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誕生日1
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誕生日はどこに行きたいか、欲しいものはないかを聞かれたが、しんちゃんとならどこでも、しんちゃん以外要らないと言ったら彼の部屋で過ごす事となった。
夏休みが始まったばかりでまだまだ日差しが強い。定番のツバの広い帽子と、お気に入りの膝上の白いワンピースと彼から貰ったダークピンクのショルダーバッグ、左手の薬指に指輪をして夏休みの宿題が入ったエコバッグを持って通い慣れた彼のマンションへと向かった。
**************
彼の住む階にエレベーターが到着すると、白いTシャツと黒のスキニーパンツを履いた彼が待っていた。歩き始めた彼のうしろを黙ってついて行き、2人分の足音が通路に響く。
彼の部屋に到着すると、サンダルを脱いだところで先にサンダルを脱いでいたしんちゃんが、両手を広げて待っていた。自然と彼のそばに寄り、抱きつき帽子がパサッと床に落ちる。冷房の効いた部屋にいたからか、しんちゃんの身体は冷たく気持ちいい。
「お誕生日おめでとう」
「…ありがと」
私を抱きしめた彼が私の頭に、鼻と口を付けて喋るから直接振動がきてくすぐったい。
「日付変わった時に電話が来て嬉しかった」
「…一番にお祝いしたくて」
直前までSNSアプリでメッセージのやりとりをしていたのだが、日付が変わった瞬間携帯電話がバイブで震えて小声で話したのだ。
ーー隣に親が眠っているからって言うのもあるけど…
ほぼ毎日ずっと他愛のない話と好きと時折送っていたけど、深夜に聞く彼の声にドキドキしてそのあと寝付けなかった。
「プレゼントとケーキ準備したから…入ろう」
しばらく彼の腕の中にいたけど、彼が私の両肩を掴み私から離れると、そう言って手を引かれ部屋の中へと連れていかれた。
ローテーブルに1人分の丸いショートケーキに、"おたんじょうびおめでとう ゆいな"と書かれたホワイトチョコのプレートが乗り、1本だけの太いロウソクがあって火が着いている。照れ臭そうにバースデーソングを歌うしんちゃんの左半身に抱きつき、彼を見上げている。
「結菜、あんま見んな」
先程からずっとローテーブルに乗ったショートケーキを見ているしんちゃんは、ぶっきらぼうにそう言う。その姿が可愛くて、くすくす笑ってしまう。
「だって付き合っての初めての誕生日だもん、ケーキもいいけど…しんちゃんがお祝いしてくれているの…覚えてたいもん」
私の言葉に対してしんちゃんは、頬をぽりぽりと掻いて、そっかと、返事をして私の腰に腕を回した。
「おめでとう…好きだよ」
と呟いて私の額にキスをした。
しんちゃんからの誕生日プレゼントは、この部屋の合鍵とピンクゴールドのハートのネックレスだった。
「可愛いっ!本当にいいのっ?」
細長い箱に入っているネックレスは、白いクッションの上に載っていて、ピンクゴールドのハートの真ん中に透明な宝石と、同じピンクゴールドの"S"のアルファベットが付いている。そっと丁寧にクッションから取り出して手のひらにのせると、しんちゃんが私の髪を横に退かし首筋が露わになる。
「つける?」
耳元に直接囁き掛ける声に、ゾクゾクッとする。
「うん、つけたい」
手元を見たままそう言うと、彼は私の手のひらにあるネックレスを取ると金具を外し、私の前に広げて首に当てると、うしろに回し金具をつけた。彼は首筋に顔を近づけて、ちゅっと軽くキスをする。
彼の顔が私から離れると髪を直し、しんちゃんの方へと向いた。
「…どう…?」
「うん、すごく似合ってる」
そう言って私の唇に触れるだけのキスをしてくれる。
「…嬉しい、好き」
「ああ、俺も好きだよ」
彼に抱きついた私を抱きしめ返してくれて、彼も私の気持ちに応えてくれた。ぎゅうっと抱きしめていると、彼の顔が近くにあるのに気がつくと、お互い笑いながら唇を重ねた。
軽く何度も何度も啄む口づけをして、だんだんとお互いの唇を喰んで遊ぶ。そのうち彼の舌が私の唇のラインをなぞり、口を薄く開けると彼の舌が私の口内へと入る。
歯列をなぞり、上顎を舐める。私の舌を軽く吸ってまた口内を舐める。息がしやすいようにと、上を向かされる彼に教わった鼻での呼吸を意識する。
「ん、んふっ、ん」
途中鼻から抜ける声が出てしまうけども、彼は気にせず私の唇を貪る。
「っ可愛い、結菜」
キスの合間に褒められ、嬉しくなり彼の胸に置いていた手を彼の首の後ろへと回し彼に密着する。
「好きっ、ん、っ」
お互い素直な気持ちをキスの合間に告げては、激しくなっていくキス。貪欲にお互いの舌を絡め、私の口内に彼の唾液が
入る。ゴクンゴクンと飲み込むと、嬉しそうに彼が、
「可愛い、可愛い」
とキスの合間に囁く。
私の太ももに手を置いた彼は、服の上から私の膝から太ももをゆっくり摩り、私の反応を観察している。
「んっ、しんちゃ…っ」
突然身体を撫でられ、ぴくんと大袈裟に反応する私。そんな私の唇から離れた彼は、額を合わせて荒い息を抑える。
「…どう…する…?」
「どうするって…?」
はぁはぁっ、と彼以上に荒い息を整えながら、酸欠でぼうっとする頭で考える。
「俺の…ものになる…?」
「しんちゃん…の、もの…?」
「そう」
ちゅっちゅっと触れるだけのキスが続いて、そうだと、思い出した。
「…うん、しんちゃんのモノに…なりたい…私のモノにもなって」
口を開けて彼の唇を喰み、そう告げると彼が私の口を荒々しく塞ぎ、呼吸もままならない。
「んっ、んっ…っ」
彼の胸のシャツを握ると、その上からしんちゃんの大きな手が重なり、包まれる。
「…無理なら…言って…すぐに離れるから」
そう言った彼はソファーから立ち上がり、私の手を引きベッドへと連れて行った。
夏休みが始まったばかりでまだまだ日差しが強い。定番のツバの広い帽子と、お気に入りの膝上の白いワンピースと彼から貰ったダークピンクのショルダーバッグ、左手の薬指に指輪をして夏休みの宿題が入ったエコバッグを持って通い慣れた彼のマンションへと向かった。
**************
彼の住む階にエレベーターが到着すると、白いTシャツと黒のスキニーパンツを履いた彼が待っていた。歩き始めた彼のうしろを黙ってついて行き、2人分の足音が通路に響く。
彼の部屋に到着すると、サンダルを脱いだところで先にサンダルを脱いでいたしんちゃんが、両手を広げて待っていた。自然と彼のそばに寄り、抱きつき帽子がパサッと床に落ちる。冷房の効いた部屋にいたからか、しんちゃんの身体は冷たく気持ちいい。
「お誕生日おめでとう」
「…ありがと」
私を抱きしめた彼が私の頭に、鼻と口を付けて喋るから直接振動がきてくすぐったい。
「日付変わった時に電話が来て嬉しかった」
「…一番にお祝いしたくて」
直前までSNSアプリでメッセージのやりとりをしていたのだが、日付が変わった瞬間携帯電話がバイブで震えて小声で話したのだ。
ーー隣に親が眠っているからって言うのもあるけど…
ほぼ毎日ずっと他愛のない話と好きと時折送っていたけど、深夜に聞く彼の声にドキドキしてそのあと寝付けなかった。
「プレゼントとケーキ準備したから…入ろう」
しばらく彼の腕の中にいたけど、彼が私の両肩を掴み私から離れると、そう言って手を引かれ部屋の中へと連れていかれた。
