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26 キスはスポーツ観戦の最中に
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「矢須川さん、お忙しいところ──」
私の背後で呼ばれた彼の名前にどきっとする。
──今日は会社にいる日なのか…
営業の課長って、ずっと席にいるのかと思っていたけど、薫は担当者のフォローをしたり、新入社員やベテランの社員と一緒に取引先へと挨拶回り、または新規開拓もしていると言っていた。
『まっ、たまに会議って名目で新しく出来た彼女と会議室に籠ることもあるけどな』
『なっ!それは薫がっ…んっ、っ』
と、彼は私の反論しようとする私の口を塞いで笑っていたけど。
「豊嶋さん、これなんだけど」
いつぞやの甘い夜の事を思い出していると、先輩から声を掛けられて、今は仕事中だと私は気を引き締めた。
***************
「今日はビーフストロガノフを作るよ!」
「なんだその、舌を噛みそうな名前の料理は」
いつものように彼と駅で待ち合わせをして、夕飯の材料を買いに、薫の家の近くのスーパーに買い物にきた。今日は出来上がった惣菜ではなく、料理をすると言ったら彼は苦笑する。今日は外食もせずに、家で料理をするのには理由があるんだけど、最初はネットで調べた材料をカゴへと入れながら、何の料理を作るか検討もついてない薫に、
「ロシアの家庭料理でね」
薫と待ち合わせしていた時に調べた知識を披露すると、彼はそうかとカゴにビールを入れた。
必要な材料をカゴに入れるとレジで会計して、薫の車にあった──スーパーでよく買い物するようになったから私が置いた──エコバッグを広げて中へと入れていく。ぱんぱんに膨らんだエコバッグを薫は難なく持ち上げると、私の前に手を差し出した。私は彼の差し出された手に自分の手を重ねると、スーパーの駐車場へと向かった。
最近では自分の家にいるより、薫の家にいる時間が多くなって、この二週間洋服や小物を取りに自分の家に行ったぐらいで、滞在時間も2時間にも満たない。しかも荷物を運ぶのに薫も付いてきたから、一人で行動していない。
──これが半同棲ってやつか
今まで付き合っていた人とも自分の時間を持つのが当たり前だった。薫が年上だからかもしれないけど…薫といると気を遣ったりしんどいと思うことはない。薫は毎日定時終わりじゃないから、彼がいない時ぐらいは自分の家に帰ろうとすると彼は私に甘えるのだ。
『帰ってきて家に茉白がいないと寂しい』
って、抱きしめられがらそんな事言われたら、胸がドキドキしてしまうから
『じゃぁ、私薫の帰りを待ってるね』
と彼の言葉に甘えるのだ。
蜜月、と言ってもいいだろう。もう知り合って半年以上になるのに、会社で彼の名前を聞くたび、後ろ姿を見るだけでも嬉しいと思ってしまうから、私は彼の事が大好きなんだと思う。
──今まで一人の時…どうしてたっけ
薫と付き合い始めて一人で過ごしていた出来事を、思い出そうとしてもなかなか出てこない。それくらい薫と過ごす日々が濃厚な証拠なのだと思うけど…たまにこんなにべったりで大丈夫なんだろうかと不安になる事もある。
──どっちみちこんな気持ちになるのかもね
離れていても不安になるなら、そばにいてべったりした方がまだ安心できるって開き直っている。
「ただいまー」
「おかえり」
いつもより帰宅が早くなり、同時に帰ってきたけどちゃんと返事がくると嬉しい。薫はスーパーで買った荷物をカウンターに置くと、ビールを冷蔵庫へ入れた。
「先風呂入る」
「うん、わかった」
これから使う材料ばかりだから、カウンターに出しっぱなしで、彼はバスルームへと向かう。
私は髪をポニーテールに結いで袖をまくり手を洗って、台所の棚に入れていた洗ったブルージーンズ柄のエプロンを出した。
