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番外編 冬のアイス クリスマス企画第2弾1 ヤクザの監禁愛
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LOUISVUITTONにCOACH、CHANELにGUCCI、12月になると毎日のようにリビングの隅にある2mのクリスマスツリーのそばに少しずつ置かれるようになった。
***************
クリスマスの飾り付けなんて、人生で絶対にやって来なかった恋人が私のためにクリスマスツリーを購入してくれた。日中に飾り付けをしてライトも付けたら、殺風景だった部屋にクリスマスがやってきた。
私──河合絵梨奈は、恋人の勇人さんの家でいつも過ごしていた。連れてこられた時は気を失っていたから現在の場所はわからないけど…多分どこか有名な都会で、高層ビルのタワーマンションの一室で365日24時間生活している。それ自体には不満はない、だって彼と出会う前の人生なんて思い出せないくらいどうでもいいことだったし、彼と訳あって離れていた3年間はつまらなかったと今ならわかるからだ。無口で大柄な男は愛を囁くよりも、その熱情を毎日のように触れて私の身体に直接ぶつける。
逃げていた3年間が終わると彼は付き合っていた時は違い、私をこのマンションから…ううん、この部屋から出るのを禁止した。スマホを持つのが当たり前の現代で、スマホもない生活はつまらないかと思うかもしれないけど、私にはスマホを見る時間もないくらいに充実していた。
夜帰ってくる勇人さんを迎え、そのまま愛されて夜を過ごすと、朝まで寝かせてもらえない。彼がマンションから出る時間になるとやっと眠れる時間となって、ぐっすりと眠り、起きた時に来る勇人さんの部下のテツさんの奥さんの文香さんが来て、私の話し相手をしながら料理をして時間が過ぎる。ずっと勇人さん以外喋ってなかったから──勇人さんの部下のテツさんは勇人さんよりは話すけど、もう今は文香さんがいるからあんまり会うこともない──楽しかったけど、勇人さんは私が自分以外と話すのを面白くなさそうにしていた。
そんな時、定期的に家にくる雑誌のファッション誌で可愛いバックや気になる香水やアクセサリーのページを、また後で見ようとしていたら、いつの間にかその雑誌の束がなくなって現物が家に置いてある事に気がついた。赤や緑、またはそのブランドカラーで綺麗にラッピングされた箱の中を見たわけじゃないが、ブランドのロゴと形と大きさで私が雑誌で見ていた品かもしれないと思うのは自然な事だった。
──これは…お詫びの品ってことなのかな…?
と、目が覚めて倦怠感の強い身体を起こして、リビングに行くとクリスマスツリーのそばにあるクリスマスに梱包されたブランド品の包みを眺めた。まだ包装用紙や袋に包まれたその品を開けるには、まだ早い気がした。12月に入ってから、勇人さんが少ない口数の中で会合があると言ってからは、本当に夜に会わなくなった日が増えた。会ったら会ったで、離れていた日数を取り戻すかのように、執拗に責められて愛撫もいつもよりも強くなるから、酷くて2日ぐらいベッドから起き上がれない時もあった。
まだ何も言われていないから、開けていいのか判断に困るから置きっぱなしにしているけど、日々増えていくプレゼントの山にそろそろ聞いてみるのもいいかもしれないと思うようになった。
「…今日も遅いのかな」
文香さんは12月になってからは何が言われたのか、来る回数が減った。起き上がるのも一苦労だからそれはそれで助かるけど、1人でいると変な考えばかり浮かぶ。
「…もう、お風呂に入るか」
リビングの外はすっかり日が暮れて、日が沈んでいた。きっと今日は勇人さんは帰って来ないと先にお風呂に入ることにした。
***************
「…あっ、勇人さんおかえりなさい」
ゆっくり湯船に浸かって心身ともにリフレッシュをすると、普段よりも入念にお肌のケアをしてお風呂から出た。ベビーピンクの生地で肩紐と腰回りに黒いラインの入ったキャミソールワンピースを来て、お風呂上がりにアイスを食べようとキッチンにある大型の冷蔵庫へと向かうと、小さな違和感を感じた。なんとなくリビングに目を向けると違和感の主がそこにいた。
リビングの明かりは消えていたが、窓の外から入る明かりで大きなシルエットにしか見えない人が革張りのソファーに座っていた。
この部屋に好き勝手出来るのは決まって勇人さんだから怖くはないけど、誰もいないと思っていたところに誰かいると驚いてしまうものだ。
