上 下
34 / 38

結婚式1

しおりを挟む
先日の雨が嘘のように、見事な晴天が2人の結婚を祝福しているみたいだった




アンナ様が行った大聖堂で簡易的な結婚式を行う事になった

ーー大々的にやろう
アルや周りの人に言われたけど…早くアルのお嫁さんになりたかった私は断った

ーーそれに交友関係もあんまりない人を呼んでも嬉しくないし
そう、私にお友達なんていないのだ……アンナ様はお友達だって勝手に思っているんだけどね

花嫁の準備のため控室に居た私は既に朝から揉まれ、洗われ、大きな鏡の前で自身をみた
純白の胸元の開いたマーメイドラインのドレスに身を包み、胸元のには琥珀とダイヤが一粒ずつ付いたハート型のネックレスと、お揃いのデザインのイヤリング
白いベールとダイヤと琥珀色の粒が沢山ついたティアラが頭に乗せられて、顔にはお化粧もし髪もアップにされまとめられていた

ーー我ながら100点満点ですね
どこも気になるところがなく、普段よりも美人になっている花嫁に大満足していた

今は急な式の準備でバタバタしている関係者達から、もうすぐ式が始まります、との声がかけられるのを待っているだけなので少し暇だった


控室にある真っ白なソファーに座っていると
コンコンとノックされ、はいと答えると入ってきたのは






アルだった



「アルっ!」
驚いてアルを見ると、王家の紋章入りの純白の軍服を着ていた
厚い胸板がまた似合っているので、ぼうっと見惚れる
アルも私を見てじっと凝視する


「………美しい…エリー…俺の花嫁」
私のいるソファーに近寄りながら呟く声は聞こえない
見惚れている私の横に座ると手を取り指先にキスを落とすアル
「…エリー…美しい…やっと夫婦になれる…生涯をかけて貴方を幸せにすると誓うよ」
私の目を真っ直ぐ見て誓うアルに
「ふふっまだ結婚式始まってないのに誓うんですか…でも…嬉しいです……私も…こんなカッコよくて素敵なアルと結婚して夫婦になれるのが、すごく嬉しくて幸せです…私もアルだけを…愛します」
結婚式前なのに誓うアルに笑いが零れてしまったが、なんだか感動してしまって泣きそうになる

「…泣いちゃいそうです…お化粧崩れちゃったら式も台無しになっちゃいます」
ワザと明るく言ってみる
アルは手を伸ばし私の頬に触れる
「…泣いても大丈夫だよ…また直せばいいんだよ」
と言って顔を近づけ唇を啄む
「…んっ…アル…だめ」
アルとのキスは嬉しいけど、式の前だからと肩を軽く押すがビクともしないアル
「…少しだけ」
そのまま口が少し開き口内に入るアルの舌に抵抗出来なくなった私は肩にあった手をアルの頬に移し
アルがくれる濃厚なキスに応え始めた


どのくらいキスをしていたのか
お互いに見つめ合いながら、はあはあと唇同士を少し離し息をしていた、お互いの口から出る息がお互いの口元に当たる

「….アル…愛してます」
「…エリー愛してる」

囁きながらもそのまま、またキスをする
何度か繰り返すと2人の距離は縮まり
アルの膝の上で向かい合いながらピッタリとくっつく2人はキスだけじゃ足りなくなっていた


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

〈短編版〉騎士団長との淫らな秘め事~箱入り王女は性的に目覚めてしまった~

二階堂まや
恋愛
王国の第三王女ルイーセは、女きょうだいばかりの環境で育ったせいで男が苦手であった。そんな彼女は王立騎士団長のウェンデと結婚するが、逞しく威風堂々とした風貌の彼ともどう接したら良いか分からず、遠慮のある関係が続いていた。 そんなある日、ルイーセは森に散歩に行き、ウェンデが放尿している姿を偶然目撃してしまう。そしてそれは、彼女にとって性の目覚めのきっかけとなってしまったのだった。 +性的に目覚めたヒロインを器の大きい旦那様(騎士団長)が全面協力して最終的にらぶえっちするというエロに振り切った作品なので、気軽にお楽しみいただければと思います。

騎士団専属医という美味しいポジションを利用して健康診断をすると嘘をつき、悪戯しようと呼び出した団長にあっという間に逆襲された私の言い訳。

待鳥園子
恋愛
自分にとって、とても美味しい仕事である騎士団専属医になった騎士好きの女医が、皆の憧れ騎士の中の騎士といっても過言ではない美形騎士団長の身体を好き放題したいと嘘をついたら逆襲されて食べられちゃった話。 ※他サイトにも掲載あります。

【R18】はにかみ赤ずきんは意地悪狼にトロトロにとかされる

梗子
恋愛
森の入り口の村に住むクレアは、子どもたちに読み書きを教えて暮らしているごく普通の村娘 そんなクレアは誰にも言えない秘密を抱えていた それは狼男の恋人のロイドがいるということー ある日、村の若者との縁談を勧められるが、そのことがロイドに知られてしまう。 嫉妬に狂ったロイドはクレアを押し倒して… ※★にR18シーンがあります ※若干無理矢理描写があります

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠 結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

巨根王宮騎士の妻となりまして

天災
恋愛
 巨根王宮騎士の妻となりまして

執着系逆ハー乙女ゲームに転生したみたいだけど強ヒロインなら問題ない、よね?

陽海
恋愛
乙女ゲームのヒロインに転生したと気が付いたローズ・アメリア。 この乙女ゲームは攻略対象たちの執着がすごい逆ハーレムものの乙女ゲームだったはず。だけど肝心の執着の度合いが分からない。 執着逆ハーから身を守るために剣術や魔法を学ぶことにしたローズだったが、乙女ゲーム開始前からどんどん攻略対象たちに会ってしまう。最初こそ普通だけど少しずつ執着の兆しが見え始め...... 剣術や魔法も最強、筋トレもする、そんな強ヒロインなら逆ハーにはならないと思っているローズは自分の行動がシナリオを変えてますます執着の度合いを釣り上げていることに気がつかない。 本編完結。マルチエンディング、おまけ話更新中です。 小説家になろう様でも掲載中です。

理想の男性(ヒト)は、お祖父さま

たつみ
恋愛
月代結奈は、ある日突然、見知らぬ場所に立っていた。 そこで行われていたのは「正妃選びの儀」正妃に側室? 王太子はまったく好みじゃない。 彼女は「これは夢だ」と思い、とっとと「正妃」を辞退してその場から去る。 彼女が思いこんだ「夢設定」の流れの中、帰った屋敷は超アウェイ。 そんな中、現れたまさしく「理想の男性」なんと、それは彼女のお祖父さまだった! 彼女を正妃にするのを諦めない王太子と側近魔術師サイラスの企み。 そんな2人から彼女守ろうとする理想の男性、お祖父さま。 恋愛よりも家族愛を優先する彼女の日常に否応なく訪れる試練。 この世界で彼女がくだす決断と、肝心な恋愛の結末は?  ◇◇◇◇◇設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。 本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。 R-Kingdom_1 他サイトでも掲載しています。

処理中です...