富永はお構いなしに神乃の唇を奪う。
「どうした神乃? 嫌か?」
「そんなことはないけど……」
嫌じゃない。全然嫌じゃないけれども!
「じゃあ、挿れさせて」
富永の吐息を耳元で感じてゾクゾクする。身体も熱くなるが、これ以上ヤッたら身体がどうにかなりそうだ。
「あっ……待って、はぁぅぅ……!」
直接的なところを富永に握られ、扱かれるからたまったもんじゃない。
「神乃。可愛い。俺の嫁になってくれ」
「俺、男だけど……」
「神乃の全部が好きだ。もう一生離さない。俺だけの神乃にする」
「う、うん……」
「愛してる。ずっとお前だけを愛してる」
「と、富永……」
これはきっと愛され過ぎてる。
浮気とは真逆の意味で心配になってきたな。
富永の惜しみない愛情に押し潰されそうだ。
「富永、俺に何をして欲しい……?」
神乃は仁井に訊ねていたように、いつものお伺いをたてる。フェラチオか、騎乗位か、それ以上のことでも富永にしてやりたい。富永が望むことなら、なんでも。
「要らない。神乃はただ気持ちよくなってくれればいいから」
要らない、だなんて初めて言われた。仁井にはあれをしろ、これをしろと言われてそのとおりにしていたから、自分が何もしないセックスなんて初めてだ。
「でも……」
「じゃあ好きにしろ。俺が神乃を良くしてやるから」
膝を掴まれ、ぐいっと足を大きく開かされる。そこへ富永が身体を割り込ませてきた。
ローションを使ってとろとろにされたところへ富永が自身を当てがう。それだけでヒクヒクと期待で震えた。
「ああっ……んッ……!」
ゆっくりと富永が侵入してくる。そこに痛みなんてない。ただそこを埋め尽くされる快感があるだけだ。
「大丈夫?」
富永に髪を撫でられ、チュッとキスをされた。神乃が小さく頷くと「よかった」と富永は微笑んだ。
「あっ……はぁっ……うぅん……」
富永が動くたびに内壁のいいところを擦られ、すごく気持ちがいい。その快感に酔いしれていると、富永は「触るぞ」と神乃の前の昂ぶりに手を伸ばしてきた。
「と、富永、それだめ、もうっ……! ああっ!!」
既に限界だったそれは、富永にほんの少し弄ばれただけで呆気なく果てた。神乃は我慢なんてできずに富永の手の中に白濁を放ってしまった。
「すごい……神乃……ナカが一気に締まった……」
「へぁ?」
ナカが締まった……?
「ごめん、俺も、イきそう……!」
富永がそう言って自身を引き抜こうとするので、慌てて富永の腰を掴んだ。
「富永。俺の中に出して」
「はっ? 神乃お前何言って——」
「いいから。最後までお前を感じたいから。……嫌か? 嫌なら無理強いはしない」
「嫌なわけないだろ? あぁっ……! お前がそんなこと言うからもう……!」
富永も限界を迎えて、神乃の望みどおり、神乃の中で解き放った。ドクドクと富永のモノの鼓動を感じながら、こんなに幸福感を味わったことはない。
ふたり一度達しただけでは飽き足らず、何度も交わった。どのくらいの間そうしていたのかも、わからなくなるくらい。
命令も、叩かれもしない、思うがままのセックスをしたのなんて初めてだ。
「神乃。すっごくよかった」
情事の始末が終わってすぐ、富永に抱き締められた。また、宝物みたいに扱われる優しい抱擁だった。
「神乃。部屋探しなんてやめて、俺と一緒に暮らさないか?」
富永に腕まくらをされながら、神乃は願ってもない富永からの提案に密かに頬を綻ばせた。
「いいのか? 俺、このマンションの家賃は半分でも払えないけど……」
「要らない。生活費も全部出す。神乃は俺に養われてよ」
「なんだよ、それ」
男を養おうだなんて、富永は変わってるな。
「だってもう離したくないんだ。やっと、やっと手に入ったんだぞ? うんと俺に依存させて、神乃にいい思いをさせてやる。神乃が俺から離れられなくなるように仕向けなきゃならない」
神乃はおかしくなって笑う。富永はとことん神乃を大切にする気のようだ。
「なんで笑う? 俺は今、真剣にお前に逃げられないで済むための方法を考えてるのに」
「逃げる?」
富永との、この生活から?
ありえないだろ。そんなこと。
「そうだ。俺にはこの世にお前しかいないのに」
いやいや、お前はハイスペック男だろう。お前が望めばいくらでも相手はいるぞ。
「俺にも富永しかいない。あの日、俺の目の前に現れてくれてありがとな」
神乃は富永の胸に頬を寄せた。吸いつくような富永の肌を感じて気持ちがいい。
必然にせよ、偶然にせよ、仁井に捨てられたあの日、ファミレスで富永に会えたことでこんな人生になるなんて。
これは富永が起こしてくれた奇跡だ。
「お前が困ったときはいつでも駆けつける。何度だって迎えに行くし、俺はずっとそばにいるよ」
仁井にバッサリ捨てられてよかった。
はっきりいって富永は最高のパートナーだ。
「で、神乃。そろそろ第二ラウンドにいくか……?」
「ん……?」
富永は神乃の身体を艶めかしい手つきで撫で回し始めた。
「えっ、いやさっき、だって……」
おい富永、さっきまでで、お互い何回イッたかわかってんのか?!
「俺、神乃とこうしていられるなんて幸せだ……」
「えっ……! おい! んんっ……!」
富永はお構いなしに神乃の唇を奪う。
「どうした神乃? 嫌か?」
「そんなことはないけど……」
嫌じゃない。全然嫌じゃないけれども!
「じゃあ、挿れさせて」
富永の吐息を耳元で感じてゾクゾクする。身体も熱くなるが、これ以上ヤッたら身体がどうにかなりそうだ。
「あっ……待って、はぁぅぅ……!」
直接的なところを富永に握られ、扱かれるからたまったもんじゃない。
「神乃。可愛い。俺の嫁になってくれ」
「俺、男だけど……」
「神乃の全部が好きだ。もう一生離さない。俺だけの神乃にする」
「う、うん……」
「愛してる。ずっとお前だけを愛してる」
「と、富永……」
これはきっと愛され過ぎてる。
浮気とは真逆の意味で心配になってきたな。
富永の惜しみない愛情に押し潰されそうだ。
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