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39 甘え方を間違える主任※

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飲み会も終盤に差し掛かると、みんな自由に行動を始めた。
上長ばかりの席に諦めずにやってくる女性社員は、もれなく上長達に話しかけられ、顔をひきつりながら無碍にできずに話を始めた。ウザ絡みする上長達に1人、また1人と脱落する女性社員を見ながら、横に座る駿平を見ると、気にした風でもなく私の反対側に座る自分と同じ課の課長と話していた。
──ある意味駿平が一番最強かもしれない
彼女達がちらちらと駿平を見て助けを求めてきっかけを作ろうとしているのに、駿平は気にしてないのだ。
──まぁ、これで気にしていたなら私の気分が悪くなるだけだけど
駿平は全ての女性に優しいわけじゃないんだと、ホッとする反面、もしあの女性みたいに同じ対応をされたのが私だったらと思うと悲しくて泣いちゃうかもしれないと落ち込んだ。モテるが故にちゃんと線引きをしなくちゃいけない人生だったのかと思うと、やっぱりイケメンは大変だなと思う。
「…ごめん、ちょっと出ていいかな」
話途中の2人に声をかけて、私は席を立ちトイレへと向かった。盛り上がるテーブルの隙間を抜けて、個室に入るとため息ひとつついた。
もし駿平とこんな関係にならなければ、こんなに悩むこともなかったと思う。たまたま観た映画の席が隣になっただけで一変した私の生活は、思わぬ悩みに直面している。
──誰にも渡したくない
起きた時の寝ぼけた顔とか、家の中では髪が跳ねるのを気にしてない無頓着な部分はあるのに、外出する前はちゃんとするところ。疲れてソファーに横になっていると、私のそばに来て一緒に横になって私の体温で暖を取ろうとするところ。たまに食事前にチョコを口に入れて私に何も食べてないようにバレないように振る舞っているのに、結局咀嚼をしなくちゃいけないからすぐにバレるところ。あとはそう…私の変化をすぐに察知して、褒めてくれるところ。
「…もう、女慣れしすぎて怖い」
胸がときめいたり、こんな好意を持つ人が駿平に近寄るときにギュッと締め付けられたり、感情の起伏が激しくて離れたいのに、離れる理由を探しては結局無理だと納得する。

トイレを出ると、近くにいた幹事の菊井くんが酔っ払って真っ赤になった顔をして席に座っているのが目に入ってきた。
「どうしたの?そんな顔をして」
「小笠原…赤松さんがっ!」
と腕を顔につけて目を隠す気持ち悪い泣き真似をすると、菊井くんが"親睦を深めたい"と言っていた赤松さんのいる方を指差した。
指差した先にいたのは企画部に配属された、駿平と同時に入った新入社員の男の子と談笑している赤松さんがいた。
「あー、ドンマイだね」
「…お前にはデリカシーがないのかっ」
いつぞやの自分の失礼な物言いは忘れたのか、菊井くんは私が酷いことを言ったかのように不貞腐れた。
「小笠原、慰めろ」
「そうだ、そうだ」
菊井くんの周りにいる男性社員から、にやにやと笑いながら言われても、
「次があるわよ」
とそんな言葉しか出てこなかったけど、
「ひでー!」
大袈裟なリアクションをする菊井くんと周りはゲラゲラと笑っていた。



***************


「…由紀ちゃん、着いたよ」
ゆさゆさと身体を揺すぶられ重い瞼をあげると、目の前にはイケメンのドアップがあった。
「んー?着いた?」
言っている言葉が理解出来なくて、イケメンだと思う顔をもっと見たくて首の後ろへと腕を回すと、駿平は困ったように眉を寄せた。
「…すいません、こちらで」
と、彼は私から顔を逸らして身を乗り出したので、抱きついている私も自然と彼のあとを辿るように身体が動いた。バランスを崩したけど、腰に回された手によって支えられているから落ちることはなかった。
「ほら行くよ」
「えー、もう行くの?」
舌ったらずな言葉遣いは、いつもの私じゃないのに全然違和感を感じないどころかおかしくなってくる。くすくす笑っていると、暖かく感じた場所だったのが急に寒く感じた。振り返ると黒いドアが開いていて、今まで車の中にいたのに気がついた。その開いたドアから見えた景色は、たまに泊まる駿平のマンションのエントランスへと続く自動ドアの前だった。抱き上げられながら、車から降りて駿平は歩き出した。
「ほらっ、由紀ちゃん」
「うん?今日は駿平の家なの?」
「そうだよ…って、本当酔ってる…さっきも言ったよ?」
彼の首から腰に腕を回して、もつれる足をなんとか前に進めると、ふわふわと雲の上を歩いてるみたいに楽しくなってきて、チンッと音がすると駿平とエレベーターへと入った。駿平の胸元を掴み、踵を上げて駿平の口の端に触れるだけのキスをすると駿平は驚いた。
「っ!由紀ちゃんっ?」
「ふふふっ可愛いっ」
思わず笑ってしまうと、ムッとした駿平は屈んで私の頬を両手で挟んで私の口を塞ぐ。口を開けるとヌルッとした駿平の舌が私の口内に入り、傍若無人に暴れる。彼の舌をちゅうっと強めに吸い付くと、駿平の舌の動きが止まった。それに気を良くした私は、自分の出来る限りの悪戯を始めた。
「…んっ、っ」
駿平の腰に腕を回して踵を床につけると、今度は駿平が私に覆い被さるように身を屈めた。顔の角度を何度も変えるキスをされると、駿平の舌の動きに翻弄されどんどん夢中になってしまう。
「ん、何でっ」
「ッ、着いたから」
チンッとまた鳴ると、今度はキスが突然終わってしまい、口を尖らせて不満を口にすると、腰に腕を回されて駿平が早足で歩き始めた。



「まっ…っ、んっ…ぁっぅ、んんっ」
早足で歩くたびに風が当たり、火照る頬を冷ましていった。急いで家に入った駿平は私を玄関のドアに押し付けて、口を塞ぎ深いキスをする。舌を強く吸われチリリッと痛みを感じたが、アルコールを飲んだせいか反応が鈍くなる。駿平ほドサッドサッと私が着ていた上着を脱がし、持っている荷物を取り上げ床に落とした。自由になった手で抱きつこうとしたら、両手首を掴まれて鉄のドアに押し付けられた。2つの手のひらが重なり指を曲げると指先の絡まる恋人繋ぎとなった。
「…っ、はっ」
「ん、っ」
長い時間合わさっていた唇が離れると、額も鼻も触れ合ったまま息を整える。彼が私の唇のラインを舌でペロリと舐めると私は彼の舌に自分の舌を出してくっつけた。軽く啄む戯れるキスからもう一度深く重なると、今度はねっとりと味わうキスへと変わった。
──このキス、好き
美味しいものでも食べるように舌を這わせ、どこへでも吸い付くこのキスはいつも情事後によく駿平がやるキスだ。
「本当?いつも何にも言わないから何とも思ってないかと思った」
──だって、恥ずかしいから…駿平に変な女って思われたくない
なんだか駿平の声が頭に入ってくる。駿平は思考が読める超能力者なのだろうか。
「そんなこと思わないよ?」
くすくすと笑っている駿平は、私の手から自分の手を離すと私を横抱きのお姫様抱っこをして持ち上げて歩き出した。
「あっ!重いよっ」
驚いて駿平に抱きつくと、彼はまた笑う。
「最近ダイエットしてるでしょ、軽くなった」
何でもないように言って彼は寝室へと足を向けると、私をベッドの上へと座らせた。
──柑橘系の香りの駿平の匂いがする部屋だ…ここで寝てるから、特に駿平の匂いがする…世界で一番好きな匂い、たまに夜になると、電話のあと会いたくなって駿平が使っている香水を嗅いでいるなんて秘密なの、知ったら引くよね
