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第21話 実はDIYって憧れてたんだよなー!
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「まずは整地をするよ」
「せーち?」
「ワォン?」
ルナとガロが仲良く首をかしげた。
「小屋を建てる場所に穴を掘って平らにするんだ」
穴を掘るために石と木の棒を荒縄で結んで作った簡易シャベルを用意してある。
たぶんすぐに壊れるけど、予備はたくさん用意した!
「うおおおおっ!」
頭の中の設計図どおりのスペースを四角く区切ってから、範囲内の土を掘り返していく。
「ふぅ、とりあえず掘れたけど……」
「タカシ、すごい、はやい、です」
ルナが目を輝かせながらパチパチと手を叩く。ガロも呼応するように尻尾を振っていた。
「拍手ありがとう! でも、課題もあるよ」
「かだい?」
「ほら、これ見てみて」
ルナに石シャベルを見せる。
「ぼろぼろ、なってる、ます」
「しかもこれ、八本目なんだ」
「ホント、です」
ルナが石シャベルの残骸の山を見た。
「うーん、これは完全に高ステータスの弊害だなぁ」
確かに作業時間は数分で済んだ。
だけど、俺の筋力と素早さに石シャベルが耐えられなくて、用意してた分はほとんど壊れてしまった。
これは武器を使ったりするときにも同じことが起きそうだな。
「でも、道具の問題は後回し。次は地面を平らに固めよう」
「どう、やって?」
「河原で集めた砂利を敷き詰めようと思ってる」
袋に詰めておいた砂利を穴の中にじゃらじゃらーっと敷き詰めていく。
でも、このままだともちろん平らじゃないので。
「よーし……オーラララララララ!」
超高速踏みつけで無理やり固める!
「よっし、いい感じ!」
思った以上に完璧にできた。
筋力200だけじゃなくて技術250の恩恵も相当あるな、これ。
「タカシ。それ、おとなに、なったら、わたしも、できる?」
「うーん、鍛えればできるようになるかも?」
たぶんできないけど、ルナがワクワクしてるからいっか!
「今度は土台を作るぞ!」
「どだい?」
「山小屋を支える足のことだね」
ルナに説明しながら適当な木材を手に持って、空中に放り投げる。
「よっと!」
俺が腕を何度か振るうと、木材がバラバラに分かれて地面にボトボトと落ちてきた。
そのすべてを綺麗にキャッチして地面に置く。
「わあ、すごーい」
「ははは、ありがとう!」
この空中で切るやつ一度やってみたかったんだよねー!
「あ、そうだ! ルナ、小さくて軽い木材だけでいいから穴の中に運んでおいてもらえる?」
「やるーっ」
こまごまとした小さな木材を運ぶのは面倒だから助かる。
ガロも主人が動き出したのを見て木材をくわえて運び始めた。
この間に土台用の石材の切り出しでもしておこうかな。
◇
こんな調子で梁と柱を組み立てた。
壁組と屋組の製作に取り掛かる手前でお昼休憩に入る。
いつものおかゆを食べながらルナとの雑談に興じる。
「ルナ、おかげで助かったよ。ありがとう」
「ホント? じゃま、してない……?」
ルナは自信なさげだ。
「そんなことないって。道具を持ってきてもらったり、細やかなものを運んでもらったりしてるし。ちゃんと役に立ってたよ」
「そっか……」
ルナがほっとしてる。
たぶん、あのイジワルおばさんに「役立たず!」とか言われてきたんだろうなぁ……。
「ルナはやる気もあるし、自分から動こうとしてる。とってもえらいよ」
「そんなの、初めて、言われた、です」
なんだか複雑そうな顔だ。
この表情は……役立たずじゃないことに安心したけど、褒められても素直に喜べないって感じかな。
「わたし、ちから、よわい、です」
「それはしょうがないよ。女の子なんだから」
「グズって、おばさんに、言われ、ますた」
「あんなおばさんの言うこと気にしなくっていいって!」
どれだけ話してもルナは自信なさげだ。
うーん、口で説明しても実感しづらいのかな。
毎日小さなことを褒め続けてあげるほうがいいかも?
「クーン……」
ガロがルナのほっぺをペロペロ舐めた。
「ほら、ガロも気にするなってさ」
「……ありがと、ガロ」
「おかわりいる?」
「あいっ」
ルナが嬉しそうにお皿を差し出してくる。
「ふーっ、ふーっ。はふはふ」
美味しそうにおかゆを食べるルナを見てると俺まで幸せな気分になってくる。
たぶん、そういう話をしてもこの子はまだピンと来ないだろう。
「……役に立ってないなんて、絶対そんなことないんだよなぁ」
「タカシ、なにか、言った、です?」
「ううん、なんでもないよ」
いつか君にも伝わりますように。
「せーち?」
「ワォン?」
ルナとガロが仲良く首をかしげた。
「小屋を建てる場所に穴を掘って平らにするんだ」
穴を掘るために石と木の棒を荒縄で結んで作った簡易シャベルを用意してある。
たぶんすぐに壊れるけど、予備はたくさん用意した!
