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束縛彼氏の十戒2
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「晴翔、可哀想だなぁー!」
凌が晴翔を慰めるために、晴翔の首根っこに腕を回してちょっかいを出している。
「やめろって!」
晴翔と凌がやり合っているその間に、悠真が冬麻に声をかけてきた。
「なぁ冬麻。俺コーラ飲みたくてさ、一緒にコンビニ買い出し行かない?」
「ああ、いいよ」
冬麻は了解して、悠真とともに立ち上がった。
晴翔と凌に「買い出し行くけどなんか欲しいもんある?」と訊ね、ふたりに買い出しを頼まれ、悠真と外に出た。
「おーっ! 夜は涼しくていいな!」
悠真の言うとおり、真夏の昼間は暑かったが、今は午前零時を回っていてさすがに暑さも和らいでいる。
一方の冬麻は辺りをよく見渡している。この周辺にポルシェ、ランボルギーニ、ベンツは停車していない。もしいたとしたら見られていることを意識しなければならない。
「どしたの冬麻」
「あっ、いや別に……」
まさかストーカー彼氏が見張ってないかどうか警戒しているなどとは悠真に言えない。
「冬麻とこうして歩いてるとすごく懐かしい気持ちになるよ」
「そうだな」
ここは中学校のときの通学路だ。悠真とふたりで三年間、通った道。
「この公園! なっつかしいなー。凌たちとバスケやった!」
悠真が指差す公園には、金網に囲まれた球技エリアがある。
そこでお遊びバスケをして遊んだことを思い出した。専ら凌の独壇場。冬麻はまったくもって活躍しなかったが、それでも楽しかった。
「冬麻はよく罰ゲームくらわされてたよな」
「えっ? そうだっけ?」
「そうだよ、お前下手くそだから冬麻と同じチームになると大抵負けるんだ」
「うるさいな……」
あー! だんだん思い出してきた。凌のハンデとして冬麻が凌と組むことになり、凌にめちゃくちゃ庇われたことがあった。
そのとき、後ろから突然Tシャツを捲られ、つーっと背中を指でなぞられた。
「ひぁっ……」
ゾクゾクして冬麻は身体をビクつかせる。
「急になにすんだよ!」
「ごめん。よくコレ罰ゲームでやってたなって思い出して」
悠真はケラケラ笑っている。が、冬麻にしてみれば笑い事じゃない。
ここには影も形もないが、最強ストーカーがいつどこにいるとも限らないのだから。
「冬麻の反応ウケるわ」
「おいっ!」
今の俺は笑えないんだって! と冬麻が心で叫んでいたとき、悠真が急に背後から抱きついてきた。
「冬麻。なんか前より感じやすくなった?」
悠真が耳元で囁いてくる。その悠真の吐息が耳にかかるものだから、冬麻は再びゾクゾクして身体を震わせた。
「えっ……? 今のも?」
悠真が不思議がるものだから、冬麻はわざと明るい声で「そういうのやめろよな」と言い、悠真から距離を取る。
それでも悠真にすぐに詰められてしまった。
「やば。なんか冬麻が可愛く見えてきた」
今度は肩を抱かれる。
中学時代も悠真に肩を抱かれることはよくあった。でもあのときのフレンドリーな感じとはちょっと違うような……。
「冬麻も彼女いないだろ?」
「いない……」
彼女はいない。彼氏はいるけれど。
「俺もいない」
悠真は冬麻の肩をぐいっと引っ張り自分のほうに寄せてきた。
「俺たち、慰め合っちゃう?」
「はぁ?!」
「冬麻。今日は晴翔んちに泊まっていくだろ? 一緒に風呂入ろうぜ!」
「へっ? なんで?!」
悠真はなぜ風呂に誘ってくるのだろう。悠真と風呂に入るなんて小学生のとき以来だ。野郎ふたりで風呂に入ってどうする……?
