14 / 41
彼の部屋1
しおりを挟む
いつもと同じ帰り道
最寄りの駅まではいつも通りだった
違っているのは…
違っていたのは
ーー今渡辺のお家へ向かっている事だよね
いつもと違う下校コースは同じ最寄り駅でも知らない道があるんだなと、新鮮な気持ちで一緒に歩く
指を絡めた手に引かれ着いた所は茶色い外観の一戸建てで1台分の駐車場スペースがポッカリと空いていた
黒い柵を開けて焦茶の扉に鍵を開け、中に入る渡辺に付いていく
「おじゃまします」
「…どうぞ…今親買い物行ったみたいだから」
玄関に入ると靴を脱ぎ、灰色のスリッパを貸してくれたので、ありがとうと言って履いた
そのまままた手を引かれ廊下を少し歩いた先にあった階段で2階に上がると4つのドアの内の1つの部屋の前に止まりドアを開けて中に入った
ドアの先は、6畳くらいの部屋に小さい窓がひとつ青いカーテンが半分開いていて、白いレースカーテンが外の景色を見えなくしていた
小さい窓の右側に紺色掛け布団のベッドがあり、左側には黒い机に辞書やファイルとランプがありと机の前には黒い椅子があった
机の横には私の肩あたりまである黒い本棚があり、トロフィーや本が所狭しに並んでいた
床には焦茶のストライプ柄の絨毯が敷いてあり、部屋の真ん中に茶色のミニテーブルが置いてあった
「スッキリした部屋だね」
と言って部屋に入った
少し顔が赤くなった渡辺は
「…ここに座って」
と言われた所はミニテーブルの前で、一度部屋から出た渡辺は麦茶の入ったグラス2つとどこからか座布団を持ってきてくれて敷いて座った
2人で並んで座り、教科書とノート筆箱を出して勉強を始めた
しばらくすると、
コンコンとノックする音が聞こえ、開けられるドア
入ってきたのは渡辺とどこか雰囲気が似ているお母さんらしき人
「こんにちは、お邪魔してます」
とペコリと座ったままお辞儀する
「あら、いらっしゃい」
とトレーに載ったショートケーキが2つ持ってミニテーブルの端に置いた
「よかったらこれ、駅前のケーキ屋のなんだけどとっても美味しいのよ」
とニコニコして教科書を片付けていた私の前にケーキを置いた
「ありがとうございます…美味しそうです」
「え~と…何ちゃんかしら?」
ニコニコ待っていたお母さんに
「坂本ゆいかです…よろしくお願いします」
とペコリと頭を下げた
渡辺のお母さんだと思うと緊張してしまって笑顔も引き攣ってしまう
「真央が女の子連れてくるなんてねぇ、いつもは柚月…君だっけ?男のお友達はー」
「母さん…分かったから」
と渡辺は立ち上がりドアの付近へ、お母さんの背を押した
「まぁまぁ、ゆいかちゃん真央と何かあったらすぐに言ってね」
とドアが閉まるまで私を気にしてくれたので
「はい、ありがとうございます」
とお礼を言ったらパタンとドアが閉まった
「あの…気にしなくていいから」
隣に座りながら目元が赤くなった渡辺が怒ったような低い声で言った顔と声が可愛くて
「はぁい」
とクスクス笑いながら返事をした
最寄りの駅まではいつも通りだった
違っているのは…
違っていたのは
ーー今渡辺のお家へ向かっている事だよね
いつもと違う下校コースは同じ最寄り駅でも知らない道があるんだなと、新鮮な気持ちで一緒に歩く
指を絡めた手に引かれ着いた所は茶色い外観の一戸建てで1台分の駐車場スペースがポッカリと空いていた
黒い柵を開けて焦茶の扉に鍵を開け、中に入る渡辺に付いていく
「おじゃまします」
「…どうぞ…今親買い物行ったみたいだから」
玄関に入ると靴を脱ぎ、灰色のスリッパを貸してくれたので、ありがとうと言って履いた
そのまままた手を引かれ廊下を少し歩いた先にあった階段で2階に上がると4つのドアの内の1つの部屋の前に止まりドアを開けて中に入った
ドアの先は、6畳くらいの部屋に小さい窓がひとつ青いカーテンが半分開いていて、白いレースカーテンが外の景色を見えなくしていた
小さい窓の右側に紺色掛け布団のベッドがあり、左側には黒い机に辞書やファイルとランプがありと机の前には黒い椅子があった
机の横には私の肩あたりまである黒い本棚があり、トロフィーや本が所狭しに並んでいた
床には焦茶のストライプ柄の絨毯が敷いてあり、部屋の真ん中に茶色のミニテーブルが置いてあった
「スッキリした部屋だね」
と言って部屋に入った
少し顔が赤くなった渡辺は
「…ここに座って」
と言われた所はミニテーブルの前で、一度部屋から出た渡辺は麦茶の入ったグラス2つとどこからか座布団を持ってきてくれて敷いて座った
2人で並んで座り、教科書とノート筆箱を出して勉強を始めた
しばらくすると、
コンコンとノックする音が聞こえ、開けられるドア
入ってきたのは渡辺とどこか雰囲気が似ているお母さんらしき人
「こんにちは、お邪魔してます」
とペコリと座ったままお辞儀する
「あら、いらっしゃい」
