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番外編 足止めされた夜 投稿32ヶ月記念小説 快楽のエチュード父娘
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『明日の朝から夜中にかけ、日本列島を包んでしまいそうな大型の台風は、過去最大の威力を保ったまま上陸いたします、不要不急の外出は控えた方がよろしいでしょう』
雨が降る時季となるのは、6月が通説だと思っていたのに、近年前倒しで梅雨に入っているような気がする。
「っ、よそ見をするなんて、なっ」
「は…ぁっ、んっ!」
ニュース番組の後半に流れるお天気お姉さんが、これから訪れるであろう台風の威力について語っていた。ただ視線をそちらに向けただけなのに、四つん這いになった私の腰を掴み、ぱぁんっ、とお尻を軽く叩いた低い声の男は、面白くないみたいだった。
太い昂りが床に四つん這いになる私の蜜壺を貫き、ガンガンと腰を動かして抽送を早くする。
お互いの指には2人きりの時に付ける約束をした指輪が、2人の左薬指に嵌っている。
一家団欒のリビングで行われている、男女の営みは、決して恋人同士の関係ではない。恋人よりも深い、血の繋がった──
「あっ、激しっ!お父さっ…あっ…んっ」
「未映子っ!」
背後を振り向くと、父は私の上に覆い被さり私の腰から左手を動かして私の左の乳房を掴んだ。たわわに大きな自慢の乳房を力いっぱい揉まれ、自分でやると痛いはずなのに、父がやると快感になるから不思議だ。父の首筋に後頭部を付けると、父は私の乳房を掴んだまま、四つん這いになっていた私を起こすと、膝立ちになった。顔を父の方へと向けると、舌の絡まるキスをしながら、父の昂りが蜜壺の中に留まる。長く太い昂りは、過去味わった事のない蜜壺奥深くまで私の中を満たし、彼のを味わうように蜜壺がきゅんきゅんと締め付けた。
カーテンがぴったり隙間もなく締まり薄暗い夕方のリビングでの交わり。大きな声を出してもテレビの音量を大きくしたこの部屋の出来事は、どこにも漏れる心配もないし、玄関の鍵とチェーンが掛かるため急な来訪者にも対応できる。
今日は母のパートの日で、夜まで帰ってこない。これ以上の好条件はないから、始まった行為はきっと日が沈むまで終わらない。
「あっ!はっ、んっ」
後頭部から背中、お尻と太ももの裏が父の身体とぴたりと重なり、膝を立てたふくらはぎから先も触れ合っている。繋がったまま、父は腰を円を描くようにゆるりと動かしていて、彼の左手は私の乳房を揉み、右手を繋がった箇所まで下ろして、繋がった縁をなぞっていた。下生えを弄び、蜜壺からしとどに溢れた蜜と先ほど中に出された父の証ををおへその周りにぺたぺたとつける。左手を上げて父の首の後ろへと手を伸ばしたら、父のキスから解放された。
「っ、未映子っ」
「お父さ…んっ」
熱い吐息がお互いの顔に当たり、しばし見つめ合うと、心なしかテレビの音が大きくなった気がする。
「明日は一日中一緒だ…ずっとな」
「うん」
「離さない、かた時も」
「うん…離さないで」
囁き合う言葉は、2人以外聞いてないはずなのに、小さな声量で、耳を澄ませないとテレビの音に掻き消される。
「…独占させて」
私がそう言って父の手の上に、それぞれ自分の手のひらを添えると、父は目尻を下げた。
「いつでも俺も未映子を独占しているよ」
ちぐはぐな会話は不自然なんだけど、お互いを縛る言葉となる。
2人がそれぞれお互いを独占している。
それはもう、歪な関係の印だった。
眞下未映子は、大学卒業しても実家で暮らす社会人3年生の25歳だ。肩まで伸びたセミロングの髪、Gカップの胸と細く折れそうな腰回りに反して、大きなお尻は入念にケアをしている自慢の美尻だ。ひょんなきっかけで、同じ屋根の下で暮らす父とこんな関係になり、間もなく1年を迎えようとしていた。
母の目を盗み、お互いの身体にちょっかいを掛けては身体を繋げ、最近ではいってらっしゃいのキスとおかえりなさいのキスをしないと耐えられないくらいに溺れている。
いずれ冷めると思っていたこの気持ちも、恐ろしい事に、身体の相性が良すぎることもあって月を跨ぐたびに独占欲を滲ませつつある。バレないように父と娘として過ごしてはいるが、いざ2人しかいないとわかると途端にただの男と女になる。
ほんの1分、いや数十秒でも指先を絡めるだけでも、天に上くらい幸せな気持ちになり、父もそうだと信じている。
父は眞下卓48歳、もうすぐ父の誕生日で、49歳になるから2人きりでお祝いをするのだ。
明日──そう明日は、お互い有給を消化して、出かけるのだ。これは前から約束していた事で、父も私も朝は普通に会社に行く装いをする。だが、待ち合わせをして出かけるのだ。他のカップルみたいにデートをし、いつも家に帰る時間帯に帰って来る予定だ。あいにくの雨でしかも台風の予報だが、中断しようにも有給の申請をしたから、中止する気はさらさらない。
「ねっ、動いて?」
