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5.ゆらぐ気持ち
5-10 ※
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佐原が指を出し入れするたび腰の奥からじんと熱いものが込み上げてくる。この快感を思い出した。後孔を弄ばれ、恥ずかしさと同時に興奮を覚える。
「処女みたいに狭いな」
それは良くないという意味なのだろうか。使ってると言ったくせに、準備が面倒なSubだと思われ、Domの機嫌を損ねたのか。
「ゆっくり解してやる。力、抜いてろよ」
言葉のとおり、佐原の指は優しく和泉の入り口をこじ開けていく。
「んっ……ふぅっ……」
ローションを足されて、後孔を弄られる。佐原の指が和泉の内壁を優しく刺激する。それが丁寧すぎるのだ。
そんなことは必要ない。佐原に優しく扱われるのはどうも落ち着かない。
「そんなこと、いい……から……」
「和泉は何も考えずに俺に全部身を委ねてみろ」
「それだめっ……んん……あっ……」
佐原は和泉の前を直接握り込んできた。前と後ろを同時に攻められ、和泉は思わず喘ぎ声を洩らす。
「和泉、もう少しだけイくのは我慢しろよ」
「あっ……佐原っ……」
そう命令されても、直接的に前を上下に捌かれてしまうと否が応でも反応してしまう。でも駄目だ。佐原がいいと言うまで我慢しなければならない。
「うぁっ……!」
なにか、今まで感じたことのない快感が腰の奥からじわじわと襲いかかってくる。
「さは、ら……そこ、むり……」
和泉の両足がぴくぴくと震える。
「無理じゃない、イイの間違いだろ。ここか。お前の気持ちいいところは。お前の中は悦んで俺の指に吸いついてきてるぞ」
佐原の指は和泉の中で蠢き、クチュクチュといやらしい音を立てている。
「んぁっ……はぁっ……あぁぁっ!」
やばい。気持ちよすぎる。後ろでこんなふうに感じたことなどないのに。
腕に力が入らない。和泉の身体はたまらず崩れ落ち、頬をベッドのシーツに沈めた。
どうしよう。Stayと命令されていたのに、勝手に動いたから怒られてしまう。それでもとてもじゃないが、腕を突っ張って伸ばしていられなかった。
「和泉はここが好きなのか。たくさん触ってやるよ」
「あぁっ!」
自分の身体なのに、よくわからない。そこを佐原の指で撫でられると腰が砕けそうになる。
「……はぁっ……イッ……!」
後ろからの刺激で和泉はもう限界だ。自らを放ってしまいたくて仕方がない。
「佐原っ……もうっ……」
「和泉は可愛いな。もういい。Cum」
佐原に自由を許された途端に、和泉の抑えられていた欲望がぐわーっと湧き上がってくる。
「あっ、あぁぁっ……!」
和泉は本能のままに白濁をすべて吐き出した。
プレイのあと、和泉はぐったりしたままベッドの上から動けない。後処理すら佐原に任せっぱなしで、裸のまま布団をかけられた。
一方の佐原はバスローブからスーツに着替えを済ませていた。
「じゃあな。和泉。この部屋は明日の朝まで使えるからのんびり過ごせ」
佐原はプレイが終わったから、さっさと帰るつもりのようだ。
そうだった。
和泉は佐原にSubだとバラすと脅されて、プレイに応じているだけ。佐原だって興味があるのは和泉ではなく、Domとしての欲の発散だ。
なのにどうしてプレイ後もふたりで一緒にいなければならない?
