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番外編 売れっ子は我慢出来ない 投稿9ヶ月記念小説 売れっ子タレントとマネージャー
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今や知らない人はいない、配信動画で表示される広告、CMやバラエティ番組のテレビに出ない日はない、時の人となっている"まりりん"ことーー真中莉乃21歳。
変わらずのカフェモカの長髪は、手入れがされていて頭のてっぺんに天使の輪、キューティクルで艶が良く、最近では髪も伸ばしていてもうすぐロングの部類に入る。小さな顔とは反対の豊満な胸、白いキメの細かい肌と腰が細くて、足が長く美しい。スタイルが抜群によく、去年抜擢された日焼け止めクリームのイメージキャラクターを務め、初めて全国区で流れたテレビCMが全身水着姿の完璧さに人気は国民的となった。
ここ数年"なりたい顔ランキング""彼女にしたいランキング""結婚したいランキング"の上位常連でもある彼女は、売れに売れていた。
そんな彼女には、変化が訪れていた。
ーーそれは…
「では、大型家電は全て設置が終わりました。数字が書いてある他の段ボールは、各部屋に全て置きましたので…こちらに受領サインを頂いてもよろしいですか?」
「ああ、ご苦労さん」
書き慣れたサインを書く大きな身体の男性に気圧されながら、数名の引っ越し業者は新居から居なくなった。新幹線の停車駅もあり、全国へと行ける空港へも直結で行ける交通の便が良い築2年の地上32階建ての最上階の一室を現金で購入した大男。5LDKSの対面大理石のキッチン、25帖のリビングと全部屋12帖以上の部屋、追加収納部屋としてある、サービスの部屋はそれでも6帖という大きさ。トイレも2か所あり、お風呂はシャワーのみの個室1つと浴槽が付いたお風呂場の2つ。
ほぼ家電と全ての部屋の家具を業者に設置してもらったので、段ボールに詰めた荷物を開けるだけだ。
自分の部屋となる書斎にある段ボールを開けて本を棚へ入れ終わると、少しばかり休憩しようと主寝室へと向かう。大男が3人寝ても丈夫な特注の黒をベースにしたベッドが置いてある。ベッドの横にはスタンドライトがあり、コンセントを差し込むと、暖色系ライトが付いた。
この家の中にある全ての物は全て恋人と一緒に選び購入した物で、引っ越しの際に新たに設置した。
ーーこのベッドだけは、前住んでいた所から持ってきた物だけどな
これから過ごす恋人との時間にほくそ笑む大男だったが、誰かが家の中に入る気配を感じ取り笑顔が消えた。
***************
「…藤原?引っ越し終わった?」
深く被ったツバの広い帽子と白いマスク、そしてフード付きのグレーのパーカーと紺色のロングワンピースを着た、売れっ子タレントの"まりりん"が家の扉の鍵を開けて入る。オートロックのため、扉が閉まったら鍵が自然と締まる。
新しい新居に相応しいモコモコの白いスリッパを鞄から取り出して、靴からスリッパへと履き替える。広い玄関には既に壁に掛かった大きなフレームに入ったモノクロの花の写真が飾られ、シューズボックスの横に数字が書かれた段ボールが積み重なっている。長い廊下を歩いてリビングへと向かう途中で藤原が出てきたので、条件反射で抱きついた。
「っ!まぁっ!」
急に抱きつかれ後ろへと数歩下がった大男は、咎める声を出したが、難なく"まぁ"と呼ばれた彼女を抱きしめた。帽子もマスクも乱暴に取って、見つめ合う2人は視線を絡ませた。
「…藤原」
彼女の甘えた声に逆らう事など出来ずに、顔を寄せた藤原と呼ばれた大男は彼女の唇に自分の唇を重ねた。
2人はタレントとマネージャー兼ボディーガードという関係から、恋人同士となったのはおよそ1年半前。タレントとしてデビューした時から、二人三脚でやってきたのだが信頼から愛へと変わるのは必然だった。忙しくなるまりりんを支え、いつでも無限の愛を注いでいたのだが、入れ替わり立ち替わりが激しい業界で干されるどころか、忙しくなり仕事が途切れる事はなかった。
"まぁ"は最初は仕事の合間に出来る僅かな逢瀬に満足していたのだが…人間は欲を出す生き物で…
『無理!デートは別にいい!だって、ほぼ全国、世界を一緒に回ってるから我慢出来るっ!でもねっ!コソコソ藤原の部屋に入ったりとかは、もう嫌!いっそ一緒に住みたい!もっと時間を気にせずに!彼と居たいっ!』
と、老舗の芸能事務所の社長直談判した事により、同棲が始まった。
しかし、売れっ子のタレントの顔と名前を晒して部屋を購入するとなると、いつ何処から情報が漏れてしまうのか分からないために、恋人であるマネージャー兼ボディーガードである、藤原が家主に抜擢された。藤原は幸いにも大柄だったために、明らかに1人用じゃない部屋、家電や家具の量に誰も違和感を覚える事なくスムーズに引っ越しの作業が完了した。各部屋に割り当てられた数字入りの段ボールには、2人分の荷物が混ざっている。段ボールの中身は自分自身でやると、事前に引っ越し業者と契約を結んでいたのだ。私が引っ越し業者が居る時に顔を出さなかったのも、同棲がバレないための対策だ。終わる時間はおおよその時間業者によって伝えられていたので、当初の予定よりも少し余裕のある時間に来たのだ。マンションの購入費は2人で折半したが、名義は家主である藤原だけども。
「んっ、っんふっ…っ」
くちゅくちゅと口内に溢れている唾液を、藤原の舌が掻き乱す。ちゅうっと強く吸い彼の口内へと消え、私の舌も彼の口内へと誘われる。今度は私が藤原の口内を、舌で隈なく探り彼の唾液を飲み干す。藤原の首の後ろへと腕を回すと、藤原の手が私の背中から私のお尻へと回る。下から掬うように持ち上げては、手を離しぷるんと揺れるお尻を楽しんでいるようだ。毎日藤原の大きな手が私のお尻を揉む事によって形が整って美尻にしているなんて、きっと誰も知らない。思えば僅かな時間で行う求める行為で適度な運動も、全身を撫でられた身体は締まりスタイルがより一層良くなっている気がする。藤原に触れられていない所なんて、何一つない私の身体。彼の匂い、筋肉の固さ、彼の声や息のひとつだけでも、あっさりと私のタレントの仮面を剥がして、彼に愛され愛する気持ちが溢れるただの女性となる。
「仕事は…ちゃんと終わったか」
「う…ん、ちゃんと…したからっ…んっ…ご褒美っ…っ」
今日は私達への新居の引っ越しの荷解きのために、1日休みを入れたかったのに、仕事が入ってしまった。藤原は元々家主なので立ち会わないといけなくて、休みは確保していた。今日1日だけ私のマネージャーを、藤原の後輩と替わったのだ。
近場のパン屋を巡るロケで、番組でノーカットで使用できる位の気合いを入れたために、当初の予定よりも早く終わった。それでも夕方になってしまったが…出演者やスタッフへの挨拶もそこそこに、後輩マネージャーとタクシーに乗り込み、この家へとやってきたのだ。
後輩マネージャーは、今売り出したい新人の俳優の初の番組出演のために違う現場へとそのまま直行した。
「そうだな、ちゃんとご褒美をあげないとな」
褒めて欲しくて彼の首へ回した腕に力を込めると、より身体が密着した。お互いの鼻先がくっついたまま、私の呼吸が整うのを待つ藤原は、どちらの唾液か分からない濡れた私の口元に舌を這わす。口の周りを舐め終わると、顎のラインを、首筋を順に舌を這わし甘噛みしては吸い付く。跡が付かないくらいの強さの吸い付きが心地よくて、うっとりと瞼を閉じて彼に身を委ねる。
「…荷解きしないとって、思ったけど…後でもいい…よね?」
さっきから身体が密着しているので、藤原の昂りがお腹に当たる。固くて主張しているかのように、私のお腹に押しつけられている。
「そう…だな…後でやろう」
荷解きをしないと後々辛くなる事は分かっているが、今はやっと同棲出来る喜びを感じたかった。
ベッドに上がる前に、服を一枚ずつ脱がされ床に落とす藤原。太ももの横にあるスカートを掴むと、上にあげられ紺色のロングワンピースは脱げた。真っ白な肌に藤原の日々の愛撫になって磨かれた胸も大きく、腰も脚が細いスタイルの良い水色と白のグラデーションのレース下着姿の私が彼の視線に晒された。私も藤原のTシャツの裾を握りあげると、藤原は途中から自分でシャツを脱ぎ捨てた。下着姿の私と上半身裸の藤原は、お互い近寄り啄むキスを始める。
藤原は私の下唇を喰み、上唇も喰み引っ張り離して遊ぶ。藤原腕に触れ、腕を上げて藤原の首の後ろへと回す。ぴたりと重なった身体は、彼の熱い体温が私のお腹に移りこれから起こる出来事に期待して、カッと私の体温も上がる。
唇を弄ばれるだけで欲しいものが中々与えられなくて、焦れた私は自分から彼の唇に自分の唇を押し付けた。
彼の口内へと舌を入れ彼の舌に自分の舌を絡めていると、お尻を掴まれ抱き上げられる。彼の腰に足を巻き付けると、歩いた彼が口づけに夢中になっている私をベッドへと寝かせる。私の顔の横に彼の左腕がつき、もう片方の手は私の腰から下着の中に手が入り、下着を脱がせていく。私の脚が彼の腰に巻き付いたままだったので、太ももの途中で止まった。彼の唇を夢中で求めていた私は、彼が上体を起こして唇が離れた事に不満の視線を向けた。そんな私に気がついているのに、ペロリと口元を舌で舐める眉を寄せた藤原の色気にどきどきする。藤原の腰に巻き付けてあった私の脚が外れ、彼は私の脚から下着を脱がせてどこかへ投げる。上がった脚は藤原の胸板について、彼はいつものようにふくらはぎにねっとりと舌を這わす。甘噛みしては舌を這わし、脚全体をマッサージしながら、徐々に脚の付け根へと向かう。交互に脚を舐められて気が逸れていたからか、突然藤原の固い指が私の蜜壺に入った。突然やってきた異物に身体が反応して、追い出そうとぎゅうぎゅうと藤原の指を締め付ける。それに反し藤原の指が私の一番感じる箇所の蜜壺の内側を擦り付け、蜜が溢れ出すと滑りが良くなり、蜜壺の内側を刺激させながら出し入れを始めた。彼の指が増えて中を解すと、ぐちゅぐちゅと蜜の粘音が聞こえる。足を舐められているという事実を忘れさられる程に、蜜壺への刺激は強烈で背がのけ反ってしまう。
「あっはっ、あっ、んっあっ、っ」
藤原は私の脚を解放すると、私の蜜壺に指を入れながら屈み私の口を塞ぐ。彼の舌に自分の舌を絡めていると、藤原が器用に自分のズボンとボクサーパンツを脱いだ。指が蜜壺から抜けると、代わりに充てがわれた固い熱が蜜壺の入口に。藤原は昂りを握り私の蜜壺の中へと先端を埋めると、口づけに夢中になっていた私は唇を離した。
「あっ…っ……んっ…」
ーー大きくて、熱くて、固い
身体を重ねる度に思う藤原の昂りに、なるべく全身の力を抜く。いつもは半分くらい入った所までは力を抜くことが出来るのだが、結局力が入ってしまい彼の昂りをぎゅうぎゅうに締め付けてしまうのだ。
「まぁっ、ぐっ、つ」
ぎゅうぎゅうに締め付ける蜜壺が藤原の昂りに慣れるまで、私の首元に顔を埋めて微動だにしない。
しばらくすると少しずつではあるが腰を進める藤原に、私は離れないように彼の腰に脚を巻き付けた。すると、遠慮がちだった侵入も大胆になり、蜜壺の最奥まで一気に貫く。
「ああっ!」
ガンッと当たる衝撃は大きくて、気持ちいい。徐々に早くなる律動も、私の気持ちいい感じる所を責める彼も、全てが愛おしい。このまま永遠に混ざっていたい。そんな気持ちになると私の心と一体化している蜜壺がきゅんと締まり、抜き差ししている昂りをより一層感じる。