「…呼んでよ、すぐに行くよ」
楽しく話していたのに、急に低く唸る声に遅れた思考にも届く。
「…何で怒ってるの?」
首を傾げると、なぜか黒のボクサーパンツ一枚しか履いていない駿平は私の足を挟むように足を伸ばしてベッドの上に座る。その時になってやっと、私が考えていたことを口にしていたのに気がついた。普段ならこのまま逃げ出したくなるのに、酔っているから逃げたい感情もない。
「んっぁ」
駿平の右手が私の耳タブを触りながらキスをされ、ゆっくりと瞼を閉じる。優しく啄むキスと、少し深いキスを繰り返していたら、私の服の中に駿平の手が忍び込む。
「由紀ちゃん、俺がやるから」
低い声で耳元に囁かれて、身体が逆らえずに固まる。その間にも唇や頬、こめかみや服を脱がされて露わになっていく首筋や肩に駿平の唇が移動する。
──知ってる、呼び捨てにする時は余裕ない時だけだ…でも今はちゃん付けだから…
呼び捨ての時はただ身を委ねればいいと、何度目かのえっちで学んだ。初めの頃なんてよくわからないまま彼の昂りを触った方がいいのかと思って触ってしまったら、煽るなんて酷いとキレた駿平にめちゃくちゃにされ次の日起きれなかったのだ。
「…わかってるなら、これ以上煽らないで」
参ったなぁ、と困った声なのに、視線は獲物を狙う肉食獣のように鋭くて、ゾクゾクしちゃう。私も駿平と同じで下着姿になると、
──でも
チラッと彼のボクサーパンツを見ると、足が曲がっているから分からないが少し盛り上がっている気がした。
「だーめ、酔っていても手加減しないし、それ・・したらもう知らないよ」
私の思考なんてお見通しな駿平に先に釘を刺されたので、ならと負けじと口から言葉が出てきた。
「…なら胸は?」
「胸?俺のってこと?」
「うん、いつも駿平ばかり私の身体を好き勝手触るから、私も触りたい」
驚いた駿平の顔もカッコいいな、と思いながら頷くと、駿平はうーん、と悩みはじめた。
「…多分何とも思わないと思うけど…反応悪くても許してくれる?」
「…そうなの…?私はいつも気持ちいいのに…?」
本当に何にも感じないのだろうか?私はいつも訳がわからなくなるくらいに気持ちよくなっちゃうと思っていたら、すかさず駿平が話しかけてきた。
「由紀ちゃんいつも気持ちいいの?どんな風に?ちょっと俺の胸で試してよ」
そう言って胸を張っているから、私は駿平の胸板に顔を近づけた。
ぺろっと舌を這わすと、硬い皮膚に当たる。いつも駿平が私にやっている乳輪の周りを舌で這わして、固くなっている粒を舌で掬い口に含む。ちゅうちゅうと吸い付き、甘噛みして舌先でこねていると、頭を撫でられた。顔を上げて駿平を見ると、真剣な眼差しで彼が私を凝視していた。
「これが由紀ちゃんが、にされて気持ちいいやつ?」
「…っ、ん…でも揉まれるともっと気持ちよくなる」
そう言って彼の胸を揉もうと思って手を伸ばすと、彼の胸に私の手がつくその前に手首を掴まれた。
「じゃあ、今度は俺の番ね」
「…まだ、私何にもしてないよ?」
駿平の胸を舐めただけなのにやめさせられて、やっぱり気持ちよくないのかなと思っていると、駿平が私の上に来たので徐々に背後へと倒される。ベッドの上に仰向けになると、背後に回った彼の手が私のブラのホックを外した。プルプルと揺れる乳房を、さっき私が駿平にしたように乳輪の周りを舌でなぞり、固くなった粒を舌でこねる。でもさっきと違うのは、両手で乳房を揉み形を変える。
「はっ、ぁ」
ベッドのシーツを掴もうとしたが、駿平は抱きしめられるのが好きだと思い出すと、彼の頭を抱きしめた。ワックスをしているのに柔らかな髪質を触っていると、駿平の髪が私の乳房に当たってくすぐったい。もぞもぞと足を動かしていると駿平は私の下半身の上に自分の腰を押し付けた。動けなくなったが、その代わりに駿平の固くなった昂りを下半身に感じて快感が増していく。
──これからっまた訳がわからなくなっちゃう
「…それは気持ちよくて?」
──うん、引かれないか心配してる
「そう?控えめだと思うけど」
いつも乱れに乱れていると思っていたけど、駿平には我慢しているように感じているらしい。また心の声が漏れたと思っていたら、駿平は私の乳房から顔を上げて私の口に舌の絡まるキスをした。
「今のうちに言って、いつもして欲しいこと全部」
唇をくっつけたまま懇願する声に、胸がきゅんとして口を開けると
「あっ!まっ…て」
「由紀ちゃんのは待ってと言ってないみたいだけど?」
下半身に異物が入ったように、蜜壺の中が苦しくなる。蠢く異物は駿平の指だと気がついたのは、蜜壺の中でくいっと異物が曲がったからだ。異物だと思っていた指を蜜壺の中から溢れた蜜が溢れ、搾り取るみたいに締め付ける。くすくす笑う駿平の息が口に当たって、嬉しくてどうしようもない。
──幸せ、今私幸せだ
足を上げて駿平の太ももの裏へと掛けると、私は駿平の頬を両手で挟み唇を重ねた。
「…きて、もう」
「もう?まだちゃんとほぐしてないよ?」
啄むキスの合間におねだりをすれば、困った駿平が答える。
「平気っ、ね?」
お腹に力を入れると蜜壺の中にある駿平の指を締め付けた。
「…本当に?」
ゴクン、と唾を飲み込む駿平は一段と低い声を出して最後の確認をすると、私はうんと頷いた。
「いつも、丁寧に…大事にしてくれてるけど…たまに焦ったいの……っ、んっ…ぁ」
私がいい終わる前に駿平は蜜壺の中に入れた指を掻き回した。
「わかった…俺も、限界だったし」
駿平はそう言って私の口に触れるだけのキスをして、上体を起こそうとするが、私が彼の太ももに掛けた足に力を入れた。
「…由紀ちゃん?ゴム取りに行きたいんだけど?」
私が彼の動きを封じているから、部屋のどこかにあるコンドームを取りに行きたいらしいが、私は嫌だった。
「…今日はこのままがいい」
「しないってこと?」
それは困るけど、と小さい声で言った駿平に、私は違うと顔を横に振る。
「このまま何にもつけないでしたい」
「それは…無理だよ、子供できちゃうし」
「平気、今日は大丈夫な日だから」
「でも」
「お願いっ、本当に大丈夫な日だからっ」
子供って言葉を聞いて、躊躇う駿平の様子を知る。駿平は私との未来を考えてくれていのかと不安になったけど、今日は何も付けてない彼と一つになりたかった。いつもはちゃんとゴムをつけているし、ゴムをしない日なんて一度もなかったけど…いつからかゴムをしないで、いつかえっちをしたいと思うようになっていた。もちろん避妊は大事だけど、この私の思いだけは、回数を重ねるたびに大きくなっている。
「……中には出さないからね」
「うん、わかった」
最後に一言だけ言った駿平は、私のお尻を持ち上げて下着を脱がしたあと自分のボクサーパンツを脱いだ。
少しの間だけ私の上からいなくなっただけなのに、また上に重なった駿平の身体の重さを感じて嬉しくなる。離れないように彼の太ももの裏へと足を掛け直すと、蜜口に彼の昂りの先端が充てがわれた。
「んんっ」
「くっ、熱いっ」
ゴム越しじゃない昂りは燃えるように熱く感じたのに、私よりも彼の方が苦しそうだ。大きく蜜口を広げて入り、凸凹した昂りの側面が蜜壺に埋まると、今まで感じたことのない鼓動を感じた。ドクン、ドクンと生きているみたいな鼓動は、きっと駿平の側面にあった浮き出た血管だろう、と思い出した時には、駿平は私の蜜壺に自身の昂りを出し入れして抽送を始めていた。
「ん、っ…ん」
微かなギシギシッ、と音が鳴る軋むベッドの上で、喘ぎたくても口を塞がれ声を上げることも出来ない。
「はっ、くっ、由紀っ」