「ああ、未映子の気の済むまで」
──お母さんが帰ってきたらやめちゃうのに
甘く囁くのに、母が帰ってきたら、この甘い時間もお預けだ。
「夜…行くよ」
私のこめかみに唇を押し付けながら、父は甘い言葉を囁き──夜に私の部屋に来るかわからないのに、と言いたい言葉を飲んで束の間の情事に溺れた。
台風が来ても、学校ではないから会社は働きに出る。有給を使って休む手もあるが、今日は有給を取る時から楽しみにしていた外出を、外の天気を見ても止める気はなかった。
「台風みたいだから、時間早めて行くよ」
「そう?気をつけてね」
「うん、行ってきまーす」
今日が楽しみすぎて珍しく早起きした日は、普段使うオフィスカジュアルよりも少しだけオシャレにした服装──黒のキャミソールロングワンピースと防水ブーツを履いて家を出た。
すでに父は外出した後だったので、傘を差して指定された場所へと向かった。
家から徒歩5分のところにあるコンビニに行き、飲み物と菓子パンの軽食と小袋タイプのお菓子を数個買い、レジを済ませて出ると、自動ドアに近い場所に父の車が駐車してあった。どうせ濡れるからと、小走りで父の車まで行き、扉を開けて身体を車内に滑り込ませた。
「おはよう」
「おはよう」
当たり前のように助手席に座り、傘を後部座の床に置くと、バケツをひっくり返してる雨で視界が悪いのをいい事に父の首に腕を回した。首に回した手に力を入れて引き寄せると、父は私の方へと身体を寄せて、朝とは思えないぐらいに舌を絡めて濃厚でいやらしいキスをする。
「っ、ん」
じゅるっ、と溢れる唾液を啜られた後に口が離れると、会社の作業服姿の父がいる。
「行こうか」
「うん」
濃厚なキスにぼうっとして固まる私に、父は手を伸ばして私のシートベルトを締めると、車を発車させた。
「今日は、カラオケに行くんだよね?」
前々から映画を観るか、観光に行くかで悩んでいたが、雨のために観光は諦めた。映画にしようかとなったけど、今公開されていて観たいものが私も父もなかったため、カラオケに行くことにしたのだ。
ただ、それはただのカラオケ店じゃない。2人でいちゃいちゃしても、店員が入って来ない所──そう、それは隣の県にある高級ラブホテルだ。
カラオケ、有料チャンネルやスマホから映像が流せる大画面のシアター、プールのような大きな円のジャグジーがある、そこら辺にあるラブホテルとは違う、ワンランク上の高級宿で過ごす。
「ああ、歌ってる未映子を見ながら可愛がるよ」
と含みを持たせて言い、父は私の膝の上に左手を置いた。
「…もぅ、バカ」
と私も言うが、それを待ち望んでいる。膝の上に置かれた手に自分の両手を重ねて指先を絡めて父の手を挟んだ。
台風だから、交通量も少なく、1時間半ほどかけて向かったホテルの地下駐車場に着くと、父はエンジンを止めて、シートベルトを外すと、私の上に覆い被さった。
「っ、んっ、っ」
私のシートベルトを留め具から外した彼は、私の身体を締めていたベルトを助手席の横にある元の場所へと戻すと、私の両頬を掴みコンビニでしたような濃厚なキスを始めた。顔の角度を何度も何度も変えてお互いの口を貪ると、くたっと、身体の力が入らなくなった。
「ん…っお父さん」
「未映子」
まだ朝の、9時にもならない時間に、濃いピンクの雰囲気が2人を包む。息もままならないくらい、息継ぎが難しいキスをされ、肩を上下に動かして息をしていると、父も荒い呼吸をしながら私の額に自分の額を重ねた。少しでも口を動かしたら唇がくっつきそうな距離にいる。
「…離さないって言ったろ?」
「ん…っ」
父が喋ると彼の唇が私の唇に当たるものだから、自分から舌を伸ばして、父の唇をペロリと舐めると、私の舌をパクりと甘噛みした。そのまままた深いキスをすると、父が私の太ももの裏に手を入れて、私の足を持ち上げると、流れるように身体が持ち上げられ運転席にいる彼の足の上に座らされた。
「…そろそろ行かないと誰か来るかもな」
くくっ、と笑うのに、キスを止める気はないみたいで、啄むキスが続く。
「…っ、ちゃんと触って」
「こら未映子、ここでおねだりするなんて悪い子だ」
だんだんと荒くなる呼吸は、それ以上を求めて軽く腰を前後に動かすと、父は私の身体を弄っていたのに、やっと重い腰を上げた。
雨も降っているから、びしょ濡れになってもおかしくないけど、地下だから傘もいらない。誰も知らないから、車から降りた瞬間から父の腰に腕を回して身体を密着させた。父の手が私の肩に置かれ、車のキーのボタンを押すと車にロックが掛かった。
ワンフロアの地下駐車場に停まっている車は数えるくらいしかなく、みんな泊まりを利用しているのか、人がいる気配がない。
私が顔を上げるとキスが始まり、私たちはしばらくの間またキスをしていたが、ある程度満足するとやっと歩き出した。
どこかのラブホテルとは違い、パーテーションもないフロントに人がいて、受付を頼む父に肩を抱かれて密着したままチェックインした。