「あのさ、確かめたいことがあって……」
「何、を……?」
「なんか、しばらく会わないうちに冬麻の雰囲気が変わったなぁって……」
悠真はまた冬麻の耳元で囁く。悠真の唇が耳輪に触れるくらいの近さで吐息をかけられ、冬麻の身体がビクッと反応する。
悠真に肩を抱かれて、妙なイタズラをされてはまずい。
もし、どこからか悠真と冬麻を久我が見ていたら——。
「いや一緒! なんも変わってねぇって!」
冬麻は悠真の腕を肩から外し、逃げるように足早になる。
「おい、待てよ冬麻っ!」
「待たないっ、早く行くぞ!」
これ以上悠真にウザ絡みされてなるものか。まったく何を考えているんだ悠真は!
気がつけば午前二時まで四人で騒いでいた。悠真も凌もこのまま晴翔の家に泊まることになり、冬麻も誘われたが「実家に帰る」と頑なに断った。
三人に見送られて冬麻は深夜の街を歩き出す。
ひとつ目の曲がり角を曲がって、久我に連絡を入れようとスマホを取り出したときだ。
冬麻の目の前に、黒のSUV車が現れたかと思うと、運転席からものすごく見覚えのある男が降りてきていきなりガッと腕を掴まれた。
「わっ!」
あっという間に後部座席に押し込まれ、車は即座に発進した。
「久我さん……びっくりするじゃないですか……」
深夜、急に現れた車に拉致られたら驚くだろ。もっと普通に迎えに来てくれたらいいのに。
「冬麻は随分と晴れやかな顔してるけど、同窓会で羽を伸ばしてきたってこと?」
運転席から話しかけてくる久我の表情は読み取れないが、声のトーンは暗い。めちゃくちゃ暗い。
「は、はい……まぁ……」
「その代わりに俺は気が狂いそうなんだけど」
やばいぞ。久我はきっと何かを知っているんじゃないのか。
久我は車を五台所有している。今乗っているルノーの黒のSUVは冬麻は初めて乗せてもらっている。この車は近くにいただろうか。
久我の運転する車はなぜか林道に入った。千代田区にある久我のマンションに帰るのであれば方角が違うような……。
——あれ、これ、まさか埋められる?!
ヤンデレ彼氏に恨まれて、山中に放置……?!
「あの、久我さんどちらに……」
「…………」
久我からの返事がない。やばいぞ、相当怒ってるんじゃ……。
やがて車は林道の空き地に停まった。冬麻の実家のあるエリアから久我のマンションまでの道は久我は何度も車で走っているので今さら道を間違えるはずがない。
「冬麻」
「は、はいっ!」
久我はシートベルトを外し、運転席と助手席の間から大きな体躯を器用にねじ込ませて冬麻のいる後部座席にきた。
久我は車内灯の薄明かりの中、冬麻の首筋に顔を寄せ「男の匂いがする」と低い声で言った。
「まぁ、俺は男ですから……」
「そうじゃない。あいつ、俺の冬麻を汚しやがって!」
あいつ……? やっぱり久我はどこかから見ていたのか?
