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22 成澤駿平という男 2※
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金曜日になって、俺は会社から駅までの道のりを歩いていた。珍しく1時間の残業だけですんだ仕事が終わり、土日の休みをどう過ごそうかと思っていたが、歩いている時にたまたま映画のポスターが貼られているのに気がついて足を止めた。
――おっ、このあいだ観た映画の完結編か
独り身となって時間に余裕ができた俺は、仕事が終わると家で動画配信サイトで映画を観ていた。観るのはもっぱらアクション映画が多いけど、たまに恋愛映画も観て、『こんな男いねー!』とゲラゲラ笑っていた。
――上映時間…っと、今から買えば間に合うか
映画のポスターの横に、今週の上映時間と書かれた同じサイズのポスターが貼られ、よく観たら今上映されている作品のポスターが一例に並んでいた。それに時計を見ると、ちょうど四十分後に上映が始まるみたいで、俺はやる事ないし映画でも観るかと、そのポスターが貼られている建物の中へと入った。
ものすごい混雑している映画館ロビーは、映画のチケットを買う客で溢れていた。
「本日、1日はシネマデーで会員でなくても、全作品千円で鑑賞できます!」
と、館内放送でアナウンスされているのを聞いて、そうか今日は映画安い日だからこんなに人がいるのかと納得した。
天井の高い映画館のロビーは、高層ビルの建物の中とは思えないくらい不思議な空間だった。キャッシュレス対応の映画チケットを購入するタッチパネルの機械が10台ほど壁面に接して並び、他にはインフォメーションカウンター、ポップコーンや飲み物、上映作品のグッズの売店もある。
俺はまずはチケット購入しようと、列ができている所へ向かうと、俺よりも背の低い女性の後ろへと並んだ。その女性は、肩まであるセミロングの黒髪で、薄ブルーの半袖のシャツと黒のロングスカートを履いていて、スマホをいじっていた。列を形成しているポールの間に7人くらい並んでいて、チケット購入機で買っている人のタッチパネルの操作が早いから映画の上映に間に合いそうだとホッとする。
あっという間に俺の前に並ぶ彼女の番になって、購入待ちの列の出口の前にあるチケット購入機でチケット購入した客が、間違えて俺達が並ぶポールの間に入ってきて彼女とぶつかった。映画の時間が差し迫っていたのだろうか焦って突進してきた客に、彼女はバランスを崩して後ろへと倒れると、俺はとっさに手が出て彼女の身体を支えた。
彼女にぶつかった人は、ヘラヘラ笑いながら、「すいません」と言いながら立ち去ると、俺は非常識なやつだと呆れた。
「すいません、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ、大丈夫です…か…あれ?」
彼女が振り向き、俺にお礼をいうと、俺はこんなの何でもないです、と言おうして目を見開いた。
「あっ、成澤くん」
「小笠原さん」
俺の前に並んでいたのは、俺の会社の部署は違うが主任の小笠原さんだった。俺の部署の横のデスクで働く彼女は、ハキハキと物事をはっきりとする人で、会社の人たちからはお局さん、的な感じで見られていた。俺は挨拶をした程度であまり交流はないが、この間一緒に入った同期が『正論なんだけど、言い方キツイんだよなぁ』とぼやいていた。
そんな彼女が俺の前にいるのが不思議だった。だって失礼だが、映画を映画館で観るようなタイプにはみれなかったからだ。
「お客様こちらの機械が空いておりまーす」
彼女がまた何か言おう口を開いたら、チケット購入機へ誘導する従業員が手を上げていた。
「ありがと、じゃ」
「あっ、はい」
彼女は軽く頭を下げると、従業員が言っていたチケット購入機へと向かい、俺はちょうど主任にぶつかったさっきの客がいた機械の前へと行った。
俺がこれから観る作品は、2年に一度のペースで公開されていた第3部作のうちの最後のアクション映画だ。最近見始めた動画配信サイトで特集をやっていたのは、完結編が公開されるからかと今更ながら知り、やっと完結作を観るのか、とまるで自分も第1作目から映画館で観てきたみたいな感慨深い気持ちになる。
「Dの、15は…っと」
よくみたらこの映画が公開されたのは先週らしかったが、金曜日とシネマデーということもあり観たかった回の座席はほぼ埋まっていた。それでも空いていた席を取って購入すると、チケットが機械から出てきた。そのまま売店コーナーに向かい、飲み物を購入すると俺は、まもなく開場をするチケットを取った映画のやるスクリーン6へと向かった。
映画館の醍醐味といえば、売店のポップコーン、大きいスクリーンと音量で見るシネマだが、俺は本編上映前にやる予告編だと思っている。これからやる作品の特報や公開のお知らせに、普段なら広告なんてスキップするのに、臨場感のある映画館でみると魅入ってしまうから不思議だ。その予告編のあとにやる上映マナーもまた映画館ごとによって違うから面白い。
チケットに記載された番号の座席へと向かうと、一番後ろの座席の中央より右寄り側の座席の前について座った。一番両端の通路側は移動にも便利なのでもう埋まっていて、座席の中央も正面にくるから観やすいので席を取ろうにもすでに購入されてチケットが取れなかったので、半端な中央よりも右寄りの席になってしまった。
開場直後だからか座る人も多く、席に移動している人もいる。大きなスクリーンではこれからやる映画の予告編が、始まっていた。俺は売店で購入した飲み物のジンジャーエールを飲み、ボケーッとスクリーンを見ていると、
「あっ」
と女性の声が聞こえて、声のした左側に顔を向けると、俺の座席の前を通りたい女性――なんと、さっき別れたばかりの小笠原主任がいた。
俺が座り直すと、彼女は俺の前を通って俺の右隣に座った。
「主任もこの映画好きなんですか?」
隣に知り合いが座ると気まずいが、一応挨拶がてら小声で話かけると、うん、と彼女は小声で返事をしてくれた。
「…公開されるたびに映画観ていたんだ、すごい好きな作品」
「そう…なんですね」
映画なんて興味ない、って感じなのに、意外な趣味があって驚いた。
――そりゃ、そうだろ、普段の主任しか知らない
わりかしキツめに物事をはっきりさせる彼女は、堅物で融通が効かないと有名だったけど、他の人と同様に好きな事、プライベートがあって当然だと今思い知る。
――それにちょっと、笑うと可愛いな
笑うと主任の頬にエクボが出来て、キツイ眼差しが緩み柔らかな雰囲気を醸し出す。
暗い劇場だからか…俺はしばしの間、嬉しそうにこれから上映される作品について語る彼女の笑顔に見惚れていた。
「…っ、ぐっ」
上映作品の終盤になると、もうすぐ完結してしまい二度と新しい作品が出ない最終作だからか、それとも主人公が瀕死でヒロインに告白するシーンとなったからか、ちらほらと啜り泣く声が聞こえてくる。ずっとこの作品を熱弁していた隣に座る主任も例外ではなく、ハンカチで口元を抑え涙を堪えていた。
人が泣くのを感じとると、俺も少なからず感動していたのに、どうしても感動シーンの映画を冷めた目で見てしまう。気になってチラッと見ると、俺は目を見張った。
ぽろぽろと大粒の涙を流す彼女は、涙でスクリーンなんて見れないだろうに、一生懸命大きく目を開けていた。
その姿に俺は、なぜか目が離せなくなり、面白くないと思ってしまった。
「…ふぅ」
エンドロールが流れ、劇場が明るくなると、彼女はため息を吐いた。
「…感動しましたね」
泣いていた彼女に気を取られ、全くこれっぽっちも後半のことなど覚えていなかった俺は、隣に座る主任に話しかけると、彼女は大泣きしたところを見られて恥ずかしいのか、
「うん、感動した」