「あちらにアメニティもございまして、部屋にも置いてありますが、種類豊富に揃えておりますので、お気に召すものがございましたら、お待ちください」
フロント前にはアメニティグッズが所狭しに置いてあり、シャンプーやリンスはもちろん、ボディーソープから、スキンケアの化粧品の他に、インスタントの飲み物のコーヒー、紅茶、緑茶、精力剤が種類豊富置かれている。フロントで貰ったカゴにテキトーに入れていると、アメニティグッズの隅にサイズの違う正方形のコンドームのパックが置かれていた。
「…いらないだろ?」
「ん…いらない」
にやっと揶揄うつもりだったのか、父が私の腰に回した手で腰を揉むと、私は父を見上げた。
「未映子」
目を潤ませた私を見下ろして父は目を見開くと、低い声で私の名前を呼んだ。
「…ね、もう欲しいの」
車の中でのキスの戯れは、私をその気にさせるのが早く、正直アメニティグッズなんてどうでも良くなってしまっていた。
「ああ、そうだな」
父は真剣な表情に戻ると、私が持っていたカゴを私から取り上げて、取った部屋へと急いだ。
「あっ、んっぁ」
エレベーターの中や目的の階に降りても人目も憚らずキスをしながら密着して歩き、部屋に入った途端に荷物から手を離して全部床にぶちまけた。お互いの服をキスをしながら器用に脱ぎ、下着姿になると、やっと唇が離れた。
「綺麗だよ、未映子」
父のお気に入りである、布地の面積が少ない黒い紐の下着を身につけた私を舐めるように見る。私の首には、父から送られた指輪がチェーンに繋がれている。父は宝物を触るように優しい手つきで、首の後ろの金具を外すと、私の左手薬指に指輪をはめた。
そのまま彼の唇が薬指にある指輪に触れると、私は父の左薬指にある指輪を触った。元々していた指輪と同じデザインの指輪──つまり私とお揃いの指輪──を普段使いしているのだ。
指輪を付けて貰っている間に、昂っていた快感が少し治ってしまい、やっと部屋の中に目を向ける余裕が出てきた。手を繋いで誘導された先は20畳ほどの大きな白いキングサイズのダブルベッドが中央に置かれた部屋。壁は真っ白で、ベッドの左右に扉があり、片方はジャグジーのあるお風呂へと続く扉で、もう片方はトイレとざっと身体が洗える透けるガラスで囲まれたシャワー室へと続く扉があった。
ベッドの枕元の壁にはプロジェクターが埋め込まれ、ベッドの足元側に何にも設置されていない壁に向かっていて、スクリーンの役割を果たしていた。革張りのソファーとローテーブル、コンドームがある棚にはカラオケに使えるマイクが箱に入って置かれていた。
ふらふらとベッドに私が座ると、父はボクサーパンツ姿で、靴と靴下を脱いでスリッパに履き替えた。私も足を組んでブーツを脱いで、素足でベッドに上がると、枕元に向かって四つん這いに進み、ベッドボードに枕を立てて座り直す。すると、父が私を食い入るように見ているのに気がついて、父に見られながら膝を立てて足を開いた。
面積の少ない下着で足を開くと、僅かに下生えを隠す役割しか果たさないアンダーウェアから私の秘部が見えるはずだ。
後頭部をベッドボードに置いて、背中をのけぞると、紐で纏めた乳房はぷるぷると揺れる。
「欲しいのっ、ね」
彼に見せびらかせるために、綺麗にベビーピンクでネイルされた指と手のひらで自慢のGカップの胸を揉むが、手のひらに収まらない乳房は形を歪に変えた。
「我慢出来ないのか」
父が私に火をつけたのに、まるで私が淫乱かのように低く咎める。しゅるっ、と腰の紐を片方ずつ、ゆっくり解くと、父はごくん、と唾を飲み込んだ。
「早くしないと…自分でしちゃうよ?」
「それは許さない」
父が目の前にいるから、自分の手でいたす自慰をするのは許さないとは、傲慢な気がするのに、その言葉に下半身がきゅんと疼く。
ここは最初にお風呂に入るべきでは、とか、ある程度前戯をしてからにするべきとかあるのに、それすらすっ飛ばしてまずは一つになりたいとなるのは、この部屋に来るまでにしたキスのせいかもしれない。
父が一歩ベッドに近くたび、ベッドの上で腰を横に振りながら下着の先にある蜜口の縁を触ったり、わざと身体を上下に揺らしてぷるんぷるんと胸を揺らした。
父がボクサーパンツを脱いでベッドに上がると、父の昂りは天井に向かって立ち上がっていた。先端からは透明なツユが溢れ、側面は血管が浮き出ていた。ベッドの上で歩くのは良くないと思っていても、それよりも先に私の元に来るのが早くなるから嬉しいと思う。
「未映子」
「ンッ」
父は私の足元に膝をつけると、私に覆い被さりながら背中に手を入れる。熱くやけどしそうな昂りを腰紐が取れた下着の上から擦り付けられ、小さな下着は呆気なくズレた。父の黒縁メガネを外して、ベッドボードへと手探りで置くと、お互い視線を絡めたままキスをする。
父の胸から身体の下へと手を滑らせ、父の昂りを握ると、彼の昂りの先端を自分の蜜口に当てた。
「ぁぁあっ!」
「っ、ぐっ」
見つめ合ったまま、無言で繋がった最初は、あまりの太さと質感に蜜壺がびっくりしてぎゅうと昂りを締め付けたが、勢いよく私の蜜壺の最奥を貫いた。ぱくぱくと口を動かしていると、父はズルと私の蜜壺から腰を引いて昂りを動かして、また勢いよく中へと戻す。次第に早くなる抽送と、唇の先をくっつけたまま、キスをするわけでもなくただ見つめ合う。言葉を交わす事もなく始まって、抽送が始まると、父の昂りがどんどん膨らんでいく感覚を覚える。
──そうっ、これっ…この太さなのっ
私の思考をめちゃくちゃにする太さと長さ。蜜が溢れて彼の昂りが抽送しやすくなると、快感がより増した。
「はっ、イクッ!」
父が悔しさうにそう言って、私は父の腰に足を巻き付けると、父は思いの丈を私の蜜壺の最奥に注いだ。
***************
「…ああ、そうなんだ…台風で帰るのは危険だと判断して会社で泊まることにしたよ…うん、そう…何か変わったことはないか?…っ、そうか未映子も電車が止まってるから友達の所か…なら…戸締りに気をつけて」
昨日天気のお姉さんが言っていたことが本当になって、止むどころかより一層激しくなった雨で、帰るのを早々に諦めた。父は母に会社に泊まると電話をしていて、私は彼の上に乗り腰を揺らしていた。浅ましく前後に腰を揺らし、父の足に片手を置いて倒れないように支えた。私がさっきお母さんに送ったメッセージの内容なんて知っているのに、初めて聞くみたいな反応をする父は目の前にいる私の太ももをそっと撫でる。
朝から続いた身体の関係は、17時に一旦終わり、プロジェクターを付けてテレビ画面代わりにニュースを見ていたら、台風がついに上陸したことを知った。それから父は母に電話を掛け始めたはいいが、少しだけ休憩していたら、どうも大きくなった昂りが目に入り、父の上に乗ったってわけ。
『舐めて…舐めて』
ぱくぱくと口を動かして、片手で乳房を持ち上げ乳房の中央にある固くなった粒をこねりながら、父におねだりをすると、繋がった箇所がぐんと膨れた。
「ああ…そうだ…っ、それから」
目を細めて私の痴態を楽しむ父は、電話を切る気配がないから、自分の口元に持ってきて胸の膨らみを舌で這わしていたら、父が下から腰を突き上げ始めた。
「っ…ふっ」
声が出そうになって、腰を前後に動かすのを止めると、父の手が私の乳房に伸びた。角ばった指先が私が自分で揉んでいる乳房から手を退けて、私の代わりに乳房を揉み始めた。
乳房の粒を強くつねられたり、人差し指の爪で弾いたりしているのに、冷静に電話しているのがだんだん憎らしくなってくる。上体を前に倒して父の首筋に顔を寄せると、私は父の首に舌を這わす。父の手が私の頭に移動して、ゆっくりと頭を撫でていると、
「なら、そちらで…優はどうだって?そうか…なら一緒の方が安心だろう…ああ、分かった、じゃあ何かあったら…すぐに連絡してくれ…ああ」
あんなに不在の時の対応をしていたのに、突然電話を切る流れになって不思議に思っていると、スマホ画面を暗くした父はスマホをベッドに置いて私の額にキスをする。
「ん…もういいの?」
「ああ、優が近くに来ていたらしく、お母さんと過ごすらしい」
「お兄ちゃんが?そうなんだ」
額にキスをされたのが嬉しくて、父の首から顔を上げて今度は唇を合わせると、父は私のお尻を思いっきり揉んだ。
「…さ、ここまで我慢したんだ…覚悟をするように」
「ふふっ、何それっ…あははっ」
この話はもうおしまいだと言うように、また2人が纏う空気が一変すると、今掛けていた電話の内容などどうでもよくなってしまった。父の電話中我慢していたのは私のはずなのに、父はそう言って私の上に覆い被さる。
父の抽送が始まると、私は気持ちよくてベッドに頬を付けた。たまたま視界に入ったソファーでは、ほんの3時間前まで父の足の上に乗りながら歌ったマイクが置いてあり、その横のローテーブルには飲み物や食べかけの料理が置かれていた。歌う私を下から突き上げ、歌とも呼べない喘ぎ声がマイク越しに室内に響くと、それに煽られるかのように父の責めは激しくなる一方だった。最終的には向かい合わせになり、マイクをほっぽり出して情事に耽ってしまったのだけど、その後お風呂に一緒に入ってまたこのベッドに戻ってきたから、父の言った通り本当に離れない一日となっていた。
「…未映子」
じっとソファーを見ていたのに気がついたのか、父は私の耳を甘噛みすると、耳の中に舌を這わす。
「…っ、気持ち…あっ…んっ、っ」
「ああ、俺も気持ちいいよ」
ずっとこのまま繋がっていたいと、父が囁くと、私は父の背中に手を回した。
何度交わっても満たされたと毎回感じるのに、そばにいるだけでもっともっとと貪欲に求めてしまうし、父からも求められると応えてしまう。
結局この日は、夜の20時ごろには朝から続いた激しい濃厚な時間に疲れ切ってしまい、気絶するようにお互い眠ってしまった。まだ日も昇らない3時に目が覚めると、雨も止んで台風は通過した後だった。
会社に行く前に、一度家に帰らなければならなかったから、父と一緒にいちゃいちゃしながらお風呂に入り、充実した有給はこうして幕を閉じた。
「また行こうか」
