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番外編  ある日の2人  投稿29ヶ月記念小説 快楽のエチュード

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眞下ました未映子みえこは、仕事から解放された土曜日は目覚ましを掛けずに眠りから覚めたら起きると決めていた。
今年で25歳となり、ついに一人暮らしを一度もする事なく実家暮らしも25年となった。
社会人になったばかりでお給料が安いとか、実家の方が通い慣れているとか様々な要因があるけれど、一番の理由が最近出来た──それは、誰にも言えない秘密なんだけどね。


「…あれ?2人がいない」
朝の10時に起きて、洗顔と歯磨きをするために1階へと降りると、いつもはいるはずの母と父の姿がなく、電気もテレビもエアコンも付いてないリビングがガランとしていた。きっとどこかへ出かけたのだろうかと、洗面所へと向かって顔を洗っていると、そういえば母が先週に土曜日は町内会の集まりがあるから、朝から居ないと言っているのを思い出した。町内会の集まりということは、いつも父も一緒に参加していたから、父もついていったのだろう──父…お父さん、と思い出すと、先週の水曜日に身体を重ねた時を思い出して、胸がドキドキする。

私の部屋で同じ階で眠る母にバレないように声を出してはいけないスリルと、実の父と一つに交わりお互いの欲情を惜しげもなくぶつけるぞくぞくする背徳感。そして、普段は少し無口だが、夜になると人が変わったように、ドSで口が砕けて知らない男性になる。
きっかけは、私がストレス発散と恋人がいない身体を慰めるために始めた毎週水曜日か金曜日に行っていたAV鑑賞で、自分の身体を慰めていた姿を父に見られた事がきっかけだ。
最初はお互いの身体に指一本も触らずに、見せつけ合って自慰をする…それだけでも充分異常な関係だったけど、母が数日不在になると、最後の一線はあっけなく越えられ、触れられなかった分を取り戻すかのようにお互いを求めた。
そんな関係が数ヶ月経つ頃には、お互いなくてはならない存在となり、普段は普通の父娘おやこで接するのに、夜のam1:00を過ぎると、濃密な空気が2人を包んだ。毎週水曜日か金曜日のどちらかに身体を重ね、たまに土日に母がいない日があると、時間ギリギリまで…夜声を抑えていた分、自分達を解放して獣のように交わった。

リビングにあった食パンを母がいない事をいいことに、お行儀悪くキッチンのシンクの前で食べ、温めた紅茶で流し込んだ。もうすでに持つのが癖になっているスマホの画面をタップすると、SNSのメッセージアプリを開いて、受信した広告の通知を既読にしていく。そして、友達のリストの一番上にあるクィックピンを留めた──ピンを溜めると、その友達はいつでもトークが出来るように一番上に表示され、新着のメッセージがなくても探しやすくなるのだ──父のすぐると名前登録しているトークルームを開くと、お互いの裸を自撮りで写した画像を送り合って、父と娘の会話じゃないやり取りが表示された。
49歳には見えないお腹も出てない逞しく鍛えてある身体、私のために最近筋トレを始めたと言っていた父は、確かに以前よりも体力が増えて、最初の頃は一度に2回が限界だった繋がりも、3回、4回と続けていけるようになって数を増やしていった。
──あっ、やばいかも
過去の写真や動画を見たら、むらむらとした気持ちが出て来てしまって、急いで残っていた紅茶を飲み干すと、マグカップを洗って、2階の自分の部屋へと戻った。


カーテンも開けてない自分の部屋で、日差しが高くなったから電気をつけなくてもいい部屋に戻ると、クローゼットを開けて、最初に父から貰った男性器の形をしたディルドを取り出した。着ていた服を脱ぎ捨て、部屋の隅にある大きな姿見の前で上下薄ピンク色のレースの下着姿となった私は、鏡にカメラを向けて、ディルドの先をお腹に当てて一枚写真を撮り、その後にお尻を突き出してディルドの先をお尻に当てて写真を撮った。そして何回かポーズを撮りながら、胸の谷間にディルドを挟んだり、短い動画でおへそにディルドの先端を押し付けて回したりしていると、だんだん楽しくなって来ちゃって、そのまま撮った物を順に父に送りつけた。
むらむらとした気持ちは、写真を撮っているうちに楽しい気持ちに変化して、画像を送ったことで飽きた私は服を着ようと、脱ぎ捨てた服を拾おうとした。すると、ピロン、とスマホが新しいメッセージの通知を知らせる音が鳴り、また広告かな、と思って、アプリを開いたら、父からのメッセージが入っていた。
『もうすぐ帰る、私の部屋で待つように』
絵文字もスタンプもない、何の変哲もないメッセージを見て、父は私の裸の写真を見てどう思ったかなんて、もう分かってしまった。
──帰ってきたら、抱かれちゃう
下半身が期待できゅんと、すると、私は父の言いつけ通りに準備を始めた。