と素っ気ない返事をした。手にはハンカチが握られ、目元には化粧が涙で流れた焦茶の筋ができている。触りたくなる衝動を抑え、俺は立ち上がろうとする彼女に
「…主任、このあとご飯行きませんか?」
と気がついたら口から勝手に言葉が出て彼女を誘っていた。
――おっ、このあいだ観た映画の完結編か
独り身となって時間に余裕ができた俺は、仕事が終わると家で動画配信サイトで映画を観ていた。観るのはもっぱらアクション映画が多いけど、たまに恋愛映画も観て、『こんな男いねー!』とゲラゲラ笑っていた。
――上映時間…っと、今から買えば間に合うか
映画のポスターの横に、今週の上映時間と書かれた同じサイズのポスターが貼られ、よく観たら今上映されている作品のポスターが一例に並んでいた。それに時計を見ると、ちょうど四十分後に上映が始まるみたいで、俺はやる事ないし映画でも観るかと、そのポスターが貼られている建物の中へと入った。
ものすごい混雑している映画館ロビーは、映画のチケットを買う客で溢れていた。
「本日、1日はシネマデーで会員でなくても、全作品千円で鑑賞できます!」
と、館内放送でアナウンスされているのを聞いて、そうか今日は映画安い日だからこんなに人がいるのかと納得した。
天井の高い映画館のロビーは、高層ビルの建物の中とは思えないくらい不思議な空間だった。キャッシュレス対応の映画チケットを購入するタッチパネルの機械が10台ほど壁面に接して並び、他にはインフォメーションカウンター、ポップコーンや飲み物、上映作品のグッズの売店もある。
俺はまずはチケット購入しようと、列ができている所へ向かうと、俺よりも背の低い女性の後ろへと並んだ。その女性は、肩まであるセミロングの黒髪で、薄ブルーの半袖のシャツと黒のロングスカートを履いていて、スマホをいじっていた。列を形成しているポールの間に7人くらい並んでいて、チケット購入機で買っている人のタッチパネルの操作が早いから映画の上映に間に合いそうだとホッとする。
あっという間に俺の前に並ぶ彼女の番になって、購入待ちの列の出口の前にあるチケット購入機でチケット購入した客が、間違えて俺達が並ぶポールの間に入ってきて彼女とぶつかった。映画の時間が差し迫っていたのだろうか焦って突進してきた客に、彼女はバランスを崩して後ろへと倒れると、俺はとっさに手が出て彼女の身体を支えた。
彼女にぶつかった人は、ヘラヘラ笑いながら、「すいません」と言いながら立ち去ると、俺は非常識なやつだと呆れた。
「すいません、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ、大丈夫です…か…あれ?」
彼女が振り向き、俺にお礼をいうと、俺はこんなの何でもないです、と言おうして目を見開いた。
「あっ、成澤くん」
「小笠原さん」
俺の前に並んでいたのは、俺の会社の部署は違うが主任の小笠原さんだった。俺の部署の横のデスクで働く彼女は、ハキハキと物事をはっきりとする人で、会社の人たちからはお局さん、的な感じで見られていた。俺は挨拶をした程度であまり交流はないが、この間一緒に入った同期が『正論なんだけど、言い方キツイんだよなぁ』とぼやいていた。
そんな彼女が俺の前にいるのが不思議だった。だって失礼だが、映画を映画館で観るようなタイプにはみれなかったからだ。
「お客様こちらの機械が空いておりまーす」
彼女がまた何か言おう口を開いたら、チケット購入機へ誘導する従業員が手を上げていた。
「ありがと、じゃ」
「あっ、はい」
彼女は軽く頭を下げると、従業員が言っていたチケット購入機へと向かい、俺はちょうど主任にぶつかったさっきの客がいた機械の前へと行った。
俺がこれから観る作品は、2年に一度のペースで公開されていた第3部作のうちの最後のアクション映画だ。最近見始めた動画配信サイトで特集をやっていたのは、完結編が公開されるからかと今更ながら知り、やっと完結作を観るのか、とまるで自分も第1作目から映画館で観てきたみたいな感慨深い気持ちになる。