「風呂に入ってたのか」
「うん、いつ帰ってきたの?」
「さっきだ……絵梨奈」
そう言って黙ってしまうのはいつものことなので、私は冷凍庫に入っていたバニラアイスを取り出して、ビニールを開けていたら、呼ばれたのでペタペタと彼の元へと向かった。
ふんぞり返って座り、ネクタイを外してYシャツのボタンを4つほど取ったら胸板がチラッと見えるし、ウィスキーのグラスを傾けて飲む姿はいやにセクシー過ぎて困る。
「今日はもう出かけないの?」
「ああ、おじきが体調悪いって連絡はいってな、今日の会合は延期になった」
「そうなんだ」
会話をしながら私は、彼の足の上へと向かい合わせになるように座った。気だるげに座る彼は私のお尻を掴み、ちゃんと座れるように支えた。私は彼の太ももの外側に足を曲げて跨いで座ると、それきり黙ってしまった勇人さんは、私がアイスを食べてる姿をじっも見てはウィスキーのグラスを傾けて飲む。
コト、とグラスをソファーの前にあるローテーブルに置くと、私の持っていたアイスの棒を私から取り上げて、細長いバニラアイスを口元へ持ってくると、私の手の代わりに食べさせてくれるらしいと判断した。
「…美味いか」
チラリと上目遣いをして口を開けると、彼はアイスを私の口へと運ぶ。
「…ん」
自分の手で食べないアイスはなんて食べづらいの、と新たな発見をした。アイスの棒を動かされ、ちゅうと舐めてる最中に口から離されるし、口の中に残ったバニラを味わっているとまたアイスが口の中に入ってくる。
「っ、っ」
だけど、勇人さんが私の口内に細長いバニラのアイスを一定の速度で私の口から出し入れしているのに気がつくと、私の頬はさっと赤くなった。
──こっ、これはっ
勇人さんを見ると、相変わらず何を考えているか分からない無表情の顔をしているし、なのに手を動かす速度は一定だ。高級な腕時計をしている彼の手首を掴み、動かないように止めると、私は天井に向かってアイスの先を向けさせたアイスを舌を出して舐めることにした。舌からアイスを掬うように舐めると、ふん、と勇人さんが息を吐く。暖かい室内で溶けるスピードが速くなるアイスを、丁寧に舐めても白い液体のように下へと垂れていき、雫となったバニラアイスは彼の指先を汚していく。
「ん、っ、っ」
彼の指先まで舌を這わせてバニラを舐めとり、ちゅうと吸い付く。またアイス本体に戻るとバニラがぽたぽたと垂れて、彼の指先に口を寄せる。しばらくそれを続けていたら、徐に彼の指がアイスを掴む手を離して、私と彼の身につけていた夜着とスーツを汚して落ちた。
──スーツが汚れちゃった
と思うけど、勇人さんは気にせずに私の口に、バニラのアイスと私の唾液で濡れた人差し指と中指の2本の指先を近づけた。口を大きく開けて彼の指先口に含み、赤ん坊のように吸い付き口の中で舌を這わしながら舐めてると、
「…指がなくなるな」
珍しく笑う彼が居て、新たな表情を見れて胸が一気にドキドキした。口から指先が抜かれると、口いっぱいにあった太い指がなくなって口内が寂しくなり、名残惜しく指先を目で追った。
「絵梨奈」
低く落ち着いた声に呼ばれ視線を上げると、ギラギラと欲情が見える眼差しと視線が絡まる。
「…スーツが」
と数秒前に考えていた事が口から溢れたが、私は勇人さんの首に抱きつき彼の口を塞いだ。
自分から舌を出して、彼の舌を味わう。甘いアイスを食べていたからより苦く感じるアルコールの強い彼の好きなウォッカの味が口内に広がり、それを消すかのように彼の舌に自分の舌を絡めて甘く吸うと、やっと勇人さんの舌が動き出した。私よりも数段に熱く大きな舌が、今度は私の口内に入り、私が彼にしたように同じキスを返される。同じようにしていると思っていたのに私がするのとは違う気がするキスに翻弄されて不思議に思ったけど、勇人さんだから私がそう感じていると思うとあとはどうでも良くなった。
「どうした」
キスに集中していないのかどうかなんて、勇人さんはエスパーのように私の考えが読めるみたいだ。唇を離して間近で問いかけられ、私は彼の首に抱きついた。
「…冷た」
抱きついた拍子にお腹がじんわりと冷えると、アイスの存在を思い出した。彼から身体を離そうとすると、勇人さんは私の背中に手を添えてそれを阻む。
「…気に入らなかったか」
何をと言おうとして、窓のそばにあるプレゼントの山を思い出した。
「プレゼント?」
「…そうだ」
「勝手に開けていいのか分からなかったから、そのままにしていただけ」
気にいる気に入らない以前に、何の説明もなかったけどと苦笑すると、彼は私の髪を撫でた。
「雑誌は誰が持って行ったの?」
私がもう一度見ようと思っていたファッション誌の中は文香さんにだって告げていないのに、同じブランドがあれば雑誌から私の興味があるものを買ったと推測するのが正しいと思う。
「…俺が、テツに渡した」
それだけで、大体の推測は正しかったと満足した。そういえば、最近…というか、文香さんが来てからテツさんとこの家の中で会う事がめっきり減ったと気がついた。
──確か…そうだ、テツさんと一緒に話すの…いい顔してなかったな
と、だからテツさんが来ないように文香さんを入れたんだ。私が心惹かれるのは勇人さんなのに、と言っても彼は知っている、と言いながらも男も──何なら遠い未来、勇人さんは女の人もダメと言わずにこの家から遠ざけそうだと思った。
──まぁいいか、誰もこの部屋に来なくなっても
最近の私はおかしいと感じるようになった。誰か私と勇人さん以外がこの家に入るって、思うと変な感じを覚えるようになったのだ。文香さんはまだ平気だけど、テツさん1人がこのリビングにいたら、と考えるだけで鳥肌が立つようになった。たまにくる文香さんとの時間が唯一の他人とおしゃべり出来る時間だと思っていたのに…彼に愛されて、彼の帰りを待つ時まで1人で待ち続けたいって異常だ。
「…掴まれ」
そう言われて、咄嗟に両手が伸びると彼の身体に抱きついた。抱き上げられ、連れていかれたのは2人だけが入れる寝室。
そっと宝物のようにベッドへと座らされると、彼は私から離れた。
「…待ってろ」
それ以上何も言わずに私に背を向けると、彼は寝室から居なくなり、私は取り残された。お腹に残ったアイスのついたワンピースを脱いで裸になると、空調が効いていて裸でも寒くはなかったが、私はお布団の中へと入る。
──やっぱり綺麗、ここは大都会かもしれない
ベッドから少し離れた場所にある全面ガラス張りの窓の外では、タワーマンションの高いところから綺麗な夜景が見える。こうしてマンションのこの寝室から夜景をじっくり見るのは初めてかもしれないと、改めて普段から彼と過ごしていると他に目が入らないものだと実感する。誰も私を探さないし、私も勇人さん以外を求めてない。なんだか今日は変な思考しかしない日みたいだ。
ふかふかのベッドに耳をつけて、お布団を肩まで隠していた私は微かに彼の歩く音が聞こえる気がした。
「…っ」
寝室の扉が開きっぱなしになっていたのに気がついて、身体が固くなり頬が赤くなる。だけど今更お布団をめくろうとは思わなかった。
扉の開く音も閉じる音も聞こえず、ただ歩く音が聞こえる。2人で寝るには大きなベッドに腰掛けた彼は、羽織っていたバスローブを脱ぐと私が横になっている所までやってきた。
「…勇人さん、きて」
彼が私の布団を取る前に自分から布団を捲ると、勇人さんは私の姿に目を細めた。
「俺が居ない間、気持ちよくなってたのか」
ダメな子だ、と低い声が頭の中に響いて、うん、と答えた声は甘えた音を出す。
くちゅっと聞こえた音は、蜜壺の中に指を入れて気持ち良く──勇人さんを受け入れる準備をしていただけだ、と決して快感を得るためだけじゃないと自分に言い聞かせた。リビングにも私の声が聞こえたかもしれないと思ったけど、この家にいるのは2人だけだからいいか、と開き直る事にした。
「絵梨奈、俺以外で気持ち良くなるなって言ったよな」
──そうだっけ…?
彼は私の行為を咎めるが、もう彼を受け入れる事しか考えられない私は脚を少し広げて彼に強請ることにした。
「早く…きて、ッ…いっぱい…勇人さんので」
「…俺ので?」
「掻き回してっ、突いてほしいっ」
私は下半身を弄る手を止められなくて、舌ったらずになってしまう。ちらりと彼の昂りを見ると、もういつも私の中に入ってくる時と同じくらいに大きく膨れていた。舌で口の端を舐め、また勇人さんと視線を絡ませると、彼の眼差しはより一層キツくなる。
「…脚をもっと開け」
命令されるがまま、目一杯脚を開いて彼の身体に向けて下半身が見えるように向きも変えた。
勇人さんが私の蜜壺の中に入っていた指を抜くと、そのまま自分の口へ持って行き丁寧に舐め始めた。それはまるで──
「…っ、私はっ!アイス…じゃなっ、い」
「さっき、俺の指もそうやって舐めたろ」
私の指を丁寧にひとつずつ舐め、舌を這わす彼の姿に色気があって見惚れてしまい、口にするのが遅れたが、勇人さんは珍しく今日は饒舌だ。
「…ココに入れていいのは、俺だけだ、例え指でも許さない」
機嫌が良いと思ったら唸る声でそう返されて、蜜壺に入っていた私の指先に罰をするかのように甘く噛む。
「っ、わかった、だっ、からっ、早く…きて…は…っぁああ!」
チッ、と舌打ちをした彼は、私の腰を掴むと一気に蜜壺へと昂りを入れた。細い指とは違い太くて固い昂りが入った蜜壺は、彼の昂りをキツく締め付けた。充分に自分の指でほぐしたと思ったけど、全然違ったみたいで、自分の意思に反して下半身の力が抜けない。それよりも、気持ちいいと頭の先までもピリピリとして達した。
「…ぐっ、っ」
勇人さんは私の腰を両手で掴んだまま、上半身を屈めると私の首筋に顔を埋めて腰を上下に動かし始めた。容赦ない抽送はまだイッてる余韻に浸る身体にはキツイのに、ぱんぱんと自分の腰を私のお尻にぶつけるようにするから気持ち良さが長引く。
「あっ、ぁあっ、んんっ」
シーツを掴もうと手を広げると、私の行動に気がついた勇人さんは私の手首を掴んで自身の首の後ろへと回した。
ざらざらした肌は首から背中に掛けてある大きな昇り龍だ。最初は特に気にしなかったが、最近では龍の顔がある付近に手を置いて指先で龍の頭を撫でるように愛おしむのが好きだ。
「はっ、あっ」
決まって肩甲骨のところを触ると、勇人さんは私の首筋を噛み低く唸る。
「…っ、どこまで、俺を夢中にさせるっ」
情事の合間に囁かれる言葉とは裏腹に、まるで私の全てを愛しているような優しい手ではなく攻める手を強める。ピリッとした痛みとヌルリとした彼の舌の熱さに、私も夢中になっていく。
「はっ、あっ」
背が仰け反ると私の背中に彼の腕が入り、最も簡単に私を抱き上げられると、自分の体重で深く繋がり脚を広げて座っでいるから密着した下半身は彼の上でよがり苦しむ。舌の絡まるキスをされた後に、下から突き上げられ、ぷるんぷるんと乳房が上下に揺れた。器用に頭を下げた彼は、私の右の乳房の先の粒を口にすると、強く吸い付く。彼の頭を抱きしめると、下から突き上げた後に勇人さんの腰がゆっくりと前後にスライドする。彼の昂りが私の蜜壺の中であっちこっちを擦り付けたら、じわじわと快感の波が大きくなるのを感じる。
「あっ、あぅ、っ、そこ…はっあ、んんっ!」
下からも乳房も両方を攻められて、しまいには更なる快感を求めて自分からも腰が前後に揺れると、私のお尻に手を回して力一杯掴まれた。形が変わってしまうくらい、ぐっと力が入った彼の手先が私のお尻に食い込み、私が腰を揺らすのを止めた。すると下からズンッと突き上げられたら、彼の昂りが蜜壺の最奥に留まって少ししたら、ドクン、ドクンと蜜壺の中に熱い飛沫を注いだ。
「ぁあっ、あ…っ、いっ…んっ!はぁっ!ぁあっ」
蜜壺の中がヤケドをしてしまいそうなくらい熱い飛沫を受け止めながら私にも絶頂がやってくると、ぎゅうぎゅうと昂りを締め付けて最後の一滴まで搾り取ろうとする。勇人さんの胸に倒れた私を難なく抱きしめる彼の腕の太さにうっとりとしながら、息を整えていると、繋がった部分から彼の注いだ証が出ていくのを感じる。
「…は…ぁ、はぁ」
背中に腕を回して彼の昇り龍の頭を撫でると、勇人さんが低く唸った。
「…今日は、優しくするつもりだった」
ゆっくりとベッドの上に仰向けさせられると、勇人さんは一言そう呟いて私の腰を掴んだまま抽送を始めた。
──今日…は?…何っ、で?
優しくする必要がある日なのか、という疑問は彼の荒々しい抽送でかき消され、どうでも良くなってしまった。
ひと休みすれば、キスをねだって戯れた絵梨奈の行動に、勇人はむらむらと溢れる欲情を女にぶつけた。彼女が少し休むという何も身につけてない綺麗な曲線の後ろ姿を見ただけで、簡単に火がついた勇人は背後から女を貫いて彼なりに愛た。
「……クリスマスイブだってのによ」
香水を付けたように甘い首に、男を夢中にさせる2つの形の良い乳房に、しなやかな残る無数の赤い点がついた背中に、触るたびに柔らかくなるお尻と、勇人を一番に溺れさせるほっそい脚の先にある秘密の花園をたっぷりと堪能した勇人は、気絶して眠る女の髪先を弄りながら独り言が溢れた。
「…コイツのことだ、きっと日付の感覚なんて忘れてるだろう」
なんせ家には時計はあるがカレンダーなどなく、タワーマンションから見える風景は365日大して変わらない。しかも年がら年中空調の効いた部屋で過ごすから、暑いも寒いもない。しかも最近ではテツの嫁も来ないからテレビも見ないと言っていたと、無表情な部下の嫁を思い出そうとしてやめた。
「…どうでもいい、コイツ以外」
携帯も取り上げ、何をしているかなんて普段は知らない。だから取り寄せてる雑誌から女の欲しい物の情報を得たから部下達に集めさせたが、なかなか封を開けて手にしない様子にイライラとはしたが…
「まさか、プレゼントを開けていいか悩んでいたとはな」
珍しく表情筋を動かして苦笑する顔する勇人は、その表情を絵梨奈が見たら、物のプレゼントよりも喜ぶと気が付かないまま、クリスマスイブは過ぎていった。
***************
クリスマスの飾り付けなんて、人生で絶対にやって来なかった恋人が私のためにクリスマスツリーを購入してくれた。日中に飾り付けをしてライトも付けたら、殺風景だった部屋にクリスマスがやってきた。
私──河合絵梨奈は、恋人の勇人さんの家でいつも過ごしていた。連れてこられた時は気を失っていたから現在の場所はわからないけど…多分どこか有名な都会で、高層ビルのタワーマンションの一室で365日24時間生活している。それ自体には不満はない、だって彼と出会う前の人生なんて思い出せないくらいどうでもいいことだったし、彼と訳あって離れていた3年間はつまらなかったと今ならわかるからだ。無口で大柄な男は愛を囁くよりも、その熱情を毎日のように触れて私の身体に直接ぶつける。
逃げていた3年間が終わると彼は付き合っていた時は違い、私をこのマンションから…ううん、この部屋から出るのを禁止した。スマホを持つのが当たり前の現代で、スマホもない生活はつまらないかと思うかもしれないけど、私にはスマホを見る時間もないくらいに充実していた。
夜帰ってくる勇人さんを迎え、そのまま愛されて夜を過ごすと、朝まで寝かせてもらえない。彼がマンションから出る時間になるとやっと眠れる時間となって、ぐっすりと眠り、起きた時に来る勇人さんの部下のテツさんの奥さんの文香さんが来て、私の話し相手をしながら料理をして時間が過ぎる。ずっと勇人さん以外喋ってなかったから──勇人さんの部下のテツさんは勇人さんよりは話すけど、もう今は文香さんがいるからあんまり会うこともない──楽しかったけど、勇人さんは私が自分以外と話すのを面白くなさそうにしていた。
そんな時、定期的に家にくる雑誌のファッション誌で可愛いバックや気になる香水やアクセサリーのページを、また後で見ようとしていたら、いつの間にかその雑誌の束がなくなって現物が家に置いてある事に気がついた。赤や緑、またはそのブランドカラーで綺麗にラッピングされた箱の中を見たわけじゃないが、ブランドのロゴと形と大きさで私が雑誌で見ていた品かもしれないと思うのは自然な事だった。
──これは…お詫びの品ってことなのかな…?
と、目が覚めて倦怠感の強い身体を起こして、リビングに行くとクリスマスツリーのそばにあるクリスマスに梱包されたブランド品の包みを眺めた。まだ包装用紙や袋に包まれたその品を開けるには、まだ早い気がした。12月に入ってから、勇人さんが少ない口数の中で会合があると言ってからは、本当に夜に会わなくなった日が増えた。会ったら会ったで、離れていた日数を取り戻すかのように、執拗に責められて愛撫もいつもよりも強くなるから、酷くて2日ぐらいベッドから起き上がれない時もあった。
まだ何も言われていないから、開けていいのか判断に困るから置きっぱなしにしているけど、日々増えていくプレゼントの山にそろそろ聞いてみるのもいいかもしれないと思うようになった。
「…今日も遅いのかな」
文香さんは12月になってからは何が言われたのか、来る回数が減った。起き上がるのも一苦労だからそれはそれで助かるけど、1人でいると変な考えばかり浮かぶ。
「…もう、お風呂に入るか」
リビングの外はすっかり日が暮れて、日が沈んでいた。きっと今日は勇人さんは帰って来ないと先にお風呂に入ることにした。
***************
「…あっ、勇人さんおかえりなさい」
ゆっくり湯船に浸かって心身ともにリフレッシュをすると、普段よりも入念にお肌のケアをしてお風呂から出た。ベビーピンクの生地で肩紐と腰回りに黒いラインの入ったキャミソールワンピースを来て、お風呂上がりにアイスを食べようとキッチンにある大型の冷蔵庫へと向かうと、小さな違和感を感じた。なんとなくリビングに目を向けると違和感の主がそこにいた。
リビングの明かりは消えていたが、窓の外から入る明かりで大きなシルエットにしか見えない人が革張りのソファーに座っていた。
この部屋に好き勝手出来るのは決まって勇人さんだから怖くはないけど、誰もいないと思っていたところに誰かいると驚いてしまうものだ。
「風呂に入ってたのか」
「うん、いつ帰ってきたの?」
「さっきだ……絵梨奈」
そう言って黙ってしまうのはいつものことなので、私は冷凍庫に入っていたバニラアイスを取り出して、ビニールを開けていたら、呼ばれたのでペタペタと彼の元へと向かった。