「冬麻も冬麻だ。冬麻のこの身体は俺のものでしょ? それをなんで他人に触らせるの? 姦淫は大罪だ。そういうことは戒めてもらいたい」
「は、はは……」
やばい。久我の目が久々にやばい。
「ゆ、悠真は他人じゃなくて友達なんですけど……」
「友達? なにその言い訳、浮気の常套句だろ? 冬麻は俺を嫉妬で狂わせて、めちゃくちゃに犯されたいの?」
久我は鼻の頭をかすめるくらいまで近くに顔を寄せてくる。
こんな山中で、狭い車内で襲われるのか?! さすがにちょっと……。
「ごめんなさい。久我さん……」
「許さない」
「ヒッ……」
「このままじゃ許さない」
久我は冬麻を睨みつける。久我のギラギラとした目つきで捉えられるといつも冬麻は動けなくなる。
「冬麻、俺に愛情を示してよ」
「あ、愛情?」
「俺は今、不安でたまらない。だって同性の恋人が他の男とイチャつくところを目の当たりにして、正気でいられると思うか? あのとき冬麻の隣にいた男、水野悠真をあの場で抹殺しなかったことだけは褒めてもらいたい」
「ゆ、悠真に悪気はないと思います……」
やっぱりどこからか見ていたんだ。冬麻があんなに警戒しても久我の姿は見つからなかった。この恋人は末恐ろしい。
「悪気がなければ人のものに手を出してもいいの? そんな理論は通用しない」
冬麻の言い分は、久我にピシャリと否定された。
「最近の冬麻は色気がただ漏れだ。こんなに可愛い子を野放しにするのが俺は怖くてたまらない。いつ他の男に取られるか不安なんだよ」
い、色気……。そんなもの自分には絶対にないぞと言いたいが、久我が恐ろしくて言い返せない。
「冬麻。お願い。俺にキスして。俺のことが好きだってその身をもって証明してよ」
「えっ……」
キス?! この状況でか?!
冬麻が怪訝な顔をしたことに不服を感じたのか、久我は冬麻から身体を離して後部座席の空いていた場所へ座り、窓のほうを向いて冬麻から顔を背けてしまった。
この人、もう三十一歳だろ。そんなあからさまに拗ねないで欲しいと思うが、久我の気持ちもわかる。今日の悠真は冬麻に近過ぎたし、からかい過ぎていた。あれは久我が誤解するような行動だったとは思う。
「わかりました。だから久我さん、こっち向いてくださいよ」
冬麻が呼びかけても久我は動かない。仕方がないので、冬麻から久我のほうへとにじり寄った。
久我の腿の上に跨るようにして近づき、久我の頬に手を添え、こちらを向かせて唇を奪う。
久我とのセックスはいつもキスから始まることが多い。唇に触れるだけで久我とのいつもの夜を思い出し、甘美な気持ちが湧き上がってきた。
「もう少し。十回して欲しい。あと九回」
じゅ、十回?!
凌が晴翔を慰めるために、晴翔の首根っこに腕を回してちょっかいを出している。
「やめろって!」
晴翔と凌がやり合っているその間に、悠真が冬麻に声をかけてきた。
「なぁ冬麻。俺コーラ飲みたくてさ、一緒にコンビニ買い出し行かない?」
「ああ、いいよ」
冬麻は了解して、悠真とともに立ち上がった。
晴翔と凌に「買い出し行くけどなんか欲しいもんある?」と訊ね、ふたりに買い出しを頼まれ、悠真と外に出た。
「おーっ! 夜は涼しくていいな!」
悠真の言うとおり、真夏の昼間は暑かったが、今は午前零時を回っていてさすがに暑さも和らいでいる。
一方の冬麻は辺りをよく見渡している。この周辺にポルシェ、ランボルギーニ、ベンツは停車していない。もしいたとしたら見られていることを意識しなければならない。
「どしたの冬麻」
「あっ、いや別に……」
まさかストーカー彼氏が見張ってないかどうか警戒しているなどとは悠真に言えない。
「冬麻とこうして歩いてるとすごく懐かしい気持ちになるよ」
「そうだな」
ここは中学校のときの通学路だ。悠真とふたりで三年間、通った道。
「この公園! なっつかしいなー。凌たちとバスケやった!」
悠真が指差す公園には、金網に囲まれた球技エリアがある。
そこでお遊びバスケをして遊んだことを思い出した。専ら凌の独壇場。冬麻はまったくもって活躍しなかったが、それでも楽しかった。