「ぐっ、まぁっ、まぁ…っ!」
己の欲情を私にぶつける愛しい人の背中に腕を回し、激しく打ちつけられる快感に酔いしれる。
「はっ、ぁっ、あっ」
彼の胸板が私の頬を擦れて、それすら快感に変わってしまうのが怖い。好き、や愛しいだけじゃ済まなくなっている感情に、時々怖くなる。
「好きって…あっ!言っ…て、っ…あっふじ…わらぁっ」
「好きだっ、まぁっ、…ぐっ…好きだっ」
「あぁぁっ!」
「……っ!!」
ほぼ同時にお互いの感情をぶつけて絶頂へと達すると、ぷるぷると震える彼の昂りから出る証で蜜壺が満たされる事を感じた。
一滴残さず注ぎ終わると、私の上へと覆い被さる彼を抱きとめていたら、ゴロンと仰向けになる彼の上へと体勢が変わった。
はぁっ、はぁっ、と呼吸の荒い彼の胸板に頬をつけて休んでいたけど、なんとか起き上がると、彼の昂りと繋がったまま腰の上へと跨った。両手を広げ大の字になっていた彼が私を見上げると、むくむくと蜜壺の中にいる昂りが膨らんでいくのを感じる。
視線が絡み自然と笑みが零れると、彼の手がまだ脱がされていないブラジャーへと伸びる。彼の腕を掴みながら、ゆっくり腰を前後に揺らすと、蜜壺から蜜と彼の証が出ていく感覚がする。ぐちゅぐちゅっと粘音がして、下からの突き上げが始まり、濃厚な時間がすぐにやってきた。
随分と長い時間ギシッギシッとベッドが軋む音が止むことはなく、やっと眠りについた時には次の仕事の時間が始まる5時間前だった。
スヤスヤと泣き腫らした彼女の目元を撫でる藤原は満足していたが、あと1時間したら起こさなければいけないと、少しだけ可哀想に思えた。
しかし、これからは仕事のために準備する彼女の自宅へ送り届ける時間、または、藤原の家に荷物を持っていく準備の時間が無くなった事により、離れなくても済むと誰にも邪魔されない幸せの余韻に浸かっていたのだった。
同棲から2ヶ月後、結局引っ越しの段ボールに入った荷物も必要最低限しか出せていない、熱烈な2人の想いはしばらく続きそうであった。
変わらずのカフェモカの長髪は、手入れがされていて頭のてっぺんに天使の輪、キューティクルで艶が良く、最近では髪も伸ばしていてもうすぐロングの部類に入る。小さな顔とは反対の豊満な胸、白いキメの細かい肌と腰が細くて、足が長く美しい。スタイルが抜群によく、去年抜擢された日焼け止めクリームのイメージキャラクターを務め、初めて全国区で流れたテレビCMが全身水着姿の完璧さに人気は国民的となった。
ここ数年"なりたい顔ランキング""彼女にしたいランキング""結婚したいランキング"の上位常連でもある彼女は、売れに売れていた。
そんな彼女には、変化が訪れていた。
ーーそれは…
「では、大型家電は全て設置が終わりました。数字が書いてある他の段ボールは、各部屋に全て置きましたので…こちらに受領サインを頂いてもよろしいですか?」
「ああ、ご苦労さん」
書き慣れたサインを書く大きな身体の男性に気圧されながら、数名の引っ越し業者は新居から居なくなった。新幹線の停車駅もあり、全国へと行ける空港へも直結で行ける交通の便が良い築2年の地上32階建ての最上階の一室を現金で購入した大男。5LDKSの対面大理石のキッチン、25帖のリビングと全部屋12帖以上の部屋、追加収納部屋としてある、サービスの部屋はそれでも6帖という大きさ。トイレも2か所あり、お風呂はシャワーのみの個室1つと浴槽が付いたお風呂場の2つ。
ほぼ家電と全ての部屋の家具を業者に設置してもらったので、段ボールに詰めた荷物を開けるだけだ。
自分の部屋となる書斎にある段ボールを開けて本を棚へ入れ終わると、少しばかり休憩しようと主寝室へと向かう。大男が3人寝ても丈夫な特注の黒をベースにしたベッドが置いてある。ベッドの横にはスタンドライトがあり、コンセントを差し込むと、暖色系ライトが付いた。