ふんぞり返って座り、ネクタイを外してYシャツのボタンを4つほど取ったら胸板がチラッと見えるし、ウィスキーのグラスを傾けて飲む姿はいやにセクシー過ぎて困る。
「今日はもう出かけないの?」
「ああ、おじきが体調悪いって連絡はいってな、今日の会合は延期になった」
「そうなんだ」
会話をしながら私は、彼の足の上へと向かい合わせになるように座った。気だるげに座る彼は私のお尻を掴み、ちゃんと座れるように支えた。私は彼の太ももの外側に足を曲げて跨いで座ると、それきり黙ってしまった勇人さんは、私がアイスを食べてる姿をじっも見てはウィスキーのグラスを傾けて飲む。
コト、とグラスをソファーの前にあるローテーブルに置くと、私の持っていたアイスの棒を私から取り上げて、細長いバニラアイスを口元へ持ってくると、私の手の代わりに食べさせてくれるらしいと判断した。
「…美味いか」
チラリと上目遣いをして口を開けると、彼はアイスを私の口へと運ぶ。
「…ん」
自分の手で食べないアイスはなんて食べづらいの、と新たな発見をした。アイスの棒を動かされ、ちゅうと舐めてる最中に口から離されるし、口の中に残ったバニラを味わっているとまたアイスが口の中に入ってくる。
「っ、っ」
だけど、勇人さんが私の口内に細長いバニラのアイスを一定の速度で私の口から出し入れしているのに気がつくと、私の頬はさっと赤くなった。
──こっ、これはっ
勇人さんを見ると、相変わらず何を考えているか分からない無表情の顔をしているし、なのに手を動かす速度は一定だ。高級な腕時計をしている彼の手首を掴み、動かないように止めると、私は天井に向かってアイスの先を向けさせたアイスを舌を出して舐めることにした。舌からアイスを掬うように舐めると、ふん、と勇人さんが息を吐く。暖かい室内で溶けるスピードが速くなるアイスを、丁寧に舐めても白い液体のように下へと垂れていき、雫となったバニラアイスは彼の指先を汚していく。
「ん、っ、っ」
彼の指先まで舌を這わせてバニラを舐めとり、ちゅうと吸い付く。またアイス本体に戻るとバニラがぽたぽたと垂れて、彼の指先に口を寄せる。しばらくそれを続けていたら、徐に彼の指がアイスを掴む手を離して、私と彼の身につけていた夜着とスーツを汚して落ちた。
──スーツが汚れちゃった
と思うけど、勇人さんは気にせずに私の口に、バニラのアイスと私の唾液で濡れた人差し指と中指の2本の指先を近づけた。口を大きく開けて彼の指先口に含み、赤ん坊のように吸い付き口の中で舌を這わしながら舐めてると、
「…指がなくなるな」
珍しく笑う彼が居て、新たな表情を見れて胸が一気にドキドキした。口から指先が抜かれると、口いっぱいにあった太い指がなくなって口内が寂しくなり、名残惜しく指先を目で追った。
「絵梨奈」
低く落ち着いた声に呼ばれ視線を上げると、ギラギラと欲情が見える眼差しと視線が絡まる。
「…スーツが」
と数秒前に考えていた事が口から溢れたが、私は勇人さんの首に抱きつき彼の口を塞いだ。
自分から舌を出して、彼の舌を味わう。甘いアイスを食べていたからより苦く感じるアルコールの強い彼の好きなウォッカの味が口内に広がり、それを消すかのように彼の舌に自分の舌を絡めて甘く吸うと、やっと勇人さんの舌が動き出した。私よりも数段に熱く大きな舌が、今度は私の口内に入り、私が彼にしたように同じキスを返される。同じようにしていると思っていたのに私がするのとは違う気がするキスに翻弄されて不思議に思ったけど、勇人さんだから私がそう感じていると思うとあとはどうでも良くなった。
「どうした」
キスに集中していないのかどうかなんて、勇人さんはエスパーのように私の考えが読めるみたいだ。唇を離して間近で問いかけられ、私は彼の首に抱きついた。
「…冷た」
抱きついた拍子にお腹がじんわりと冷えると、アイスの存在を思い出した。彼から身体を離そうとすると、勇人さんは私の背中に手を添えてそれを阻む。
「…気に入らなかったか」
何をと言おうとして、窓のそばにあるプレゼントの山を思い出した。
「プレゼント?」
「…そうだ」
「勝手に開けていいのか分からなかったから、そのままにしていただけ」
気にいる気に入らない以前に、何の説明もなかったけどと苦笑すると、彼は私の髪を撫でた。
「雑誌は誰が持って行ったの?」
私がもう一度見ようと思っていたファッション誌の中は文香さんにだって告げていないのに、同じブランドがあれば雑誌から私の興味があるものを買ったと推測するのが正しいと思う。
「…俺が、テツに渡した」