今日は4年に一度行われるWBC──ワールドベースボールクラッシック──のテレビ放送の日で、薫は今週ずっと試合を観ている。国同士で試合をして、世界一を決める野球なんだけど、オリンピックやサッカーのワールドカップみたいな感じだと私は思っている。本当は直接試合を現地で観たいみたいだけど、今回の試合開催地はアメリカなので、仕事の関係で行けない。
スポーツはあんまり知らないけど、WBCが始まった最初の頃は私も薫の横で観ていたけど、テレビに釘付けになっている薫に話しかけるのも忍びなくて、料理を作り始めたらハマってしまっていた。
薫といると外食かテイクアウト、またはデリバリーだけだった食事が、今や彼の家で料理をしている。しかも調味料も片手の鍋──多分インスタント麺でしか使ってなかったと思う──しかなかったこの家に、仕事終わりにスーパーで食材の材料と調味料をついでに買ったり、仕事が休みの日に薫と一緒に調理器具やペアの食器や日常使いできる家具も買いに行くようになった。
モデルルームみたいに何にもなかった薫の家に、少しずつ私の物や家具が増えていっていて、ちょっとだけ擽ったい気持ちになっている。
彼がお風呂に入っているうちに、さっさと作ろうと私はレシピを見るため携帯電話を取り出した。
「…あと何分くらい?」
「もう煮込んでるから10分くらい…おつまみ足りなかった?」
「いや、まだあるよ」
ビールに合う軽いおつまみをメインの料理より先に作って、リビングのソファーの前にあるローテーブルに置いていた。WBCが始まると、薫は冷蔵庫から冷やしていたビールを取り出してそのソファーに座り、試合を観ていた。厚切りにしたチーズをクラッカーの上に乗せて、塩胡椒とオリーブオイルを混ぜて、上からかけただけのシンプルな味だけど薫は気に入ってくれた。あとは茹でた枝豆も少し出していたけど、彼は試合のテレビ中継がCMに入ったのか私の所へやって来た。
「そうだそのさ」
ぐつぐつ煮込むお鍋の中をかき混ぜながら、薫に物をとって貰おうとしたら、彼は私を背後から抱きしめた。
「どうしたの?」
「いや、別に」
彼は私の肩に顎を置くと、そう言って頬にキスをする。キスをされたから振り返ると、今度は口にキスをされた。戯れるように啄むキスをしていると、だんだんと唇が重なる時間が長くなり舌の絡まる濃厚になっていく。私の口内に広がるビールの味とおつまみの塩味を、もっと味わいたくなる。
もう少しキスをしたいと私は手にしていたお玉を鍋から取って鍋に蓋をすると、彼のいる後ろを向くと薫と向かい合わせとなる。薫の腰に腕を巻きつけ抱きつくと、彼の手も私の背中と腰に回って屈んでくれた。思う存分キスを堪能していると、テレビのCMが終わり、実況者の解説する声が聞こえた。
「…始まったよ」
「…うん」
舌を強く吸われたあと、私の口内をぐるりと彼の舌が這うと、名残惜しげに彼はソファーへと戻って行った。
料理も作り終わって、お風呂へと入って髪を乾かしても、薫はまだテレビの前のソファーに座っていた。時計を見るともうそろそろ21時になりそうで、次の番組もあるからそろそろ終わりかもと薫の右横に座ることにした。身体の大きな彼のグレーの無地のTシャツを着ただけのシンプルなワンピースのような服装は、この家に泊まったときからお決まりの部屋着だ。
ソファーの背もたれに背中を預けて座る薫の横に座ると、彼は私の肩に腕を回した。引き寄せられるように薫に身体を寄せて座ると一緒に大画面のテレビを観る。ソファーの前にあるローテーブルには、ビールの空き缶が2つとグラスに注いだ半分くらい入ったビール、3分の2がなくなったおつまみのお皿、画面が真っ暗な薫の携帯電話があった。
「勝ってるの?」
「…ああ」
テレビ画面を見ればすぐにわかるけど、それを知ってあえて薫の肩に頭を乗せて薫に聞くと、彼はそうだと言った。
──最初は色々ルールとか選手とか頑張って覚えようとは思ったんだけど…