「うおおおおっ!」
頭の中の設計図どおりのスペースを四角く区切ってから、範囲内の土を掘り返していく。
「ふぅ、とりあえず掘れたけど……」
「タカシ、すごい、はやい、です」
ルナが目を輝かせながらパチパチと手を叩く。ガロも呼応するように尻尾を振っていた。
「拍手ありがとう! でも、課題もあるよ」
「かだい?」
「ほら、これ見てみて」
ルナに石シャベルを見せる。
「ぼろぼろ、なってる、ます」
「しかもこれ、八本目なんだ」
「ホント、です」
ルナが石シャベルの残骸の山を見た。
「うーん、これは完全に高ステータスの弊害だなぁ」
確かに作業時間は数分で済んだ。
だけど、俺の筋力と素早さに石シャベルが耐えられなくて、用意してた分はほとんど壊れてしまった。
これは武器を使ったりするときにも同じことが起きそうだな。
「でも、道具の問題は後回し。次は地面を平らに固めよう」
「どう、やって?」
「河原で集めた砂利を敷き詰めようと思ってる」
袋に詰めておいた砂利を穴の中にじゃらじゃらーっと敷き詰めていく。
でも、このままだともちろん平らじゃないので。
「よーし……オーラララララララ!」
超高速踏みつけで無理やり固める!
「よっし、いい感じ!」
思った以上に完璧にできた。
筋力200だけじゃなくて技術250の恩恵も相当あるな、これ。
「タカシ。それ、おとなに、なったら、わたしも、できる?」
「うーん、鍛えればできるようになるかも?」
たぶんできないけど、ルナがワクワクしてるからいっか!
「今度は土台を作るぞ!」
「どだい?」
「山小屋を支える足のことだね」
ルナに説明しながら適当な木材を手に持って、空中に放り投げる。
「よっと!」
俺が腕を何度か振るうと、木材がバラバラに分かれて地面にボトボトと落ちてきた。
そのすべてを綺麗にキャッチして地面に置く。
「わあ、すごーい」
「ははは、ありがとう!」
この空中で切るやつ一度やってみたかったんだよねー!
「あ、そうだ! ルナ、小さくて軽い木材だけでいいから穴の中に運んでおいてもらえる?」
「やるーっ」
こまごまとした小さな木材を運ぶのは面倒だから助かる。
ガロも主人が動き出したのを見て木材をくわえて運び始めた。
この間に土台用の石材の切り出しでもしておこうかな。
◇
こんな調子で梁と柱を組み立てた。
壁組と屋組の製作に取り掛かる手前でお昼休憩に入る。
いつものおかゆを食べながらルナとの雑談に興じる。
「ルナ、おかげで助かったよ。ありがとう」
「ホント? じゃま、してない……?」
ルナは自信なさげだ。
「そんなことないって。道具を持ってきてもらったり、細やかなものを運んでもらったりしてるし。ちゃんと役に立ってたよ」
「そっか……」
ルナがほっとしてる。
たぶん、あのイジワルおばさんに「役立たず!」とか言われてきたんだろうなぁ……。
「ルナはやる気もあるし、自分から動こうとしてる。とってもえらいよ」
「そんなの、初めて、言われた、です」
なんだか複雑そうな顔だ。
この表情は……役立たずじゃないことに安心したけど、褒められても素直に喜べないって感じかな。
「わたし、ちから、よわい、です」
「それはしょうがないよ。女の子なんだから」
「グズって、おばさんに、言われ、ますた」
「あんなおばさんの言うこと気にしなくっていいって!」
どれだけ話してもルナは自信なさげだ。
うーん、口で説明しても実感しづらいのかな。
毎日小さなことを褒め続けてあげるほうがいいかも?
「クーン……」
ガロがルナのほっぺをペロペロ舐めた。
「ほら、ガロも気にするなってさ」
「……ありがと、ガロ」
「おかわりいる?」
「あいっ」
ルナが嬉しそうにお皿を差し出してくる。
「ふーっ、ふーっ。はふはふ」
美味しそうにおかゆを食べるルナを見てると俺まで幸せな気分になってくる。
たぶん、そういう話をしてもこの子はまだピンと来ないだろう。
「……役に立ってないなんて、絶対そんなことないんだよなぁ」
「タカシ、なにか、言った、です?」
「ううん、なんでもないよ」
いつか君にも伝わりますように。
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