14 / 138
14.ふたりだけの夜 ※
しおりを挟む
「……んん……っ!」
久我は呆気なく冬麻の口腔内に侵入し、冬麻の口蓋や舌を味わうように舌を這わせてくる。
「ふっ……。んっ……!」
終わらないキス。久我のキスを受けながら、かろうじて息をする。それに気がついたのか久我は一度唇を離してくれた。
「ぷはっ……はぁ、はぁっ」
溺れかけていた人みたいに呼吸をする。
冬麻の口の端からはみっともなく唾液が溢れていた。
「冬麻。息をして」
久我は再び唇を重ねてきた。最初のキスは優しく、次第に口の中を貪られる。
ふたりの唾液が混ざり合い、ちゅぱちゅぱといやらしい音が聞こえてきて、それが冬麻の耳をくすぐる。
自分は男だとわかってる。それなのに久我のキスだけですっかり冬麻の身体は性的な反応を示している。それを恥ずかしく思うが、それ以上に久我とのキスに夢中になっていく。
「冬麻も舌、出して。俺の中にきて」
「……はっ、はぁ……」
そ、そんなこと言うなよ。そんな自分から求めるなんて……。
「冬麻の可愛い顔、みたい。俺にまだ見せたことのない顔、みせて」
久我がキスを止め、冬麻の頬に手を添え、冬麻の顔を眺めている。
「もう少し、キスが欲しい? 欲しいなら冬麻から俺にキスして」
久我は意地悪だ。自分からそんな恥ずかしいことを冬麻はできるわけがない。
でも、気持ちよかった……。
さっきの、もっと……。
久我にこんな淫らな行為を迫られて気がついた。
さっきから久我が触れてくるのに過剰に反応してしまっていたのは、どこかこうなることを望んでいたからなんじゃないか。
自分がこんなに淫乱だったなんて認めたくないのに、身体は正直に久我を求めてる。
脅しをかけるみたいにして人を囲って、身動き取れないほどの愛で束縛して、気がついたら心まで奪われて。こんな非常識な男、好きになるつもりなんてなかったのに……。
「……はぁっ……久我さ……」
なぜだろう。理性が効かない。
ああ……もう、いい……。
冬麻は自らの唇を久我の唇に寄せる。さっきまでの淫靡な刺激が欲しいと本能が求めている。
「冬麻……」
久我も唇がギリギリ触れる距離まで近づいてきた。それなのにそこから先に入ってきてくれない。
なんで……。もっと……。あと少し……。
たまらなくなって、みっともないと思いながらも舌を出して冬麻から久我の唇を奪い、そのまま久我の中に入り込む。
冬麻からのキス。それを合図にするかのように久我からの激しいキスが始まった。
頭を両手で抑えつけられ、逃げ場のないキス。
「んんっ……!」
ああ、やばい。
これ、何も考えられなくなる——。
なんかもう、どうにでもして欲しいと冬麻はやられっぱなしになり、久我を受け入れる。
ああ駄目だ。ジンジンする唇の腫れぼったさも、漏れる唾液も乱れる髪もどうでもいい。ただひたすらに久我との行為に溺れていく。
冬麻から溢れる唾液を久我がじゅる、と吸った。そして久我がゴクリと喉を鳴らす。
そんな人のものを美味しそうに飲み込むなんて……。
激しいキスが終わり、久我は冬麻の服をめくり上げ、身体の稜線に沿って、つーっと指を這わせる。今の冬麻の身体はどこかおかしくなってしまったようで、そんな刺激にもビクッと反応してしまう。
「あっ……あっ……」
宝物に触れるかのような丁寧な手つきで素肌を愛でられる。それがまたくすぐったくて冬麻は身悶えする。
やがて上も下も身につけていたものを徐々にめくられ素肌を露わにさせられる。ズボンだけじゃなく、下着も恥骨まで下げられ、久我の手は際どいラインを愛おしそうに撫で回す。
乳首を弄ばれ、思わず身体をのけ反らせたときに、腰を上げてしまった。そのときに久我の手によって下は全て剥ぎ取られる。
「はぁっ、待って……」
見られたくないと慌てて布団の中に入って身体を隠そうとしたのに、久我がそれを許さない。
布団を剥ぎ取られ、今度は自らの手で隠そうとしたのだが、冬麻の手の上から久我の手が包み込んでくる。
そのまま冬麻の手を誘導して、すっかりたちあがったモノに刺激を与えてくる。
「冬麻の反応、すごく可愛い」
久我は冬麻の手を使って自慰を強制するかのように動かしてくる。
「……あっ……嫌だ……」
自分の手なんかじゃ嫌だ。
久我はさらに手を早める。その刺激に身体はビクッと震える。