と、父とまたね、と約束したけど、本当に近いうちにまた有給を取るだろうと私は思った。
だって、時間も誰も気にせずに思いっきり、2人の快感を昂らせるために集中出来る事がわかったてしまったから──。
雨が降る時季となるのは、6月が通説だと思っていたのに、近年前倒しで梅雨に入っているような気がする。
「っ、よそ見をするなんて、なっ」
「は…ぁっ、んっ!」
ニュース番組の後半に流れるお天気お姉さんが、これから訪れるであろう台風の威力について語っていた。ただ視線をそちらに向けただけなのに、四つん這いになった私の腰を掴み、ぱぁんっ、とお尻を軽く叩いた低い声の男は、面白くないみたいだった。
太い昂りが床に四つん這いになる私の蜜壺を貫き、ガンガンと腰を動かして抽送を早くする。
お互いの指には2人きりの時に付ける約束をした指輪が、2人の左薬指に嵌っている。
一家団欒のリビングで行われている、男女の営みは、決して恋人同士の関係ではない。恋人よりも深い、血の繋がった──
「あっ、激しっ!お父さっ…あっ…んっ」
「未映子っ!」
背後を振り向くと、父は私の上に覆い被さり私の腰から左手を動かして私の左の乳房を掴んだ。たわわに大きな自慢の乳房を力いっぱい揉まれ、自分でやると痛いはずなのに、父がやると快感になるから不思議だ。父の首筋に後頭部を付けると、父は私の乳房を掴んだまま、四つん這いになっていた私を起こすと、膝立ちになった。顔を父の方へと向けると、舌の絡まるキスをしながら、父の昂りが蜜壺の中に留まる。長く太い昂りは、過去味わった事のない蜜壺奥深くまで私の中を満たし、彼のを味わうように蜜壺がきゅんきゅんと締め付けた。
カーテンがぴったり隙間もなく締まり薄暗い夕方のリビングでの交わり。大きな声を出してもテレビの音量を大きくしたこの部屋の出来事は、どこにも漏れる心配もないし、玄関の鍵とチェーンが掛かるため急な来訪者にも対応できる。
今日は母のパートの日で、夜まで帰ってこない。これ以上の好条件はないから、始まった行為はきっと日が沈むまで終わらない。
「あっ!はっ、んっ」
後頭部から背中、お尻と太ももの裏が父の身体とぴたりと重なり、膝を立てたふくらはぎから先も触れ合っている。繋がったまま、父は腰を円を描くようにゆるりと動かしていて、彼の左手は私の乳房を揉み、右手を繋がった箇所まで下ろして、繋がった縁をなぞっていた。下生えを弄び、蜜壺からしとどに溢れた蜜と先ほど中に出された父の証ををおへその周りにぺたぺたとつける。左手を上げて父の首の後ろへと手を伸ばしたら、父のキスから解放された。
「っ、未映子っ」
「お父さ…んっ」
熱い吐息がお互いの顔に当たり、しばし見つめ合うと、心なしかテレビの音が大きくなった気がする。
「明日は一日中一緒だ…ずっとな」
「うん」
「離さない、かた時も」
「うん…離さないで」
囁き合う言葉は、2人以外聞いてないはずなのに、小さな声量で、耳を澄ませないとテレビの音に掻き消される。
「…独占させて」
私がそう言って父の手の上に、それぞれ自分の手のひらを添えると、父は目尻を下げた。
「いつでも俺も未映子を独占しているよ」
ちぐはぐな会話は不自然なんだけど、お互いを縛る言葉となる。
2人がそれぞれお互いを独占している。
それはもう、歪な関係の印だった。
眞下未映子は、大学卒業しても実家で暮らす社会人3年生の25歳だ。肩まで伸びたセミロングの髪、Gカップの胸と細く折れそうな腰回りに反して、大きなお尻は入念にケアをしている自慢の美尻だ。ひょんなきっかけで、同じ屋根の下で暮らす父とこんな関係になり、間もなく1年を迎えようとしていた。
母の目を盗み、お互いの身体にちょっかいを掛けては身体を繋げ、最近ではいってらっしゃいのキスとおかえりなさいのキスをしないと耐えられないくらいに溺れている。
いずれ冷めると思っていたこの気持ちも、恐ろしい事に、身体の相性が良すぎることもあって月を跨ぐたびに独占欲を滲ませつつある。バレないように父と娘として過ごしてはいるが、いざ2人しかいないとわかると途端にただの男と女になる。
ほんの1分、いや数十秒でも指先を絡めるだけでも、天に上くらい幸せな気持ちになり、父もそうだと信じている。
父は眞下卓48歳、もうすぐ父の誕生日で、49歳になるから2人きりでお祝いをするのだ。
明日──そう明日は、お互い有給を消化して、出かけるのだ。これは前から約束していた事で、父も私も朝は普通に会社に行く装いをする。だが、待ち合わせをして出かけるのだ。他のカップルみたいにデートをし、いつも家に帰る時間帯に帰って来る予定だ。あいにくの雨でしかも台風の予報だが、中断しようにも有給の申請をしたから、中止する気はさらさらない。
「ねっ、動いて?」
「ああ、未映子の気の済むまで」
──お母さんが帰ってきたらやめちゃうのに
甘く囁くのに、母が帰ってきたら、この甘い時間もお預けだ。
「夜…行くよ」
私のこめかみに唇を押し付けながら、父は甘い言葉を囁き──夜に私の部屋に来るかわからないのに、と言いたい言葉を飲んで束の間の情事に溺れた。