それだけで、大体の推測は正しかったと満足した。そういえば、最近…というか、文香さんが来てからテツさんとこの家の中で会う事がめっきり減ったと気がついた。
──確か…そうだ、テツさんと一緒に話すの…いい顔してなかったな
と、だからテツさんが来ないように文香さんを入れたんだ。私が心惹かれるのは勇人さんなのに、と言っても彼は知っている、と言いながらも男も──何なら遠い未来、勇人さんは女の人もダメと言わずにこの家から遠ざけそうだと思った。
──まぁいいか、誰もこの部屋に来なくなっても
最近の私はおかしいと感じるようになった。誰か私と勇人さん以外がこの家に入るって、思うと変な感じを覚えるようになったのだ。文香さんはまだ平気だけど、テツさん1人がこのリビングにいたら、と考えるだけで鳥肌が立つようになった。たまにくる文香さんとの時間が唯一の他人とおしゃべり出来る時間だと思っていたのに…彼に愛されて、彼の帰りを待つ時まで1人で待ち続けたいって異常だ。
「…掴まれ」
そう言われて、咄嗟に両手が伸びると彼の身体に抱きついた。抱き上げられ、連れていかれたのは2人だけが入れる寝室。
そっと宝物のようにベッドへと座らされると、彼は私から離れた。
「…待ってろ」
それ以上何も言わずに私に背を向けると、彼は寝室から居なくなり、私は取り残された。お腹に残ったアイスのついたワンピースを脱いで裸になると、空調が効いていて裸でも寒くはなかったが、私はお布団の中へと入る。
──やっぱり綺麗、ここは大都会かもしれない
ベッドから少し離れた場所にある全面ガラス張りの窓の外では、タワーマンションの高いところから綺麗な夜景が見える。こうしてマンションのこの寝室から夜景をじっくり見るのは初めてかもしれないと、改めて普段から彼と過ごしていると他に目が入らないものだと実感する。誰も私を探さないし、私も勇人さん以外を求めてない。なんだか今日は変な思考しかしない日みたいだ。
ふかふかのベッドに耳をつけて、お布団を肩まで隠していた私は微かに彼の歩く音が聞こえる気がした。
「…っ」
寝室の扉が開きっぱなしになっていたのに気がついて、身体が固くなり頬が赤くなる。だけど今更お布団をめくろうとは思わなかった。
扉の開く音も閉じる音も聞こえず、ただ歩く音が聞こえる。2人で寝るには大きなベッドに腰掛けた彼は、羽織っていたバスローブを脱ぐと私が横になっている所までやってきた。
「…勇人さん、きて」
彼が私の布団を取る前に自分から布団を捲ると、勇人さんは私の姿に目を細めた。
「俺が居ない間、気持ちよくなってたのか」
ダメな子だ、と低い声が頭の中に響いて、うん、と答えた声は甘えた音を出す。
くちゅっと聞こえた音は、蜜壺の中に指を入れて気持ち良く──勇人さんを受け入れる準備をしていただけだ、と決して快感を得るためだけじゃないと自分に言い聞かせた。リビングにも私の声が聞こえたかもしれないと思ったけど、この家にいるのは2人だけだからいいか、と開き直る事にした。
「絵梨奈、俺以外で気持ち良くなるなって言ったよな」
──そうだっけ…?
彼は私の行為を咎めるが、もう彼を受け入れる事しか考えられない私は脚を少し広げて彼に強請ることにした。
「早く…きて、ッ…いっぱい…勇人さんので」
「…俺ので?」
「掻き回してっ、突いてほしいっ」
私は下半身を弄る手を止められなくて、舌ったらずになってしまう。ちらりと彼の昂りを見ると、もういつも私の中に入ってくる時と同じくらいに大きく膨れていた。舌で口の端を舐め、また勇人さんと視線を絡ませると、彼の眼差しはより一層キツくなる。
「…脚をもっと開け」
命令されるがまま、目一杯脚を開いて彼の身体に向けて下半身が見えるように向きも変えた。
勇人さんが私の蜜壺の中に入っていた指を抜くと、そのまま自分の口へ持って行き丁寧に舐め始めた。それはまるで──
「…っ、私はっ!アイス…じゃなっ、い」
「さっき、俺の指もそうやって舐めたろ」
私の指を丁寧にひとつずつ舐め、舌を這わす彼の姿に色気があって見惚れてしまい、口にするのが遅れたが、勇人さんは珍しく今日は饒舌だ。
「…ココに入れていいのは、俺だけだ、例え指でも許さない」
機嫌が良いと思ったら唸る声でそう返されて、蜜壺に入っていた私の指先に罰をするかのように甘く噛む。
「っ、わかった、だっ、からっ、早く…きて…は…っぁああ!」
チッ、と舌打ちをした彼は、私の腰を掴むと一気に蜜壺へと昂りを入れた。細い指とは違い太くて固い昂りが入った蜜壺は、彼の昂りをキツく締め付けた。充分に自分の指でほぐしたと思ったけど、全然違ったみたいで、自分の意思に反して下半身の力が抜けない。それよりも、気持ちいいと頭の先までもピリピリとして達した。