何回言われても少しも覚えられないし、毎回この選手は誰?って薫に聞くことになるから無理して覚えるのはやめた。だけど、アメリカのメジャーリーグで活躍している二刀流の選手は覚えた。毎回トップニュースに載ってるし、すごい人らしくWBCでもよくテレビ画面に映るので覚えれたようなものだ。
結局試合に夢中になっている薫の邪魔は出来ないなぁ、と思いつつ、彼の胸板に頬をつけると、私もテレビを見た。
「あっ、小谷さんだ」
メジャーリーグでも活躍している選手が画面いっぱいに映ると、私の口から彼の名前が出た。その後すぐに野球会場を埋め尽くす観客席が映り、試合の中継が始まる。
「覚えたのか?」
「…うん?」
薫が呟く声が小さすぎて良く聞こえなかったので、顔を上げると薫が私の唇を奪う。
突然の事で驚いたけど、ゆっくりと目を閉じて彼の舌に応える。分厚い舌が私の口内を満たし、口内を我が物顔で動く舌に自分の舌を添えると、ちゅうと強く吸われる。
ふぅっ、と口で息を吐きながら、彼の舌が私の口内からいなくなると、満たされて苦しかった存在がなくなり物足りなくなる。口寂しくなった私は彼の首筋に額をつけて、強く抱きついた。
試合が流れるテレビをまた見始めた彼に、少しの寂しさを感じながらも、邪魔をしてはいけないと自制するけど…
──キスをされたら…その先も期待しちゃうよね
なんて、手を出してくる──実際にはキスしかされていないけど──薫に心の中で八つ当たりをする。自分は好きなように私に触るのに、試合が始まると私に興味をなくしたかのように、テレビを観る彼に面白くない気持ちが高くなっていく。
彼の首筋につけていた額を離し、彼の脇に上半身を押し付ける。シャツの下はブラトップがついたキャミソールで、普段のブラとは違い柔らかな胸が潰れてしまう。目の前にある無地の白いシャツの中に右手を入れ、固い筋肉のお腹を撫でると、私の肩に置かれた手がぴくりと動いて、私の腰へと手を下ろした。何も言わなれないのをいいことに、彼の胸板まで手を這わせて上げ、自分と同じ胸の中心にある粒を摘んだりこねたりしていると硬くなっていく。両方の粒で遊んだあとはまた彼のお腹へと戻り、今度はグレーのスウェット素材のハーフパンツの腰のゴムの下に指を忍び込ませ中へと進む。ハーフパンツの下はボクサーパンツが手の先にすぐに当たり、そこにある柔らかな膨らみに手を添えた。薫は座る位置を調整するけど、視線は画面を向いている。ゆっくりと下から上へ──太ももの付け根からお腹へと撫でると、柔らかかった膨らみに芯が出来ていく。指先を曲げて膨らみを包むと、今度は下から上へと撫でる面積が大きくなっていく。撫でるたびにむくむくと硬くなる膨らみは、面白いくらい変化をするからつい夢中になってしまう。
ボクサーパンツの前の重なった生地の中に手を入れて、彼の昂りを直接触ると膨らんでいた側面は熱くて火傷をしてしまいそうだ。直接彼の昂りを触ってから、私は彼の右の太ももに自分の右足を掛けて身を乗り出し、彼の首筋に舌を這わす。ワンピースのように着ていたグレーのTシャツから飛び出した生足を彼の太ももの上で擦り、彼のハーフパンツがズレて上がる。
「っ、茉白」
「ん…ッ…薫、は試合っ…観ててっ」
好き勝手触っていたら、彼の手が私のシャツの中に入って、下着だけのお尻に手を這わせて揉み始めた。
空いていた左手で彼のシャツをたくし上げて、硬い凹凸のできている胸元が見えると私は彼の胸の粒を口につけた。硬い弾力のない肌に舌を這わし、硬くなった粒を口に含むと、ちゅう、と吸いつき舌を使って転がした。彼の胸に舌を這わし、彼のハーフパンツの中に手を入れて昂りを上下に擦っていると、彼の昂りの先端に親指の腹を当てるとヌルリとしたツユが溢れているのに気がついた。
「っ、茉白…乗って」
彼の太ももにも自分の太ももを擦っていたら、私の額に薫の唇がついて彼の熱い吐息がかかる。
「…ん」
彼の足の上に足を広げて跨ぎながら向かい合わせに座ると、彼の手が私の腰を掴む。
「シャツ咥えて見せて」