とトレーに載ったショートケーキが2つ持ってミニテーブルの端に置いた
「よかったらこれ、駅前のケーキ屋のなんだけどとっても美味しいのよ」
とニコニコして教科書を片付けていた私の前にケーキを置いた
「ありがとうございます…美味しそうです」
「え~と…何ちゃんかしら?」
ニコニコ待っていたお母さんに
「坂本ゆいかです…よろしくお願いします」
とペコリと頭を下げた
渡辺のお母さんだと思うと緊張してしまって笑顔も引き攣ってしまう
「真央が女の子連れてくるなんてねぇ、いつもは柚月…君だっけ?男のお友達はー」
「母さん…分かったから」
と渡辺は立ち上がりドアの付近へ、お母さんの背を押した
「まぁまぁ、ゆいかちゃん真央と何かあったらすぐに言ってね」
とドアが閉まるまで私を気にしてくれたので
「はい、ありがとうございます」
とお礼を言ったらパタンとドアが閉まった
「あの…気にしなくていいから」
隣に座りながら目元が赤くなった渡辺が怒ったような低い声で言った顔と声が可愛くて
「はぁい」
とクスクス笑いながら返事をした
11
お気に入りに追加
127
あなたにおすすめの小説
隣人は不愛想な警部!大人の階段登りたい男性恐怖症のわたしはロマンチックを所望しています
はなまる
恋愛
念願の保育士になった胡桃沢はつね。彼女は高校生の時乱暴されて以来男性恐怖症だ。それでもやっと念願の一人暮らし。これからは新しい出会いもあると期待していた。ところがある日チャイムが鳴りモニター越しに見えた男性はなんとも無愛想な人で‥‥そしてひょんなことから彼を夕食に招くことになって、なぜか彼には恐い気持ちは浮かばない、それよりもっと別の気持ちが沸き上がる。これってもしかして‥‥でも兄の友人が訪ねて来た。彼がそれを目撃してからは、メールの一つもなくなった。そんなある日はつねは暗い夜道で襲われる。ちょうど通りかかった彼が助けてくれて…はつねは彼に縋りつく。もうわたしからずっと離れないでと… 再投稿です。設定はすべてフィクションになっています。警察組織関係は特に架空設定です。
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
Catch hold of your Love
天野斜己
恋愛
入社してからずっと片思いしていた男性(ひと)には、彼にお似合いの婚約者がいらっしゃる。あたしもそろそろ不毛な片思いから卒業して、親戚のオバサマの勧めるお見合いなんぞしてみようかな、うん、そうしよう。
決心して、お見合いに臨もうとしていた矢先。
当の上司から、よりにもよって職場で押し倒された。
なぜだ!?
あの美しいオジョーサマは、どーするの!?
※2016年01月08日 完結済。
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
二人の甘い夜は終わらない
藤谷藍
恋愛
*この作品の書籍化がアルファポリス社で現在進んでおります。正式に決定しますと6月13日にこの作品をウェブから引き下げとなりますので、よろしくご了承下さい*
年齢=恋人いない歴28年。多忙な花乃は、昔キッパリ振られているのに、初恋の彼がずっと忘れられない。いまだに彼を想い続けているそんな誕生日の夜、彼に面影がそっくりな男性と出会い、夢心地のまま酔った勢いで幸せな一夜を共に––––、なのに、初めての朝チュンでパニックになり、逃げ出してしまった。甘酸っぱい思い出のファーストラブ。幻の夢のようなセカンドラブ。優しい彼には逢うたびに心を持っていかれる。今も昔も、過剰なほど甘やかされるけど、この歳になって相変わらずな子供扱いも! そして極甘で強引な彼のペースに、花乃はみるみる絡め取られて……⁈ ちょっぴり個性派、花乃の初恋胸キュンラブです。
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
一夜限りのお相手は
栗原さとみ
恋愛
私は大学3年の倉持ひより。サークルにも属さず、いたって地味にキャンパスライフを送っている。大学の図書館で一人読書をしたり、好きな写真のスタジオでバイトをして過ごす毎日だ。ある日、アニメサークルに入っている友達の亜美に頼みごとを懇願されて、私はそれを引き受けてしまう。その事がきっかけで思いがけない人と思わぬ展開に……。『その人』は、私が尊敬する写真家で憧れの人だった。R5.1月
Honey Ginger
なかな悠桃
恋愛
斉藤花菜は平凡な営業事務。唯一の楽しみは乙ゲーアプリをすること。ある日、仕事を押し付けられ残業中ある行動を隣の席の後輩、上坂耀太に見られてしまい・・・・・・。
※誤字・脱字など見つけ次第修正します。読み難い点などあると思いますが、ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる