32 / 33
三十二才 本業の先輩の知識と竜の襲撃
06
しおりを挟む
三人で竜を包囲した。
三人の攻撃から竜が長大な尾で肩から上を狙いながら、身体を回転を始めた。
丁度頭と尾の位置関係が逆転する。
もう一人の若い警護者の方に向いた頭が嚙みつこうと大顎を開けた。
その口腔内から下顎さらに喉元につながる首に対して口内に薙刀が差し込まれ切り裂いた。
竜の体液などが武器を伝うのと同時に地面に落ちていく。
さらに傷口から湯気のような蒸気が立ち昇り始めた。
キリュウは払われてきた尾を避けると、頑丈な鱗に剣を叩きつけ続けた。
丈夫な鱗への度重なる打撃により、剣の刃はボロボロになり始めた。
前傾になった竜の前腕の振り上げた攻撃を武器ごと避けた名も知らない警護者。
その時に大音量の咆哮が響き渡った。
空いた腹側に潜り込んだミエナが武器で腹部を刺した格好になっていた。
キリュウの視界に両翼が黄色に発光しているのが見えた。
さらに空気の流れが微妙に変わったように感じ始めた。
翼から北光が強くなった時に彼は顔に向けて跳躍して打撃を与えた。
人間の頭部ほどの大きさのある眼球へ。
その直後、竜の体勢が大きく揺れたと思った彼の目の前で地面に潰れた。
竜の全身からやはり蒸気が立ち昇っている。
その竜の目には先ほどまでの輝きは見られなかった。
「倒したのか?」
「巡視長、そのようですね」
共に交戦していた名を知らない警護者は発言した。
声の質で二人よりも若い男性だと分かった。
「ドウネル、竜の身体の計測が必要ね。それと」
いつ戻ったのか分からないミエナは彼に命令した。
途中で言葉を区切った彼女は少し悩んだ様子だった。
キリュウ以外の二人は戦場の汚れはおろか、竜の体液などで汚れ切っていた。
「隊長、大丈夫ですよ」
彼は朗らかに笑うと、走って隊舎に向かった。
暫くすると、警護者内の竜の計測係が共に来るだろう。
退治した竜の身体測定をおこなって保存することになっていた。
後世への情報をもたらすためが行動の目的でもあった。
「今回のは小型だったのかしら?
彼に聞いてみないと」
「そんな小さいのか?」
キリュウは自分が発言したのにも気づかなかった。
頭で考えた思いが口をついて出てしまった様子であった。
「ドウネル、あっ彼ね。
研究室に籠っている事のある彼は竜の分析などにも詳しいのよ」
警護者の対竜戦時の部隊編成は、人材の量に応じて編成が変わっていた。
リリポットは余裕がなかったようだけど都市ポロポロはその自由度が高かった。
つまり、都市では得手の武器の種類と能力から導き出された編成を取っていた。
キリュウはあの若い男は自分よりも遥かに戦闘でのセンスが高いと直に分かることになった。
「今回の奴は出現して四日も経たずに退治されたのよ。
それからいっても中型以上とは思えないわ」
世界の土地を蹂躙して飛び回ると謂われる竜。
確かに其れから判断すると廃墟となったのは、この村とあともう一か所らしかった。
大型になると複数の都市が協力しないと対抗できないとされていた。
「これで雑多な部類の竜に入るのか」
キリュウが竜の屍体に触れていると背中の方から声がしてきた。
振り向くと、隊舎の方角とは違った。
目を凝らしてみてみると、三人の負傷した部下達だった。
ただし、その内の一人は誰だか分からなかった。
三人の攻撃から竜が長大な尾で肩から上を狙いながら、身体を回転を始めた。
丁度頭と尾の位置関係が逆転する。
もう一人の若い警護者の方に向いた頭が嚙みつこうと大顎を開けた。
その口腔内から下顎さらに喉元につながる首に対して口内に薙刀が差し込まれ切り裂いた。
竜の体液などが武器を伝うのと同時に地面に落ちていく。
さらに傷口から湯気のような蒸気が立ち昇り始めた。
キリュウは払われてきた尾を避けると、頑丈な鱗に剣を叩きつけ続けた。
丈夫な鱗への度重なる打撃により、剣の刃はボロボロになり始めた。
前傾になった竜の前腕の振り上げた攻撃を武器ごと避けた名も知らない警護者。
その時に大音量の咆哮が響き渡った。
空いた腹側に潜り込んだミエナが武器で腹部を刺した格好になっていた。
キリュウの視界に両翼が黄色に発光しているのが見えた。
さらに空気の流れが微妙に変わったように感じ始めた。
翼から北光が強くなった時に彼は顔に向けて跳躍して打撃を与えた。
人間の頭部ほどの大きさのある眼球へ。
その直後、竜の体勢が大きく揺れたと思った彼の目の前で地面に潰れた。
竜の全身からやはり蒸気が立ち昇っている。
その竜の目には先ほどまでの輝きは見られなかった。
「倒したのか?」
「巡視長、そのようですね」
共に交戦していた名を知らない警護者は発言した。
声の質で二人よりも若い男性だと分かった。
「ドウネル、竜の身体の計測が必要ね。それと」
いつ戻ったのか分からないミエナは彼に命令した。
途中で言葉を区切った彼女は少し悩んだ様子だった。
キリュウ以外の二人は戦場の汚れはおろか、竜の体液などで汚れ切っていた。
「隊長、大丈夫ですよ」
彼は朗らかに笑うと、走って隊舎に向かった。
暫くすると、警護者内の竜の計測係が共に来るだろう。
退治した竜の身体測定をおこなって保存することになっていた。
後世への情報をもたらすためが行動の目的でもあった。
「今回のは小型だったのかしら?
彼に聞いてみないと」
「そんな小さいのか?」
キリュウは自分が発言したのにも気づかなかった。
頭で考えた思いが口をついて出てしまった様子であった。
「ドウネル、あっ彼ね。
研究室に籠っている事のある彼は竜の分析などにも詳しいのよ」
警護者の対竜戦時の部隊編成は、人材の量に応じて編成が変わっていた。
リリポットは余裕がなかったようだけど都市ポロポロはその自由度が高かった。
つまり、都市では得手の武器の種類と能力から導き出された編成を取っていた。
キリュウはあの若い男は自分よりも遥かに戦闘でのセンスが高いと直に分かることになった。
「今回の奴は出現して四日も経たずに退治されたのよ。
それからいっても中型以上とは思えないわ」
世界の土地を蹂躙して飛び回ると謂われる竜。
確かに其れから判断すると廃墟となったのは、この村とあともう一か所らしかった。
大型になると複数の都市が協力しないと対抗できないとされていた。
「これで雑多な部類の竜に入るのか」
キリュウが竜の屍体に触れていると背中の方から声がしてきた。
振り向くと、隊舎の方角とは違った。
目を凝らしてみてみると、三人の負傷した部下達だった。
ただし、その内の一人は誰だか分からなかった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる