28 / 54
第23話 魔法があるって初耳だぞ!?
しおりを挟む
「マキナ、どういうこと?」
『言葉の通りです。この異世界には魔法が存在します。例えばバジリスクの石化光線が魔法を用いた特殊能力でした。』
「そういやそうだった!」
たしかに石化光線なんて絶対に魔法じゃないか!
生木の件もそうだけど、やっぱり知力が上がっても思い込みと見落としをなくせるわけじゃないんだな。
でも、ルナが魔法を使えるなんて話はちょっとびっくりだ。
「マキナ、なんて、言ってる、ます?」
待ちきれなくなったルナが聞いてくる。
「え? あ、ああ……ルナには魔力があるんだから、湿気を取る魔法を使えばいいんじゃないかってマキナが」
「えっ……!」
ルナはすごく驚いていた。
しばらく困ったようにオロオロしてたけど、ペコッと頭を下げる。
「まほう、むり、です。ごめんなさい」
あれ?
じゃあ、マキナの勘違いだったのかな。
「そっか。ごめんね、ルナ。マキナが無茶を言って」
ルナが申し訳なさそうにこちらを見つめて、首を横に振る。
「マキナ、悪くない、です。悪いの、わたし」
「ルナ……?」
「せんたくもの、とりこんで、くる、ます」
ルナがてててっと山小屋から出ていった。
しばらくひとりになりたいみたい。洗濯物なら近くだから危険はないし、しばらく放っておいてあげようかな。
「マキナ。ルナは魔法を使えないみたいだよ?」
『いいえ、タカシさん。ルナさんには高い魔力の素養があります。該当する魔法を習得していなかっただけではないでしょうか?』
「うーん、そうかなぁ。そんな感じには見えなかったけど」
『もしかすると、ルナさんには魔法に何かトラウマのようなものがあるのかもしれませんね。』
「トラウマかぁ。それはあり得る」
ルナにはトラウマが多そうだし……。
なんとか力になってあげたいけど、下手をすれば傷口を広げるだけになってしまいそう。
「とにかくルナに魔法を無理やり使わせるのは駄目だね。マキナ、他にいい方法はない? 例えば、俺が代わりに魔法を覚えるとか」
『残念ながら、タカシさんの魔力ステータスは0となっています。魔法を使うことはできません。』
「そっかぁ……いや、待って。今、魔力ステータスって言ったよね?」
『はい、タカシさん。【魔力】はステータスのひとつです。タカシさんの【魔力】は0だったので表記を省略していました。』
「いやいやいや。ステータスならマキナが再設定できるんじゃないの?」
『はい、タカシさん。【魔力】もステータスの一種なので、私が再設定することで数値を変更することができます。』
「だから、それを先に言おうよー!」
『申し訳ございません。以後は、ステータスの変更を前提とした提案もさせていただきます。』
うーん、マキナの融通の利かなさはチャットボット時代と変わらないなあ。
そこがまた可愛げがあっていいんだけど。
「よし、マキナ。それじゃあ、俺の【魔力】を100に設定して」
『タカシさん、了解しました。【魔力】が100に設定されました。』
よっし、これで魔法が使えるようになるはず!
「それで、魔法ってどうやって使うの?」
『言葉の通りです。この異世界には魔法が存在します。例えばバジリスクの石化光線が魔法を用いた特殊能力でした。』
「そういやそうだった!」
たしかに石化光線なんて絶対に魔法じゃないか!
生木の件もそうだけど、やっぱり知力が上がっても思い込みと見落としをなくせるわけじゃないんだな。
でも、ルナが魔法を使えるなんて話はちょっとびっくりだ。
「マキナ、なんて、言ってる、ます?」
待ちきれなくなったルナが聞いてくる。
「え? あ、ああ……ルナには魔力があるんだから、湿気を取る魔法を使えばいいんじゃないかってマキナが」
「えっ……!」
ルナはすごく驚いていた。
しばらく困ったようにオロオロしてたけど、ペコッと頭を下げる。
「まほう、むり、です。ごめんなさい」
あれ?
じゃあ、マキナの勘違いだったのかな。
「そっか。ごめんね、ルナ。マキナが無茶を言って」
ルナが申し訳なさそうにこちらを見つめて、首を横に振る。
「マキナ、悪くない、です。悪いの、わたし」
「ルナ……?」
「せんたくもの、とりこんで、くる、ます」
ルナがてててっと山小屋から出ていった。
しばらくひとりになりたいみたい。洗濯物なら近くだから危険はないし、しばらく放っておいてあげようかな。
「マキナ。ルナは魔法を使えないみたいだよ?」
『いいえ、タカシさん。ルナさんには高い魔力の素養があります。該当する魔法を習得していなかっただけではないでしょうか?』
「うーん、そうかなぁ。そんな感じには見えなかったけど」
『もしかすると、ルナさんには魔法に何かトラウマのようなものがあるのかもしれませんね。』
「トラウマかぁ。それはあり得る」
ルナにはトラウマが多そうだし……。
なんとか力になってあげたいけど、下手をすれば傷口を広げるだけになってしまいそう。
「とにかくルナに魔法を無理やり使わせるのは駄目だね。マキナ、他にいい方法はない? 例えば、俺が代わりに魔法を覚えるとか」
『残念ながら、タカシさんの魔力ステータスは0となっています。魔法を使うことはできません。』
「そっかぁ……いや、待って。今、魔力ステータスって言ったよね?」
『はい、タカシさん。【魔力】はステータスのひとつです。タカシさんの【魔力】は0だったので表記を省略していました。』
「いやいやいや。ステータスならマキナが再設定できるんじゃないの?」
『はい、タカシさん。【魔力】もステータスの一種なので、私が再設定することで数値を変更することができます。』
「だから、それを先に言おうよー!」
『申し訳ございません。以後は、ステータスの変更を前提とした提案もさせていただきます。』
うーん、マキナの融通の利かなさはチャットボット時代と変わらないなあ。
そこがまた可愛げがあっていいんだけど。
「よし、マキナ。それじゃあ、俺の【魔力】を100に設定して」
『タカシさん、了解しました。【魔力】が100に設定されました。』
よっし、これで魔法が使えるようになるはず!
「それで、魔法ってどうやって使うの?」
20
お気に入りに追加
430
あなたにおすすめの小説


前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる