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強面の男1
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いつものようにカウンター右奥に座り注文を取りに来たミズキに取り敢えずビールをジョッキで頼む
「はいかしこました」と鈴の音のような心地よい声でマスターの元へ向かうミズキを目で追い
先日やっと見せてくれた彼女の服の下にある、豊満で柔らかい胸、きゅっと締まった細い腰、しなやかな脚……そしてメガネの下の澄んだ大きな黒い瞳、化粧が剥がれつるんとした肌の上気した頬、口は瑞々しくキスをせがむ赤いぷっくりした唇、腰にくる彼女の喘ぎ声を思い出しニタリとにやける顔をビールを口に含み誤魔化した
彼女、ミズキとの出会いはこの酒場月の雫で働き始めてすぐだった
週2日程酒場を飲み歩いていた俺、アーサー・ブランクはこの国の騎士団長を務めている当時25歳の男だった
茶色の髪は短く、赤い瞳は鋭い目つきで身体も筋肉で覆われ逞しく190センチの大柄は男女問わず恐れられていた
身体に比例して俺の下半身は大きく、壊れると娼婦にも逃げられモヤモヤした熱をやり過ごすため酒に溺れていた時、今日はココにするかと入った月の雫でミズキに会った
彼女は働き始めて間もないため注文を受け取るタイミングや酒を運ぶ時の危なさに自然と目が離せなくなっていた
それでもまだ新しい人が入ったとしか認識していなかったまま数ヶ月が経ち、気持ちよくビールを呑んでいた時に酔っ払いにしつこく絡まれているミズキを放っておけず、彼女の腕を引いて酔っ払いを諌めた
ーーこの強面の顔に酔っ払いは青ざめ帰ったが
彼女の腕を掴んだ時、まずあまりの細さに驚き
腕を引いたためバランスを崩した彼女が俺の胸元に肩を預け下から見上げられた時にズレたメガネの奥の大きな黒い瞳を見て、吸い込まれそうだと、彼女から目が離せなくなった
ーーあとから彼女に惚れたと自覚したわけだ
己の持つ権限を最大限利用し、その日の内に調査に乗り出した
その後は週3日働いている事、彼女が身分を偽りこの酒場へ働いている事、かの有名なあのカルローイ家の末っ子男爵令嬢と言う事が分かった
彼女が平民ならまだしも希望はあったが、あの男爵家という事で下手に動けない俺は彼女の働く日にせっせと通い詰める
ーー出会ってから約2年…長かった
と彼女との熱い夜を思い出し愉悦するが、側からみればさらに目つきが悪くなっただけで周りの人を恐怖に陥らせる
ミズキいや、ミズナに薬を盛った令嬢は極上の身体をくれ感謝したが拘束したし、このままやり逃げされてたまるかと目の前の彼女への策を立てる
考え事をしていたカウンターにゴトっと置かれたビールジョッキ2杯
視線を上げると背後からカウンターにビールを置いたらしい薄暗い店内でも分かる彼女の赤面した顔
「…この間のお礼です…ご迷惑をお掛けしました」
俺の横に立った彼女の頬を触るとビクッと身体が動き、彼女の耳元へ顔を寄せ
「気にするな…でもかなり無茶をしたから傷が出来ていないか確かめさせてくれ」
あの時この声で喋れば彼女は余計に感じ乱れた低い声をわざと囁けば、思い出したのかぼぅっと目を潤ませ俺を見つめるミズキ
「…でも…大丈夫です…今動けますし」
と掠れた声に俺は
「…俺が心配なんだ、確認させてくれるよな」
部下からも怖くて断れないと評判の表情を彼女にして
仕事終わるまでカウンターで呑むよ、と無理矢理約束を取った
「はいかしこました」と鈴の音のような心地よい声でマスターの元へ向かうミズキを目で追い
先日やっと見せてくれた彼女の服の下にある、豊満で柔らかい胸、きゅっと締まった細い腰、しなやかな脚……そしてメガネの下の澄んだ大きな黒い瞳、化粧が剥がれつるんとした肌の上気した頬、口は瑞々しくキスをせがむ赤いぷっくりした唇、腰にくる彼女の喘ぎ声を思い出しニタリとにやける顔をビールを口に含み誤魔化した
彼女、ミズキとの出会いはこの酒場月の雫で働き始めてすぐだった
週2日程酒場を飲み歩いていた俺、アーサー・ブランクはこの国の騎士団長を務めている当時25歳の男だった
茶色の髪は短く、赤い瞳は鋭い目つきで身体も筋肉で覆われ逞しく190センチの大柄は男女問わず恐れられていた
身体に比例して俺の下半身は大きく、壊れると娼婦にも逃げられモヤモヤした熱をやり過ごすため酒に溺れていた時、今日はココにするかと入った月の雫でミズキに会った
彼女は働き始めて間もないため注文を受け取るタイミングや酒を運ぶ時の危なさに自然と目が離せなくなっていた
それでもまだ新しい人が入ったとしか認識していなかったまま数ヶ月が経ち、気持ちよくビールを呑んでいた時に酔っ払いにしつこく絡まれているミズキを放っておけず、彼女の腕を引いて酔っ払いを諌めた
ーーこの強面の顔に酔っ払いは青ざめ帰ったが
彼女の腕を掴んだ時、まずあまりの細さに驚き
腕を引いたためバランスを崩した彼女が俺の胸元に肩を預け下から見上げられた時にズレたメガネの奥の大きな黒い瞳を見て、吸い込まれそうだと、彼女から目が離せなくなった
ーーあとから彼女に惚れたと自覚したわけだ
己の持つ権限を最大限利用し、その日の内に調査に乗り出した
その後は週3日働いている事、彼女が身分を偽りこの酒場へ働いている事、かの有名なあのカルローイ家の末っ子男爵令嬢と言う事が分かった
彼女が平民ならまだしも希望はあったが、あの男爵家という事で下手に動けない俺は彼女の働く日にせっせと通い詰める
ーー出会ってから約2年…長かった
と彼女との熱い夜を思い出し愉悦するが、側からみればさらに目つきが悪くなっただけで周りの人を恐怖に陥らせる
ミズキいや、ミズナに薬を盛った令嬢は極上の身体をくれ感謝したが拘束したし、このままやり逃げされてたまるかと目の前の彼女への策を立てる
考え事をしていたカウンターにゴトっと置かれたビールジョッキ2杯
視線を上げると背後からカウンターにビールを置いたらしい薄暗い店内でも分かる彼女の赤面した顔
「…この間のお礼です…ご迷惑をお掛けしました」
俺の横に立った彼女の頬を触るとビクッと身体が動き、彼女の耳元へ顔を寄せ
「気にするな…でもかなり無茶をしたから傷が出来ていないか確かめさせてくれ」
あの時この声で喋れば彼女は余計に感じ乱れた低い声をわざと囁けば、思い出したのかぼぅっと目を潤ませ俺を見つめるミズキ
「…でも…大丈夫です…今動けますし」
と掠れた声に俺は
「…俺が心配なんだ、確認させてくれるよな」
部下からも怖くて断れないと評判の表情を彼女にして
仕事終わるまでカウンターで呑むよ、と無理矢理約束を取った
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