22 / 138
22.抗えない ※
しおりを挟む
久我がゆっくりと自分のものを挿入してくる。ヌプヌプと慣れないものが奥に入り込んできて、久我とひとつになる。なんとも言えない感覚だ——。
「冬麻、すごい。全部入った……」
全部……? 何が……?
まさか、嘘だろ……?
「ああ……冬麻の中、すごくいい。最高だよ」
久我が少し動いただけで、今まで感じたことのない刺激が冬麻を襲う。
「あっ……んっ……」
それと同時に久我は冬麻の前を握り込んでそれを使って冬麻を感じさせようとしてくる。それにまた悶絶し、もう頭がおかしくなりそうだ。
「……あっ、待って冬麻、あんまり締めないで……」
なんだよ、締めるって。
自分の身体のことなのに、冬麻は自分が何に感じてどう反応してるのかすら、わからなくなっている。
「はぁっ……はぁ……」
ふたり繋がったまま、動くのを止めて久我が冬麻の身体を抱きしめてきた。久我の艶めかしい吐息が冬麻の耳をくすぐる。
久我の背中を抱くようにして触ると久我の身体は汗ばんでいた。冬麻も余裕なんて全くないが、久我も同じ状態なのかもしれない。
再び身体を起こして、腰を動かし冬麻の中を攻めながら、恍惚とした表情を浮かべている久我。すごくセクシーだ。
——この人も、こんな顔するんだ……。
いつも知的で隙のひとつも見せない完璧男のあられもない無防備な姿。
久我の呼吸は荒く、半開きの口元から時々漏れる甘美な声がたまらない。
久我がこんなに乱れてる姿なんて初めて見た。この前はバックから挿れられたから、久我の顔が見えなかった。でも今は——。
冬麻が見ていることに久我が気がついて、ふたり視線が合う。
「冬麻。大好き」
久我は冬麻の髪を撫で、短いキスを落としてきた。
「冬麻、俺やばい。こんなに気持ちいいの初めてで、ちょっと……もう……」
「あっ、ああっ……!」
久我は冬麻のソレを激しく扱き始めた。自分も動きを早め、自分がフィニッシュを迎えると同時に冬麻もイかせようという気だ。
「冬麻、好きだよ……。はぁっ……はぁ……」
「あっ……はぅ……」
久我の激しい動きで、身体が揺さぶられる。急激に絶頂へと向かい、その刺激で頭がクラクラしてきた。
もう何も考えられない。ただ快感にのまれていくだけ。
「もうだめ……イッ……」
何もかもどうでもよくなる。
このまま、全部放ってしまいたい——。
「冬麻。俺っ……もうイっていい? 冬麻もイこ?」
冬麻ももう限界だ。久我にされるがまま、解き放つための高みを目指していく。
そのまま久我に放たれて、冬麻も自らを解放する。
力尽きたようにふたりでベッドにドサリと落ちた。
「はぁっ……はぁっ……」
久我は乱れた息を整えながらも、冬麻をぎゅっと抱き締めてきた。
「冬麻、大好き……」
久我は冬麻の首筋に優しいキスをする。
好きだと言われて、もう少しで、好きだと返してしまいそうだった。
こんなことまでしておいて、「好きじゃない」だなんて往生際が悪いと自分でも呆れている。
認めるしかない。
——俺は、この人のことが好きだ。
この危険な男の罠に囚われて、すっかり心も身体も奪われてしまった。
久我の愛情の鎖は苦しいくらいに重い。
その重さに耐えきれずに窒息してしまいそうだ。
それなのに。
この男の底なし沼に自らはまり、冬麻は溺れていく——。
「冬麻、すごい。全部入った……」
全部……? 何が……?
まさか、嘘だろ……?
「ああ……冬麻の中、すごくいい。最高だよ」
久我が少し動いただけで、今まで感じたことのない刺激が冬麻を襲う。
「あっ……んっ……」
それと同時に久我は冬麻の前を握り込んでそれを使って冬麻を感じさせようとしてくる。それにまた悶絶し、もう頭がおかしくなりそうだ。
「……あっ、待って冬麻、あんまり締めないで……」
なんだよ、締めるって。
自分の身体のことなのに、冬麻は自分が何に感じてどう反応してるのかすら、わからなくなっている。
「はぁっ……はぁ……」
ふたり繋がったまま、動くのを止めて久我が冬麻の身体を抱きしめてきた。久我の艶めかしい吐息が冬麻の耳をくすぐる。
久我の背中を抱くようにして触ると久我の身体は汗ばんでいた。冬麻も余裕なんて全くないが、久我も同じ状態なのかもしれない。
再び身体を起こして、腰を動かし冬麻の中を攻めながら、恍惚とした表情を浮かべている久我。すごくセクシーだ。
——この人も、こんな顔するんだ……。
いつも知的で隙のひとつも見せない完璧男のあられもない無防備な姿。
久我の呼吸は荒く、半開きの口元から時々漏れる甘美な声がたまらない。
久我がこんなに乱れてる姿なんて初めて見た。この前はバックから挿れられたから、久我の顔が見えなかった。でも今は——。
冬麻が見ていることに久我が気がついて、ふたり視線が合う。
「冬麻。大好き」
久我は冬麻の髪を撫で、短いキスを落としてきた。
「冬麻、俺やばい。こんなに気持ちいいの初めてで、ちょっと……もう……」
「あっ、ああっ……!」
久我は冬麻のソレを激しく扱き始めた。自分も動きを早め、自分がフィニッシュを迎えると同時に冬麻もイかせようという気だ。
「冬麻、好きだよ……。はぁっ……はぁ……」
「あっ……はぅ……」
久我の激しい動きで、身体が揺さぶられる。急激に絶頂へと向かい、その刺激で頭がクラクラしてきた。
もう何も考えられない。ただ快感にのまれていくだけ。
「もうだめ……イッ……」
何もかもどうでもよくなる。
このまま、全部放ってしまいたい——。
「冬麻。俺っ……もうイっていい? 冬麻もイこ?」
冬麻ももう限界だ。久我にされるがまま、解き放つための高みを目指していく。
そのまま久我に放たれて、冬麻も自らを解放する。
力尽きたようにふたりでベッドにドサリと落ちた。
「はぁっ……はぁっ……」
久我は乱れた息を整えながらも、冬麻をぎゅっと抱き締めてきた。
「冬麻、大好き……」
久我は冬麻の首筋に優しいキスをする。
好きだと言われて、もう少しで、好きだと返してしまいそうだった。
こんなことまでしておいて、「好きじゃない」だなんて往生際が悪いと自分でも呆れている。
認めるしかない。
——俺は、この人のことが好きだ。
この危険な男の罠に囚われて、すっかり心も身体も奪われてしまった。
久我の愛情の鎖は苦しいくらいに重い。
その重さに耐えきれずに窒息してしまいそうだ。
それなのに。
この男の底なし沼に自らはまり、冬麻は溺れていく——。
111
お気に入りに追加
1,148
あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる