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27 薫の雑談
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人生の好調期は28くらいの時に頑張って得た成果だと思っていたが、もしかしたら今なのかもしれないと、俺は思い始めている。
『薫っ』
平日は2回、金曜日から土曜日にかけて聞く甘える声に年甲斐もなく溺れ、特に週末の夜からは我を忘れて体力の続く限り彼女を求めている。
楽しみにしていた数年に一度のWBCも、茉白と付き合う前に毎週欠かさずサブスクで契約したスポーツ動画配信サイトで観ていた野球中継も今は前ほど真剣に観れない。
俺が好きだと言っていた野球の試合がやっている間は、俺の邪魔をしないように料理を始めた茉白を、テレビのついたリビングのソファーで座りながら、チラチラと盗み見てしまう。彼女は料理のレシピを携帯で見て夢中になっているから、俺が彼女を見ているなんて知りもしないだろう。
──対面キッチンにして正解だったな
きっと料理をする彼女の後ろ姿を見ながら過ごすのもいいかもしれないが、やはりもしかしたら目が合うかもしれないから対面の方がやっぱり好ましい。
今は彼女と出会う前に購入した、このマンションに決めた過去の俺にお礼が言いたくてしょうがない。
携帯を見ながらムッと口を結ぶ姿は可愛いし、真剣な眼差しで食材を切っている姿もハッとするほど美しい。
CMだと言っては大した用もないのに、茉白の近くをウロウロする姿はさぞ滑稽に写っているだろう。それなのに茉白は俺の挙動不審な行動を不思議に思っていない。
だが、浮かれた俺には周りの目など、本当に些細な事だった。
一目惚れをした茉白がいて茉白の作るご飯を食べる…全てが順調で…これ以上の好調期はもう今後ないかもしれない。
***************
「いやー、今回の新入社員はなかなか顔がいいやつが多いな」
「そうですか?ありがとうございます」
「…お前自覚あるのか、くそーこれだからイケメンは」
月に一度の定例ミーティングが終わり、会議室の使用できる時間が余ると、雑談が始まる。営業課ではコミュニケーションを鍛えるため、取引先と上辺だけの関係にならないよう日々教えているから、こういった何気ない雑談も大事な仕事の一つと捉えてる。そのおかげで俺も入社した時よりも初対面の人と話をするのが苦ではなくなり、それなりの営業成績を上げられている。
10人掛けのテーブルと椅子、大画面の液晶がある今この会議室にいるのは、俺と係長、部下の清水、そして新入社員の安藤だ。清水と安藤が話を続ける。
「…それよりも、今日の豊嶋さんの格好見ましたか?」
「…豊嶋さん?審査課の?」
「そうです!あの豊嶋さんですよっ」
安藤は頬を若干赤らめて鼻息を荒くして話すから、なんだか危ない人みたいだ。彼女──茉白の名前を出され、俺は内心朝別れたきりの彼女の服装を思い起こしていると、安藤は悲しそうに嘆く。
「あれっ、絶対に男物のYシャツですよっ!」
「って言われてもなぁ…覚えてないなぁ」
ぼやく先輩の清水の言葉に安藤は無視をしてなおも話を続ける。
青いストライプのシャツは買ってみたものの、怖い顔の部類に入る俺には爽やかすぎて似合わないため、一度着たきりであとはクローゼットに掛かってしまっていた。それを茉白が見つけて、彼女にあげたんだが…確かに俺のシャツだから彼シャツだな、なんて口元がニヤけてしまう。軽く咳払いをしつつ、口元を触り誰にも気づかれないように誤魔化す。
「あの大きなシャツ、しかも男物をわざわざ買うなんてありえませんよっ」
