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リクエスト 姫初め クリスマスに彼氏
しおりを挟むクリスマスに彼氏が出来た。
それは突然の事で、クリスマスに寄ったレストランで食事をした後、そこから私の住むマンションへと帰る途中、エントランスの両脇に住民専用の駐車場がある珍しいタイプのマンションの駐車場で、車内灯がつきっぱなしの青い軽自動車があった。
駐車場の地面には車の所有者の住む部屋番号が書いてあり、兄が整備工場に勤めている事もあって運転免許がないのに、車に詳しくなった私は、お節介を承知で青い軽自動車の持ち主に伝える事にしたのだ。
「…それが、クリスマスに寄ったレストランの店長で、付き合う事になったんだけど」
「どうしたの?」
ぼそりと独り言が漏れてしまった私――大津莉奈の声に反応した彼――稲田新は、キッチンで年越し用のそばを茹でていた私の近くにやってきた。
年中シフト制の彼とは違い私は冬季休暇に入った私は、この3日間、自分の家に戻るけど稲田さんが自宅に戻る時間に、スマホに入った連絡で彼の家へと向かっている。深夜のシフトの時は事前の連絡はないが、午前中だったり、夕方だったり、その日によって違い店長だからかすごく働く時間も長い。
同じマンションに住む住民だから、付き合いはじめてからまだ1週間もしていないのに、彼の部屋で寝泊まりしている。軽いキスなら数回したけど、まだ清い関係だ。クリスマスに告白されてから、お互いを知る期間というか…他愛のないおしゃべりして一緒のベッドで眠るだけの生活へと変化しつつあった。
「ううん、もうすぐそばが茹で終わるって言っただけ」
「そう?お皿出すね」
「うん、お願い」
まさか聴こえていると思ってなくて、咄嗟に目に入ったお鍋で茹でている蕎麦のことにした。すると、彼はキッチンの備え付けの棚の上部を開けて、お皿を取り出す。
2LDKの間取りの部屋はキッチンが壁際にそって付いていて、2人で並ぶと少し肩がぶつかりそうになるのは、このマンションが単身者向けか、コンパクトマンションと言われる狭い賃貸物件だからかもしれない。
「…はい、つゆの完成ー」
私の部屋から持ってきたトレーに、お椀型のお皿に作ったばかりのつゆ2つを載せ、大きなお皿には2人分のそばを盛った。
「じゃ、持っていくよ」
そう言って笑顔になる稲田さんは、トレーを持ってダイニング兼リビングにあるローテーブルに持っていく。その時に、彼の額にある髪が動いた。いつも仕事に行く時に黒髪を後ろに撫でつけた姿から、仕事が終わりシャワーを浴びて髪を下ろしているリラックスしている姿に変わってる。
35歳と言っていた彼は髪を下ろすと少し幼い感じがして、28歳の私と同い年ぐらいに見える…のは、きっと気のせいじゃない。お互いシャワーは浴びて黒いジャージの稲田さんと、自分の部屋から着てきたグレーのスウェットの私。今日も彼の家に泊まるつもりで――大晦日の次の日、つまり1月1日に日の出が出る前に、近くの神社に初詣をする予定のため、2人で過ごした方がいいと決まった。
ローテーブルに置いたトレーの前に座る稲田さんを見て、お箸を2膳持って私も稲田さんの前に座った。
「ハッピーニューイヤー!」
蕎麦を食べ終わって少しすると、新年のお祭り騒ぎのテレビを消して、寝る事にした。洗面所の横の扉を開くと、床に敷いた布団と毛布が部屋の中央にある。
定位置になりつつある左側の先にお布団の中に入った私は、彼が来るのを待った。
うとうとしていると、彼が私の右側の空いた場所に入り、シンとなる。何の音もしない真っ暗な部屋で、一度寝返りを打つと暗がりになれた目が、彼は私の方を向いて頭の下に左手を挟んで目を瞑る彼が見えた。
寝ちゃった、と思いとしばらく彼を見つめていたら、
「…寝れないの?」
と、目を閉じた彼が喋ったものだから、すごく驚いた。
「…ううん、もう寝ようと思ったんだけど…」
本当に寝ようと思っていたけど、思わずじっと凝視してしまった。
「…そう」
そう言って頭の下から左手を出し、腕を伸ばして私の首と枕の隙間に腕を入れた。さっきよりも密着する身体、彼の口が私の額に触れそうなくらい近い。