「Dの、15は…っと」
よくみたらこの映画が公開されたのは先週らしかったが、金曜日とシネマデーということもあり観たかった回の座席はほぼ埋まっていた。それでも空いていた席を取って購入すると、チケットが機械から出てきた。そのまま売店コーナーに向かい、飲み物を購入すると俺は、まもなく開場をするチケットを取った映画のやるスクリーン6へと向かった。
映画館の醍醐味といえば、売店のポップコーン、大きいスクリーンと音量で見るシネマだが、俺は本編上映前にやる予告編だと思っている。これからやる作品の特報や公開のお知らせに、普段なら広告なんてスキップするのに、臨場感のある映画館でみると魅入ってしまうから不思議だ。その予告編のあとにやる上映マナーもまた映画館ごとによって違うから面白い。
チケットに記載された番号の座席へと向かうと、一番後ろの座席の中央より右寄り側の座席の前について座った。一番両端の通路側は移動にも便利なのでもう埋まっていて、座席の中央も正面にくるから観やすいので席を取ろうにもすでに購入されてチケットが取れなかったので、半端な中央よりも右寄りの席になってしまった。
開場直後だからか座る人も多く、席に移動している人もいる。大きなスクリーンではこれからやる映画の予告編が、始まっていた。俺は売店で購入した飲み物のジンジャーエールを飲み、ボケーッとスクリーンを見ていると、
「あっ」
と女性の声が聞こえて、声のした左側に顔を向けると、俺の座席の前を通りたい女性――なんと、さっき別れたばかりの小笠原主任がいた。
俺が座り直すと、彼女は俺の前を通って俺の右隣に座った。
「主任もこの映画好きなんですか?」
隣に知り合いが座ると気まずいが、一応挨拶がてら小声で話かけると、うん、と彼女は小声で返事をしてくれた。
「…公開されるたびに映画観ていたんだ、すごい好きな作品」
「そう…なんですね」
映画なんて興味ない、って感じなのに、意外な趣味があって驚いた。
――そりゃ、そうだろ、普段の主任しか知らない
わりかしキツめに物事をはっきりさせる彼女は、堅物で融通が効かないと有名だったけど、他の人と同様に好きな事、プライベートがあって当然だと今思い知る。
――それにちょっと、笑うと可愛いな
笑うと主任の頬にエクボが出来て、キツイ眼差しが緩み柔らかな雰囲気を醸し出す。
暗い劇場だからか…俺はしばしの間、嬉しそうにこれから上映される作品について語る彼女の笑顔に見惚れていた。
「…っ、ぐっ」
上映作品の終盤になると、もうすぐ完結してしまい二度と新しい作品が出ない最終作だからか、それとも主人公が瀕死でヒロインに告白するシーンとなったからか、ちらほらと啜り泣く声が聞こえてくる。ずっとこの作品を熱弁していた隣に座る主任も例外ではなく、ハンカチで口元を抑え涙を堪えていた。
人が泣くのを感じとると、俺も少なからず感動していたのに、どうしても感動シーンの映画を冷めた目で見てしまう。気になってチラッと見ると、俺は目を見張った。
ぽろぽろと大粒の涙を流す彼女は、涙でスクリーンなんて見れないだろうに、一生懸命大きく目を開けていた。
その姿に俺は、なぜか目が離せなくなり、面白くないと思ってしまった。
「…ふぅ」
エンドロールが流れ、劇場が明るくなると、彼女はため息を吐いた。
「…感動しましたね」
泣いていた彼女に気を取られ、全くこれっぽっちも後半のことなど覚えていなかった俺は、隣に座る主任に話しかけると、彼女は大泣きしたところを見られて恥ずかしいのか、
「うん、感動した」
と素っ気ない返事をした。手にはハンカチが握られ、目元には化粧が涙で流れた焦茶の筋ができている。触りたくなる衝動を抑え、俺は立ち上がろうとする彼女に
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