確か…そうだ茉白の服装は俺の青いストライプのシャツと黒のマーメイドワンピースと言っていた身体のラインがはっきりとわかるロングスカート、白いTシャツだったと思い出した。
「何?安藤は豊嶋さんが好きなのか?」
営業の係長が話に入ると、安藤は大きく頷いた。
「もちろんですよっ!彼女めちゃくちゃ可愛いし、美人でスタイルもいいから…性格も良くて…一目惚れっす」
普段なら係長に敬語を使っている安藤は興奮しているのか、砕けた口調となる。
「係長からも言ってくださいよー、仕事の合間に豊嶋さんは今日何をしたーとか豊嶋さんが俺にこう言ったーとか報告されて、俺は話したことないのに豊嶋さんのことをよく知る危ないやつになってます」
清水はこれ幸いと安藤の愚痴を話すと、
「そんなに?…でも人と話すのはコミュニケーションの一つだからなぁ」
「…そんなぁ」
仕事に支障がなければいいんじゃない、と係長が言うと、清水は肩を落として情けない声を出す。
「そうですよっ!普段からしゃべり慣れてないと、本番では上手くいかないですからっ!」
「…それはお前、開き直りなのでは?」
恨めしげに視線を向ける清水と無邪気な安藤のやり取りを係長は微笑ましく見ている。
係長はきっと茉白の顔など知らないと思う。いくら新入社員の中で…いやこの会社のトップクラスの美人だといえ、他の課の…ましてや新入社員の顔など、普通はいちいち容姿を見に行かないのだ。
ぽんぽんとやり取りをする安藤と清水に、俺も係長もただ聞いているだけで若者の話についていけない。
「課長はどうです?」
「…俺?」
突然清水から話を振られた。
「…清水、今矢須川は彼女が出来たばかりで大事な時期なんだからほっとけ」
「斎木さん、誤解を招く表現やめてくれ」
「そうか?お前が身なりを気にするなんて入社した時から知ってるが、初めてじゃないか」
係長は最近俺に訪れた変化に気がついて、そっとしとけと部下たちに言う。当時入社した時に俺に営業のいろはを教えてくれたこの先輩──今は係長になった斎木さんは俺の変化などすぐに分かるもので、バツが悪くて気まずいし敵わないと改めて思う。
「そうなんすかっ?」
「…やっぱり、最近の課長おしゃれですもんね」
自分でもファッション誌や特集をみて身だしなみを気にするようになったし、最近は茉白と休みの日に買い物に行った時とかに彼女の見立てでYシャツやネクタイ、その他小物も買っている。その茉白に毎朝今日つけるネクタイを選んで貰っているなんて…今惚気たら大変だと話を逸らす事にした。
「俺の話はいいから、この中で唯一結婚してる斎木さんの話でも聞こう」
「…げっ、嫌がらせかっ矢須川!俺なんて尻に敷かれてるよ、娘は口聞いてくれんし」
なんて言いつつ、目尻を和らげ嬉しそうに言う係長に、清水は羨ましいと羨望の眼差しを向けている。反対に清水は係長の表情に気が付かずに言葉をそのまま信じて、結婚は恐ろしいと青ざめる。
『昨日はこのネクタイだったけど、今日はこっちの似た色たけど柄が光に反射しておしゃれだと思うの』
『あなたっ!お風呂掃除やっといてねって言ったじゃない!もうっ!』
『パパキモい、話しかけてこないで』
朝のネクタイ選びのやり取りから、いつの間にか歳を重ねた茉白を想像して、茉白にそっくりな架空の娘だが…に、軽蔑の眼差しを向けられる未来を膨らませ、なかなか悪くない未来だ、とほくそ笑んだ。
***************
ミーティングが終わり携帯電話を見ると、遅いお昼休憩を取っていると彼女のSNSのメッセージに気がついた。場所を聞いてそちらへ向かうと、会社の近くにある広場にいた。植木が並ぶ広場の日陰のベンチに座る茉白は、俺を見つけると手を振った。流石にもう夏に近いから暑いのではないのかと言ったら、彼女は食後の散歩していただけと言った。