彼に言われるがまま、自分のシャツをたくし上げると黒いブラカップ付きキャミソールが露わになる。ぎろりと睨むように私の胸を見る薫の視線は熱く、私の体温を上げていく。
「動いて、茉白」
低く私を命令する声に逆らえずに、私の腰に彼の手が置かれたまま腰を緩やかに前後に動かす。私を固定して支えるように置かれた大きな手に身を委ね、大胆な動きもできる。彼の膨らみのあるハーフパンツの生地が私の下着に擦れて、気持ちいい。自分が気持ちいいと思うところに下着の下半身に当たると、そこばかりの痺れるような快感を求めてしまう。
「そこが気持ちいいのか?」
「うんっ、うんっ、気持ちいいっ」
下から突き上げられて、お互いの下半身を擦り合わせる。彼の前で見せる痴態も、お互いの快感を高める甘美な時間のスパイスになる。
彼の言葉に頷くと口からシャツが落ちて、私の胸の上に引っかかる。薫の肩に左手を置いて、重なったお互いの下半身にある彼の膨らみを撫でる。腰を浮かせた彼の動きに合わせて、ハーフパンツとボクサーパンツを下げる。太くて固くなって天井に向かって勃ち上がる彼の昂りが、ソファーで膝立ちになった私の太ももの付け根に当たる。今度は私の下着をずらして、彼の昂りの先端を自分の蜜口に充てがう。
『打ちましたー!ついに…』
私の背後では野球の実況者の声が聞こえ、歓声が上がる。
「薫っ、んっ」
膝立ちしていま足がプルプルと震えて力が入らなくなって彼の上へと落ちて、蜜口が目一杯広がり彼の先端を飲み込んでいく。じわじわと蜜壺の奥へと進む昂りに体の火照りを加速させる。彼の肩に両手を置くと、荒々しく口を塞がれ噛みつくように舌を絡められる。
「愛してるっ、茉白っ」
「薫っ、んんっ」
顔の角度を何度も変えながら彼の頭を抱きしめると、彼の昂りが私の蜜壺を貫き、ぴたりと下半身が重なる。ガタガタッと、彼がローテーブルを蹴り、私を持ち上げると立ったまま下から突き上げられ揺さぶられる。ぱんぱんっと激しくぶつかる下半身は重なっては離れて、また勢いよく重力に逆らえずに落ちて深く繋がる。彼の腰に足を巻き付けると、彼の手が私のお尻を掴む。私を持ち上げてるのに、びくともしない腕に──むしろお尻を揉む余裕もあるところにますます好きになる。
「はっ、アッ、っ、かおるっ、か、っん」
立っていたのにソファーにそっと仰向けに寝かされ、今度はじっくりと蜜壺の中を昂りが堪能するように彼の腰が動く。揺さぶられ足を上げさせられて、今度は抽送をされながらふくらはぎに舌を這わされる。
「今度からシャツの下は何にも着なくていいかもな」
「あっ、あっ、ばかっ、あっ…んっ、あっ」
まるで下の黒いキャミソールが気に食わないみたいな口ぶりだ。私が手を伸ばすと、彼は上体を屈めて私の顔の横に肘をついた。唇を重ねて舌を絡めると、またテレビから野球の歓声が聞こえる。
「ん…野球、いいの?」
「茉白より大事なのはないよ」
自分から仕掛けといて…とはいっても、いまさらやめられも困るんだけど…一応聞いてみると、彼はふっと笑うと私の唇を喰みながら、そう呟いた。
「好き、薫」
「俺も茉白」
お互いの唇を喰み合いながら、愛の言葉を囁き合う。下半身は繋がり、次第に抽送が早くなっていき肌がぶつかる。言葉一つで絶頂へと一歩ずつ確実に近く。
「あっ、あっ、好きっ、好きっぁあ!」
「はっ、ぐっ…っ」
ぎゅうぅっと、彼の声に反応してしまい締まる蜜壺は彼の昂りを締め付け、蜜壺の中で膨らんだ昂りは熱い証を放出した。勢いよく蜜壺に注がれる証で、私の快感は絶頂へと達したのだ。
数時間にも及ぶ濃厚な時間を中断させたのは──
ぐぅっ、と私のお腹が鳴ると、彼は、あははっと大笑いをする。
「なっ!薫は食べてたけどっ、私は何にも食べてないって」
「そうだな、ビーフなんとか食べるか…これが終わったら、な」
「ちょっ…あっ、ぅっ」
顔を真っ赤にして怒る私に、彼は腰を揺らして抽送を続けた。彼がしっかりと終わるまで、私はご飯をお預けにされた。
──今度からっ、絶対にご飯食べてから薫に触るっ!