そんな必要はないはずだ。互いのプレイ欲が発散されたのだから。
佐原と目が合った。目が合うと佐原は「楽しかったよ」と余裕のある笑みを浮かべる。
「明日遅刻するなよ」
佐原は部屋のドアを開けて、和泉の目の前からいなくなった。
佐原がいなくなった途端に虚しく感じる。
ひとりで寝るには部屋もベッドも広すぎる。さっきまでの熱も冷め、布団にくるまっても寒いと感じた。
佐原が横にいてくれたら、寒がる和泉を抱き締めてくれただろうか。
「それはないだろ」
自分自身の思考に呆れる。それじゃまるで恋人同士みたいじゃないか、と和泉はありえない考えを振り払うかのように頭を左右に振った。
「処女みたいに狭いな」
それは良くないという意味なのだろうか。使ってると言ったくせに、準備が面倒なSubだと思われ、Domの機嫌を損ねたのか。
「ゆっくり解してやる。力、抜いてろよ」
言葉のとおり、佐原の指は優しく和泉の入り口をこじ開けていく。
「んっ……ふぅっ……」
ローションを足されて、後孔を弄られる。佐原の指が和泉の内壁を優しく刺激する。それが丁寧すぎるのだ。
そんなことは必要ない。佐原に優しく扱われるのはどうも落ち着かない。
「そんなこと、いい……から……」
「和泉は何も考えずに俺に全部身を委ねてみろ」
「それだめっ……んん……あっ……」
佐原は和泉の前を直接握り込んできた。前と後ろを同時に攻められ、和泉は思わず喘ぎ声を洩らす。
「和泉、もう少しだけイくのは我慢しろよ」
「あっ……佐原っ……」
そう命令されても、直接的に前を上下に捌かれてしまうと否が応でも反応してしまう。でも駄目だ。佐原がいいと言うまで我慢しなければならない。
「うぁっ……!」
なにか、今まで感じたことのない快感が腰の奥からじわじわと襲いかかってくる。
「さは、ら……そこ、むり……」
和泉の両足がぴくぴくと震える。
「無理じゃない、イイの間違いだろ。ここか。お前の気持ちいいところは。お前の中は悦んで俺の指に吸いついてきてるぞ」
佐原の指は和泉の中で蠢き、クチュクチュといやらしい音を立てている。
「んぁっ……はぁっ……あぁぁっ!」
やばい。気持ちよすぎる。後ろでこんなふうに感じたことなどないのに。
腕に力が入らない。和泉の身体はたまらず崩れ落ち、頬をベッドのシーツに沈めた。
どうしよう。Stayと命令されていたのに、勝手に動いたから怒られてしまう。それでもとてもじゃないが、腕を突っ張って伸ばしていられなかった。
「和泉はここが好きなのか。たくさん触ってやるよ」
「あぁっ!」
自分の身体なのに、よくわからない。そこを佐原の指で撫でられると腰が砕けそうになる。
「……はぁっ……イッ……!」
後ろからの刺激で和泉はもう限界だ。自らを放ってしまいたくて仕方がない。
「佐原っ……もうっ……」
「和泉は可愛いな。もういい。Cum」
佐原に自由を許された途端に、和泉の抑えられていた欲望がぐわーっと湧き上がってくる。
「あっ、あぁぁっ……!」
和泉は本能のままに白濁をすべて吐き出した。
プレイのあと、和泉はぐったりしたままベッドの上から動けない。後処理すら佐原に任せっぱなしで、裸のまま布団をかけられた。
一方の佐原はバスローブからスーツに着替えを済ませていた。
「じゃあな。和泉。この部屋は明日の朝まで使えるからのんびり過ごせ」
佐原はプレイが終わったから、さっさと帰るつもりのようだ。
そうだった。
和泉は佐原にSubだとバラすと脅されて、プレイに応じているだけ。佐原だって興味があるのは和泉ではなく、Domとしての欲の発散だ。
なのにどうしてプレイ後もふたりで一緒にいなければならない?
そんな必要はないはずだ。互いのプレイ欲が発散されたのだから。
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「明日遅刻するなよ」
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佐原がいなくなった途端に虚しく感じる。
ひとりで寝るには部屋もベッドも広すぎる。さっきまでの熱も冷め、布団にくるまっても寒いと感じた。
佐原が横にいてくれたら、寒がる和泉を抱き締めてくれただろうか。
「それはないだろ」
自分自身の思考に呆れる。それじゃまるで恋人同士みたいじゃないか、と和泉はありえない考えを振り払うかのように頭を左右に振った。
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