「莉奈ちゃん」
彼に呼ばれ上を向くと彼の顔が私の顔に近づき、唇が重なる。ちゅっ、ちゅっ、とリップ音が増えて、啄むキスにドキドキと胸が高鳴っている。触れるだけだった口づけから、だんだんと重なっている時間が長くなると、口を開けると彼の舌が入ってきた。彼の舌が私の歯列をなぞり、内頬に満遍なく舌を這わし、私の舌を強く吸い貪るような濃厚なキスとなる。今まで唇が触れ合うだけのキスだったのに、私の呼吸まで飲み込んでしまうキスは初めてで、戸惑ってしまうけど次第に彼の口づけに慣れて、自分からも応えるようになる。口づけが深くなるにつれて、2人の身体の距離も縮まる。キスをしながら起き上がった彼が私の身体に覆い被さると、彼の体重が私に掛かる。
「…莉奈ちゃん…いい…?」
口づけを離した稲田さんにそう言われて、聞いたことのない切迫詰まった声にドキドキする。
「…うん」
私の返事を待って首に舌を這わし、稲田さんの手が私の胸をスウェットの上から揉み始める。擽ったくて身体を捩ると、彼の手が服の中に入ってきて、針金のないスポーツブラみたいな布とゴムのナイトブラに彼の指先が当たる。
両手で私の乳房を揉み始める稲田さんは膝を立てると、お布団の中へと消えていった。お布団がズレて寒くなったスウェットが、体温が上昇している胸を冷やしていく。
「…んっ…っ」
彼の姿が見えないのにだんだんと下半身が盛り上がり、どこにいるのかが分かる。彼の両手が私のスウェットのゴムにつき、膝を曲げるとお尻を少し上げてズボンを脱がしやすくすると、彼は私のズボンを下着ごと下ろした。お尻に当たるシーツが温く感じ、両足を上げられた。下生えに感じたのはヌルッとした温かい舌で、丁寧に舌を這わしていく稲田さんは、私の太ももの裏に手を置いて足を固定した。下生えを喰みツンツンと引っ張られる。
「…っ、ん」
お尻の方へ移動した彼は、蜜口の縁を舌でなぞって蜜口に侵入する。彼の舌が蜜口を広げ、中から溢れる蜜を啜る。
「あっ、あっ…あっ」
掴むところが欲しくて枕の端を掴むと、背がのけ反り快感が全身に巡る。身体に掛かっているのでお布団からは音がしないのに、彼の舌が蜜壺に入って掻き乱す音が聞こえる気がする。
舌が蜜口から抜けて下生えに舌を這わすと、蜜壺に快感が起きなくなり、物足りなくなって蜜壺がきゅんとするのを感じた。無意識のうちに腰が揺れてしまうと、下生えを丹念に舐めていたはずだったのに、固いものが私の蜜壺に入っていった。クネクネと指が曲がり、固いものが別れたと思ったらパラパラと前後に動く。その時になって始めて、彼の指が何本か入っている事に気がついた。
溢れる蜜がお尻を伝うのを感じる、後を追うように彼の舌が蜜に舌を這わし舐めとる。その舌にも感じてしまい、お尻が動いてしまう。
「あっ、あ…あっ、ん、ん」
甘い声が漏れ始めると、蜜壺の中にある指の動きが執拗になっていく。
もっこりと盛り上がっていくお布団が大きくなると、彼は上体を起こし私の顔の横に肘をついた。お互いの鼻がぶつかり、貪るように口づけを交わす。足を持ち上げられたと同時に、昂りが蜜口に当たり蜜壺がいっぱいに広がっていく。蜜壺を広げながら昂りがズズッと入っていく、溢れてる蜜が潤滑油のように昂りの滑りをよくしていく。彼の首の後ろへ腕を回し、顔の角度をなん度も何度も変えて、離れそうになる彼の舌に強く吸い付く。激しく貪る口づけが終わったのは、彼の腰が動き出した時だった。
「ん、っあ、あ、あ、っ」
彼の首に頬をつけて、突き上げられる甘い衝撃に耐えられずに声が出てしまう。
「っ…りなちゃ…っ!はっ、…っ」
前後に動く彼の腰からだんだんとお布団がずり落ちると、冷たい空気が火照った2人の身体を冷やし、結合部からの粘音と肌のぶつかる音がスパイスみたいに私達を焚きつける。
彼が蜜壺の奥深くまで激しく腰をぶつけ、私は微かに腰が前後に動き色々な角度に入る昂りを締め付ける。お互いが絶頂に向け、ただただ想いをぶつけ合っていると、その時がやってくる。
「ん、んんっーー!」
「はっ…ぁっ…っ!」