途中からテレビがうるさくて、私がそっちの声を気にして集中していないし私の声が聞こえないと薫はテレビを消したのだ。
脱ぎ捨てられていたグレーのTシャツを着て、温め直したビーフストロガノフを並んで食べると、食後の食器はそのままで、食べ方がエロいと薫に襲われた。
この日から私が『好き』と言うと、薫が『愛している』と私に頻繁に言うようになった。
私の背後で呼ばれた彼の名前にどきっとする。
──今日は会社にいる日なのか…
営業の課長って、ずっと席にいるのかと思っていたけど、薫は担当者のフォローをしたり、新入社員やベテランの社員と一緒に取引先へと挨拶回り、または新規開拓もしていると言っていた。
『まっ、たまに会議って名目で新しく出来た彼女と会議室に籠ることもあるけどな』
『なっ!それは薫がっ…んっ、っ』
と、彼は私の反論しようとする私の口を塞いで笑っていたけど。
「豊嶋さん、これなんだけど」
いつぞやの甘い夜の事を思い出していると、先輩から声を掛けられて、今は仕事中だと私は気を引き締めた。
***************
「今日はビーフストロガノフを作るよ!」
「なんだその、舌を噛みそうな名前の料理は」
いつものように彼と駅で待ち合わせをして、夕飯の材料を買いに、薫の家の近くのスーパーに買い物にきた。今日は出来上がった惣菜ではなく、料理をすると言ったら彼は苦笑する。今日は外食もせずに、家で料理をするのには理由があるんだけど、最初はネットで調べた材料をカゴへと入れながら、何の料理を作るか検討もついてない薫に、
「ロシアの家庭料理でね」
薫と待ち合わせしていた時に調べた知識を披露すると、彼はそうかとカゴにビールを入れた。
必要な材料をカゴに入れるとレジで会計して、薫の車にあった──スーパーでよく買い物するようになったから私が置いた──エコバッグを広げて中へと入れていく。ぱんぱんに膨らんだエコバッグを薫は難なく持ち上げると、私の前に手を差し出した。私は彼の差し出された手に自分の手を重ねると、スーパーの駐車場へと向かった。
最近では自分の家にいるより、薫の家にいる時間が多くなって、この二週間洋服や小物を取りに自分の家に行ったぐらいで、滞在時間も2時間にも満たない。しかも荷物を運ぶのに薫も付いてきたから、一人で行動していない。
──これが半同棲ってやつか
今まで付き合っていた人とも自分の時間を持つのが当たり前だった。薫が年上だからかもしれないけど…薫といると気を遣ったりしんどいと思うことはない。薫は毎日定時終わりじゃないから、彼がいない時ぐらいは自分の家に帰ろうとすると彼は私に甘えるのだ。
『帰ってきて家に茉白がいないと寂しい』
って、抱きしめられがらそんな事言われたら、胸がドキドキしてしまうから
『じゃぁ、私薫の帰りを待ってるね』
と彼の言葉に甘えるのだ。
蜜月、と言ってもいいだろう。もう知り合って半年以上になるのに、会社で彼の名前を聞くたび、後ろ姿を見るだけでも嬉しいと思ってしまうから、私は彼の事が大好きなんだと思う。
──今まで一人の時…どうしてたっけ
薫と付き合い始めて一人で過ごしていた出来事を、思い出そうとしてもなかなか出てこない。それくらい薫と過ごす日々が濃厚な証拠なのだと思うけど…たまにこんなにべったりで大丈夫なんだろうかと不安になる事もある。
──どっちみちこんな気持ちになるのかもね
離れていても不安になるなら、そばにいてべったりした方がまだ安心できるって開き直っている。
「ただいまー」
「おかえり」
いつもより帰宅が早くなり、同時に帰ってきたけどちゃんと返事がくると嬉しい。薫はスーパーで買った荷物をカウンターに置くと、ビールを冷蔵庫へ入れた。
「先風呂入る」
「うん、わかった」
これから使う材料ばかりだから、カウンターに出しっぱなしで、彼はバスルームへと向かう。
私は髪をポニーテールに結いで袖をまくり手を洗って、台所の棚に入れていた洗ったブルージーンズ柄のエプロンを出した。