「あぁっ、あっ、はっ…ぅ」
頬を甘噛みされ、下半身の繋がりは熱くて生々しい。直接彼のモノを感じることが出来るゴム無しのえっちは、クセになりそうな快感をどんどん上げる抽送が続いていく。
「あっ、…くっ、いくっ」
「俺もっ、ヤバいっ、くぅ…中すっげぇ、気持ちいぃっ、ちょっ、由紀っ」
ドクンと一際大きな鼓動が私の身体に響いたような気がして、思わず彼の腰に足を巻き付けると、焦った彼の声が聞こえてきたが私は構わずに両手を伸ばして駿平に抱きついた。
「ぐ…っ、っ!」
「あっ、ぁああっ!」
彼は私の蜜壺の中に留まると、固くなっていた昂りを弾けさせて、一気に蜜壺の最奥へと熱い証を注いだ。最奥に注がれた熱さに私も絶頂に達すると、彼は私の肩に顔を埋めていた。

「…由紀子」
「平気だって、言ったでしょ」
お互いの息がある程度整うと、私の名前を呼ぶ低い声が私の行動を咎めたが、大丈夫と言ったのに、最後まで私から離れようとするのが悪いと開き直る事にした。
「もう、知らないよ」
それはどういう意味なのだろうかと問いかけようとしたら、彼の腰が引いてまた蜜壺の中へと戻ってきた。
「あっ、うそっ…ぁっ!」
「もう、無理だっ、くっ…絡みついて離れないっ」
最高すぎる、と彼は言って繋がったまま起き上がると、私の腰を掴み再び抽送を始めた。ぐちゅぐちゅと結合部から抽送のたびに粘音が聞こえて、同じように快感が生まれていく。
「あっ、駿っ、しゅ…っ、ぅ」
ぱんぱんと肌がぶつかるたびに彼を呼ぶも、彼は返事の代わりに抽送を激しくしていく。ゴムをつけていなかった時も、駿平はこうなることがあったけど、それは久しぶりに抱かれる時が多かった。それなのに今回はそんな抱かれてないスパンは長くないのに激しい。
「きっ、あっ、ぁ、あっ!」
私も駿平の昂りの形がはっきりと蜜壺の中で感じられて、気持ちいい以外の感情を考えられないくらい余裕がない。ゆさゆさと揺すぶられ、激しく交わる下半身の繋がりに身体が言うことを効かなくて困る。ぎゅぅっ、と彼の昂りを締め付けると、今違うだろ、と言っているように蜜壺の内側の同じ場所ばかり昂りを擦り付けられる。また締め付けちゃうものだから、彼の昂りの抽送はどんどん早くなっていっている気がする。
「由紀子っ、出るって」
悔しそうに言いながらも、駿平の表情は絵画のように美しい。
「あっ、出してっ、中にっ、ぁっ、あっ、んあっ」
また離れちゃいそうで足を伸ばすと、駿平は私の腰を掴む手を強くした。
「くそっ、出す、出るっ…ぐっ、っつ」
「ぁあっ、熱い、ぃっ」
二度目に果てた時は一度目よりもはっきりと、彼の証の勢いを感じとれた。ドクドクッ、と蜜壺に証を注がれ、全身が耳になったみたいに、頭の隅までその音が聞こえる気がした。
「…はっ、ぁ」
駿平が私の上へと覆い被さると、彼は私の腰の上にある腰を緩く動かして蜜壺の中に入っている証を隅々まで満たそうとしていた。
「ん、待ってまだっ」
いつものように私の耳を口に含み、ペロリと舌を這わし始めた駿平に、イッたばかりで敏感な身体はすぐに反応してしまう。そんなの駿平は知っているのに、耳の中に直接問いかけてきた。
「気持ち良かった?」
「…ん、すごく」
まだ離れたくなくて彼の太ももの裏に足を掛け直すと、駿平の手が私の左手を取り、手のひらを重ねて指先を絡めた。
「…由紀ちゃん、好きだよ」
嬉しいと思う反面、好きなだけなのかな、と嫌なことを考える自分が出てくる。
「私も好き」
なんとか自分の思いを飲み込んで返事をすると、駿平は私の耳や頬に唇を寄せた。ギュッと握られた手の力の強さは、駿平が思うところがあったと知ったのは少し後だった。
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