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8.諦められない 〜富永side〜
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富永side
神乃に振られても、富永はまったく諦める気持ちになんてならなかった。
本当に女々しいと思うが、ふたりに気づかれないようにして時々神乃の様子を伺いに神乃と仁井の住む家まで行っていた。
いつもは遠くから眺めて終わるのだが、ある日、異変に気がついた。
仁井が女を連れ込むところを目撃したのだ。
あの女はいったい誰だ、まさか神乃という恋人がいながら仁井は浮気をしているのかと気が気じゃなくなった。
探偵を使って調べさせた結果、神乃が家にいないときを狙って仁井は女を家に呼んで、逢引していることがわかった。
最低のクソ野郎だ。神乃がこの事実に気がつく前になんとかしなければと富永は仁井の女・藍羅に接触を図った。
「今すぐ仁井と別れろ。あいつは二股をかけてる最悪の男だ」
仁井の家から出てきた藍羅に声をかけ、ファミレスで話をするのだが、富永の主張はなかなか受け入れられない。
「知ってるよ、二股かけてること。別にそれでよくない? なんであんたにそんなこと言われないといけないの? にーくんは私が一番って言ってくれてるんだよ?」
にーくん=仁井のことのようだ。
藍羅に二股をかけられていることを伝えれば、それに憤慨して仁井と別れるとばかり思っていた。だが意外にも藍羅はそれを知っていて、尚、仁井と関係を結んでいたのだ。
「でも、おにーさんかっこいい。そうだ、おにーさんが私の恋人になってくれるならにーくんと別れてあげてもいいよ」
「な……っ!」
神乃の幸せのためなら何でもしてやりたいと思っている。
神乃に気づかれる前に浮気相手の藍羅がいなくなれば、何も知らないまま神乃は幸せに仁井と過ごせることだろう。
でも、藍羅を恋人にする……?!
「初めて見たときからずっと思ってたの。こんなイケメンにナンパされちゃったって喜んでついてきたのに」
藍羅はテーブルの下で富永の足に自分の足を絡めてきた。
神乃に振られても、富永はまったく諦める気持ちになんてならなかった。
本当に女々しいと思うが、ふたりに気づかれないようにして時々神乃の様子を伺いに神乃と仁井の住む家まで行っていた。
いつもは遠くから眺めて終わるのだが、ある日、異変に気がついた。
仁井が女を連れ込むところを目撃したのだ。
あの女はいったい誰だ、まさか神乃という恋人がいながら仁井は浮気をしているのかと気が気じゃなくなった。
探偵を使って調べさせた結果、神乃が家にいないときを狙って仁井は女を家に呼んで、逢引していることがわかった。
最低のクソ野郎だ。神乃がこの事実に気がつく前になんとかしなければと富永は仁井の女・藍羅に接触を図った。
「今すぐ仁井と別れろ。あいつは二股をかけてる最悪の男だ」
仁井の家から出てきた藍羅に声をかけ、ファミレスで話をするのだが、富永の主張はなかなか受け入れられない。
「知ってるよ、二股かけてること。別にそれでよくない? なんであんたにそんなこと言われないといけないの? にーくんは私が一番って言ってくれてるんだよ?」
にーくん=仁井のことのようだ。
藍羅に二股をかけられていることを伝えれば、それに憤慨して仁井と別れるとばかり思っていた。だが意外にも藍羅はそれを知っていて、尚、仁井と関係を結んでいたのだ。
「でも、おにーさんかっこいい。そうだ、おにーさんが私の恋人になってくれるならにーくんと別れてあげてもいいよ」
「な……っ!」
神乃の幸せのためなら何でもしてやりたいと思っている。
神乃に気づかれる前に浮気相手の藍羅がいなくなれば、何も知らないまま神乃は幸せに仁井と過ごせることだろう。
でも、藍羅を恋人にする……?!
「初めて見たときからずっと思ってたの。こんなイケメンにナンパされちゃったって喜んでついてきたのに」
藍羅はテーブルの下で富永の足に自分の足を絡めてきた。
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