でも違う。本当は久我に触れて欲しくて——。
「冬麻……」
久我は冬麻の望み通りに冬麻の手を外し、自らの手で触れてきた。
「……ああっ!」
自分の手の時と全然違う。久我にソレを握られ、少し上下されただけでおそろしいくらいの快感が押し寄せてきた。
「はっ……はぅ……あっ、あっ、やっ……」
そのまま冬麻に快感を与え続ける容赦ない久我の手つきに、思わず淫らな声が漏れる。
「なにその声。俺の理性をぶっ壊すつもりなの?」
久我がぐいっと冬麻の足を広げてさらにソレを攻め立てる。
「やっ、ちがっ……んんっ……!」
その刺激に冬麻の身体はいちいち正直にビクッ、ビクッと反応してしまう。
「はぁっ……冬麻、すごい……こんな……」
違う。こんなになってるのは、攻められてるせいだからっ!
「ああっ……! んんっ……!」
声を抑えたくても無理だ。やばい。このままじゃイかされる……!
久我は呆気なく冬麻の口腔内に侵入し、冬麻の口蓋や舌を味わうように舌を這わせてくる。
「ふっ……。んっ……!」
終わらないキス。久我のキスを受けながら、かろうじて息をする。それに気がついたのか久我は一度唇を離してくれた。
「ぷはっ……はぁ、はぁっ」
溺れかけていた人みたいに呼吸をする。
冬麻の口の端からはみっともなく唾液が溢れていた。
「冬麻。息をして」
久我は再び唇を重ねてきた。最初のキスは優しく、次第に口の中を貪られる。
ふたりの唾液が混ざり合い、ちゅぱちゅぱといやらしい音が聞こえてきて、それが冬麻の耳をくすぐる。
自分は男だとわかってる。それなのに久我のキスだけですっかり冬麻の身体は性的な反応を示している。それを恥ずかしく思うが、それ以上に久我とのキスに夢中になっていく。
「冬麻も舌、出して。俺の中にきて」
「……はっ、はぁ……」
そ、そんなこと言うなよ。そんな自分から求めるなんて……。
「冬麻の可愛い顔、みたい。俺にまだ見せたことのない顔、みせて」
久我がキスを止め、冬麻の頬に手を添え、冬麻の顔を眺めている。
「もう少し、キスが欲しい? 欲しいなら冬麻から俺にキスして」
久我は意地悪だ。自分からそんな恥ずかしいことを冬麻はできるわけがない。
でも、気持ちよかった……。
さっきの、もっと……。
久我にこんな淫らな行為を迫られて気がついた。
さっきから久我が触れてくるのに過剰に反応してしまっていたのは、どこかこうなることを望んでいたからなんじゃないか。
自分がこんなに淫乱だったなんて認めたくないのに、身体は正直に久我を求めてる。
脅しをかけるみたいにして人を囲って、身動き取れないほどの愛で束縛して、気がついたら心まで奪われて。こんな非常識な男、好きになるつもりなんてなかったのに……。
「……はぁっ……久我さ……」
なぜだろう。理性が効かない。
ああ……もう、いい……。
冬麻は自らの唇を久我の唇に寄せる。さっきまでの淫靡な刺激が欲しいと本能が求めている。
「冬麻……」
久我も唇がギリギリ触れる距離まで近づいてきた。それなのにそこから先に入ってきてくれない。
なんで……。もっと……。あと少し……。
たまらなくなって、みっともないと思いながらも舌を出して冬麻から久我の唇を奪い、そのまま久我の中に入り込む。
冬麻からのキス。それを合図にするかのように久我からの激しいキスが始まった。
頭を両手で抑えつけられ、逃げ場のないキス。
「んんっ……!」
ああ、やばい。
これ、何も考えられなくなる——。
なんかもう、どうにでもして欲しいと冬麻はやられっぱなしになり、久我を受け入れる。
ああ駄目だ。ジンジンする唇の腫れぼったさも、漏れる唾液も乱れる髪もどうでもいい。ただひたすらに久我との行為に溺れていく。
冬麻から溢れる唾液を久我がじゅる、と吸った。そして久我がゴクリと喉を鳴らす。
そんな人のものを美味しそうに飲み込むなんて……。
激しいキスが終わり、久我は冬麻の服をめくり上げ、身体の稜線に沿って、つーっと指を這わせる。今の冬麻の身体はどこかおかしくなってしまったようで、そんな刺激にもビクッと反応してしまう。
「あっ……あっ……」
宝物に触れるかのような丁寧な手つきで素肌を愛でられる。それがまたくすぐったくて冬麻は身悶えする。
やがて上も下も身につけていたものを徐々にめくられ素肌を露わにさせられる。ズボンだけじゃなく、下着も恥骨まで下げられ、久我の手は際どいラインを愛おしそうに撫で回す。
