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十三才 漁師になってそれと事件
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都市ポロポロの領域の辺境にある唯一の漁村、リリポット。
漁師以外には、職人が多く住んでいた。
本来、農地に適さない土地にひらかれており人口は少なかった。
少ない人口の中に芸術家もいた。
最低限の農家はいるため、集約されているともいえた。
リリポットの街道につながってすぐのところに警護者の詰め所があった。
どんな小さな村落にも警護者はおり、土地の治安維持などに役立っていた。
都市では常時見回りの人数も割く余裕があった。
しかし、キリュウの目にはポロポロより所属している人が少なく感じられた。
「三人」
彼は詰め所にいる制服を着て鎧と剣を身に着けている警護者を数えおえた。
彼の実家のあるポロポロは都会のためか、一箇所にに数人がいることが多かった。
さらに見回りのために巡回している者もいるらしかった。
「やあ、何か用かな?」
武装を身に着けている警護者の一人が声をかけてきた。
彼は腹がでっぱており、早く動けないように見えた。
しかし、動作がキビキビとしており、日頃の訓練の成果が見て取ることができる。
「俺はキリュウさ。
都市ポロポロから漁師として生きるためにきたのさ。
さらに将来は君たちを指揮する立場になる者だよ」
彼は興奮してしまい聞かれてないことを喋ってしまった。
その発言に目の前の彼は笑顔になった。
それから、少年の肩に手を触れると、頷いた。
「ワシはアクウという。
警護者になって早くも四十年ほどかな。
もし、君がワシらの隊長になるんなら、今のうちに目をかけて置かないいけない。
厳しく鍛えられないように、ね」
「アクウ巡視、こちらに来てくれないか?」
詰め所内から男性の声がした。
アクウは声を立てて笑う。
キリュウは彼にお礼をいってから海岸の方へ歩いて行った。
海岸線のそばに少数の小屋が並んでいる。
両手の指を使って数えられるほどの数である。
海岸につながる道のところに一際立派な構えをしている建物があった。
赤い炎のような色合いの切妻の形式の屋根をもち、一階建てであった。
門柱にはコールレェン漁業会支部と表示されている。
キリュウは漁業会の支部の建物の前に立った。
それから唾を呑み込むと門から敷地の中に入った。
漁業会の建物の玄関は広いホールになっていた。
正面には、銘文が書かれた板が打ち付けてあった。
少年は初めて踏み込んだその装飾に圧倒されていた。
ぱっと見は飾り気がないが、よく見るとどこかに派手さ感じさせた。
呆然としていた少年の元に、奥の方から一人の男性が歩いてくる。
その人はかなり背が高かった。
「貴方がキリュウ・ロンデロロッテンかい。
私は支部長のゴリル」
彼はがっしりした手を差し出してくる。
今までの生きてきた経験故だろうかと、少年は思いつつ差し出された手を握った。
「婆の出した手紙が届いたんだね」
彼は笑顔になった後に一言、
“年上の人には敬語を使うようにね。
これでも貴方が入ろうとしている組織の支部長だからね”
と呟いたようだった。
キリュウは、彼の意見に決まり悪くなって照れ笑いをした。
それから建物内を支部長に案内された。
早朝。朝早く漁業会の建物に向かうキリュウ。
海岸を歩くキリュウの視界に二人の姿が映った。
ひとりは昨日会話したアクウ。
もう一人は分からなかった。
二人は浜辺に近い住居で事情聴取をしているようだった。
「アクウさんどうしたんですか?」
少年は臆せずに警護者であるアクウに声をかけた。
引退が迫っていそうな彼は声をかけてきた少年を見て驚いていた。
「今事件の捜査中でね、手が離せないんだよ」
彼はキリュウの方を見てからそれ以上は喋れないといいたそうな顔。
それからメモをしまうと相棒と連れだって歩き始めた。
「待ってアクウさん。
殺人なら俺の知り合いに霊媒が一人だけいるんだよ。
その人の死者に教えを請えば事件の犯人が分かるかもよ」
歩みを止めないアクウ。
少年は駆けて警護者の二人の前に回ると同じ台詞を喋った。
老年に近づく警護者のアクウさんはため息をついた。
それから、少年の目線に合わせると言葉を続けた。
「ならその人を紹介してもらおうか。
ポロポロの人だよね?
