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十八才 資格試験と失恋と
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二日目。志願者による訓練場での模擬戦。
どんな人間でも疲れたりするために二回戦続くトーナメント方式になっていた。
キリュウの一回戦目は、女性の志願者であった。
「坊やが最初のわたくしのお相手?
随分カワイイ人選の相手に選ばれたのね」
太い体躯から想定できない勢いでキリュウにぶつかってきた。
腰と脚で支えたところを上から掴まれて投げ飛ばされた。
衝撃で体を立ちなおしてもフラフラしている。
彼女とは身長差があり顔面に当たると思わせた瞬間、身を潜らせて蹴り上げた。
彼女は直線的な行動だけが早いようであった。
キリュウは行動の転換を利用して、彼女に勝つことができた。
「次の試合はザマ・ハッテンブロンテル氏とだ」
試合の審判がキリュウに伝えた。
場外の志願者たちが騒めきたってくる。
キリュウには理由が分からずに勝負に意識を集中させた。
「昨日の夜、他の連中に貴様の弱みを教えてやってたんだよ。
もっとも、そこを突かなくても簡単に倒せるけどな」
キリュウはザマを殴るが、そのまま勢いと力を利用されて回転する。
床に倒れたところを蹴られた。
そこで脚を彼の身体に絡ませて引き倒した。
「キリュウ君、残念だったよね」
ルームメイトの一人が声をかけてくる。
キリュウは本日の二回戦目の情景が頭に浮かぶとともに思い出した。
腹部と頭部を殴りつけられた痛みが蘇ってくる。
学院の間、ザマに負けたことはなかったので、屈辱的なものだった。
負けた原因も緊張からくる震え。
「今回の勝敗で採用が決まるかどうかわからないから、大丈夫さ。
でもこれで何が分かるんだろうな?」
警護者は戦闘以外にも治安維持でも派遣される。
あえていうなら、治安維持の方が多いというのは常識であった。
量の少ない昼ご飯を食べながら答えるキリュウ。
この後は、屋外の耐久試験であった。
一日中続くことと睡眠や水以外の食事は許されておらず、危険な試験のひとつとして有名であった。
内容は目的地も明らかにされず、現役の警護者のあとをひたすらついていく。
志願者全員が警護者の分遣所の前の広場に集まった。
それから、都市の門を集団でくぐって外に出た。
先導していた、制服を着ていた一人の警護者がよく通る声で叫んだ。
「これからの試験で私を追い越すことなく、ひたすらついてくるように。
志願者同士の邪魔などをおこなった者は、あとで双方とも試験から離脱させる」
警護者はキリュウたち、集まっている全員を見回して続けた。
「健闘を祈る」
すべての試験が終わって一日後、キリュウは放逐させられた。
つまり試験から脱落したということだった。
彼が眺めると、元々の半分ほどの人数が分駐所から離れていったいた。
「さ~て、落選は考慮外だったからどうするかな?」
警護者は一生のうちに二回しか受験資格がない。
しかも年齢制限もある。
彼には何で落ちたのか分からないが、もう一度しかない。
もっと肉体と精神の充実してから二度目をおこなおうと、即座に決めた。
どんな人間でも疲れたりするために二回戦続くトーナメント方式になっていた。
キリュウの一回戦目は、女性の志願者であった。
「坊やが最初のわたくしのお相手?
随分カワイイ人選の相手に選ばれたのね」
太い体躯から想定できない勢いでキリュウにぶつかってきた。
腰と脚で支えたところを上から掴まれて投げ飛ばされた。
衝撃で体を立ちなおしてもフラフラしている。
彼女とは身長差があり顔面に当たると思わせた瞬間、身を潜らせて蹴り上げた。
彼女は直線的な行動だけが早いようであった。
キリュウは行動の転換を利用して、彼女に勝つことができた。
「次の試合はザマ・ハッテンブロンテル氏とだ」
試合の審判がキリュウに伝えた。
場外の志願者たちが騒めきたってくる。
キリュウには理由が分からずに勝負に意識を集中させた。
「昨日の夜、他の連中に貴様の弱みを教えてやってたんだよ。
もっとも、そこを突かなくても簡単に倒せるけどな」
キリュウはザマを殴るが、そのまま勢いと力を利用されて回転する。
床に倒れたところを蹴られた。
そこで脚を彼の身体に絡ませて引き倒した。
「キリュウ君、残念だったよね」
ルームメイトの一人が声をかけてくる。
キリュウは本日の二回戦目の情景が頭に浮かぶとともに思い出した。
腹部と頭部を殴りつけられた痛みが蘇ってくる。
学院の間、ザマに負けたことはなかったので、屈辱的なものだった。
負けた原因も緊張からくる震え。
「今回の勝敗で採用が決まるかどうかわからないから、大丈夫さ。
でもこれで何が分かるんだろうな?」
警護者は戦闘以外にも治安維持でも派遣される。
あえていうなら、治安維持の方が多いというのは常識であった。
量の少ない昼ご飯を食べながら答えるキリュウ。
この後は、屋外の耐久試験であった。
一日中続くことと睡眠や水以外の食事は許されておらず、危険な試験のひとつとして有名であった。
内容は目的地も明らかにされず、現役の警護者のあとをひたすらついていく。
志願者全員が警護者の分遣所の前の広場に集まった。
それから、都市の門を集団でくぐって外に出た。
先導していた、制服を着ていた一人の警護者がよく通る声で叫んだ。
「これからの試験で私を追い越すことなく、ひたすらついてくるように。
志願者同士の邪魔などをおこなった者は、あとで双方とも試験から離脱させる」
警護者はキリュウたち、集まっている全員を見回して続けた。
「健闘を祈る」
すべての試験が終わって一日後、キリュウは放逐させられた。
つまり試験から脱落したということだった。
彼が眺めると、元々の半分ほどの人数が分駐所から離れていったいた。
「さ~て、落選は考慮外だったからどうするかな?」
警護者は一生のうちに二回しか受験資格がない。
しかも年齢制限もある。
彼には何で落ちたのか分からないが、もう一度しかない。
もっと肉体と精神の充実してから二度目をおこなおうと、即座に決めた。
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