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デート1

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LINEに届く新着メッセージを知らせる音がする

「着いた」
目で追った3文字だけの単語が頭で理解すると
小ぶりのショルダーバックを持って玄関へ
廊下を歩いていたら横のドアが開き出てきた柚月
「…デート?」
寝起きなのか頭がボサボサでTシャツに短パンの双子の弟の柚月が顔を出す

「うん!夜までには帰ってくると思う」
真央とのデートが楽しみすぎてにっこり笑顔が溢れる

「……絶対絶対早くね、良い子のチャイムでも…」
17時半に鳴る市内のチャイムまでに帰ってくる様に言ってくる柚月を無視して靴を履く
「…柚月だって明日香と夜まで来ないじゃん」
反論するとうっと黙る柚月に
「じゃあね」
とドアに手をかけ開けて出かけた


柵を開けると待っていたのは真央

夏の日差しが強くて、急いで側に寄り
「お待たせっ」
「いや」
言って腕を絡めるとそのまま手を触れ指を絡める
まだ慣れない密着にわーっと叫びたくなるが、でももっとくっついていたいなと相反する想いが溢れて結局は触れていたいが勝ってくっつく



「暑いね…昨日部活大丈夫だった?」
「ああ…最近は熱中症対策で休憩時間多いから」
他愛のない話をして駅まで歩く
今日はココから電車で1時間程にある新しく出来たモールの映画館で映画を見てご飯食べて帰る予定だ

モールに着くと夏休みのためか10代くらいが多く賑わっていた
マップを探し映画館を探す
「あっ3階みたい」
マップにある映画館を指差してエスカレーターへ向かう
先に乗ると後ろ一段下に乗る真央
振り返り少し話すが、いつもと違う同じ視線の高さに不思議な気持ちになる
2階に着いたので次のエスカレーターに乗る
3階に着くと手を引かれ向かうのは映画館に



赤をベースにした絨毯に黒い縞模様がある映画館に着く
映画の予告が備え付けのテレビに流れている
映画のチラシが並んでいて、窓口に向かう
今日観るのは今流行りのアニメ映画だ
座席も隣同士にして入場時間まで時間があったので、飲み物とポップコーン食べるか聞かれたけど映画の後はご飯と決まっていたので、いらないと言って待合のソファーに座る
テレビに流れる予告編を見ながら
面白そうだね、あぁ、あれは?、スーパーマンみたいだな
などとくすくす笑ってしまうのを真央は微笑む

「…そろそろ時間だな」
真央が呟くと入場開始のアナウンスが流れ手を引かれ従業員にチケットを渡して席へ向かう

真ん中の座席に着くとパラパラと入ってくる人を照らす映画の予告編が始まる
携帯オフにしていると真央が私を除き込んでいることに気がついた
「…なに?」
と小声で聞くと耳元に口を寄せ
「…待ち受け画面2人の写真?」
カッと赤くなった私は、ギュッとスマホを抱きしめた
この間行ったプールで撮った真央が背後から私を抱きしめてカメラを見ている写真だ

ーー見られた見られた見られた


本編開始時間か暗くなるスクリーン内
真央を見て口をパクパクさせる私に、ふっと笑った真央はゆっくり顔を近づけ触れるキスをするとすぐ離れ前を向いた

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