この家の中にある全ての物は全て恋人と一緒に選び購入した物で、引っ越しの際に新たに設置した。
ーーこのベッドだけは、前住んでいた所から持ってきた物だけどな
これから過ごす恋人との時間にほくそ笑む大男だったが、誰かが家の中に入る気配を感じ取り笑顔が消えた。
***************
「…藤原?引っ越し終わった?」
深く被ったツバの広い帽子と白いマスク、そしてフード付きのグレーのパーカーと紺色のロングワンピースを着た、売れっ子タレントの"まりりん"が家の扉の鍵を開けて入る。オートロックのため、扉が閉まったら鍵が自然と締まる。
新しい新居に相応しいモコモコの白いスリッパを鞄から取り出して、靴からスリッパへと履き替える。広い玄関には既に壁に掛かった大きなフレームに入ったモノクロの花の写真が飾られ、シューズボックスの横に数字が書かれた段ボールが積み重なっている。長い廊下を歩いてリビングへと向かう途中で藤原が出てきたので、条件反射で抱きついた。
「っ!まぁっ!」
急に抱きつかれ後ろへと数歩下がった大男は、咎める声を出したが、難なく"まぁ"と呼ばれた彼女を抱きしめた。帽子もマスクも乱暴に取って、見つめ合う2人は視線を絡ませた。
「…藤原」
彼女の甘えた声に逆らう事など出来ずに、顔を寄せた藤原と呼ばれた大男は彼女の唇に自分の唇を重ねた。
2人はタレントとマネージャー兼ボディーガードという関係から、恋人同士となったのはおよそ1年半前。タレントとしてデビューした時から、二人三脚でやってきたのだが信頼から愛へと変わるのは必然だった。忙しくなるまりりんを支え、いつでも無限の愛を注いでいたのだが、入れ替わり立ち替わりが激しい業界で干されるどころか、忙しくなり仕事が途切れる事はなかった。
"まぁ"は最初は仕事の合間に出来る僅かな逢瀬に満足していたのだが…人間は欲を出す生き物で…
『無理!デートは別にいい!だって、ほぼ全国、世界を一緒に回ってるから我慢出来るっ!でもねっ!コソコソ藤原の部屋に入ったりとかは、もう嫌!いっそ一緒に住みたい!もっと時間を気にせずに!彼と居たいっ!』
と、老舗の芸能事務所の社長直談判した事により、同棲が始まった。
しかし、売れっ子のタレントの顔と名前を晒して部屋を購入するとなると、いつ何処から情報が漏れてしまうのか分からないために、恋人であるマネージャー兼ボディーガードである、藤原が家主に抜擢された。藤原は幸いにも大柄だったために、明らかに1人用じゃない部屋、家電や家具の量に誰も違和感を覚える事なくスムーズに引っ越しの作業が完了した。各部屋に割り当てられた数字入りの段ボールには、2人分の荷物が混ざっている。段ボールの中身は自分自身でやると、事前に引っ越し業者と契約を結んでいたのだ。私が引っ越し業者が居る時に顔を出さなかったのも、同棲がバレないための対策だ。終わる時間はおおよその時間業者によって伝えられていたので、当初の予定よりも少し余裕のある時間に来たのだ。マンションの購入費は2人で折半したが、名義は家主である藤原だけども。
「んっ、っんふっ…っ」
くちゅくちゅと口内に溢れている唾液を、藤原の舌が掻き乱す。ちゅうっと強く吸い彼の口内へと消え、私の舌も彼の口内へと誘われる。今度は私が藤原の口内を、舌で隈なく探り彼の唾液を飲み干す。藤原の首の後ろへと腕を回すと、藤原の手が私の背中から私のお尻へと回る。下から掬うように持ち上げては、手を離しぷるんと揺れるお尻を楽しんでいるようだ。毎日藤原の大きな手が私のお尻を揉む事によって形が整って美尻にしているなんて、きっと誰も知らない。思えば僅かな時間で行う求める行為で適度な運動も、全身を撫でられた身体は締まりスタイルがより一層良くなっている気がする。藤原に触れられていない所なんて、何一つない私の身体。彼の匂い、筋肉の固さ、彼の声や息のひとつだけでも、あっさりと私のタレントの仮面を剥がして、彼に愛され愛する気持ちが溢れるただの女性となる。