***************



部屋の扉が開いて、パタンと閉まる音がすると、ゆっくり歩く音がする。息を殺して父のクローゼットの中にいたら、両面開きのクローゼットが開けられた。
「未映子」
「…ふふっ、早くっ」
電気も付けないで入った父の部屋は暗かったけど、私の部屋と同じで日差しが入って、まぁ見えない事はなかった。クローゼットを開けた父の手を取って引っ張ってクローゼットの中に入れると、父の身体に抱きついた。父はクローゼットの片方を閉め、私の身体と自分の身体を隠した。私が横になれるくらい広い細長いクローゼットには、父の作業着と私服が掛かっていて、床には3段のカラーボックスが他に二つ並んでいるくらいで、私1人が身を潜めるくらいは空いていた。
父は、クローゼットの中にあるポールの洋服の掛かったハンガーを横にスライドさせると、私をクローゼットの奥の壁に押し付けた。
「…これを準備したのか」
「うん…気に入った?」
「ああ、すごく」
一段と低い声は父の夜の顔を思いださせ、身体が期待で体温が上昇していく。父からメッセージを貰った後、父に先月末に贈られた下着を私のクローゼットから取り出して身につけたのだった。
黒のレースの下着といえば…ありきたりかもしれないが、そんなシンプルなものではない。乳房を支える布は面積が小さい上に、何故か乳房が見えるようにぱっくりと線が入って、最早ただのおっぱいを支える紐だ。そしてローライズの紐のパンツのTバックも、大きな線が入った下生えが丸見えのデザインで、直接触れちゃう代物だ。
「…ああ、ここが暗いのが非常に残念だ」
悲しそうな声なのに、父が私の身体から視線を外さずに舐めるように見ているのが分かって、まだ何もされていないのに、腰が疼く。
「ね、私のここ・・を可愛がって、もう準備万端なの」
父の右手を取って私の下半身へと持っていって、小声で囁けば、父の指先は曲がり、私の下着の中に手を入れる。と言っても、大きな切り込みがあるから、普通に触れるのだけど。
ぬちゅっ、っと、水音がしたら、父は頭を下げて私の口を自分の口で塞いだ。いきなり強く舌を吸われ、傍若無人に暴れ回る父の舌を追いかけては追いかけられ、口内全体を厚い舌でながられる。
「…っ、ん!」
カチャカチャッと父が腰のベルトを外し、私は父の首の後ろに腕を回してブラを身につけているとはいえ、ほぼ露出されている乳房を父の胸板に押し付けた。父は私の下半身に指先を軽く蜜口の奥に埋めて、充分に濡れていると知ると、自分の指先を蜜口から抜いて、自身の昂りの先端を蜜口に当てた。
「あッ…おっきい」
「熱いっ、な、未映子」
鼻先を擦り寄せると、お互いの口と口に一筋の唾液の透明な糸が引き、父がペロリと舐めると、私の唇にも父の舌が掠めた。とりあえず、今はこの燻る快感を何とかしなくちゃいけないため、父の昂りが入りやすいように少しだけ足を開くと、父は立ったまま私の腰を自分の腰に引き寄せた。
「~~~っ!!」
一気に太い昂りで貫かれ、声が漏れそうになると、父は私の口を自分の口でもう一度塞いで、私の声を封じ込めた。ぎゅうぎゅうと蜜壺の奥に入った昂りを締め付け、呆気なく達すると、父も我慢が出来ずに私の蜜壺の最奥に自分の欲情の証を注いだ。ドクンドクンと、波打つ昂りは、蜜壺の側面から身体に振動が響き渡った気がした。

「っ、一度下に降りる、怪しまれるからな…未映子はここにいるように」
息も整わないまま父は私の蜜壺から抜けると、足に力が入らなくて床に座り込んでしまい私は快感の余韻を堪能した。目の前にある昂りは硬さを取り戻して、天井を向いているのに、父は名残惜し気にカラーボックスからスウェットを取り出すと、服を脱いで着替え直した。
「…母さんには、未映子はいないと伝えるよ」
ぼぅっとする中、父の声だけが頭をよぎり、蜜壺から注がれた父の証が溢れて床を濡らしていた。




***************




「お父さん、ちょっと夕飯の材料を買ってくるわ」
「なら車を出すか?」
「いいわ、なんかまさるが近くを通るみたいだから、あの子にお願いするわ」
「そうか…なら、たまには優とそのままご飯に行ってくればいい」
「でも…そうしたらご飯作るの遅くなるわ」
「ご飯は未映子が帰ってきたら一緒に食べるからいいさ、町内会で色々忙しなく動いていたんだから、たまにはゆっくり優と食べてきなよ」
「…分かったわ…なら、未映子にも一応連絡入れとくわ…まったくあの子ったら、何も言わずに出かけるなんて…でも本当にご飯持って来たりとかしなくていいの…?」
「いらないよ、疲れてるのに荷物になるだろうし…じゃあ息子に、たまには帰ってこいと言っておいてくれ」
「ふふ、そうね…じゃあお言葉に甘えるわ」
程なくして妻は家を出ていき、玄関先で彼女が道を曲がり見えなくなるまで見送った夫は、穏やかな顔から無表情となって鍵を閉めた。一階の窓を全てカーテン諸共閉めると、冷蔵庫から2人分の水分とタオルを持って、待つように・・・・・に言った2階の自分の部屋へと戻った。