──確かに今日の茉白は俺のシャツだな
鎖骨まで隠す丸首のシャツの下ギリギリに、キスマークをつけたのを思い出した。少しでも肌が露出したら見える赤い印は、他の人が見たら俺の彼女への並々ならぬ執着が伺えると思う。
──自分でもヤバいと思っているけど、どうする事も出来ない
このまま彼女と戯れたいな、と思っていたが、今はまだ仕事中だと思い出す。
「…今日は何時くらいに帰るの?」
茉白が俺と同じ事を考えているのか、チラッと周りを見て俺のネクタイに手を伸ばした。
「今日はミーティングがあるからそれが終わり次第帰るよ、先に待ってて」
どこの部屋で先に待つようにとは言わずに、俺がそう言うと、茉白は、うん、と返事をする。そして
「これ好き」
そう言って茉白は俺のネクタイをちょっと引くだけで、俺の身体を屈めてしまう。唇が重なるだけのキスだけでも充分嬉しいが、その先の彼女の口の中を知っている貪欲な俺は彼女の口の中へと舌を入れる。口紅を塗った唇のラインをなぞり、固い歯に当たるとそれも舌でなぞる。すると、んふっ、と彼女の甘い声が俺の頭に響いて、もっと聴きたくなる──つまり、もっと口の中に舌を入れて舌を這わすという事になる。
「…早く帰ってきてね」
彼女の使っているグロスが俺の口元に付いたと、彼女はハンドタオルを取り出して俺の口元を拭いながら潤む瞳を俺に向ける。
「ああ、わかった」
基本的に朝のネクタイ選びの時間は真剣に悩む彼女が可愛くてキスをしようとすると、メイクが落ちるからと拒絶されるのに、広場の植木に隠れているとはいえ、同じ社内の人に見られる可能性があるのに茉白とキスをした。
「…そろそろ行くね」
遅いお昼といっても、まだ日差しは強く暑い。この時俺は何故茉白がこんなところにいるのかなんて…顔色が悪いのはただ単に暑いだけで…茉白の様子が変だとは気がつかなかった。
『薫っ』
平日は2回、金曜日から土曜日にかけて聞く甘える声に年甲斐もなく溺れ、特に週末の夜からは我を忘れて体力の続く限り彼女を求めている。
楽しみにしていた数年に一度のWBCも、茉白と付き合う前に毎週欠かさずサブスクで契約したスポーツ動画配信サイトで観ていた野球中継も今は前ほど真剣に観れない。
俺が好きだと言っていた野球の試合がやっている間は、俺の邪魔をしないように料理を始めた茉白を、テレビのついたリビングのソファーで座りながら、チラチラと盗み見てしまう。彼女は料理のレシピを携帯で見て夢中になっているから、俺が彼女を見ているなんて知りもしないだろう。
──対面キッチンにして正解だったな
きっと料理をする彼女の後ろ姿を見ながら過ごすのもいいかもしれないが、やはりもしかしたら目が合うかもしれないから対面の方がやっぱり好ましい。
今は彼女と出会う前に購入した、このマンションに決めた過去の俺にお礼が言いたくてしょうがない。
携帯を見ながらムッと口を結ぶ姿は可愛いし、真剣な眼差しで食材を切っている姿もハッとするほど美しい。
CMだと言っては大した用もないのに、茉白の近くをウロウロする姿はさぞ滑稽に写っているだろう。それなのに茉白は俺の挙動不審な行動を不思議に思っていない。
だが、浮かれた俺には周りの目など、本当に些細な事だった。
一目惚れをした茉白がいて茉白の作るご飯を食べる…全てが順調で…これ以上の好調期はもう今後ないかもしれない。
***************
「いやー、今回の新入社員はなかなか顔がいいやつが多いな」
「そうですか?ありがとうございます」
「…お前自覚あるのか、くそーこれだからイケメンは」
