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12 祝日1

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流石に疲れたと、お互いが休もうとベッドの上に横になると、淡い口づけをしている間に疲れ知らずの彼の昂りを太ももに感じた。
「…もぅ、見ちゃダメだからね」
ごくん、と唾を飲み込む彼に見ないでと唇に人差し指を当てた後に言って、怠い身体を叱咤しながら起きて、薄手のタオルケットの中へと私は潜り込んだ。電気のついた部屋の中で、薄手のタオルケットの中にある彼の身体なんて、若干暗いが光を通してほぼ丸見えだ。そそり立つ昂りは天井をむいて、午前中よりかは、ほんの少しだけ小さい気もするが、それでも片手で握れるほどでもなかった。一日中私を夢中にさせてくれた昂りに愛おしい気持ちが溢れ、抵抗もなく口に入れると、タオルケットを退かされた。明るくなった視界は、彼の全てが見え、反対に彼も私のしている事の全てを見ているのだろう。熱い視線を頭で感じるが、このそそり立つ昂りを愛でたい気持ちが勝り、熱心に舌を這わし舐めて、先端しか口に入れられなかったが…口に入れて、ちゅうちゅうと赤ちゃんのように吸い付いた。起き上がった彼は、私のお尻に手を伸ばして、お尻を掴むと揉み、蜜口へと指先を忍ばせた。すでにお互いの気持ちいいところなどお見通しの私達は、積極的に愛撫をして、または自分から腰を動かして今触ってほしい一番に感じるところへと誘導させた。
ちゅっと彼の昂りから顔を上げると、彼の腰の上へと座らされ、下から彼の昂りが私の蜜壺を貫いた。
ベッドから脚を出して、床に足を付けた薫が立ち上がると、お尻を掴まれて腰を動かした薫によって立ったまま抽送が始まった。
「あっは…っ気持ち、いいっ、あっんっ、んっぅっいくっ、いくっ…ぅんっ、っ」
「イけっ、イけっ、茉白っ!」
恥ずかしさも、恥じらいも、たった1日の繋がりで消えた私は、もう素直な気持ちが口から溢れ、薫も私を追い立てる言葉づかいもストレートになった。

部屋の中を歩きながら貫かれ、思い出したかのように壁に押し付けられ激しく抽送される。もう出ない、もう無理と口から出ては、啄むキスだけで2人の身体は火がついた。
本当に死ぬかも、と思ったら眠り、どちらかが起きたらお互いの身体を弄り起こす。ベタベタな身体も、ティッシュで拭うのも面倒になって最終的にタオルケットで拭うようになった。薫が着ていたスーツを汚しても、えっち特有の匂いが部屋に充満している事にも気が付かない2人。完全にタガが外れ、土曜日の朝から始まって、それしか考えられなくなった動物のように交わる時間が終わったのは日曜日の夜になってからだった。




「なんか注文するか」
充電させていた携帯電話を取り出し、アプリを開いて宅配してくれるご飯屋を調べる彼の足の間に座って、彼の携帯画面を一緒に見ていた。私も薫も軽くシャワーを浴びて、私はオーバーサイズのロングTシャツを着ている。ミニスカートのように短い丈のTシャツから出る生脚には、薫がつけた幾つもの鬱血のあとが残る。薫は私の家にある一番大きなTシャツを貸したけど、薫には小さくてぴちぴちとはち切れそうだ。男物の下着なんて持ってないから、腰にバスタオルを巻いている。彼が着ていたスーツは皺が出来ていたので、ハンガーに掛けて吊るしているし、洗濯出来るものは今洗濯かごにまとめて置いている。いかんせん、洗濯する物がたくさんあって脱衣所で洗濯されるのを順番待ちをしている。何を食べたいか聞かれても、ご飯のことなど考えるのも煩わしく何でもいいと言えるくらいは疲れていたので、ただ無の感情のまま、彼のアプリ操作を見ていた。
「…っ、よし、あと40分でくるな」
支払いも、口頭で告げたこのマンションの住所も指先一つで済ませ、注文が完了したらしい。…らしいというのも、アプリで料理を注文した事のない私は、仕組みがよくわかっていなくて、いつの間にか終わっていたと認識している。
「…もう一日、休みがあってよかった」
月曜日が祝日じゃなかったら、動けないから休んでいたはずだ。たまたま今日が三連休の2日目だったのだ。携帯電話を置いた薫は私を背後から抱きしめ、私も左横にある彼の腕に頭を乗せて薫に体重をかけた。
「昨日は急に来て悪かった」
そう言って薫は私の首筋に顔を埋めると、唇を押し付けた。
「ううん、会えて良かったから…本当に気にしないで」
薫がこの部屋に来た経緯を教えたら、青ざめた彼から何度も謝られているけど、びっくりしただけで嫌だとは思わなかった。それよりも彼の前で大胆にも乱れていた事の方を思い出してしまって、若干気まずい気持ちになっている。そんな事を薫に言うと、
「そう?可愛くてどうしようかと思ったけど」
と、薫も身体を重ねてから、なんだかキャラが変わったみたいに甘くなる。
「ふふっ、絶対可愛くないでしょ」
首に顔を埋められたまま話されると、擽ったくて笑っちゃう。いちゃいちゃとしていたら、玄関のチャイムが鳴って、注文していたご飯が届いた。




***************





「すごい、もう乾いた」
夜中に何回も回した洗濯物を朝イチで干して、お昼になる頃には干した服は乾いていた。洗濯物を全て室内に入れ、綺麗になった薫の下着とタンクトップとYシャツを、他のタオルケットと私の衣類とで分けた。洗濯した物を分けている私の背中を見つめている熱い視線を感じたけど、私は気にせずにいた。薫の綺麗になった衣類を持って、彼が横になっていたベッドへと近寄って腰掛けると、気だるげに起き上がった薫が私を背後から抱きしめた。昨日洗濯したのとは別の薄手のタオルケットから薫の太い太ももが露わになって、私の両足の横に飛び出した。私の手から洋服を取り上げると、私を抱きしめなおした。薫がちょっと動いただけなのに、私のベッドはギシッと音が鳴る。
「…やっぱりベッド買い替えようかな」
シンプルなデザインのシングルのベッドは、今まで自分しか使ってこなかったから不便を感じないけど、これからも薫が泊まりにくるなら話は別だ。流石に毎回床ではしたくはない。
「ん、今度の休み見にいくか?」
「家具屋さんに?」
「そう、それまでは…なるべく気をつける」
「また来てくれるの?」
「うん、茉白がよかったら俺の家にも来てほしい」
また泊まりに来るつもりで言ってくれて、嬉しくなる。抱きしめられている腕の中で、うしらを振り向き薫に抱きつく。
「やばいな、ずっとこうしてると見境なくなっちまうな…どこかへ行こうか」
「ならスーツにアイロンをしないと…皺になっちゃったから」
ハンガーに掛けたスーツは昨夜から吊るしているけど、着れなくはないが、皺が残ってしまっている。こんな時はアイロンをしてしまった方が、皺が目立たない。アイロンを出して…って考えていたら、薫が私の髪先を弄りながら
「…そうだな、その前に一緒に風呂に入ろ」
と言ったのだ。


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