「仕事は…ちゃんと終わったか」
「う…ん、ちゃんと…したからっ…んっ…ご褒美っ…っ」
今日は私達への新居の引っ越しの荷解きのために、1日休みを入れたかったのに、仕事が入ってしまった。藤原は元々家主なので立ち会わないといけなくて、休みは確保していた。今日1日だけ私のマネージャーを、藤原の後輩と替わったのだ。
近場のパン屋を巡るロケで、番組でノーカットで使用できる位の気合いを入れたために、当初の予定よりも早く終わった。それでも夕方になってしまったが…出演者やスタッフへの挨拶もそこそこに、後輩マネージャーとタクシーに乗り込み、この家へとやってきたのだ。
後輩マネージャーは、今売り出したい新人の俳優の初の番組出演のために違う現場へとそのまま直行した。
「そうだな、ちゃんとご褒美をあげないとな」
褒めて欲しくて彼の首へ回した腕に力を込めると、より身体が密着した。お互いの鼻先がくっついたまま、私の呼吸が整うのを待つ藤原は、どちらの唾液か分からない濡れた私の口元に舌を這わす。口の周りを舐め終わると、顎のラインを、首筋を順に舌を這わし甘噛みしては吸い付く。跡が付かないくらいの強さの吸い付きが心地よくて、うっとりと瞼を閉じて彼に身を委ねる。
「…荷解きしないとって、思ったけど…後でもいい…よね?」
さっきから身体が密着しているので、藤原の昂りがお腹に当たる。固くて主張しているかのように、私のお腹に押しつけられている。
「そう…だな…後でやろう」
荷解きをしないと後々辛くなる事は分かっているが、今はやっと同棲出来る喜びを感じたかった。
ベッドに上がる前に、服を一枚ずつ脱がされ床に落とす藤原。太ももの横にあるスカートを掴むと、上にあげられ紺色のロングワンピースは脱げた。真っ白な肌に藤原の日々の愛撫になって磨かれた胸も大きく、腰も脚が細いスタイルの良い水色と白のグラデーションのレース下着姿の私が彼の視線に晒された。私も藤原のTシャツの裾を握りあげると、藤原は途中から自分でシャツを脱ぎ捨てた。下着姿の私と上半身裸の藤原は、お互い近寄り啄むキスを始める。
藤原は私の下唇を喰み、上唇も喰み引っ張り離して遊ぶ。藤原腕に触れ、腕を上げて藤原の首の後ろへと回す。ぴたりと重なった身体は、彼の熱い体温が私のお腹に移りこれから起こる出来事に期待して、カッと私の体温も上がる。
唇を弄ばれるだけで欲しいものが中々与えられなくて、焦れた私は自分から彼の唇に自分の唇を押し付けた。
彼の口内へと舌を入れ彼の舌に自分の舌を絡めていると、お尻を掴まれ抱き上げられる。彼の腰に足を巻き付けると、歩いた彼が口づけに夢中になっている私をベッドへと寝かせる。私の顔の横に彼の左腕がつき、もう片方の手は私の腰から下着の中に手が入り、下着を脱がせていく。私の脚が彼の腰に巻き付いたままだったので、太ももの途中で止まった。彼の唇を夢中で求めていた私は、彼が上体を起こして唇が離れた事に不満の視線を向けた。そんな私に気がついているのに、ペロリと口元を舌で舐める眉を寄せた藤原の色気にどきどきする。藤原の腰に巻き付けてあった私の脚が外れ、彼は私の脚から下着を脱がせてどこかへ投げる。上がった脚は藤原の胸板について、彼はいつものようにふくらはぎにねっとりと舌を這わす。甘噛みしては舌を這わし、脚全体をマッサージしながら、徐々に脚の付け根へと向かう。交互に脚を舐められて気が逸れていたからか、突然藤原の固い指が私の蜜壺に入った。突然やってきた異物に身体が反応して、追い出そうとぎゅうぎゅうと藤原の指を締め付ける。それに反し藤原の指が私の一番感じる箇所の蜜壺の内側を擦り付け、蜜が溢れ出すと滑りが良くなり、蜜壺の内側を刺激させながら出し入れを始めた。彼の指が増えて中を解すと、ぐちゅぐちゅと蜜の粘音が聞こえる。足を舐められているという事実を忘れさられる程に、蜜壺への刺激は強烈で背がのけ反ってしまう。