大きく腰をスライドされ、ズンッとひと突きされると、目の前が真っ白になり何も考えられなくなる。背がのけ反って彼の胸板のジャージに私のスウェットが当たり、足先が丸まって全身が強張る。蜜壺の中にある昂りをぎゅぅぅっと締め付けていると、大きく膨れた昂りがズルッと蜜壺から抜けた。熱い飛沫が下半身に掛かり、それにまた感じてしまう。固い存在感が蜜壺から居なくなった、と気がついた時に、彼の昂りの先端が私の下生えに押しつけられていた。むくむくと大きくなっている昂りを感じ、彼の首から腕を解き、彼の両腕を私の手のひらが伝い、顔の横にある肘から彼の両手に触れると、指先が絡まった。
「はぁ、ん…は…ぁ」
全力疾走した後の呼吸も落ちついたら、すぐそばに稲田さんの顔がある事に気がついた。彼の頬に触れるだけのキスをすると、顔をずらして唇同士が重なるキスへと変わる。
「…っ…もう少し付き合える…?」
「…あ…うん」
高ぶった固い昂りを下生えに押しつけられ、ぬちゃぬちゃと擦れる音が聞こえて、頬が赤くなり恥ずかしくなってしまう。
「…待ってて」
私の額にキスを落とした彼が、一度起き上がり私に背を向けて服を脱いでいく。床に服を落としながら全裸になると、部屋から出て行ってしまい、1人ポツンと取り残された。
1人きりになった私も起き上がると、布団の上で伸ばした生足が視界に入る。暗い部屋でも慣れた眼は、白い証がべったりついた足が見える。ティッシュを探そうと当たりを見渡すと、彼が戻ってきた。
「…ああ、ごめん」
そう言って扉の近くにあったティッシュ箱とゴミ箱を持ち、私の元へやってきた。ペタペタと裸足で歩く彼はやっぱり全裸で、昂りが太く天井に向かって勃ち上がっていた。
そのまま布団に膝をつき、ティッシュペーパーで軽く拭いては、ゴミ箱へ入れていく。綺麗にしてもらっているだけなのに、拭う仕草がえっちぃのは気のせいじゃない。
「…ん」
片足を上げて、と私の声に反応した彼の掠れた声に言われるがまま足を曲げると、お尻の下の布団も拭い、ゴミ箱に丸まったティッシュを捨てた。両足を曲げたままだったのに、彼が私の足の間に身体を入れると、彼の昂りの側面が下生えに付く。ゴミ箱の横に置いた正方形の包みパックを開けて袋をゴミ箱に捨てると、八切れそうなほど太い彼の昂りにコンドームを装着した。
「稲田…さん」
「…新って、呼んで」
私の返事を待たずに、彼の昂りが下生えの下に消えていった。
「はっ、あっ…んんっ」
さっきまで繋がっていた蜜壺は昂りを難なく受け止め、スムーズに入っていく。下半身同士がぴたりと重なると、彼の膝の上へと乗った。彼の腰に足を巻き付けると、彼の両手でスウェットを脱がされ、黒いスポーツブラのみが残る。もう待てないのか、下からの突き上げが始まり、私は落ちないように彼の肩に両手をつけた。お互い啄みながら――唇がぶつかる口づけをする。
「あ、あっんんふっ、っ」
身体が上下に揺れる中、舌を出すと彼も舌を出す。空気中に触れる舌は、もどかしくてもお互いの舌を追いかける。
口元から溢れた唾液が、お互いの顎や胸元に落ち、それさえも快感に変わる。
「あっ、あっ、あらたさ…新さんっ」
「はっ、はっ、莉奈ちゃんっぐっ…っ」
本日2度目とはいえ、下からの突き上げに我慢が出来なくて絶頂に達した。ぎゅうぅぅっと蜜壺に力が入ると、膨れた昂りが弾けた。
繋がったまま背後に倒され、布団の上で仰向けになると、一度蜜壺から昂りから抜けた。ぼうっと天井を見ていた私に、彼がもう一度覆い被さり、啄むキスを落とした。
「…新さん」
彼の首の後ろへと腕を回すと、深くなる口づけ。
「…初詣は…午後になるかもしれないっ」
「…ん…わかっ…たぁっ、あっ、あっ」
また入った彼の昂りは、一気に私を貫き休む間もなく抽送が始まった。お互いの手を重ね、指を絡めるとぐんと甘い雰囲気が2人を包む。ペロっと舌で唇を舐める、視線を絡ませ口づけをする。それだけでタガが外れた2人の夜が、こうして終わりの見えない蜜事が始まった。
新年の初日の出が出て随分と経ってから、起きた2人は清めると言っては、ちょっかいを出したりして、いちゃいちゃばかりしている甘い新年は、クリスマスの時よりも2人の距離を縮めたのだった。
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