月に一度の定例ミーティングが終わり、会議室の使用できる時間が余ると、雑談が始まる。営業課ではコミュニケーションを鍛えるため、取引先と上辺だけの関係にならないよう日々教えているから、こういった何気ない雑談も大事な仕事の一つと捉えてる。そのおかげで俺も入社した時よりも初対面の人と話をするのが苦ではなくなり、それなりの営業成績を上げられている。
10人掛けのテーブルと椅子、大画面の液晶がある今この会議室にいるのは、俺と係長、部下の清水、そして新入社員の安藤だ。清水と安藤が話を続ける。
「…それよりも、今日の豊嶋さんの格好見ましたか?」
「…豊嶋さん?審査課の?」
「そうです!あの豊嶋さんですよっ」
安藤は頬を若干赤らめて鼻息を荒くして話すから、なんだか危ない人みたいだ。彼女──茉白の名前を出され、俺は内心朝別れたきりの彼女の服装を思い起こしていると、安藤は悲しそうに嘆く。
「あれっ、絶対に男物のYシャツですよっ!」
「って言われてもなぁ…覚えてないなぁ」
ぼやく先輩の清水の言葉に安藤は無視をしてなおも話を続ける。
青いストライプのシャツは買ってみたものの、怖い顔の部類に入る俺には爽やかすぎて似合わないため、一度着たきりであとはクローゼットに掛かってしまっていた。それを茉白が見つけて、彼女にあげたんだが…確かに俺のシャツだから彼シャツだな、なんて口元がニヤけてしまう。軽く咳払いをしつつ、口元を触り誰にも気づかれないように誤魔化す。
「あの大きなシャツ、しかも男物をわざわざ買うなんてありえませんよっ」
確か…そうだ茉白の服装は俺の青いストライプのシャツと黒のマーメイドワンピースと言っていた身体のラインがはっきりとわかるロングスカート、白いTシャツだったと思い出した。
「何?安藤は豊嶋さんが好きなのか?」
営業の係長が話に入ると、安藤は大きく頷いた。
「もちろんですよっ!彼女めちゃくちゃ可愛いし、美人でスタイルもいいから…性格も良くて…一目惚れっす」
普段なら係長に敬語を使っている安藤は興奮しているのか、砕けた口調となる。
「係長からも言ってくださいよー、仕事の合間に豊嶋さんは今日何をしたーとか豊嶋さんが俺にこう言ったーとか報告されて、俺は話したことないのに豊嶋さんのことをよく知る危ないやつになってます」
清水はこれ幸いと安藤の愚痴を話すと、
「そんなに?…でも人と話すのはコミュニケーションの一つだからなぁ」
「…そんなぁ」
仕事に支障がなければいいんじゃない、と係長が言うと、清水は肩を落として情けない声を出す。
「そうですよっ!普段からしゃべり慣れてないと、本番では上手くいかないですからっ!」
「…それはお前、開き直りなのでは?」
恨めしげに視線を向ける清水と無邪気な安藤のやり取りを係長は微笑ましく見ている。
係長はきっと茉白の顔など知らないと思う。いくら新入社員の中で…いやこの会社のトップクラスの美人だといえ、他の課の…ましてや新入社員の顔など、普通はいちいち容姿を見に行かないのだ。
ぽんぽんとやり取りをする安藤と清水に、俺も係長もただ聞いているだけで若者の話についていけない。
「課長はどうです?」
「…俺?」
突然清水から話を振られた。
「…清水、今矢須川は彼女が出来たばかりで大事な時期なんだからほっとけ」
「斎木さん、誤解を招く表現やめてくれ」
「そうか?お前が身なりを気にするなんて入社した時から知ってるが、初めてじゃないか」
係長は最近俺に訪れた変化に気がついて、そっとしとけと部下たちに言う。当時入社した時に俺に営業のいろはを教えてくれたこの先輩──今は係長になった斎木さんは俺の変化などすぐに分かるもので、バツが悪くて気まずいし敵わないと改めて思う。
「そうなんすかっ?」
「…やっぱり、最近の課長おしゃれですもんね」
自分でもファッション誌や特集をみて身だしなみを気にするようになったし、最近は茉白と休みの日に買い物に行った時とかに彼女の見立てでYシャツやネクタイ、その他小物も買っている。その茉白に毎朝今日つけるネクタイを選んで貰っているなんて…今惚気たら大変だと話を逸らす事にした。
「俺の話はいいから、この中で唯一結婚してる斎木さんの話でも聞こう」
「…げっ、嫌がらせかっ矢須川!俺なんて尻に敷かれてるよ、娘は口聞いてくれんし」
なんて言いつつ、目尻を和らげ嬉しそうに言う係長に、清水は羨ましいと羨望の眼差しを向けている。反対に清水は係長の表情に気が付かずに言葉をそのまま信じて、結婚は恐ろしいと青ざめる。
『昨日はこのネクタイだったけど、今日はこっちの似た色たけど柄が光に反射しておしゃれだと思うの』
『あなたっ!お風呂掃除やっといてねって言ったじゃない!もうっ!』
『パパキモい、話しかけてこないで』
朝のネクタイ選びのやり取りから、いつの間にか歳を重ねた茉白を想像して、茉白にそっくりな架空の娘だが…に、軽蔑の眼差しを向けられる未来を膨らませ、なかなか悪くない未来だ、とほくそ笑んだ。
***************
ミーティングが終わり携帯電話を見ると、遅いお昼休憩を取っていると彼女のSNSのメッセージに気がついた。場所を聞いてそちらへ向かうと、会社の近くにある広場にいた。植木が並ぶ広場の日陰のベンチに座る茉白は、俺を見つけると手を振った。流石にもう夏に近いから暑いのではないのかと言ったら、彼女は食後の散歩していただけと言った。
──確かに今日の茉白は俺のシャツだな
鎖骨まで隠す丸首のシャツの下ギリギリに、キスマークをつけたのを思い出した。少しでも肌が露出したら見える赤い印は、他の人が見たら俺の彼女への並々ならぬ執着が伺えると思う。
──自分でもヤバいと思っているけど、どうする事も出来ない
このまま彼女と戯れたいな、と思っていたが、今はまだ仕事中だと思い出す。
「…今日は何時くらいに帰るの?」
茉白が俺と同じ事を考えているのか、チラッと周りを見て俺のネクタイに手を伸ばした。
「今日はミーティングがあるからそれが終わり次第帰るよ、先に待ってて」
どこの部屋で先に待つようにとは言わずに、俺がそう言うと、茉白は、うん、と返事をする。そして
「これ好き」
そう言って茉白は俺のネクタイをちょっと引くだけで、俺の身体を屈めてしまう。唇が重なるだけのキスだけでも充分嬉しいが、その先の彼女の口の中を知っている貪欲な俺は彼女の口の中へと舌を入れる。口紅を塗った唇のラインをなぞり、固い歯に当たるとそれも舌でなぞる。すると、んふっ、と彼女の甘い声が俺の頭に響いて、もっと聴きたくなる──つまり、もっと口の中に舌を入れて舌を這わすという事になる。
「…早く帰ってきてね」
彼女の使っているグロスが俺の口元に付いたと、彼女はハンドタオルを取り出して俺の口元を拭いながら潤む瞳を俺に向ける。
「ああ、わかった」
基本的に朝のネクタイ選びの時間は真剣に悩む彼女が可愛くてキスをしようとすると、メイクが落ちるからと拒絶されるのに、広場の植木に隠れているとはいえ、同じ社内の人に見られる可能性があるのに茉白とキスをした。
「…そろそろ行くね」
遅いお昼といっても、まだ日差しは強く暑い。この時俺は何故茉白がこんなところにいるのかなんて…顔色が悪いのはただ単に暑いだけで…茉白の様子が変だとは気がつかなかった。
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