「…これは、これは」
自分の部屋を開けると、いつもそこで寝ているベッドのお布団が盛り上がっていた。パタンと音を立てて扉を閉めると、盛り上がった布団がもぞっ、と動いた。手探りで部屋の明かりを付けると、グレーの掛け布団から真っ白な色の細い手が出て布団を捲った。ベッドに近寄り、ベッドサイドにあるナイトテーブルに持ってきた飲み物を置き、タオルを床に落とすと、彼女は私が贈った下着を身につけていた。
「…夕飯・・までは、2人きりだ」
これからの甘美な時間を過ごせる喜びで、思わず強調して言うと、彼女はより一層瞳を潤ませた。



「あっ!気持ちっ、はっ…あっ…うっ、っ」
父が着ていた服を脱いで、ベッドに仰向けになると、私は父の顔の上に跨った。身体のバランスを保つために、ベッドボードに手をついて腰を下ろすと、父の鼻と口が私の下着の線の切り込みに埋まる。すると、父の舌が私の蜜口の中に入り、口で強く啜られて、身体に快感の電流が走った。父の顔の横に着いた両膝は、父の手により太ももが掴まれて固定された。しとどに蜜壺から蜜が溢れるのを感じ、父はそれを一滴残さず飲む。もっともっと深い快感を感じたくて、腰を動かすと、父の手が私の太ももからお尻へと回り、お尻を揉み始めた。
「未映子、っ、そのままで」
もう少しでイけそうだったのに、父は私の太ももをぽんぽんと叩くと、私の下からいなくなった。ベッドの上で膝立ちになったまま、ベッドボードに手を置いた私を、背後から抱きしめた。父は私の顎を掴むと、背後を向けさせて、私の口を塞いでキスをする。舌の絡まる濃厚なキスに酔いしれていると、父が私の腰をゆっくりと撫でて、お尻を突き上げるように誘導すると、お尻たぶを広げて私でも見えない私の秘部を空気に触れさせた。
「ああ、美しい、よっ、っ」
「あっ、ぁあっ!」
と一言告げると、一気に自分の昂りを私の蜜壺の中へと入れた。私はあまりの快感にのけぞると、父の胸板に背中をつける体勢となり、父は私を背後から腕を回して私を抱きしめた。
「…気持ちいいよ、未映子っ、私のものだっ」
首筋に父の唇と熱い吐息が当たり、父の大きな手が私の二つの大きな乳房を少し乱暴に揉み始めた。
「あっ、あっ、はっ…んっ、ぁっ」
腰を動かして抽送が始まっているのに、小さな布から飛び出した粒と乳房を一緒に愛撫されて、もう何も考えられなくなる。
はっ、はっ、と、父の息が私の首にかかり、私はベッドボードから右手を離して、背後で抽送のために前後に動いている父の腰を掴んだ。父は、そんな私を見て、ベッドボードを掴む左手を取ると、私の胸の横に指先を絡めて繋いだ。
「気持ち、いいのっ、あっ、あっ」
「私もだっ、未映子っ、っ」
ぷるんぷるんと上下に揺れる乳房が目に入ると、父は私の耳朶を甘噛みしながら囁いた。
「…っ、手が足りないな、もっと可愛がりたいのに」
「あっ、はっ…あっ」
もう膝立ちが辛くなって、ベッドに右手をつけると、左手が解放されたが、今度は腕にも力が入らなくなって、ベッドに頬をつけた。お尻を突き出した事により、抽送しやすくなったのか、父は私の腰を掴むと、抽送を一層早めた。
「あっ、あっ…くっ、いくっ」
何が掴みたくなって手を動かすと、父の枕がそこにあり、抱きしめると、父の匂いに包まれた気がした。
「私もだっ、ぐっ、っ、未映子っ!」
パンッ!と腰が重くぶつかると、父はぷるぷると震え、一気に昂りを膨らませて、熱い証を私の中へと注いだ。
「あっぁああっ!」
勢いよく蜜壺の中に流れた証が、蜜壺の最奥を刺激すると、私も絶頂へと達した。


「はっ…ん、っちゅ…ん、っ」
ベッドの上に座る父の上に跨って座ると、父が持って来た水分を口移しで交互に飲ませた。腰を円を描くように回すと、父の昂りが固くなっていくのが分かって嬉しい。
「悪い子だ」
「お父さんもね」
口から溢れた水が私の首に伝うと、父は舌で水を掬いながら私の肌を這わせた。
「…今度は遠出でもしようか、うんと遠くに行ってさ、デートをしよう」
父の提案に私は嬉しくなって、父の首の後ろへと腕を回すと、父は私のお尻の隙間に指先を忍ばせた。
「うん、恋人みたいに…ッ…あっ」
「もう恋人だろう?」
甘く囁く声に、とろんと全身の力が抜けて、彼の腕の中へと入った。
「…うん」





もう戻れない所まで来たと、猛烈に自覚した。
──本気になったみたい…実の父に
始まりが自慰だったから…本気も何もないけれど、私から父に別れたいと言うつもりはないと、父に抱かれながらそっと目を閉じて、抱かれる幸せを噛み締めていた。
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