台風が来ても、学校ではないから会社は働きに出る。有給を使って休む手もあるが、今日は有給を取る時から楽しみにしていた外出を、外の天気を見ても止める気はなかった。
「台風みたいだから、時間早めて行くよ」
「そう?気をつけてね」
「うん、行ってきまーす」
今日が楽しみすぎて珍しく早起きした日は、普段使うオフィスカジュアルよりも少しだけオシャレにした服装──黒のキャミソールロングワンピースと防水ブーツを履いて家を出た。
すでに父は外出した後だったので、傘を差して指定された場所へと向かった。
家から徒歩5分のところにあるコンビニに行き、飲み物と菓子パンの軽食と小袋タイプのお菓子を数個買い、レジを済ませて出ると、自動ドアに近い場所に父の車が駐車してあった。どうせ濡れるからと、小走りで父の車まで行き、扉を開けて身体を車内に滑り込ませた。
「おはよう」
「おはよう」
当たり前のように助手席に座り、傘を後部座の床に置くと、バケツをひっくり返してる雨で視界が悪いのをいい事に父の首に腕を回した。首に回した手に力を入れて引き寄せると、父は私の方へと身体を寄せて、朝とは思えないぐらいに舌を絡めて濃厚でいやらしいキスをする。
「っ、ん」
じゅるっ、と溢れる唾液を啜られた後に口が離れると、会社の作業服姿の父がいる。
「行こうか」
「うん」
濃厚なキスにぼうっとして固まる私に、父は手を伸ばして私のシートベルトを締めると、車を発車させた。
「今日は、カラオケに行くんだよね?」
前々から映画を観るか、観光に行くかで悩んでいたが、雨のために観光は諦めた。映画にしようかとなったけど、今公開されていて観たいものが私も父もなかったため、カラオケに行くことにしたのだ。
ただ、それはただのカラオケ店じゃない。2人でいちゃいちゃしても、店員が入って来ない所──そう、それは隣の県にある高級ラブホテルだ。
カラオケ、有料チャンネルやスマホから映像が流せる大画面のシアター、プールのような大きな円のジャグジーがある、そこら辺にあるラブホテルとは違う、ワンランク上の高級宿で過ごす。
「ああ、歌ってる未映子を見ながら可愛がるよ」
と含みを持たせて言い、父は私の膝の上に左手を置いた。
「…もぅ、バカ」
と私も言うが、それを待ち望んでいる。膝の上に置かれた手に自分の両手を重ねて指先を絡めて父の手を挟んだ。
台風だから、交通量も少なく、1時間半ほどかけて向かったホテルの地下駐車場に着くと、父はエンジンを止めて、シートベルトを外すと、私の上に覆い被さった。
「っ、んっ、っ」
私のシートベルトを留め具から外した彼は、私の身体を締めていたベルトを助手席の横にある元の場所へと戻すと、私の両頬を掴みコンビニでしたような濃厚なキスを始めた。顔の角度を何度も何度も変えてお互いの口を貪ると、くたっと、身体の力が入らなくなった。
「ん…っお父さん」
「未映子」
まだ朝の、9時にもならない時間に、濃いピンクの雰囲気が2人を包む。息もままならないくらい、息継ぎが難しいキスをされ、肩を上下に動かして息をしていると、父も荒い呼吸をしながら私の額に自分の額を重ねた。少しでも口を動かしたら唇がくっつきそうな距離にいる。
「…離さないって言ったろ?」
「ん…っ」
父が喋ると彼の唇が私の唇に当たるものだから、自分から舌を伸ばして、父の唇をペロリと舐めると、私の舌をパクりと甘噛みした。そのまままた深いキスをすると、父が私の太ももの裏に手を入れて、私の足を持ち上げると、流れるように身体が持ち上げられ運転席にいる彼の足の上に座らされた。
「…そろそろ行かないと誰か来るかもな」
くくっ、と笑うのに、キスを止める気はないみたいで、啄むキスが続く。
「…っ、ちゃんと触って」
「こら未映子、ここでおねだりするなんて悪い子だ」
だんだんと荒くなる呼吸は、それ以上を求めて軽く腰を前後に動かすと、父は私の身体を弄っていたのに、やっと重い腰を上げた。
雨も降っているから、びしょ濡れになってもおかしくないけど、地下だから傘もいらない。誰も知らないから、車から降りた瞬間から父の腰に腕を回して身体を密着させた。父の手が私の肩に置かれ、車のキーのボタンを押すと車にロックが掛かった。
ワンフロアの地下駐車場に停まっている車は数えるくらいしかなく、みんな泊まりを利用しているのか、人がいる気配がない。
私が顔を上げるとキスが始まり、私たちはしばらくの間またキスをしていたが、ある程度満足するとやっと歩き出した。
どこかのラブホテルとは違い、パーテーションもないフロントに人がいて、受付を頼む父に肩を抱かれて密着したままチェックインした。
「あちらにアメニティもございまして、部屋にも置いてありますが、種類豊富に揃えておりますので、お気に召すものがございましたら、お待ちください」
フロント前にはアメニティグッズが所狭しに置いてあり、シャンプーやリンスはもちろん、ボディーソープから、スキンケアの化粧品の他に、インスタントの飲み物のコーヒー、紅茶、緑茶、精力剤が種類豊富置かれている。フロントで貰ったカゴにテキトーに入れていると、アメニティグッズの隅にサイズの違う正方形のコンドームのパックが置かれていた。
