借金のカタにイケメン社長に囲われる

雨宮里玖

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22.抗えない ※

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 久我がゆっくりと自分のものを挿入してくる。ヌプヌプと慣れないものが奥に入り込んできて、久我とひとつになる。なんとも言えない感覚だ——。

「冬麻、すごい。全部入った……」

 全部……? 何が……?
 まさか、嘘だろ……?


「ああ……冬麻の中、すごくいい。最高だよ」

 久我が少し動いただけで、今まで感じたことのない刺激が冬麻を襲う。

「あっ……んっ……」

 それと同時に久我は冬麻の前を握り込んでそれを使って冬麻を感じさせようとしてくる。それにまた悶絶し、もう頭がおかしくなりそうだ。

「……あっ、待って冬麻、あんまり締めないで……」

 なんだよ、締めるって。
 自分の身体のことなのに、冬麻は自分が何に感じてどう反応してるのかすら、わからなくなっている。

「はぁっ……はぁ……」

 ふたり繋がったまま、動くのを止めて久我が冬麻の身体を抱きしめてきた。久我の艶めかしい吐息が冬麻の耳をくすぐる。
 久我の背中を抱くようにして触ると久我の身体は汗ばんでいた。冬麻も余裕なんて全くないが、久我も同じ状態なのかもしれない。


 再び身体を起こして、腰を動かし冬麻の中を攻めながら、恍惚とした表情を浮かべている久我。すごくセクシーだ。

 ——この人も、こんな顔するんだ……。

 いつも知的で隙のひとつも見せない完璧男のあられもない無防備な姿。
 久我の呼吸は荒く、半開きの口元から時々漏れる甘美な声がたまらない。
 久我がこんなに乱れてる姿なんて初めて見た。この前はバックから挿れられたから、久我の顔が見えなかった。でも今は——。

 冬麻が見ていることに久我が気がついて、ふたり視線が合う。

「冬麻。大好き」

 久我は冬麻の髪を撫で、短いキスを落としてきた。

「冬麻、俺やばい。こんなに気持ちいいの初めてで、ちょっと……もう……」
「あっ、ああっ……!」

 久我は冬麻のソレを激しく扱き始めた。自分も動きを早め、自分がフィニッシュを迎えると同時に冬麻もイかせようという気だ。

「冬麻、好きだよ……。はぁっ……はぁ……」
「あっ……はぅ……」

 久我の激しい動きで、身体が揺さぶられる。急激に絶頂へと向かい、その刺激で頭がクラクラしてきた。
 もう何も考えられない。ただ快感にのまれていくだけ。

「もうだめ……イッ……」

 何もかもどうでもよくなる。
 このまま、全部放ってしまいたい——。

「冬麻。俺っ……もうイっていい? 冬麻もイこ?」

 冬麻ももう限界だ。久我にされるがまま、解き放つための高みを目指していく。

 そのまま久我に放たれて、冬麻も自らを解放する。
 力尽きたようにふたりでベッドにドサリと落ちた。

「はぁっ……はぁっ……」

 久我は乱れた息を整えながらも、冬麻をぎゅっと抱き締めてきた。

「冬麻、大好き……」

 久我は冬麻の首筋に優しいキスをする。

 好きだと言われて、もう少しで、好きだと返してしまいそうだった。

 こんなことまでしておいて、「好きじゃない」だなんて往生際が悪いと自分でも呆れている。

 認めるしかない。
 
 ——俺は、この人のことが好きだ。

 この危険な男の罠に囚われて、すっかり心も身体も奪われてしまった。
 久我の愛情の鎖は苦しいくらいに重い。
 その重さに耐えきれずに窒息してしまいそうだ。
 それなのに。
 この男の底なし沼に自らはまり、冬麻は溺れていく——。
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