「…ぐっ、っ」
勇人さんは私の腰を両手で掴んだまま、上半身を屈めると私の首筋に顔を埋めて腰を上下に動かし始めた。容赦ない抽送はまだイッてる余韻に浸る身体にはキツイのに、ぱんぱんと自分の腰を私のお尻にぶつけるようにするから気持ち良さが長引く。
「あっ、ぁあっ、んんっ」
シーツを掴もうと手を広げると、私の行動に気がついた勇人さんは私の手首を掴んで自身の首の後ろへと回した。
ざらざらした肌は首から背中に掛けてある大きな昇り龍だ。最初は特に気にしなかったが、最近では龍の顔がある付近に手を置いて指先で龍の頭を撫でるように愛おしむのが好きだ。
「はっ、あっ」
決まって肩甲骨のところを触ると、勇人さんは私の首筋を噛み低く唸る。
「…っ、どこまで、俺を夢中にさせるっ」
情事の合間に囁かれる言葉とは裏腹に、まるで私の全てを愛しているような優しい手ではなく攻める手を強める。ピリッとした痛みとヌルリとした彼の舌の熱さに、私も夢中になっていく。
「はっ、あっ」
背が仰け反ると私の背中に彼の腕が入り、最も簡単に私を抱き上げられると、自分の体重で深く繋がり脚を広げて座っでいるから密着した下半身は彼の上でよがり苦しむ。舌の絡まるキスをされた後に、下から突き上げられ、ぷるんぷるんと乳房が上下に揺れた。器用に頭を下げた彼は、私の右の乳房の先の粒を口にすると、強く吸い付く。彼の頭を抱きしめると、下から突き上げた後に勇人さんの腰がゆっくりと前後にスライドする。彼の昂りが私の蜜壺の中であっちこっちを擦り付けたら、じわじわと快感の波が大きくなるのを感じる。
「あっ、あぅ、っ、そこ…はっあ、んんっ!」
下からも乳房も両方を攻められて、しまいには更なる快感を求めて自分からも腰が前後に揺れると、私のお尻に手を回して力一杯掴まれた。形が変わってしまうくらい、ぐっと力が入った彼の手先が私のお尻に食い込み、私が腰を揺らすのを止めた。すると下からズンッと突き上げられたら、彼の昂りが蜜壺の最奥に留まって少ししたら、ドクン、ドクンと蜜壺の中に熱い飛沫を注いだ。
「ぁあっ、あ…っ、いっ…んっ!はぁっ!ぁあっ」
蜜壺の中がヤケドをしてしまいそうなくらい熱い飛沫を受け止めながら私にも絶頂がやってくると、ぎゅうぎゅうと昂りを締め付けて最後の一滴まで搾り取ろうとする。勇人さんの胸に倒れた私を難なく抱きしめる彼の腕の太さにうっとりとしながら、息を整えていると、繋がった部分から彼の注いだ証が出ていくのを感じる。
「…は…ぁ、はぁ」
背中に腕を回して彼の昇り龍の頭を撫でると、勇人さんが低く唸った。
「…今日は、優しくするつもりだった」
ゆっくりとベッドの上に仰向けさせられると、勇人さんは一言そう呟いて私の腰を掴んだまま抽送を始めた。
──今日…は?…何っ、で?
優しくする必要がある日なのか、という疑問は彼の荒々しい抽送でかき消され、どうでも良くなってしまった。
ひと休みすれば、キスをねだって戯れた絵梨奈の行動に、勇人はむらむらと溢れる欲情を女にぶつけた。彼女が少し休むという何も身につけてない綺麗な曲線の後ろ姿を見ただけで、簡単に火がついた勇人は背後から女を貫いて彼なりに愛た。
「……クリスマスイブだってのによ」
香水を付けたように甘い首に、男を夢中にさせる2つの形の良い乳房に、しなやかな残る無数の赤い点がついた背中に、触るたびに柔らかくなるお尻と、勇人を一番に溺れさせるほっそい脚の先にある秘密の花園をたっぷりと堪能した勇人は、気絶して眠る女の髪先を弄りながら独り言が溢れた。
「…コイツのことだ、きっと日付の感覚なんて忘れてるだろう」
なんせ家には時計はあるがカレンダーなどなく、タワーマンションから見える風景は365日大して変わらない。しかも年がら年中空調の効いた部屋で過ごすから、暑いも寒いもない。しかも最近ではテツの嫁も来ないからテレビも見ないと言っていたと、無表情な部下の嫁を思い出そうとしてやめた。
「…どうでもいい、コイツ以外」
携帯も取り上げ、何をしているかなんて普段は知らない。だから取り寄せてる雑誌から女の欲しい物の情報を得たから部下達に集めさせたが、なかなか封を開けて手にしない様子にイライラとはしたが…
「まさか、プレゼントを開けていいか悩んでいたとはな」
珍しく表情筋を動かして苦笑する顔する勇人は、その表情を絵梨奈が見たら、物のプレゼントよりも喜ぶと気が付かないまま、クリスマスイブは過ぎていった。
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