「あっはっ、あっ、んっあっ、っ」
藤原は私の脚を解放すると、私の蜜壺に指を入れながら屈み私の口を塞ぐ。彼の舌に自分の舌を絡めていると、藤原が器用に自分のズボンとボクサーパンツを脱いだ。指が蜜壺から抜けると、代わりに充てがわれた固い熱が蜜壺の入口に。藤原は昂りを握り私の蜜壺の中へと先端を埋めると、口づけに夢中になっていた私は唇を離した。
「あっ…っ……んっ…」
ーー大きくて、熱くて、固い
身体を重ねる度に思う藤原の昂りに、なるべく全身の力を抜く。いつもは半分くらい入った所までは力を抜くことが出来るのだが、結局力が入ってしまい彼の昂りをぎゅうぎゅうに締め付けてしまうのだ。
「まぁっ、ぐっ、つ」
ぎゅうぎゅうに締め付ける蜜壺が藤原の昂りに慣れるまで、私の首元に顔を埋めて微動だにしない。
しばらくすると少しずつではあるが腰を進める藤原に、私は離れないように彼の腰に脚を巻き付けた。すると、遠慮がちだった侵入も大胆になり、蜜壺の最奥まで一気に貫く。
「ああっ!」
ガンッと当たる衝撃は大きくて、気持ちいい。徐々に早くなる律動も、私の気持ちいい感じる所を責める彼も、全てが愛おしい。このまま永遠に混ざっていたい。そんな気持ちになると私の心と一体化している蜜壺がきゅんと締まり、抜き差ししている昂りをより一層感じる。
「ぐっ、まぁっ、まぁ…っ!」
己の欲情を私にぶつける愛しい人の背中に腕を回し、激しく打ちつけられる快感に酔いしれる。
「はっ、ぁっ、あっ」
彼の胸板が私の頬を擦れて、それすら快感に変わってしまうのが怖い。好き、や愛しいだけじゃ済まなくなっている感情に、時々怖くなる。
「好きって…あっ!言っ…て、っ…あっふじ…わらぁっ」
「好きだっ、まぁっ、…ぐっ…好きだっ」
「あぁぁっ!」
「……っ!!」
ほぼ同時にお互いの感情をぶつけて絶頂へと達すると、ぷるぷると震える彼の昂りから出る証で蜜壺が満たされる事を感じた。
一滴残さず注ぎ終わると、私の上へと覆い被さる彼を抱きとめていたら、ゴロンと仰向けになる彼の上へと体勢が変わった。
はぁっ、はぁっ、と呼吸の荒い彼の胸板に頬をつけて休んでいたけど、なんとか起き上がると、彼の昂りと繋がったまま腰の上へと跨った。両手を広げ大の字になっていた彼が私を見上げると、むくむくと蜜壺の中にいる昂りが膨らんでいくのを感じる。
視線が絡み自然と笑みが零れると、彼の手がまだ脱がされていないブラジャーへと伸びる。彼の腕を掴みながら、ゆっくり腰を前後に揺らすと、蜜壺から蜜と彼の証が出ていく感覚がする。ぐちゅぐちゅっと粘音がして、下からの突き上げが始まり、濃厚な時間がすぐにやってきた。
随分と長い時間ギシッギシッとベッドが軋む音が止むことはなく、やっと眠りについた時には次の仕事の時間が始まる5時間前だった。
スヤスヤと泣き腫らした彼女の目元を撫でる藤原は満足していたが、あと1時間したら起こさなければいけないと、少しだけ可哀想に思えた。
しかし、これからは仕事のために準備する彼女の自宅へ送り届ける時間、または、藤原の家に荷物を持っていく準備の時間が無くなった事により、離れなくても済むと誰にも邪魔されない幸せの余韻に浸かっていたのだった。
同棲から2ヶ月後、結局引っ越しの段ボールに入った荷物も必要最低限しか出せていない、熱烈な2人の想いはしばらく続きそうであった。
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