ローテーブルに1人分の丸いショートケーキに、"おたんじょうびおめでとう ゆいな"と書かれたホワイトチョコのプレートが乗り、1本だけの太いロウソクがあって火が着いている。照れ臭そうにバースデーソングを歌うしんちゃんの左半身に抱きつき、彼を見上げている。
「結菜、あんま見んな」
先程からずっとローテーブルに乗ったショートケーキを見ているしんちゃんは、ぶっきらぼうにそう言う。その姿が可愛くて、くすくす笑ってしまう。
「だって付き合っての初めての誕生日だもん、ケーキもいいけど…しんちゃんがお祝いしてくれているの…覚えてたいもん」
私の言葉に対してしんちゃんは、頬をぽりぽりと掻いて、そっかと、返事をして私の腰に腕を回した。
「おめでとう…好きだよ」
と呟いて私の額にキスをした。
しんちゃんからの誕生日プレゼントは、この部屋の合鍵とピンクゴールドのハートのネックレスだった。
「可愛いっ!本当にいいのっ?」
細長い箱に入っているネックレスは、白いクッションの上に載っていて、ピンクゴールドのハートの真ん中に透明な宝石と、同じピンクゴールドの"S"のアルファベットが付いている。そっと丁寧にクッションから取り出して手のひらにのせると、しんちゃんが私の髪を横に退かし首筋が露わになる。
「つける?」
耳元に直接囁き掛ける声に、ゾクゾクッとする。
「うん、つけたい」
手元を見たままそう言うと、彼は私の手のひらにあるネックレスを取ると金具を外し、私の前に広げて首に当てると、うしろに回し金具をつけた。彼は首筋に顔を近づけて、ちゅっと軽くキスをする。
彼の顔が私から離れると髪を直し、しんちゃんの方へと向いた。
「…どう…?」
「うん、すごく似合ってる」
そう言って私の唇に触れるだけのキスをしてくれる。
「…嬉しい、好き」
「ああ、俺も好きだよ」
彼に抱きついた私を抱きしめ返してくれて、彼も私の気持ちに応えてくれた。ぎゅうっと抱きしめていると、彼の顔が近くにあるのに気がつくと、お互い笑いながら唇を重ねた。
軽く何度も何度も啄む口づけをして、だんだんとお互いの唇を喰んで遊ぶ。そのうち彼の舌が私の唇のラインをなぞり、口を薄く開けると彼の舌が私の口内へと入る。
歯列をなぞり、上顎を舐める。私の舌を軽く吸ってまた口内を舐める。息がしやすいようにと、上を向かされる彼に教わった鼻での呼吸を意識する。
「ん、んふっ、ん」
途中鼻から抜ける声が出てしまうけども、彼は気にせず私の唇を貪る。
「っ可愛い、結菜」
キスの合間に褒められ、嬉しくなり彼の胸に置いていた手を彼の首の後ろへと回し彼に密着する。
「好きっ、ん、っ」
お互い素直な気持ちをキスの合間に告げては、激しくなっていくキス。貪欲にお互いの舌を絡め、私の口内に彼の唾液が
入る。ゴクンゴクンと飲み込むと、嬉しそうに彼が、
「可愛い、可愛い」
とキスの合間に囁く。
私の太ももに手を置いた彼は、服の上から私の膝から太ももをゆっくり摩り、私の反応を観察している。
「んっ、しんちゃ…っ」
突然身体を撫でられ、ぴくんと大袈裟に反応する私。そんな私の唇から離れた彼は、額を合わせて荒い息を抑える。
「…どう…する…?」
「どうするって…?」
はぁはぁっ、と彼以上に荒い息を整えながら、酸欠でぼうっとする頭で考える。
「俺の…ものになる…?」
「しんちゃん…の、もの…?」
「そう」
ちゅっちゅっと触れるだけのキスが続いて、そうだと、思い出した。
「…うん、しんちゃんのモノに…なりたい…私のモノにもなって」
口を開けて彼の唇を喰み、そう告げると彼が私の口を荒々しく塞ぎ、呼吸もままならない。
「んっ、んっ…っ」
彼の胸のシャツを握ると、その上からしんちゃんの大きな手が重なり、包まれる。
「…無理なら…言って…すぐに離れるから」
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