上 下
16 / 124

16.堕ちる ※

しおりを挟む
「……んんっ……!」

 久我が冬麻の乳首を舐める。すっかり敏感になってしまった身体はそんな刺激でもうビクッと悲鳴を上げている。

「冬麻、苦しい? さっきより感じちゃうよね」

 わかってるならやめろと思うのに、久我は止めるどころか、冬麻の身体を抱き締めてきた。

「……はぁっ……はぁっ……」

 久我と肌と肌を触れ合わせていると、久我からあらゆるところを愛撫をされると、さっきで限界だったはずの身体は反応を示し、またムラムラと変な気持ちになってくる。

「今の冬麻、最高に可愛いよ。はぁ。たまらない……」

 こっ、こんな姿のどこが……。

 自分でも酷いとわかってる。汗や精液でドロドロの身体だ。
 そんな身体に久我はローションをトロリとかけて、また後孔をほぐされる。

「ひぁっ……! ああっ……!」

 さっき収まったはずの快感が再び押し寄せてくる。

「ここ、気持ちいい?」

 久我が恐ろしい。冬麻の感じるところをどんどん掌握されて、そんなところばかり攻められたら……。

「あっ……なにこれ、やだぁ……」

 感じたことがないくらいの強い刺激が冬麻を襲う。
 もうわけがわからない。わからないけど、すごく、気持ちがいい……。
 イッたはずの前も再び反応してきて、自分でも驚いた。
 しかも勃ち上がりのソレを久我は躊躇なく咥えた。

「えっ! そんなことっ、き、汚いからっ……!」

 久我の頭を押しのけようとするのに、フェラを開始した久我はその行為を止めようとしない。

「あっ。やばいっ……」

 そんなところを丁寧に舐められて、口で扱かれたらたまらない……!
 あっという間に快感の波のピークに連れていかれる。

 ——またイかされるのか……?!

 自慰のときは一度イッたらそれで終わりだ。もう身体は疲れ果てているはずなのに、こんなに何回もイッたら——。



「もうっ、やめっ……久我さ、俺っ!」

 これ以上フェラを続けられたら危ない。まさか久我の口の中に放つわけにもいかない。
 久我は一度咥えたモノを口から離し、「俺の中に出していいよ」と言う。

「いっ、嫌だ、もう……」

 何度、久我の前で羞恥をさらしたら終わるのだろう。
 キスで溶かされて、性感帯を攻められて、あられもない格好で女みたいに孔を解されて、イかされて。
 今は久我にソレを咥えられながら、孔を弄られている。

「あっ……! ああっ……! 離し……っ」

 駄目だ。耐えられない。
 こんなことはいけないと思っているのに、このまま久我の中に放ってしまいたいという欲望が頭をもたげてくる。

「そこっ……だめぇ……」

 ビクッと身体をのけ反らせる。
 久我がまた孔の中の感じるところを指でクイクイと嬲ってくる。それと同時に久我の喉に亀頭があたるくらい深く久我の中に取り込まれる。
 信じられないくらいの快楽に襲われる。こんなの、耐えられない……!

「はぁん……ああっ……」

 冬麻は身体をふるふると震わせて、久我の中に放ってしまった。それを久我は平然と飲み込んだ。

「はっ……はぁ……」

 なんてことを、と抗議したいがあまりのことに息を整えるのに精一杯だ。




「冬麻」
「へぁ……?」

 まともに返事もできない。頭もボーッとするし、身体も変だ。ただ久我にされるがままになってそれを感じるだけの淫らな生き物になってしまったみたいだ。

「ここに、挿れていい?」

 へ……? 挿れる……? 嘘だろ。そんなもの入るわけがない。

「後ろからのほうが楽だよね。大丈夫、いきなり無理には挿れないから」

 身体を返される久我のその手にすら、ビクッと反応してしまう。
 なんだこれ……もう、全身が性感帯になったのか……?
 バックの体勢にさせられ、腰を持ち上げられる。

「冬麻」

 久我が冬麻の背中にキスをする。

「冬麻」

 久我の唇が背中から、腰、臀部と次第に後ろに下がっていき、散々弄られたきわどいところにもキスをされ、その刺激にビクッと身体が勝手に反応する。

「可愛い。俺の冬麻……」

 久我の指とローションで、孔をグチュグチュされたあと、そこに久我のものが当てがわれる。
 それが触れただけでそこがヒクついているのがわかる。

「待って。だめ……っ!」

 指だけでああなのに、そんなものを挿れられたら……!

「あ……っ! ぁあ……っ!」

 嘘だろ。久我のモノがそこにズブズブと入っていく。
 やばい、これ指と全然違う。
 こんなものが、中で動いたら……。

「うぅ……」

 久我は動いてもいないのに、冬麻の身体は既にヒクヒク震えている。

「うわぁ……はぁん……ゔっ……」

 久我がゆっくりと動く。それだけで冬麻は悶絶する。

「ごめん、少しだけ我慢して。……くっ……はぁ……すごい……」

 久我が冬麻の中を堪能し始めた。
 待って……。
 あんまり動かれるとやばい。久我にいいように犯されて、その従属的な関係に心地よさすら感じてきた。

「うぅっ……!」

 久我に再び前を握り込まれる。そして刺激を与えられる。

 ——嘘だろ……もう……。

 淫乱にもほどがある。久我の手が巧みに動き、それに反応してまた勃ち上がる自分に嫌気がさす。

「やだぁ……もう……イきたくない……」

 快感も与えられすぎると毒だ。
 さっきから身体は刺激を受けて痙攣し続けている。足の指の先まで電流がはしり、自分の意思とは無関係にピクピク動いている。
 これ以上はもう……。


「冬麻も俺と一緒にイこ?」

 久我に冬麻の訴えは届かない。久我は冬麻を突きながら、冬麻にも快感を味わわせようとする。

「おれっ……もう……むりぃ……」

 こんなに連続して刺激を受けたらどうなってしまうんだろう……。身体も力が入らないし、頭の思考回路もうまく回らない。

「ああんっ……! ああっ……んっ……!」

 なんだこれ。攻められるたびに自分の声とは思えないくらい、いやらしい喘ぎ声が出る。

「冬麻の中に出させて」

 久我が激しく律動し、その動きに合わせて前も上下に捌かれ、冬麻はまた絶頂へと導かれていく。

「はぁんっ……。あぅっ……」

 もう久我にされるがままだ。この快楽に溺れたらはい上がることはできない。
 冬麻は久我に中に放たれると同時に自身も三度目の絶頂を迎えた。
しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

隠れヤンデレは自制しながら、鈍感幼なじみを溺愛する

知世
BL
大輝は悩んでいた。 完璧な幼なじみ―聖にとって、自分の存在は負担なんじゃないか。 自分に優しい…むしろ甘い聖は、俺のせいで、色んなことを我慢しているのでは? 自分は聖の邪魔なのでは? ネガティブな思考に陥った大輝は、ある日、決断する。 幼なじみ離れをしよう、と。 一方で、聖もまた、悩んでいた。 彼は狂おしいまでの愛情を抑え込み、大輝の隣にいる。 自制しがたい恋情を、暴走してしまいそうな心身を、理性でひたすら耐えていた。 心から愛する人を、大切にしたい、慈しみたい、その一心で。 大輝が望むなら、ずっと親友でいるよ。頼りになって、甘えられる、そんな幼なじみのままでいい。 だから、せめて、隣にいたい。一生。死ぬまで共にいよう、大輝。 それが叶わないなら、俺は…。俺は、大輝の望む、幼なじみで親友の聖、ではいられなくなるかもしれない。 小説未満、小ネタ以上、な短編です(スランプの時、思い付いたので書きました) 受けと攻め、交互に視点が変わります。 受けは現在、攻めは過去から現在の話です。 拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 宜しくお願い致します。

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。

弱すぎると勇者パーティーを追放されたハズなんですが……なんで追いかけてきてんだよ勇者ァ!

灯璃
BL
「あなたは弱すぎる! お荷物なのよ! よって、一刻も早くこのパーティーを抜けてちょうだい!」 そう言われ、勇者パーティーから追放された冒険者のメルク。 リーダーの勇者アレスが戻る前に、元仲間たちに追い立てられるようにパーティーを抜けた。 だが数日後、何故か勇者がメルクを探しているという噂を酒場で聞く。が、既に故郷に帰ってスローライフを送ろうとしていたメルクは、絶対に見つからないと決意した。 みたいな追放ものの皮を被った、頭おかしい執着攻めもの。 追いかけてくるまで説明ハイリマァス ※完結致しました!お読みいただきありがとうございました! ※11/20 短編(いちまんじ)新しく書きました! 時間有る時にでも読んでください

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...