「冬麻はよく罰ゲームくらわされてたよな」
「えっ? そうだっけ?」
「そうだよ、お前下手くそだから冬麻と同じチームになると大抵負けるんだ」
「うるさいな……」
あー! だんだん思い出してきた。凌のハンデとして冬麻が凌と組むことになり、凌にめちゃくちゃ庇われたことがあった。
そのとき、後ろから突然Tシャツを捲られ、つーっと背中を指でなぞられた。
「ひぁっ……」
ゾクゾクして冬麻は身体をビクつかせる。
「急になにすんだよ!」
「ごめん。よくコレ罰ゲームでやってたなって思い出して」
悠真はケラケラ笑っている。が、冬麻にしてみれば笑い事じゃない。
ここには影も形もないが、最強ストーカーがいつどこにいるとも限らないのだから。
「冬麻の反応ウケるわ」
「おいっ!」
今の俺は笑えないんだって! と冬麻が心で叫んでいたとき、悠真が急に背後から抱きついてきた。
「冬麻。なんか前より感じやすくなった?」
悠真が耳元で囁いてくる。その悠真の吐息が耳にかかるものだから、冬麻は再びゾクゾクして身体を震わせた。
「えっ……? 今のも?」
悠真が不思議がるものだから、冬麻はわざと明るい声で「そういうのやめろよな」と言い、悠真から距離を取る。
それでも悠真にすぐに詰められてしまった。
「やば。なんか冬麻が可愛く見えてきた」
今度は肩を抱かれる。
中学時代も悠真に肩を抱かれることはよくあった。でもあのときのフレンドリーな感じとはちょっと違うような……。
「冬麻も彼女いないだろ?」
「いない……」
彼女はいない。彼氏はいるけれど。
「俺もいない」
悠真は冬麻の肩をぐいっと引っ張り自分のほうに寄せてきた。
「俺たち、慰め合っちゃう?」
「はぁ?!」
「冬麻。今日は晴翔んちに泊まっていくだろ? 一緒に風呂入ろうぜ!」
「へっ? なんで?!」
悠真はなぜ風呂に誘ってくるのだろう。悠真と風呂に入るなんて小学生のとき以来だ。野郎ふたりで風呂に入ってどうする……?
「あのさ、確かめたいことがあって……」
「何、を……?」
「なんか、しばらく会わないうちに冬麻の雰囲気が変わったなぁって……」
悠真はまた冬麻の耳元で囁く。悠真の唇が耳輪に触れるくらいの近さで吐息をかけられ、冬麻の身体がビクッと反応する。
悠真に肩を抱かれて、妙なイタズラをされてはまずい。
もし、どこからか悠真と冬麻を久我が見ていたら——。
「いや一緒! なんも変わってねぇって!」
冬麻は悠真の腕を肩から外し、逃げるように足早になる。
「おい、待てよ冬麻っ!」
「待たないっ、早く行くぞ!」
これ以上悠真にウザ絡みされてなるものか。まったく何を考えているんだ悠真は!
気がつけば午前二時まで四人で騒いでいた。悠真も凌もこのまま晴翔の家に泊まることになり、冬麻も誘われたが「実家に帰る」と頑なに断った。
三人に見送られて冬麻は深夜の街を歩き出す。
ひとつ目の曲がり角を曲がって、久我に連絡を入れようとスマホを取り出したときだ。
冬麻の目の前に、黒のSUV車が現れたかと思うと、運転席からものすごく見覚えのある男が降りてきていきなりガッと腕を掴まれた。
「わっ!」
あっという間に後部座席に押し込まれ、車は即座に発進した。
「久我さん……びっくりするじゃないですか……」
深夜、急に現れた車に拉致られたら驚くだろ。もっと普通に迎えに来てくれたらいいのに。
「冬麻は随分と晴れやかな顔してるけど、同窓会で羽を伸ばしてきたってこと?」
運転席から話しかけてくる久我の表情は読み取れないが、声のトーンは暗い。めちゃくちゃ暗い。
「は、はい……まぁ……」
「その代わりに俺は気が狂いそうなんだけど」
やばいぞ。久我はきっと何かを知っているんじゃないのか。
久我は車を五台所有している。今乗っているルノーの黒のSUVは冬麻は初めて乗せてもらっている。この車は近くにいただろうか。
久我の運転する車はなぜか林道に入った。千代田区にある久我のマンションに帰るのであれば方角が違うような……。
——あれ、これ、まさか埋められる?!
