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友人チーム02
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青色に全面塗装された壁面。
前方に開けた透明パネルの手前に並んだコンソールを操作している要員の人達。
操作要員は3列になっており、1番奥に船長席が設けられていた。
「手前の人達が各種通信、航海手及び操舵手になっています。
その奥の人達が機関部からの情報連絡要員です。
そして1番奥の席が船長の占める位置です」
白色の中に赤色のストライプの入った制服を着込んだお姉さんが、あたしら観光している人達に解説している。
つい先ほど、ここから下の階にある船の公共要員の諸々の情報整理のおこなっている部門の観光をしてきた所だった。
そこは部門ごとに部屋が別けられ、複数の卓に多数の人々の会話している場所だった。
「この船橋で、各地方に連絡を入れながら次の寄港地を決めています。
特段決まった航路は存在せず、その神出鬼没さから“流民船”と呼ばれています」
前面パネルには真っ暗な宇宙空間が広がっている。
そこをちっぽけな金属製の容器で護られながら住んでいる人類はいわば挑戦者なのかもしれなかった。
あたしは友人たちと共に船橋を後にした。
「さて次はさ、コンピュータで遊びに行こうか。
前回は笹子の願いの買い物が通ったじゃん」
マドンナはあたしらを一通り眺めてから、中層甲板にある各種ゲームコンピュータの備わっている店へと向かった。
古くからの言い方でいえば、ゲームセンターとかというらしい。
「わぁ、太実太実やっぱり強いね」
対戦相手だった笹子がぼそりと言ってきた。
彼女と拳銃タイプの対戦射撃ゲームで決闘を行った。
総当たり方式を採用したチーム内での対戦成績は大体固定されていた。
大方4位は笹子、2位あたしとマドンナ。
つまり輝かしい1位はまりんであった。
マドンナは次にカラオケバトルに皆を誘導した。
それは閉鎖されたBOX席になっており、歌声のモデル曲を選んで歌う。
そして、成績が印刷される仕組みになっていた。
「じゃあ、あたしから歌うね」
あたしはBOX席に入って、取り外せるマイクを手にする。
曲を≪輝≫の有名歌手である貴音漣の、“私たちは希望を信じたい”を歌った。
『……私たちは、皆希望と夢を抱いて……』
曲調は高音でアルトのあたしでは大変だったが、それでも画面を見ながら歌いきることができた。
最後の選手として歌っている笹子が締めを行っていた。
彼女の声質は元々の持ち歌である歌手瀬戸アヤコのように高音域が得意であった。
さらに彼女はゲームセンター内に映像が流れる撮影もONにしている。
BOX席の扉がノックされたから、あたしは開けた。
目の前に年上そうな男性が歌手BOXの前に立っていた。
どうやら、歌に誘われてこちらに来たようだった。
「おいおい上手だな。誰が歌っているんだ?」
「歌い手は君たちの友人かい?」
あたしは初対面の男性に声をかけられて緊張してしまった。
昔から異性は苦手で、簡単にあがってしまって上手くいかない。
「──はい。
そうです」
尻すぼみの返答をしてしまう。
マドンナの方に助太刀を求めて目線を動かした。
その視線に気付いたのか、マドンナが側に寄ってきてくれた。
そして、あたしの代わりに色々と彼と会話を始めた。
まりんは、少し遠い地点にいる。我関せずである。
そして笹子がBOX席から出てきて、ばんざーいをした。
ついでにVサインも決めている。あたしは恥ずかしくて俯いてしまった。
印刷された得点表をあたしに見せた。
94点の高得点です、だった。
あたしは21点の他の持ち技を探しましょうだった。
つまり聞くに絶えない声質なんだろう。
前方に開けた透明パネルの手前に並んだコンソールを操作している要員の人達。
操作要員は3列になっており、1番奥に船長席が設けられていた。
「手前の人達が各種通信、航海手及び操舵手になっています。
その奥の人達が機関部からの情報連絡要員です。
そして1番奥の席が船長の占める位置です」
白色の中に赤色のストライプの入った制服を着込んだお姉さんが、あたしら観光している人達に解説している。
つい先ほど、ここから下の階にある船の公共要員の諸々の情報整理のおこなっている部門の観光をしてきた所だった。
そこは部門ごとに部屋が別けられ、複数の卓に多数の人々の会話している場所だった。
「この船橋で、各地方に連絡を入れながら次の寄港地を決めています。
特段決まった航路は存在せず、その神出鬼没さから“流民船”と呼ばれています」
前面パネルには真っ暗な宇宙空間が広がっている。
そこをちっぽけな金属製の容器で護られながら住んでいる人類はいわば挑戦者なのかもしれなかった。
あたしは友人たちと共に船橋を後にした。
「さて次はさ、コンピュータで遊びに行こうか。
前回は笹子の願いの買い物が通ったじゃん」
マドンナはあたしらを一通り眺めてから、中層甲板にある各種ゲームコンピュータの備わっている店へと向かった。
古くからの言い方でいえば、ゲームセンターとかというらしい。
「わぁ、太実太実やっぱり強いね」
対戦相手だった笹子がぼそりと言ってきた。
彼女と拳銃タイプの対戦射撃ゲームで決闘を行った。
総当たり方式を採用したチーム内での対戦成績は大体固定されていた。
大方4位は笹子、2位あたしとマドンナ。
つまり輝かしい1位はまりんであった。
マドンナは次にカラオケバトルに皆を誘導した。
それは閉鎖されたBOX席になっており、歌声のモデル曲を選んで歌う。
そして、成績が印刷される仕組みになっていた。
「じゃあ、あたしから歌うね」
あたしはBOX席に入って、取り外せるマイクを手にする。
曲を≪輝≫の有名歌手である貴音漣の、“私たちは希望を信じたい”を歌った。
『……私たちは、皆希望と夢を抱いて……』
曲調は高音でアルトのあたしでは大変だったが、それでも画面を見ながら歌いきることができた。
最後の選手として歌っている笹子が締めを行っていた。
彼女の声質は元々の持ち歌である歌手瀬戸アヤコのように高音域が得意であった。
さらに彼女はゲームセンター内に映像が流れる撮影もONにしている。
BOX席の扉がノックされたから、あたしは開けた。
目の前に年上そうな男性が歌手BOXの前に立っていた。
どうやら、歌に誘われてこちらに来たようだった。
「おいおい上手だな。誰が歌っているんだ?」
「歌い手は君たちの友人かい?」
あたしは初対面の男性に声をかけられて緊張してしまった。
昔から異性は苦手で、簡単にあがってしまって上手くいかない。
「──はい。
そうです」
尻すぼみの返答をしてしまう。
マドンナの方に助太刀を求めて目線を動かした。
その視線に気付いたのか、マドンナが側に寄ってきてくれた。
そして、あたしの代わりに色々と彼と会話を始めた。
まりんは、少し遠い地点にいる。我関せずである。
そして笹子がBOX席から出てきて、ばんざーいをした。
ついでにVサインも決めている。あたしは恥ずかしくて俯いてしまった。
印刷された得点表をあたしに見せた。
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あたしは21点の他の持ち技を探しましょうだった。
つまり聞くに絶えない声質なんだろう。
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