乳首を弄ばれ、思わず身体をのけ反らせたときに、腰を上げてしまった。そのときに久我の手によって下は全て剥ぎ取られる。
「はぁっ、待って……」
見られたくないと慌てて布団の中に入って身体を隠そうとしたのに、久我がそれを許さない。
布団を剥ぎ取られ、今度は自らの手で隠そうとしたのだが、冬麻の手の上から久我の手が包み込んでくる。
そのまま冬麻の手を誘導して、すっかりたちあがったモノに刺激を与えてくる。
「冬麻の反応、すごく可愛い」
久我は冬麻の手を使って自慰を強制するかのように動かしてくる。
「……あっ……嫌だ……」
自分の手なんかじゃ嫌だ。
久我はさらに手を早める。その刺激に身体はビクッと震える。
でも違う。本当は久我に触れて欲しくて——。
「冬麻……」
久我は冬麻の望み通りに冬麻の手を外し、自らの手で触れてきた。
「……ああっ!」
自分の手の時と全然違う。久我にソレを握られ、少し上下されただけでおそろしいくらいの快感が押し寄せてきた。
「はっ……はぅ……あっ、あっ、やっ……」
そのまま冬麻に快感を与え続ける容赦ない久我の手つきに、思わず淫らな声が漏れる。
「なにその声。俺の理性をぶっ壊すつもりなの?」
久我がぐいっと冬麻の足を広げてさらにソレを攻め立てる。
「やっ、ちがっ……んんっ……!」
その刺激に冬麻の身体はいちいち正直にビクッ、ビクッと反応してしまう。
「はぁっ……冬麻、すごい……こんな……」
違う。こんなになってるのは、攻められてるせいだからっ!
「ああっ……! んんっ……!」
声を抑えたくても無理だ。やばい。このままじゃイかされる……!
141
お気に入りに追加
1,151
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

隠れヤンデレは自制しながら、鈍感幼なじみを溺愛する
知世
BL
大輝は悩んでいた。
完璧な幼なじみ―聖にとって、自分の存在は負担なんじゃないか。
自分に優しい…むしろ甘い聖は、俺のせいで、色んなことを我慢しているのでは?
自分は聖の邪魔なのでは?
ネガティブな思考に陥った大輝は、ある日、決断する。
幼なじみ離れをしよう、と。
一方で、聖もまた、悩んでいた。
彼は狂おしいまでの愛情を抑え込み、大輝の隣にいる。
自制しがたい恋情を、暴走してしまいそうな心身を、理性でひたすら耐えていた。
心から愛する人を、大切にしたい、慈しみたい、その一心で。
大輝が望むなら、ずっと親友でいるよ。頼りになって、甘えられる、そんな幼なじみのままでいい。
だから、せめて、隣にいたい。一生。死ぬまで共にいよう、大輝。
それが叶わないなら、俺は…。俺は、大輝の望む、幼なじみで親友の聖、ではいられなくなるかもしれない。
小説未満、小ネタ以上、な短編です(スランプの時、思い付いたので書きました)
受けと攻め、交互に視点が変わります。
受けは現在、攻めは過去から現在の話です。
拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
宜しくお願い致します。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。
変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話
ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。
βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。
そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。
イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。
3部構成のうち、1部まで公開予定です。
イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。
最新はTwitterに掲載しています。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる