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45.男は突然やってきた
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今日は冬麻の仕事は休みの日だ。父親にはやっぱり社員寮に戻ると話をして、朝から荷造りをしていた。
それが終わったので、冬麻は開店準備をしている父親のもとへ行き、来たついでに準備を手伝いながらたわいのない話をする。
店の売り上げは順調に回復していること、冬麻の仕事も問題なくやっていけていることなど日常の話だ。
そんな和やかな雰囲気の中、男は突然やってきた。
暖簾のかかった店の入り口は狭ぜましく、長身の男はそれを屈んでくぐり抜けて、店内に入ってきた。
「すみません」
ものすごく顔の整った男が、高級そうなスーツを身にまとい、最高の笑顔を繰り出してきた。
「久我社長!」
父親は、久我を見て作業を止めて店のカウンターから飛び出し久我のもとへと向かう。
「お久しぶりです。お義父さん」
久我は冬麻の父親に深々と頭を下げる。
「一体どうしたんですか?! 何かトラブルでもあったんですか?!」
社長自らやってくるなんて、尋常じゃない何かがあると父親は考えたのだろう。
「今日はどうしてもお願いしたいことがあってここに参りました」
久我はかしこまり、再び父親に頭を下げた。
「お願いしたいことですか? 社長が私に……?」
父親は首を傾げている。
「はい」
久我は父親に返事をしたあと、冬麻のほうを振り返る。
久我と冬麻。ふたり目が合った。
「冬麻。迎えに来た」
久我は真剣な表情だ。急に現れてどうしたんだ……?
「俺の全てを捧げて必ず幸せにする。何があってももう離れない。冬麻のことを一生愛し続ける自信だけはある。だから、俺と一緒になって欲しい」
ええ!! 嘘だろ。こんなところでいきなりなんてことを言い出すんだよ……!
久我は再び父親のほうに向き直る。
「お願いします。僕は冬麻さんとどうしても一緒にいたいんです。どうか、冬麻さんが僕と一緒に暮らすことをお許しください。僕は冬麻さんと一生を添い遂げたいと思っています」
久我は深々と頭を下げた。父親は驚きのあまりに声を失っている。
そして久我は懇願する。
息子の冬麻さんを僕にください——。
——完。
それが終わったので、冬麻は開店準備をしている父親のもとへ行き、来たついでに準備を手伝いながらたわいのない話をする。
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「すみません」
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「一体どうしたんですか?! 何かトラブルでもあったんですか?!」
社長自らやってくるなんて、尋常じゃない何かがあると父親は考えたのだろう。
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久我はかしこまり、再び父親に頭を下げた。
「お願いしたいことですか? 社長が私に……?」
父親は首を傾げている。
「はい」
久我は父親に返事をしたあと、冬麻のほうを振り返る。
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久我は真剣な表情だ。急に現れてどうしたんだ……?
「俺の全てを捧げて必ず幸せにする。何があってももう離れない。冬麻のことを一生愛し続ける自信だけはある。だから、俺と一緒になって欲しい」
ええ!! 嘘だろ。こんなところでいきなりなんてことを言い出すんだよ……!
久我は再び父親のほうに向き直る。
「お願いします。僕は冬麻さんとどうしても一緒にいたいんです。どうか、冬麻さんが僕と一緒に暮らすことをお許しください。僕は冬麻さんと一生を添い遂げたいと思っています」
久我は深々と頭を下げた。父親は驚きのあまりに声を失っている。
そして久我は懇願する。
息子の冬麻さんを僕にください——。
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