ワシらはポロポロから派遣されとる。
本部の区域ともいえる、そこで、頼んでみてくれるといいかもな」
漁師以外には、職人が多く住んでいた。
本来、農地に適さない土地にひらかれており人口は少なかった。
少ない人口の中に芸術家もいた。
最低限の農家はいるため、集約されているともいえた。
リリポットの街道につながってすぐのところに警護者の詰め所があった。
どんな小さな村落にも警護者はおり、土地の治安維持などに役立っていた。
都市では常時見回りの人数も割く余裕があった。
しかし、キリュウの目にはポロポロより所属している人が少なく感じられた。
「三人」
彼は詰め所にいる制服を着て鎧と剣を身に着けている警護者を数えおえた。
彼の実家のあるポロポロは都会のためか、一箇所にに数人がいることが多かった。
さらに見回りのために巡回している者もいるらしかった。
「やあ、何か用かな?」
武装を身に着けている警護者の一人が声をかけてきた。
彼は腹がでっぱており、早く動けないように見えた。
しかし、動作がキビキビとしており、日頃の訓練の成果が見て取ることができる。
「俺はキリュウさ。
都市ポロポロから漁師として生きるためにきたのさ。
さらに将来は君たちを指揮する立場になる者だよ」
彼は興奮してしまい聞かれてないことを喋ってしまった。
その発言に目の前の彼は笑顔になった。
それから、少年の肩に手を触れると、頷いた。
「ワシはアクウという。
警護者になって早くも四十年ほどかな。
もし、君がワシらの隊長になるんなら、今のうちに目をかけて置かないいけない。
厳しく鍛えられないように、ね」
「アクウ巡視、こちらに来てくれないか?」
詰め所内から男性の声がした。
アクウは声を立てて笑う。
キリュウは彼にお礼をいってから海岸の方へ歩いて行った。
海岸線のそばに少数の小屋が並んでいる。
両手の指を使って数えられるほどの数である。
海岸につながる道のところに一際立派な構えをしている建物があった。
赤い炎のような色合いの切妻の形式の屋根をもち、一階建てであった。
門柱にはコールレェン漁業会支部と表示されている。
キリュウは漁業会の支部の建物の前に立った。
それから唾を呑み込むと門から敷地の中に入った。
漁業会の建物の玄関は広いホールになっていた。
正面には、銘文が書かれた板が打ち付けてあった。
少年は初めて踏み込んだその装飾に圧倒されていた。
ぱっと見は飾り気がないが、よく見るとどこかに派手さ感じさせた。
呆然としていた少年の元に、奥の方から一人の男性が歩いてくる。
その人はかなり背が高かった。
「貴方がキリュウ・ロンデロロッテンかい。
私は支部長のゴリル」
彼はがっしりした手を差し出してくる。
今までの生きてきた経験故だろうかと、少年は思いつつ差し出された手を握った。
「婆の出した手紙が届いたんだね」
彼は笑顔になった後に一言、
“年上の人には敬語を使うようにね。
これでも貴方が入ろうとしている組織の支部長だからね”
と呟いたようだった。
キリュウは、彼の意見に決まり悪くなって照れ笑いをした。
それから建物内を支部長に案内された。
早朝。朝早く漁業会の建物に向かうキリュウ。
海岸を歩くキリュウの視界に二人の姿が映った。
ひとりは昨日会話したアクウ。
もう一人は分からなかった。
二人は浜辺に近い住居で事情聴取をしているようだった。
「アクウさんどうしたんですか?」
少年は臆せずに警護者であるアクウに声をかけた。
引退が迫っていそうな彼は声をかけてきた少年を見て驚いていた。
「今事件の捜査中でね、手が離せないんだよ」
彼はキリュウの方を見てからそれ以上は喋れないといいたそうな顔。
それからメモをしまうと相棒と連れだって歩き始めた。
「待ってアクウさん。
殺人なら俺の知り合いに霊媒が一人だけいるんだよ。
その人の死者に教えを請えば事件の犯人が分かるかもよ」
歩みを止めないアクウ。
少年は駆けて警護者の二人の前に回ると同じ台詞を喋った。
老年に近づく警護者のアクウさんはため息をついた。
それから、少年の目線に合わせると言葉を続けた。
「ならその人を紹介してもらおうか。
ポロポロの人だよね?
ワシらはポロポロから派遣されとる。
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