「…いらないだろ?」
「ん…いらない」
にやっと揶揄うつもりだったのか、父が私の腰に回した手で腰を揉むと、私は父を見上げた。
「未映子」
目を潤ませた私を見下ろして父は目を見開くと、低い声で私の名前を呼んだ。
「…ね、もう欲しいの」
車の中でのキスの戯れは、私をその気にさせるのが早く、正直アメニティグッズなんてどうでも良くなってしまっていた。
「ああ、そうだな」
父は真剣な表情に戻ると、私が持っていたカゴを私から取り上げて、取った部屋へと急いだ。
「あっ、んっぁ」
エレベーターの中や目的の階に降りても人目も憚らずキスをしながら密着して歩き、部屋に入った途端に荷物から手を離して全部床にぶちまけた。お互いの服をキスをしながら器用に脱ぎ、下着姿になると、やっと唇が離れた。
「綺麗だよ、未映子」
父のお気に入りである、布地の面積が少ない黒い紐の下着を身につけた私を舐めるように見る。私の首には、父から送られた指輪がチェーンに繋がれている。父は宝物を触るように優しい手つきで、首の後ろの金具を外すと、私の左手薬指に指輪をはめた。
そのまま彼の唇が薬指にある指輪に触れると、私は父の左薬指にある指輪を触った。元々していた指輪と同じデザインの指輪──つまり私とお揃いの指輪──を普段使いしているのだ。
指輪を付けて貰っている間に、昂っていた快感が少し治ってしまい、やっと部屋の中に目を向ける余裕が出てきた。手を繋いで誘導された先は20畳ほどの大きな白いキングサイズのダブルベッドが中央に置かれた部屋。壁は真っ白で、ベッドの左右に扉があり、片方はジャグジーのあるお風呂へと続く扉で、もう片方はトイレとざっと身体が洗える透けるガラスで囲まれたシャワー室へと続く扉があった。
ベッドの枕元の壁にはプロジェクターが埋め込まれ、ベッドの足元側に何にも設置されていない壁に向かっていて、スクリーンの役割を果たしていた。革張りのソファーとローテーブル、コンドームがある棚にはカラオケに使えるマイクが箱に入って置かれていた。
ふらふらとベッドに私が座ると、父はボクサーパンツ姿で、靴と靴下を脱いでスリッパに履き替えた。私も足を組んでブーツを脱いで、素足でベッドに上がると、枕元に向かって四つん這いに進み、ベッドボードに枕を立てて座り直す。すると、父が私を食い入るように見ているのに気がついて、父に見られながら膝を立てて足を開いた。
面積の少ない下着で足を開くと、僅かに下生えを隠す役割しか果たさないアンダーウェアから私の秘部が見えるはずだ。
後頭部をベッドボードに置いて、背中をのけぞると、紐で纏めた乳房はぷるぷると揺れる。
「欲しいのっ、ね」
彼に見せびらかせるために、綺麗にベビーピンクでネイルされた指と手のひらで自慢のGカップの胸を揉むが、手のひらに収まらない乳房は形を歪に変えた。
「我慢出来ないのか」
父が私に火をつけたのに、まるで私が淫乱かのように低く咎める。しゅるっ、と腰の紐を片方ずつ、ゆっくり解くと、父はごくん、と唾を飲み込んだ。
「早くしないと…自分でしちゃうよ?」
「それは許さない」
父が目の前にいるから、自分の手でいたす自慰をするのは許さないとは、傲慢な気がするのに、その言葉に下半身がきゅんと疼く。
ここは最初にお風呂に入るべきでは、とか、ある程度前戯をしてからにするべきとかあるのに、それすらすっ飛ばしてまずは一つになりたいとなるのは、この部屋に来るまでにしたキスのせいかもしれない。
父が一歩ベッドに近くたび、ベッドの上で腰を横に振りながら下着の先にある蜜口の縁を触ったり、わざと身体を上下に揺らしてぷるんぷるんと胸を揺らした。
父がボクサーパンツを脱いでベッドに上がると、父の昂りは天井に向かって立ち上がっていた。先端からは透明なツユが溢れ、側面は血管が浮き出ていた。ベッドの上で歩くのは良くないと思っていても、それよりも先に私の元に来るのが早くなるから嬉しいと思う。
「未映子」
「ンッ」
父は私の足元に膝をつけると、私に覆い被さりながら背中に手を入れる。熱くやけどしそうな昂りを腰紐が取れた下着の上から擦り付けられ、小さな下着は呆気なくズレた。父の黒縁メガネを外して、ベッドボードへと手探りで置くと、お互い視線を絡めたままキスをする。
父の胸から身体の下へと手を滑らせ、父の昂りを握ると、彼の昂りの先端を自分の蜜口に当てた。
「ぁぁあっ!」
「っ、ぐっ」
見つめ合ったまま、無言で繋がった最初は、あまりの太さと質感に蜜壺がびっくりしてぎゅうと昂りを締め付けたが、勢いよく私の蜜壺の最奥を貫いた。ぱくぱくと口を動かしていると、父はズルと私の蜜壺から腰を引いて昂りを動かして、また勢いよく中へと戻す。次第に早くなる抽送と、唇の先をくっつけたまま、キスをするわけでもなくただ見つめ合う。言葉を交わす事もなく始まって、抽送が始まると、父の昂りがどんどん膨らんでいく感覚を覚える。
──そうっ、これっ…この太さなのっ
私の思考をめちゃくちゃにする太さと長さ。蜜が溢れて彼の昂りが抽送しやすくなると、快感がより増した。
「はっ、イクッ!」
父が悔しさうにそう言って、私は父の腰に足を巻き付けると、父は思いの丈を私の蜜壺の最奥に注いだ。
***************
「…ああ、そうなんだ…台風で帰るのは危険だと判断して会社で泊まることにしたよ…うん、そう…何か変わったことはないか?…っ、そうか未映子も電車が止まってるから友達の所か…なら…戸締りに気をつけて」
昨日天気のお姉さんが言っていたことが本当になって、止むどころかより一層激しくなった雨で、帰るのを早々に諦めた。父は母に会社に泊まると電話をしていて、私は彼の上に乗り腰を揺らしていた。浅ましく前後に腰を揺らし、父の足に片手を置いて倒れないように支えた。私がさっきお母さんに送ったメッセージの内容なんて知っているのに、初めて聞くみたいな反応をする父は目の前にいる私の太ももをそっと撫でる。
朝から続いた身体の関係は、17時に一旦終わり、プロジェクターを付けてテレビ画面代わりにニュースを見ていたら、台風がついに上陸したことを知った。それから父は母に電話を掛け始めたはいいが、少しだけ休憩していたら、どうも大きくなった昂りが目に入り、父の上に乗ったってわけ。
『舐めて…舐めて』
ぱくぱくと口を動かして、片手で乳房を持ち上げ乳房の中央にある固くなった粒をこねりながら、父におねだりをすると、繋がった箇所がぐんと膨れた。
「ああ…そうだ…っ、それから」
目を細めて私の痴態を楽しむ父は、電話を切る気配がないから、自分の口元に持ってきて胸の膨らみを舌で這わしていたら、父が下から腰を突き上げ始めた。
「っ…ふっ」
声が出そうになって、腰を前後に動かすのを止めると、父の手が私の乳房に伸びた。角ばった指先が私が自分で揉んでいる乳房から手を退けて、私の代わりに乳房を揉み始めた。
乳房の粒を強くつねられたり、人差し指の爪で弾いたりしているのに、冷静に電話しているのがだんだん憎らしくなってくる。上体を前に倒して父の首筋に顔を寄せると、私は父の首に舌を這わす。父の手が私の頭に移動して、ゆっくりと頭を撫でていると、
「なら、そちらで…優はどうだって?そうか…なら一緒の方が安心だろう…ああ、分かった、じゃあ何かあったら…すぐに連絡してくれ…ああ」
あんなに不在の時の対応をしていたのに、突然電話を切る流れになって不思議に思っていると、スマホ画面を暗くした父はスマホをベッドに置いて私の額にキスをする。
「ん…もういいの?」
「ああ、優が近くに来ていたらしく、お母さんと過ごすらしい」
「お兄ちゃんが?そうなんだ」
額にキスをされたのが嬉しくて、父の首から顔を上げて今度は唇を合わせると、父は私のお尻を思いっきり揉んだ。
「…さ、ここまで我慢したんだ…覚悟をするように」
「ふふっ、何それっ…あははっ」
この話はもうおしまいだと言うように、また2人が纏う空気が一変すると、今掛けていた電話の内容などどうでもよくなってしまった。父の電話中我慢していたのは私のはずなのに、父はそう言って私の上に覆い被さる。
父の抽送が始まると、私は気持ちよくてベッドに頬を付けた。たまたま視界に入ったソファーでは、ほんの3時間前まで父の足の上に乗りながら歌ったマイクが置いてあり、その横のローテーブルには飲み物や食べかけの料理が置かれていた。歌う私を下から突き上げ、歌とも呼べない喘ぎ声がマイク越しに室内に響くと、それに煽られるかのように父の責めは激しくなる一方だった。最終的には向かい合わせになり、マイクをほっぽり出して情事に耽ってしまったのだけど、その後お風呂に一緒に入ってまたこのベッドに戻ってきたから、父の言った通り本当に離れない一日となっていた。
「…未映子」
じっとソファーを見ていたのに気がついたのか、父は私の耳を甘噛みすると、耳の中に舌を這わす。
「…っ、気持ち…あっ…んっ、っ」
「ああ、俺も気持ちいいよ」
ずっとこのまま繋がっていたいと、父が囁くと、私は父の背中に手を回した。
何度交わっても満たされたと毎回感じるのに、そばにいるだけでもっともっとと貪欲に求めてしまうし、父からも求められると応えてしまう。
結局この日は、夜の20時ごろには朝から続いた激しい濃厚な時間に疲れ切ってしまい、気絶するようにお互い眠ってしまった。まだ日も昇らない3時に目が覚めると、雨も止んで台風は通過した後だった。
会社に行く前に、一度家に帰らなければならなかったから、父と一緒にいちゃいちゃしながらお風呂に入り、充実した有給はこうして幕を閉じた。
「また行こうか」
と、父とまたね、と約束したけど、本当に近いうちにまた有給を取るだろうと私は思った。
だって、時間も誰も気にせずに思いっきり、2人の快感を昂らせるために集中出来る事がわかったてしまったから──。
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