借金のカタにイケメン社長に囲われる

雨宮里玖

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21.久我の手の内 ※

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「うわっ!!」

 冬麻の身体が突然宙に浮いた。久我が冬麻の身体を抱き上げたからだ。
 冬麻を横抱きにした久我は、冬麻の靴をポイっと投げ捨て、そのまま連行しようとする。
 抱き上げられ、その姿勢が不安定で冬麻は思わず久我の両肩にしがみついた。

「冬麻、大好きだよ」

 久我に抱き上げられたまま、額にキスされる。
 ああ、もう……。
 どうしてこの男のいいようになっちゃうんだよ……。





 久我に抱えられたまま、久我の部屋に連れ込まれる。
 冬麻は部屋のベッドの上にドサッと降ろされた。
 ベッドに仰向け状態になった冬麻の身体の上に、身につけていた上着を乱雑に脱ぎ去った久我がまたがってきた。

 久我は冬麻のジャケットのボタンを外し、そのままシャツのボタンにまで手をかけた。

「本当によく似合ってるよ」

 おい、よく似合ってるならなんで脱がすんだよ……。

「冬麻は細身だからスーツが似合うね」
 その言葉にちょっとカチンとくる。たしかに冬麻は細身で久我みたいにたくましさなんてない。男としては軽く劣等感を抱いているのに。

「あっ……」

 久我がはだけたシャツの隙間に手を入れ、冬麻の身体に触れてきた。

 やばい。ちょっと久我に触れられただけで身体が何かを期待して熱を帯びていくのがわかる。

「冬麻ここは?」

 久我に脇腹を撫でられ、冬麻は身をよじる。そういうとこは誰でもくすぐったくなるだろと思うのに、久我はいちいち冬麻の反応を見ようとする。

「こっちは?」

 久我は冬麻の乳首を弄る。

「あっ……」

 と思わず漏れた声で、久我にそこは弱いと教えてるようなものだ。

「ここ、好き?」

 久我が両方の乳首を攻めてくる。
 なんで男なのに、こんな突起があるんだよ。そしてなぜかそこを触られると妙な感じがする。

「んっ……はぁっ……」

 こんなことで身悶えする自分が悔しい。でも、そこを刺激されるたびに身体はビクついている。

「冬麻……」

 久我は冬麻に覆いかぶさるようにして、身体を密着させてきた。
 そして今度は冬麻の耳にキスを落としたあと、耳の中を舌で嬲る。

「あっ……」

 そこもやばい。自分はこんなに感じやすいタチだったのかと嫌になる。
 さっきから久我にいいようにされて、恥ずかしい声を上げて、身体をピクピクさせて。



 久我にジャケットとシャツを引き剥がされる。脱がされるときに引っ張られた両手をそのまま頭上でベッドに押さえつけられ、その状態で久我に唇を奪われる。

「……っん。んんっ……!」

 冬麻の身体がこのキスを覚えている。
 頭がぼうっとしてきて思考が停止。何も考えられなくなる、麻薬みたいだ。

 最初は久我に口腔内をかき乱されるのをただ受け入れていたが、そうされているうちに気持ちが高ぶってきて、冬麻も久我を求めるようにキスを返す。それに呼応して久我がさらに冬麻を攻めてくる、やまないキス。

 久我は未だに何を考えているかよくわからない男だ。
 そんな男にわけもわからないうちにぐいぐい迫られて、気がついたら身体まで許して……。

 でも。
 嫌じゃない。



「冬麻。可愛い」

 キスを続けながら、髪。頬。首。胸と久我の愛撫する手が下におりてくる。

「久我さん……」

 冬麻も久我を求めてしまう。久我の大きな背中にしがみつきたくなる。

「冬麻。俺の服、脱がしてよ」

 手を掴まれ、久我のシャツのボタンまで誘導される。
 冬麻は久我に従って久我のシャツのボタンをひとつひとつ外していく。それが全部終わると久我はバッとシャツを脱ぎ捨てた。

「下もお願いしていい?」

 下? ベルトも外せと言う意味か?!
 冬麻が戸惑っていると、反対に久我は冬麻のベルトに手をかけた。

「あっ!」

 カチャカチャとベルトが外される音がする。それを取られたら——。

「冬麻は俺の、外してよ」

 冬麻も少し躊躇したものの、久我のベルトを外しにかかる。ふたりでお互いの衣服を脱がせ合う。なんだかお互いがお互いの身体を求めているようでやけに恥ずかしくなる行為だ。

「冬麻」

 やがてふたりとも全裸になって、ベッドを軋ませながら身体を重ねていく。
 ぴったりと触れ合う肌の感触が気持ちいい。抱きしめてくる久我の手があったかい。
 いろんなところにキスをされ、愛撫され、露わになっているソコにまで久我の手がおよぶ。

「あっ……んうっ……」

 そうされる前から既に勃ち上がり、熱を帯びていたのだから、それを久我に弄られるとひとたまりもない。

「……あっ……あっ……」

 先端を撫で回す久我の手が少し冷たく、ヌルヌルしている。いつの間にか久我がローションを手に取ったようだ。
 滑りがよくなった手で扱かれる。さっきよりも気持ちが良くて、その快感のせいで全身の力が抜けてしまう。

 久我に腰を持ち上げられ、足を広げられる。

「えっ……!」

 そんなところは見られたくないと冬麻は慌てて隠す。
 この体勢は嫌だ。普段人に見せることなんてない、恥ずかしいところを全部久我にさらけ出してしまっている。

「冬麻、恥ずかしいの?」

 当たり前だ。久我の顔が見られないくらいに恥ずかしい。それを久我はわかっているくせに、冬麻の足をさらにぐいっと広げる。

「こんなにキレイなのに何が恥ずかしいの?」

 久我はそこにローションを垂らす。そして躊躇なく後ろの孔に指を挿入してきた。

「この前より慣れてるね」

 そこをクチュクチュしながら、久我は挿れる指の数を増やしているようだ。どんどんキツくなり、冬麻は身をよじる。

「……ああっ……!」

 この人は意地悪だ。さっそく冬麻の弱いところを指で探し当て、そこばかり攻めてくる。そこを刺激されるたびに、足がピクピクと痙攣してしまう。
 前も握られているし、もうされるがままだ。久我から与えられる快感に、たまらずベッドの上で身悶えする。

「あっ、あっ、あっ……」

 駄目だ。この快楽の波には逆らえない。恥ずかしいし、淫らだとわかっているのに、もっとして欲しいと身体は正直に求めてしまう。

「冬麻、気持ちいい……?」

 久我が更なる刺激を冬麻に与えようとする。そうされるたびに身体が反応し、全身がとろけてしまいそうだ。

「んっ……ああっ……そこ、やだぁ……」

 みっともなく腰をくねらせて、喘ぎ声をあげて、こんな自分の姿が信じられない。

「ああ、その可愛い声反則だよ、冬麻。俺、恥も外聞もなくなるよう冬麻のこともっと喘がせたくなった。ねぇ、俺にその声もっと聞かせて」

 違う。こっちは出したくもないのにさっきから恥ずかしい声が出ちゃってるのに……。


「……ああっ……!」

 いったん全部の指を引き抜かれたあと、下腹部に指とは明らかに質量の違うものが押し込まれる。

「あっ……! だめ……っ、むっ、むり……っ」

 そんなところに……。無理に決まってる……。

「冬麻、力抜いて。そのほうがラクだから」

 久我にたしなめられるように優しく身体を撫でられて、緊張で固くなっていた身体が少しずつ和らいでいく。
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