今日は4年に一度行われるWBC──ワールドベースボールクラッシック──のテレビ放送の日で、薫は今週ずっと試合を観ている。国同士で試合をして、世界一を決める野球なんだけど、オリンピックやサッカーのワールドカップみたいな感じだと私は思っている。本当は直接試合を現地で観たいみたいだけど、今回の試合開催地はアメリカなので、仕事の関係で行けない。
スポーツはあんまり知らないけど、WBCが始まった最初の頃は私も薫の横で観ていたけど、テレビに釘付けになっている薫に話しかけるのも忍びなくて、料理を作り始めたらハマってしまっていた。
薫といると外食かテイクアウト、またはデリバリーだけだった食事が、今や彼の家で料理をしている。しかも調味料も片手の鍋──多分インスタント麺でしか使ってなかったと思う──しかなかったこの家に、仕事終わりにスーパーで食材の材料と調味料をついでに買ったり、仕事が休みの日に薫と一緒に調理器具やペアの食器や日常使いできる家具も買いに行くようになった。
モデルルームみたいに何にもなかった薫の家に、少しずつ私の物や家具が増えていっていて、ちょっとだけ擽ったい気持ちになっている。
彼がお風呂に入っているうちに、さっさと作ろうと私はレシピを見るため携帯電話を取り出した。
「…あと何分くらい?」
「もう煮込んでるから10分くらい…おつまみ足りなかった?」
「いや、まだあるよ」
ビールに合う軽いおつまみをメインの料理より先に作って、リビングのソファーの前にあるローテーブルに置いていた。WBCが始まると、薫は冷蔵庫から冷やしていたビールを取り出してそのソファーに座り、試合を観ていた。厚切りにしたチーズをクラッカーの上に乗せて、塩胡椒とオリーブオイルを混ぜて、上からかけただけのシンプルな味だけど薫は気に入ってくれた。あとは茹でた枝豆も少し出していたけど、彼は試合のテレビ中継がCMに入ったのか私の所へやって来た。
「そうだそのさ」
ぐつぐつ煮込むお鍋の中をかき混ぜながら、薫に物をとって貰おうとしたら、彼は私を背後から抱きしめた。
「どうしたの?」
「いや、別に」
彼は私の肩に顎を置くと、そう言って頬にキスをする。キスをされたから振り返ると、今度は口にキスをされた。戯れるように啄むキスをしていると、だんだんと唇が重なる時間が長くなり舌の絡まる濃厚になっていく。私の口内に広がるビールの味とおつまみの塩味を、もっと味わいたくなる。
もう少しキスをしたいと私は手にしていたお玉を鍋から取って鍋に蓋をすると、彼のいる後ろを向くと薫と向かい合わせとなる。薫の腰に腕を巻きつけ抱きつくと、彼の手も私の背中と腰に回って屈んでくれた。思う存分キスを堪能していると、テレビのCMが終わり、実況者の解説する声が聞こえた。
「…始まったよ」
「…うん」
舌を強く吸われたあと、私の口内をぐるりと彼の舌が這うと、名残惜しげに彼はソファーへと戻って行った。
料理も作り終わって、お風呂へと入って髪を乾かしても、薫はまだテレビの前のソファーに座っていた。時計を見るともうそろそろ21時になりそうで、次の番組もあるからそろそろ終わりかもと薫の右横に座ることにした。身体の大きな彼のグレーの無地のTシャツを着ただけのシンプルなワンピースのような服装は、この家に泊まったときからお決まりの部屋着だ。
ソファーの背もたれに背中を預けて座る薫の横に座ると、彼は私の肩に腕を回した。引き寄せられるように薫に身体を寄せて座ると一緒に大画面のテレビを観る。ソファーの前にあるローテーブルには、ビールの空き缶が2つとグラスに注いだ半分くらい入ったビール、3分の2がなくなったおつまみのお皿、画面が真っ暗な薫の携帯電話があった。
「勝ってるの?」
「…ああ」
テレビ画面を見ればすぐにわかるけど、それを知ってあえて薫の肩に頭を乗せて薫に聞くと、彼はそうだと言った。
──最初は色々ルールとか選手とか頑張って覚えようとは思ったんだけど…
何回言われても少しも覚えられないし、毎回この選手は誰?って薫に聞くことになるから無理して覚えるのはやめた。だけど、アメリカのメジャーリーグで活躍している二刀流の選手は覚えた。毎回トップニュースに載ってるし、すごい人らしくWBCでもよくテレビ画面に映るので覚えれたようなものだ。
結局試合に夢中になっている薫の邪魔は出来ないなぁ、と思いつつ、彼の胸板に頬をつけると、私もテレビを見た。
「あっ、小谷さんだ」
メジャーリーグでも活躍している選手が画面いっぱいに映ると、私の口から彼の名前が出た。その後すぐに野球会場を埋め尽くす観客席が映り、試合の中継が始まる。
「覚えたのか?」
「…うん?」
薫が呟く声が小さすぎて良く聞こえなかったので、顔を上げると薫が私の唇を奪う。
突然の事で驚いたけど、ゆっくりと目を閉じて彼の舌に応える。分厚い舌が私の口内を満たし、口内を我が物顔で動く舌に自分の舌を添えると、ちゅうと強く吸われる。
ふぅっ、と口で息を吐きながら、彼の舌が私の口内からいなくなると、満たされて苦しかった存在がなくなり物足りなくなる。口寂しくなった私は彼の首筋に額をつけて、強く抱きついた。
試合が流れるテレビをまた見始めた彼に、少しの寂しさを感じながらも、邪魔をしてはいけないと自制するけど…
──キスをされたら…その先も期待しちゃうよね
なんて、手を出してくる──実際にはキスしかされていないけど──薫に心の中で八つ当たりをする。自分は好きなように私に触るのに、試合が始まると私に興味をなくしたかのように、テレビを観る彼に面白くない気持ちが高くなっていく。
彼の首筋につけていた額を離し、彼の脇に上半身を押し付ける。シャツの下はブラトップがついたキャミソールで、普段のブラとは違い柔らかな胸が潰れてしまう。目の前にある無地の白いシャツの中に右手を入れ、固い筋肉のお腹を撫でると、私の肩に置かれた手がぴくりと動いて、私の腰へと手を下ろした。何も言わなれないのをいいことに、彼の胸板まで手を這わせて上げ、自分と同じ胸の中心にある粒を摘んだりこねたりしていると硬くなっていく。両方の粒で遊んだあとはまた彼のお腹へと戻り、今度はグレーのスウェット素材のハーフパンツの腰のゴムの下に指を忍び込ませ中へと進む。ハーフパンツの下はボクサーパンツが手の先にすぐに当たり、そこにある柔らかな膨らみに手を添えた。薫は座る位置を調整するけど、視線は画面を向いている。ゆっくりと下から上へ──太ももの付け根からお腹へと撫でると、柔らかかった膨らみに芯が出来ていく。指先を曲げて膨らみを包むと、今度は下から上へと撫でる面積が大きくなっていく。撫でるたびにむくむくと硬くなる膨らみは、面白いくらい変化をするからつい夢中になってしまう。
ボクサーパンツの前の重なった生地の中に手を入れて、彼の昂りを直接触ると膨らんでいた側面は熱くて火傷をしてしまいそうだ。直接彼の昂りを触ってから、私は彼の右の太ももに自分の右足を掛けて身を乗り出し、彼の首筋に舌を這わす。ワンピースのように着ていたグレーのTシャツから飛び出した生足を彼の太ももの上で擦り、彼のハーフパンツがズレて上がる。
「っ、茉白」
「ん…ッ…薫、は試合っ…観ててっ」
好き勝手触っていたら、彼の手が私のシャツの中に入って、下着だけのお尻に手を這わせて揉み始めた。
空いていた左手で彼のシャツをたくし上げて、硬い凹凸のできている胸元が見えると私は彼の胸の粒を口につけた。硬い弾力のない肌に舌を這わし、硬くなった粒を口に含むと、ちゅう、と吸いつき舌を使って転がした。彼の胸に舌を這わし、彼のハーフパンツの中に手を入れて昂りを上下に擦っていると、彼の昂りの先端に親指の腹を当てるとヌルリとしたツユが溢れているのに気がついた。
「っ、茉白…乗って」
彼の太ももにも自分の太ももを擦っていたら、私の額に薫の唇がついて彼の熱い吐息がかかる。
「…ん」
彼の足の上に足を広げて跨ぎながら向かい合わせに座ると、彼の手が私の腰を掴む。
「シャツ咥えて見せて」
彼に言われるがまま、自分のシャツをたくし上げると黒いブラカップ付きキャミソールが露わになる。ぎろりと睨むように私の胸を見る薫の視線は熱く、私の体温を上げていく。
「動いて、茉白」
低く私を命令する声に逆らえずに、私の腰に彼の手が置かれたまま腰を緩やかに前後に動かす。私を固定して支えるように置かれた大きな手に身を委ね、大胆な動きもできる。彼の膨らみのあるハーフパンツの生地が私の下着に擦れて、気持ちいい。自分が気持ちいいと思うところに下着の下半身に当たると、そこばかりの痺れるような快感を求めてしまう。