ヤンデレ彼氏に恨まれて、山中に放置……?!
「あの、久我さんどちらに……」
「…………」
久我からの返事がない。やばいぞ、相当怒ってるんじゃ……。
やがて車は林道の空き地に停まった。冬麻の実家のあるエリアから久我のマンションまでの道は久我は何度も車で走っているので今さら道を間違えるはずがない。
「冬麻」
「は、はいっ!」
久我はシートベルトを外し、運転席と助手席の間から大きな体躯を器用にねじ込ませて冬麻のいる後部座席にきた。
久我は車内灯の薄明かりの中、冬麻の首筋に顔を寄せ「男の匂いがする」と低い声で言った。
「まぁ、俺は男ですから……」
「そうじゃない。あいつ、俺の冬麻を汚しやがって!」
あいつ……? やっぱり久我はどこかから見ていたのか?
「冬麻も冬麻だ。冬麻のこの身体は俺のものでしょ? それをなんで他人に触らせるの? 姦淫は大罪だ。そういうことは戒めてもらいたい」
「は、はは……」
やばい。久我の目が久々にやばい。
「ゆ、悠真は他人じゃなくて友達なんですけど……」
「友達? なにその言い訳、浮気の常套句だろ? 冬麻は俺を嫉妬で狂わせて、めちゃくちゃに犯されたいの?」
久我は鼻の頭をかすめるくらいまで近くに顔を寄せてくる。
こんな山中で、狭い車内で襲われるのか?! さすがにちょっと……。
「ごめんなさい。久我さん……」
「許さない」
「ヒッ……」
「このままじゃ許さない」
久我は冬麻を睨みつける。久我のギラギラとした目つきで捉えられるといつも冬麻は動けなくなる。
「冬麻、俺に愛情を示してよ」
「あ、愛情?」
「俺は今、不安でたまらない。だって同性の恋人が他の男とイチャつくところを目の当たりにして、正気でいられると思うか? あのとき冬麻の隣にいた男、水野悠真をあの場で抹殺しなかったことだけは褒めてもらいたい」
「ゆ、悠真に悪気はないと思います……」
やっぱりどこからか見ていたんだ。冬麻があんなに警戒しても久我の姿は見つからなかった。この恋人は末恐ろしい。
「悪気がなければ人のものに手を出してもいいの? そんな理論は通用しない」
冬麻の言い分は、久我にピシャリと否定された。
「最近の冬麻は色気がただ漏れだ。こんなに可愛い子を野放しにするのが俺は怖くてたまらない。いつ他の男に取られるか不安なんだよ」
い、色気……。そんなもの自分には絶対にないぞと言いたいが、久我が恐ろしくて言い返せない。
「冬麻。お願い。俺にキスして。俺のことが好きだってその身をもって証明してよ」
「えっ……」
キス?! この状況でか?!
冬麻が怪訝な顔をしたことに不服を感じたのか、久我は冬麻から身体を離して後部座席の空いていた場所へ座り、窓のほうを向いて冬麻から顔を背けてしまった。
この人、もう三十一歳だろ。そんなあからさまに拗ねないで欲しいと思うが、久我の気持ちもわかる。今日の悠真は冬麻に近過ぎたし、からかい過ぎていた。あれは久我が誤解するような行動だったとは思う。
「わかりました。だから久我さん、こっち向いてくださいよ」
冬麻が呼びかけても久我は動かない。仕方がないので、冬麻から久我のほうへとにじり寄った。
久我の腿の上に跨るようにして近づき、久我の頬に手を添え、こちらを向かせて唇を奪う。
久我とのセックスはいつもキスから始まることが多い。唇に触れるだけで久我とのいつもの夜を思い出し、甘美な気持ちが湧き上がってきた。
「もう少し。十回して欲しい。あと九回」
じゅ、十回?!
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