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闇の力
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「闇の力が解き放たれたら、光のクリスタルを使い闇の力を封じ込めて共存するしか道はないわ」
「光のクリスタルと…共存」
つまり
「一生このまま屋敷に篭って…て事かな」
ぼそりと独り言が口から出た私を背後から抱きしめるゼン。彼の胸板に頬をつけると、瞳を閉じる。
アクアはそんな私達の成り行きを見守っている。
「闇の力って…何なのですか?」
そもそもの根本の闇の力とは?自分の中にあるよく分からない闇の力に恐怖すら感じる。
「闇の力とは、光を無効にする力ーー全てを無にする力ーーそして負の気持ちの制御が出来なくなる力」
アクアの言っている事に矛盾を感じる。
「光を無効にするなら、光のクリスタルの力で闇の力を封じ込める事など不可能ではないでしょうか」
先程言っていた闇の力が光を無効にするなら、どうやって私が持っている闇の力を封じ込めるのだろうか。
「確かに闇の力を解き放たれた貴方は、光のクリスタルの力で完全には封じ込められないわ…そうよ、ある程度なら可能だけども…」
アクアは云々と悩み始めたので、彼女なりの答えが出るまで待つ事にした。その間顔を上げてゼンの方に視線を向けた。
「ゼン、私は闇の力があるみたいなの…貴方に悪影響を与えてしまう可能性があるから…その…離れた方がいいわ」
この膝の上から降りるのが少し寂しく思いながらも、私は未知数の闇の力を知らないまま、彼に闇の力に当てられて後遺症などになったら、それこそ自分を許さないと思う。
それなのに、ゼンは私の腰を掴む手を強めた。
「この数ヶ月一緒にいるが全く影響はないし、変な気遣いも要らない…俺は俺のやりたいように行動するだけだ」
「ゼン…」
私の頬に手を置いたゼンは、その琥珀色の瞳を細め私へと向けた。
「ミカド…今ココで言うのもなんだが、どうか俺と結婚をしてくれないか?」
「光のクリスタルと…共存」
つまり
「一生このまま屋敷に篭って…て事かな」
ぼそりと独り言が口から出た私を背後から抱きしめるゼン。彼の胸板に頬をつけると、瞳を閉じる。
アクアはそんな私達の成り行きを見守っている。
「闇の力って…何なのですか?」
そもそもの根本の闇の力とは?自分の中にあるよく分からない闇の力に恐怖すら感じる。
「闇の力とは、光を無効にする力ーー全てを無にする力ーーそして負の気持ちの制御が出来なくなる力」
アクアの言っている事に矛盾を感じる。
「光を無効にするなら、光のクリスタルの力で闇の力を封じ込める事など不可能ではないでしょうか」
先程言っていた闇の力が光を無効にするなら、どうやって私が持っている闇の力を封じ込めるのだろうか。
「確かに闇の力を解き放たれた貴方は、光のクリスタルの力で完全には封じ込められないわ…そうよ、ある程度なら可能だけども…」
アクアは云々と悩み始めたので、彼女なりの答えが出るまで待つ事にした。その間顔を上げてゼンの方に視線を向けた。
「ゼン、私は闇の力があるみたいなの…貴方に悪影響を与えてしまう可能性があるから…その…離れた方がいいわ」
この膝の上から降りるのが少し寂しく思いながらも、私は未知数の闇の力を知らないまま、彼に闇の力に当てられて後遺症などになったら、それこそ自分を許さないと思う。
それなのに、ゼンは私の腰を掴む手を強めた。
「この数ヶ月一緒にいるが全く影響はないし、変な気遣いも要らない…俺は俺のやりたいように行動するだけだ」
「ゼン…」
私の頬に手を置いたゼンは、その琥珀色の瞳を細め私へと向けた。
「ミカド…今ココで言うのもなんだが、どうか俺と結婚をしてくれないか?」
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