「そこが気持ちいいのか?」
「うんっ、うんっ、気持ちいいっ」
下から突き上げられて、お互いの下半身を擦り合わせる。彼の前で見せる痴態も、お互いの快感を高める甘美な時間のスパイスになる。
彼の言葉に頷くと口からシャツが落ちて、私の胸の上に引っかかる。薫の肩に左手を置いて、重なったお互いの下半身にある彼の膨らみを撫でる。腰を浮かせた彼の動きに合わせて、ハーフパンツとボクサーパンツを下げる。太くて固くなって天井に向かって勃ち上がる彼の昂りが、ソファーで膝立ちになった私の太ももの付け根に当たる。今度は私の下着をずらして、彼の昂りの先端を自分の蜜口に充てがう。
『打ちましたー!ついに…』
私の背後では野球の実況者の声が聞こえ、歓声が上がる。
「薫っ、んっ」
膝立ちしていま足がプルプルと震えて力が入らなくなって彼の上へと落ちて、蜜口が目一杯広がり彼の先端を飲み込んでいく。じわじわと蜜壺の奥へと進む昂りに体の火照りを加速させる。彼の肩に両手を置くと、荒々しく口を塞がれ噛みつくように舌を絡められる。
「愛してるっ、茉白っ」
「薫っ、んんっ」
顔の角度を何度も変えながら彼の頭を抱きしめると、彼の昂りが私の蜜壺を貫き、ぴたりと下半身が重なる。ガタガタッと、彼がローテーブルを蹴り、私を持ち上げると立ったまま下から突き上げられ揺さぶられる。ぱんぱんっと激しくぶつかる下半身は重なっては離れて、また勢いよく重力に逆らえずに落ちて深く繋がる。彼の腰に足を巻き付けると、彼の手が私のお尻を掴む。私を持ち上げてるのに、びくともしない腕に──むしろお尻を揉む余裕もあるところにますます好きになる。
「はっ、アッ、っ、かおるっ、か、っん」
立っていたのにソファーにそっと仰向けに寝かされ、今度はじっくりと蜜壺の中を昂りが堪能するように彼の腰が動く。揺さぶられ足を上げさせられて、今度は抽送をされながらふくらはぎに舌を這わされる。
「今度からシャツの下は何にも着なくていいかもな」
「あっ、あっ、ばかっ、あっ…んっ、あっ」
まるで下の黒いキャミソールが気に食わないみたいな口ぶりだ。私が手を伸ばすと、彼は上体を屈めて私の顔の横に肘をついた。唇を重ねて舌を絡めると、またテレビから野球の歓声が聞こえる。
「ん…野球、いいの?」
「茉白より大事なのはないよ」
自分から仕掛けといて…とはいっても、いまさらやめられも困るんだけど…一応聞いてみると、彼はふっと笑うと私の唇を喰みながら、そう呟いた。
「好き、薫」
「俺も茉白」
お互いの唇を喰み合いながら、愛の言葉を囁き合う。下半身は繋がり、次第に抽送が早くなっていき肌がぶつかる。言葉一つで絶頂へと一歩ずつ確実に近く。
「あっ、あっ、好きっ、好きっぁあ!」
「はっ、ぐっ…っ」
ぎゅうぅっと、彼の声に反応してしまい締まる蜜壺は彼の昂りを締め付け、蜜壺の中で膨らんだ昂りは熱い証を放出した。勢いよく蜜壺に注がれる証で、私の快感は絶頂へと達したのだ。
数時間にも及ぶ濃厚な時間を中断させたのは──
ぐぅっ、と私のお腹が鳴ると、彼は、あははっと大笑いをする。
「なっ!薫は食べてたけどっ、私は何にも食べてないって」
「そうだな、ビーフなんとか食べるか…これが終わったら、な」
「ちょっ…あっ、ぅっ」
顔を真っ赤にして怒る私に、彼は腰を揺らして抽送を続けた。彼がしっかりと終わるまで、私はご飯をお預けにされた。
──今度からっ、絶対にご飯食べてから薫に触るっ!
途中からテレビがうるさくて、私がそっちの声を気にして集中していないし私の声が聞こえないと薫はテレビを消したのだ。
脱ぎ捨てられていたグレーのTシャツを着て、温め直したビーフストロガノフを並んで食べると、食後の食器はそのままで、食べ方がエロいと薫に襲われた。
この日から私が『好き』と言うと、薫が『愛している』と私に頻繁に言うようになった。
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